メダカの飼い方を初心者にもわかりやすく解説!水槽や餌を選ぶポイントは?

記事の目次
メダカってどんな魚?
メダカは熱帯魚などと異なる魚です。大きなメダカは4cm以上に成長する場合もありますが、基本的には小型の魚なので、比較的小型の水槽でも飼え、広いスペースがなくても飼育しやすいでしょう。また、寿命は飼育環境などによりますが2~3年、餌は1日1~2回でOK。複数を混泳させやすいので、たくさん魚が泳いでいるのを眺めるのが好きな方にも向いています。初心者でも飼育しやすく、繁殖させることも可能です。
メダカの種類
メダカにも実は種類があります。ここでは、黒メダカと改良品種のメダカについて、それぞれの特徴などを見ていきましょう。
黒メダカ

メダカにはさまざまな改良品種がありますが、その原種に近いのが「黒メダカ」です。体は黒というより薄いグレーやこげ茶色に近く、模様などないシンプルな見た目。水温の低い環境でも生きられ、室内だけでなく屋外でも飼うことができ、初心者におすすめです。
品種メダカ

メダカには500種以上もの改良品種がいるとされています。外見や特徴などをもとに名付けられたものが多く、例えば「ヒメダカ」「楊貴妃ヒカリメダカ」「ダルマメダカ」などさまざま。黒メダカは初心者におすすめとお伝えしましたが、品種メダカでも「ヒメダカ」「白メダカ」「楊貴妃メダカ」などは体が丈夫で飼育しやすいでしょう。基本的には普通の体型をしていて、原種である黒メダカに近い品種が初心者にはおすすめです。
メダカを選ぶときのポイント
メダカを飼う際には、次の2点をポイントとして選びましょう。
オスとメスの見分け方

繁殖を考えているのであればオスとメスの両方を、考えていなければ一方のみを選びましょう。メダカは背びれと尻びれでオスかメスか見分けることができます。オスは背びれがギザギザで、尻びれは平行四辺形。一方で、メスは背びれに丸みがあり、尻びれは尾びれに向けて細くなる形状をしています。ショップなどで購入する場合、わからなければスタッフに見分けてもらうと安心です。
健康なメダカの見分け方
健康なメダカは、ぷっくりとした体型で、水槽の中を活発に泳ぎ回っています。一方、体調が悪いなど健康面に問題があるメダカは、水槽の底のあたりでじっと動かずにいることが多いでしょう。あるいは、水面で一生懸命に口を動かして呼吸していたり、肌に艶がないメダカも健康的ではありません。飼育するのであれば、できるだけ健康で元気なメダカを選ぶとよいでしょう。
メダカの飼育環境
メダカは幅広い環境で飼いやすい魚ですが、だからといって、どんな環境でもよいというわけではありません。長く元気に育ってもらうには、以下の点に注意して環境を整えてください。
メダカの飼育に向いている場所
メダカは屋内・屋外いずれでも飼育できますが、それぞれメリットとデメリットがありますので確認しておきましょう。
屋内で飼う場合のメリット・デメリット
メダカを室内で飼育する場合、ネコや鳥をはじめとした天敵からメダカを守ることができます。また、太陽光による影響で水温が大きく変化したり、雨水で水嵩が増えすぎたりということもないので、飼育しやすいでしょう。ただし、LEDライトやヒーターなどの購入が必要になりますし、その使用に伴って電気代などもかかります。LEDライトを用いても外で太陽の日を浴びるのと比べ、水槽に入れる水草が育ちにくいというデメリットもあります。
屋外で飼う場合メリット・デメリット
屋外では室内と違って天敵から攻撃を受ける可能性があり、対策が欠かせません。また、水温が太陽光や外気の影響で変化しやすく、管理が大変です。
一方、太陽の日を浴びることはメダカの成長や長生きせるのに有効です。水草も育ちやすく、産卵させたい場合にも適した環境が作りやすいでしょう。
メダカの飼育に必要なもの

メダカを飼育する際には、以下のものを用意してください。
水槽
まずは、メダカが生活するための水槽が必要です。よくある四角い水槽はもちろん、鉢タイプやインテリアタイプなど形状はさまざま。飼いたいメダカの大きさや数に応じて、適した大きさを選んでください。
ろ過装置・フィルター
水槽の水は、メダカの排泄物や残った餌などの影響で汚れていきます。定期的な掃除が必要ですが、ろ過装置・フィルターがあれば常時水をクリーンな状態に保ちやすく、掃除の頻度も抑えられます。
飼育水
水道水をそのまま水槽に入れて飼育に使うと、メダカの体調が悪くなったり病気になったりする可能性があります。専用の飼育水を使うか、中和剤を使って水道水をカルキ抜きして使いましょう。
水草・底砂
メダカを飼育する際は、水槽に水草や底砂などを入れるとよいでしょう。水草は卵を産む際に産卵床になるほか、水質悪化の予防にも役立ちます。メダカの飼育には、マツモやホテイソウ、アナカリスなどの水草がおすすめ。室内飼育ならカボンバやドワーフフロッグビット、屋外飼育ならウォーターポピーやグリーンロタラなどもメダカに適しています。
餌
メダカも生き物ですから食べ物が必要です。餌には人工飼料や生き餌、乾燥餌、冷凍餌などいろいろな種類があります。また、稚魚なら小さな粒のものなど、人工飼料でもメダカの大きさなどに応じて適したものを選びましょう。
水槽の設置手順
水槽の設置方法について、手順を追って確認していきます。
場所を決めて水槽器具を設置する
まずは、水槽を置く場所を決めましょう。室内であれば誤って倒してしまわないよう、少し高い位置にします。特に小さな子どもがいる、犬や猫を飼っているなどの場合には、いたずらをされないように注意してください。水槽の下に滑り止めのシートを敷くのもおすすめです。
屋外なら地面に設置することが多いですが、直射日光があまり当たらない場所を選ぶのがポイント。雨水も水が汚れる原因になるため、屋根のある場所が望ましいでしょう。
水槽に底砂を入れる
水槽を設置したら、水槽に底砂を入れます。底砂を平に敷いてもよいですが、十分な量があれば、少し傾斜をつけるなど見た目を工夫してみてもよいでしょう。
水槽にカルキ抜きした水を入れる
続いて、水槽にカルキ抜きした水、もしくは飼育水を入れます。この時、底砂の種類によっては水流で舞ってしまうことがあるので注意してください。ゆっくり入れる、あるいは底砂の上にお皿などを置き、その上に水が当たるようにして入れると底砂が舞いにくくなります。
水草を入れる
底砂に埋めるようにして、浮かないように水草を入れます。水草は水槽の見た目を彩るものでもあるので、メダカが泳ぐ姿をイメージしながらレイアウトすると見栄えがよくなります。水草のほかに、石などを入れる場合はこのタイミングで一緒に設置します。
ろ過装置・フィルターを設置する
ろ過装置やフィルターを設置します。これで、メダカが生活する環境の整備は完了です。
メダカを入れる
最後に、メダカを水槽に入れましょう。最初は新しい環境なので、動きが緩やかかもしれません。あまり刺激しないように、慣れるまで見守ってあげてください。
メダカのお世話の仕方

続いて、メダカのお世話の仕方について解説します。メダカは初心者でも飼いやすい魚ですが、トラブルが起きないよう覚えておいてください。
餌のあげ方
餌は1日2回を目安にあげましょう。ただし、水温の低くなる春や秋は1回でも十分です。また、冬に冬眠した場合には餌やりは不要です。餌は3~5分程度で食べ終わる量とし、あげ過ぎに注意してください。餌の食べ残しがあると、水質悪化の原因になります。
水槽の水換え・掃除方法
水槽の水は月1回を目安に、状態を見ながら定期的におこなって清潔な環境を保ちましょう。水換えといっても、水槽内の水をすべて入れ替える必要はありません。底砂などに隠れたゴミを取り除き、半分~3分の1程度の水を入れ替えます。以下手順に従っておこなってください。
- STEP 1水槽に苔などの汚れがある場合は、水替え前にメラミンスポンジなどを使ってきれいにしておく
- STEP 2水換え用のホースを使って、底砂などにあるごみを取り除きながら半分~3分の1程度の水を抜く
- STEP 3吸いだした水でろ材を洗う
- STEP 4カルキを抜いたきれいな水を入れて終了
冬眠中のお世話の仕方
屋外でメダカを飼育している場合、冬になると水温が下がり、10度を下回ってくるとメダカは冬眠状態になります。冬眠中のメダカは、水槽の底で動かなくなり、餌もあまり食べなくなります。冬眠状態になったら、基本的に何もせずそっとしておきましょう。ただし、水が完全に凍ってしまうと死んでしまいますので、水が十分に満たされた状態にして、水槽の水は表面が凍る程度の温度を保ってください。
メダカを長生きさせるためのポイント
メダカの寿命は2~3年といわれますが、飼育の仕方によっても左右されます。長生きさせるために、以下の点に注意して飼育しましょう。
水質と水温に気を付ける
水温が大きく変化すると、メダカにストレスがかかってしまいます。そのため、できれば水槽用のヒーターやクーラーを用いて、水温を一定に保ちましょう。水温は25度程度を目安にしてください。
餌を与えすぎない
餌を与えすぎると食べ残しが発生し、水質悪化の原因になります。また、食べ過ぎもメダカにはよくないので、餌は適量を心がけましょう。
適度な掃除と水換えをする
定期的に掃除や水の入れ替えをおこない、水槽をきれいな状態に保ちましょう。ただし、一気にたくさんの水を入れ替えると、水質の大きな変化にストレスが溜まることがあります。水は半分~3分の1程度の入れ替えにしてください。
日光浴をさせる
日光浴して紫外線を浴びると、骨の形成に欠かせないビタミンA・Dが体内で作られます。毎日、太陽の光を浴びさせてあげましょう。難しい場合には、LEDや蛍光灯など電気の光でも構いません。
病気の予防をする
メダカの状態を観察し、病気にならないよう予防しましょう。特に以下はメダカがかかりやすい病気です。
尾ぐされ病
尾ぐされ病は、初期段階では、尾びれなどのひれが白く濁る、充血するなどの症状が現れます。悪化するとヒレが欠けるなどして、末期にはひれがなくなってしまいます。水質悪化が主な原因となるため、水質がきれいな状態を保ちましょう。症状が見られたら、初期であれば治療薬で治ることもあります。
白点病
白点病は、メダカの体に白い点が現れます。白点虫(ウオノカイセンチュウ)という寄生虫が原因で、同じ水槽内にいる他のメダカにも感染してしまいます。まずは寄生されたメダカを入れないことが重要ですので、メダカを購入する時に症状のあるメダカがいないか目視で確認しましょう。白点虫は高水温に弱いので、症状があれば水温を28~30度程度の高めに保ってください。また、治療薬を水槽に入れて薬浴させることで、症状の改善が期待できます。
エラ病
エラ病は、エラに現れる病気の総称で、エラが機能低下してしまう病気です。エラ病にかかると酸素がうまく取り込めなくなるため、水面で懸命に口を動かして呼吸している場合は注意してください。カラムナリス菌の感染、もしくは寄生虫や繊毛虫が原因として考えられます。水温の変化・低下が菌の増加や寄生虫の活発化につながるため、ヒーターを使って水温を安定させましょう。また、水質をきれいに保つことも大切。もし症状が出た場合は、塩水浴や薬浴によって改善する可能性があります。
メダカの繁殖方法

メダカを繁殖させたい場合は、以下の点を覚えて飼育しましょう。
メダカの繁殖期
メダカの産卵期は4~10月頃です。ただし、日照時間の長さや水温が関係しているため、適した環境を作ればこれ以外の時期でも繁殖させられます。
産卵におすすめの環境
産卵には1日のうち明るい時間(日照時間)が13時間以上、水温は18度~27度程度が適切です。全体で5~10匹ほど、メスを1~2匹多くして飼育すると繁殖させやすいでしょう。メダカは主に水草へ卵を産み付けます。ホテイソウやマツモ、アナカリスなどの水草や浮き草を用意すると、メダカが卵を産み付けやすくなります。
孵化しやすい条件
メダカの孵化には25度前後の水温と、きれいな水質を保つことが大切です。そして卵を産んだら、産み付けられた水草ごと親とは別の水槽に移し替えます。そうしないと、他のメダカに稚魚が食べられてしまうかもしれません。
稚魚が生まれたときの対応
稚魚が産まれたら、数日は餌をあげなくても大丈夫ですが、稚魚用の餌もあります。稚魚の餌になる植物プランクトンをたくさん含んだ「グリーンウォーター」を活用するのもおすすめ。こまめに水槽を掃除して、病気にならないよう清潔な環境を保ってあげましょう。
メダカを飼うときに注意すべきこと
メダカを飼うなら、以下の点に注意してください。
メダカとの混泳相性に気を付ける
メダカはネオンテトラなど小型の熱帯魚をはじめ、ドジョウやヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビ、貝類などと混泳させられます。一方、肉食の生き物や、ザリガニ、カエルなどはメダカを食べてしまうことがあります。また、大型の魚との混泳も、メダカにとってストレスの原因となるので避けてください。
メダカを食べてしまう天敵の対策をする
屋外飼育の場合は、外敵からメダカを守ることも大切です。ネコや鳥、カエル、ヘビ、昆虫などは天敵なので、水槽にネットを張ったり蓋をするなどして、中に入れないようにしましょう。
川や池などへの放流は厳禁
メダカは自然界に存在していない血統・特徴を持っています。そのため、生態系を崩す恐れがあるので、絶対に池や川、海などに放流してはいけません。飼育し始めたからには、最後まで責任を持って飼いましょう。
ペット不可物件でもメダカは飼える?

ネコや犬などと異なり、メダカならペット不可物件でも飼えると思う方がいるかもしれません。しかし、基本的にペット不可物件では、メダカも飼うことができません。勝手に飼育するとトラブルにつながる可能性があるので注意しましょう。
飼育可でも気を付けること
たとえペット可物件でも、メダカを飼うなら以下の点に注意しましょう。
水濡れに注意
水交換などの際に、周囲が水濡れしないよう注意してください。濡れたことに気付かず放置したり、長時間にわたって濡れた状態になったりしていると、その箇所が劣化してしまいます。また、漏電火災の恐れもあります。
水槽の重さに注意
水槽の重さにも注意しましょう。水が入った水槽はとても重くなるため、床に傷がついてしまう可能性があります。集合住宅の場合、一般的な床の耐荷重は建築基準法で定められており180kg/m2となります。水槽のサイズも十分に検討することが必要です。
水槽の置き場所に注意
ぶつかってしまったり、地震などの揺れで落ちたりしないよう、水槽は安全で安定した場所に置きましょう。また集合住宅の場合、ベランダ・バルコニーには水槽を置かないことも注意点です。避難時には他の方も利用する共用部分にあたるため、管理規約で禁止されていることがほとんどでしょう。水槽の汚れた水をベランダ・バルコニーの排水溝から流すこともトラブルにつながります。
メダカの飼育についてよくある質問
メダカの寿命はどれくらい?
メダカの寿命は2~3年程度で、飼育環境によっても左右されます。
メダカは何匹で飼うのが理想?
メダカを飼う時の理想の数は、水槽の大きさにもよって異なりますが、繁殖を考えるなら5~10匹以上を目安にするとよいでしょう。
メダカの水槽に入れてはいけないものは何?
メダカの水槽には、カルキ抜きのされていない水道水や化学肥料、強い水流のろ過フィルターなどを入れるのは避けましょう。
メダカは何日餌をあげなくても大丈夫?
旅行などでメダカへ餌をあげられない場合、1週間程度であれば大丈夫です。長期不在にするからといって、大量の餌を入れておくといったことはやめましょう。
メダカが死んでしまうのはなぜ?
メダカが死んでしまう原因は、さまざまな病気や天敵による攻撃などが考えられます。病気については、水温や水質が適切でないことが主な原因です。
まとめ
メダカは、初心者でも飼いやすい人気の魚です。幅広い環境で飼育できますし、室内だけでなく屋外でも飼うことが可能です。実際に飼育する際は、本記事で解説した内容をぜひ参考にしてください。
なお、ペット不可の物件では、基本的にメダカも飼うことができません。ただし、なかにはメダカや金魚など、小さな魚はOKとしてもらえることもあります。勝手に飼うのではなく、必ず飼育できるかを事前に確認してから、楽しく大切に育てましょう。
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