金魚の飼い方を初心者向けに解説!必要なものは?ポンプなしでも大丈夫?

記事の目次
金魚ってどんな魚?
お祭りの「金魚すくい」でも目にするほど、多くの方にとって身近な金魚。まずは金魚がどのような魚なのか、その特徴や魅力を解説します。
金魚の特徴

金魚には、次のような特徴があります。
もともとはフナの突然変異体
金魚はもともと、フナが突然変異したもの。中国南部でフナのなかに黄色いヒブナが混ざっていることがあり、そのかけ合わせで色んな品種が生み出され、これらを「金魚」と呼ぶようになったといわれています。
うまく飼育すると10年以上生きることも
金魚の寿命は品種や飼育状況によって異なりますが、うまく育てれば10年以上でも生きるとされています。ただし、金魚は環境変化に弱いので、長生きさせたい場合には十分に注意してください。
エサを高頻度で与えると大きく成長するケースも
金魚というと、小さくて可愛らしい魚をイメージする方は多いかもしれません。しかし、品種や水槽の大きさ、水温などの環境にもよりますが、高頻度でエサを与えると大きく成長することが多いようです。ただし、エサのやり過ぎは消化不良を起こしかねないほか、食べ残しによって水槽内の水質汚染を招く可能性があるので注意しましょう。
ペットとしての金魚の魅力
さまざまな種類の魚がいるなかで、金魚にはどのような魅力があるのでしょうか。ここで、具体的に3つの点をご紹介します。
初心者でも飼いやすい
金魚は水温や水質に対して適応力があり、初心者でも飼いやすい魚です。品種にもよりますが、混泳させて複数の金魚を飼うことも難しくありません。
入手機会が多い
ペットショップなどに行くと、さまざまな種類の金魚が販売されています。値段も手頃な品種が多く、飼い始めやすい魚です。また、夏祭りなどのイベントで「金魚すくい」があれば、これをきっかけに飼いはじめることもできます。そのため、身近で入手しやすい魚といえるでしょう。
種類が豊富で見ごたえあり
金魚といっても、その種類は実に多様です。色や大きさが異なる他、たとえば尾が派手だったり、全体的に丸みを帯びた形をしたりと、特徴的な品種がたくさんあります。かけ合わせは考える必要がありますが、複数種を混泳させることもできるため、とても見応えがあります。
金魚の種類

国内で最初に紹介された金魚である「和金」をはじめ、長い尾ひれのある「コメット」や「朱文金(しゅぶんきん)」、まん丸い体が特徴的な「ピンポンパール」、目の大きく突き出た「出目金」など種類が多様です。また、「リュウキン」は多くの方がイメージするまさに金魚の見た目ですし、背びれのない「ランチュウ」のような種類もあります。ヒレの形や大きさ、体の形状、色や模様などがさまざまなため、飼いたい金魚を選ぶだけで楽しくなりますね。
金魚を選ぶときのポイント
金魚を選ぶときは、以下のようなポイントを意識しましょう。
- 元気に泳いでいる
- ヒレに欠損がなく、白い点なども見られない
- 同じ水槽に死んでいたり病気と見られたりする金魚がいない
- 水がキレイな状態で保たれている
泳ぎが変だったり元気がなかったりすると、何かしら金魚の健康状態が悪い可能性があります。また、ヒレの欠損や白い点は病気のサインかもしれません。気になった金魚が元気でも、同じ水槽に病気だったり死んでしまっていたりする金魚がいると、すでに病気に感染している可能性も。病気には水質が影響する場合が多く、濁った水で飼育されている金魚も要注意です。
金魚の飼育環境
金魚を長く元気な状態で飼い続けるためには、飼育環境がとても大切です。
金魚をどこで飼う?
金魚は室内と屋外、いずれでも飼育可能です。それぞれにメリットとデメリットがあるので、あらかじめ確認して飼育場所を検討しましょう。
屋内で飼う場合のメリット・デメリット
室内飼育では、猫や鳥など天敵から金魚が襲われるリスクを回避できます。時間を問わず、いつでも金魚の様子が見られるのも一つのメリットです。
ただし、室内飼育はポンプの音が聞こえる点がデメリットとなるでしょう。
屋外で飼う場合のメリット・デメリット

屋外で飼育すると太陽光を浴びることによって、金魚の色がより美しくなります。気温変化の中で生活することで、丈夫に育つこともメリットといえるでしょう。室内でも飼い方によっては同じですが、寒い時期は冬眠するのでお世話が不要ですし、照明やヒーターなどの電気代もかかりません。
一方、屋外では猫や鳥などの天敵に襲われるリスクがあります。また、夏場は水温が高くなることで青水(植物プランクトンを多く含む水)が濃くなり、病気の原因となる可能性があるのでこまめな水替えが必要です。
金魚の飼育には、エアーポンプが必要?
金魚を飼育する場合、基本的にはエアーポンプを設置したほうがよいでしょう。ビオトープのような飼い方もできますが、金魚が大きくなると酸素不足になる可能性があります。エアーポンプを使わない飼育環境では、水面の表面積を広くし水深は控えめにするのがおすすめ。混泳させる場合は、金魚と水槽の大きさに応じて適切な数に留めましょう。水草を入れる場合には、光があたるようにし光合成によって酸素を生成させることも大切です。
金魚の飼育に必要なもの

金魚を飼育する場合は、次に挙げるものを用意しましょう。
水槽
水槽は金魚の生活環境となり必須です。バケツなどで飼育する人もいますが、できれば成長も考えて十分な大きさのある水槽を用意しましょう。いわゆる四角い水槽タイプのほか、鉢タイプやインテリアタイプなどもあります。大きさも多様ですので、飼育する金魚の大きさや数に応じて選んでください。
水槽を置く台も必要ですが、スチールラックは避けたほうがよいでしょう。耐荷重をオーバーする可能性がありますし、何かの拍子に転倒してしまうかもしれません。
飼育水
金魚の飼育に、水道水をそのまま使うことはやめましょう。専用の飼育水を使うか、水道水であればカルキ抜きをしてから使います。カルキ抜きには専用の中和剤もあるので、必要に応じて活用してください。
ろ過フィルター
水質をきれいに保つために、ろ過フィルターも設置するとよいでしょう。ただし、金魚のなかには泳ぐことが得意ではない品種もいます。そのため、できるだけ緩流なものを選んでください。
エアーポンプ
ろ過フィルターは流れの緩やかなものを使うので、別でエアーポンプも用意するとよいでしょう。エアーポンプを使うことで、水槽内に多くの酸素を供給できます。
砂利
砂利を敷くと見た目がよくなりますが、ただの飾りではありません。水槽はガラス等のため光を反射してしまいますが、この反射光が眩しくて金魚が疲れてしまうことがあります。砂利を敷くことで、この反射を抑えることが可能です。なかには、ろ過砂利のように、水をきれいにする効果のあるものもあります。
餌
金魚も生き物ですから食事が必要です。金魚のエサには人工飼料や生き餌、冷凍餌などさまざまな種類があります。
他にあるとよいもの
このほか、水温を一定に保つためのヒーター、掃除の際に使う水換えホース、自然感を演出できる石や流木などのオブジェ、水草などもあると便利です。
水槽の立ち上げをおこなう手順
金魚を飼育する際には、まず金魚が暮らす環境となる水槽の立ち上げが必要です。以下が基本的な手順となりますので、参考にしてください。
① まずは水槽を設置する
まずは場所を決めて水槽を設置します。安定していて、ヒーターやろ過フィルターに必要な電源の取れる場所を選びましょう。掃除を考えると、水道などへの導線も確認しておきたいところです。
② 底砂を敷く
設置場所が決まったら、底砂を敷きます。底砂は一度水で洗ってから(水洗い不要の製品もあります)、2~4cm程度の厚さになるよう底全体に敷きます。
③ 水槽に機器類を取り付ける
ろ過フィルターやヒーターなどを水槽に取り付けます。コードが絡まって見た目が悪くなったり、水がはねてショートしたりしないよう、電源周りも確認しましょう。
④ 石やオブジェなどを設置してレイアウトする
石や流木などのオブジェを設置します。微調整しながら、自分なりのレイアウトを考えてみてください。
⑤ 水を8分目まで投入する
水槽の8分目までを目安に水を入れます。水道水を使用する場合は、必ずカルキ抜きを忘れないようにしてください。
⑥ 水草を植え付ける
ピンセットなどを使って水草を植えます。植え方で見た目が大きく変わるので、水槽立ち上げの楽しみの一つです。
⑦ 買ってきた袋のまま水温を合わせる
金魚はいきなり水槽に入れず、最初は買ってきた袋に入った状態で浮かべます。これは、袋内と水槽との水温を合わせるためです。
⑧ 中の水と一緒に金魚を水槽へ移す
ビニール袋内の水と一緒に、金魚を水槽へ移します。水槽内の水を軽くかき混ぜると、全体の水温が一定に整いやすいでしょう。
金魚のお世話の仕方

金魚を飼育する際は、以下のような点に配慮してお世話しましょう。
餌のあげ方
金魚を飼い始めたら、1日目は餌を与えず様子を見ましょう。2日目から少量ずつ与え、食べ残ったエサは取り除きます。食べ残しを放置すると、水質悪化の原因になるため注意してください。
食べられるだけ与えたくなるかもしれませんが、食べ過ぎはかえって金魚に負担をかけてしまいます。3分前後で食べきれる量を目安に、最初は1日2回を基本として与えてください。
水槽の水換え・掃除方法
水槽は1~2週間に1回を目安とし、定期的に水を換えましょう。ただし、すべての水を入れ替える必要はありません。全体の半分~3分の1程度の水を換えます。このとき、フンなどを除去しながら水を吸い出せる水換えホースを用いると便利です。
冬眠したら
金魚の生育温度は5~30度ほどが目安となり、これを下回ると冬眠します。冬眠中はエサを食べないので与える必要はありませんし、水質も悪化しないので水換えも不要です。基本的には何もせず、そっとしておきましょう。
条件によっては冬眠させないほうがよいことも
体が弱っている金魚、あるいは小さな稚魚については冬眠させないほうが望ましいでしょう。ヒーターを使って水温を保てば、冬眠せずに過ごせます。また、冬でも金魚の元気な姿を見たい方も、同様に水温を保って冬眠させないことができます。
金魚を長生きさせるためのポイント

金魚が長生きするためには、次のような点に注意して飼いましょう。
ろ過装置と水槽掃除で水質をきれいに保つ
金魚が弱ったり病気になったりする大きな原因が水質です。そのため、ろ過装置を設置したり、定期的に水槽を掃除したりすることで、水質をきれいに保ちましょう。
大きめの水槽を選ぶ
品種によって異なりますが、金魚は成長して大きくなります。水槽が小さいと水質が悪化しやすいほか、ストレスなど負担かかかりがちです。そのため、水槽は十分な大きさのあるものを選んでください。
適切な頻度で分割して水替えする
水槽の水は2週間に1回を目安とし、すべてではなく半分~3分の1ほどずつ分けて水を入れ替えます。
金魚を飼うときに注意すべきこと
金魚を飼う場合は、以下の点にも注意してください。
金魚は単種飼育がおすすめ
金魚は異なる品種と混泳させることも可能です。しかし、できれば単種飼育のほうが望ましいでしょう。品種によって必要な流速が異なるほか、金魚は雑食のため、体の大きさが違うと小さな金魚が食べられてしまう危険があります。
金魚を食べてしまう天敵の対策

屋外で飼う際には、猫や鳥などの天敵に攻撃されないための対策が必要です。また、人間もいたずらする場合があるので注意してください。高層階のベランダでも鳥はやってくるので、目の細かい網をかぶせるなど対策が求められます。室内であれば天敵は避けられますが、他にペットを飼っていたり、小さなお子さんがいたりする場合には同様に注意してください。
絶対に放流しない
金魚はフナの突然変異体であり、そもそも自然界にいない生き物です。放流すると環境破棄につながるため、絶対にやめましょう。金魚は泳ぎがうまくないので、放流されれば生きていくことができません。
金魚がかかりやすい病気
金魚は白点病や尾腐れ病、エラ病、穴あき病などの病気にかかりやすい魚です。水質をきれいに保つなど病気にならないよう対策するほか、状態を見て元気がなかったり病気と思われる兆候があったりした場合は、できるだけ早く治療薬を用いるなど対処しましょう。
金魚を賃貸物件で飼う際の注意点

賃貸物件で金魚を飼う場合には、以下の点にも注意が必要です。
ペット不可の物件は相談次第。ただしペット可であっても相談は必要
ペット不可の物件では、ペットの対象として犬猫を想定していることが多く見られます。そのため、ペット不可でも、金魚であれば相談次第で飼えることはあるでしょう。ただし、あとになってトラブルにならないよう、くれぐれも無断飼育はせず、事前に必ず貸主に相談してください。
床が水で濡れたときはすぐに対応を
床が水で塗れてしまったら、放置せず拭き取るなどの対応をすぐにおこなってください。水によって、床材などが劣化する恐れがあります。また、耐荷重の問題もあるため、水槽の大きさや重量にも注意が必要です。あらかじめ、飼育を考えている金魚の品種や数、使用しようとしている水槽の規模などを貸主に伝えて相談してください。
水温調節のためエアコンがあるとよい
金魚の生息温度は5~30度程度です。冬は温度が下がり過ぎないようヒーターを用いるほか、熱い時期にはエアコンを使って水温を下げられるとよいでしょう。屋外で飼育する場合には、すだれ等を用いて日光を遮るといった工夫が有効です。
水槽の置き場所に注意する
ぶつかって倒れてしまったり、地震自身などの揺れで落ちたりしないよう、水槽は安全で安定した場所に置きましょう。またアパートやマンションなど集合住宅の場合、ベランダ・バルコニーには水槽を置かないことも注意点です。
ベランダ・バルコニーは避難時に他の方も利用する共用部分にあたるため、管理規約で禁止しいることがほとんどでしょう。水槽の汚れた水をベランダ・バルコニーの排水溝から流すこともトラブルにつながります。
魚類を診察できる動物病院を探す
病気など万が一に備えて、魚類を診察してくれる動物病院を探しておきましょう。そもそも対応可能な病院の数が少ないので、事前に調べておくことが大切です。
金魚の飼育についてよくある質問
金魚はエアーポンプなしでも飼える?
エアーポンプなしでも飼育はできますが、健康に長生きさせたいなら使用をおすすめします。エアーポンプなしで飼育する場合は、こちらを参考 にしてください。
金魚を飼うとき、一番気を付けるべきことは?
食べ残しやフンなどをはじめとした原因から水が汚れるスピードが速いので、定期的な水換えや掃除で水質をきれいに保ちましょう。他にも、いくつか気を付けるべきポイント があります。
金魚を真夏や真冬に外に出しても大丈夫?
問題ありませんが、真夏はすだれ等で直射日光が避けられるようにしましょう。他に注意するべき項目 はこちら。ただし、体の弱っている金魚、あるいは小さな稚魚は、できるだけ冬眠させないよう室内での飼育をおすすめします。
まとめ
金魚は初心者でも飼育しやすい人気の魚です。飼育する際のポイントや注意点を解説しましたので、ぜひ参考にしてください。賃貸物件の場合、必ず金魚を飼育してよいか事前に確認しましょう。勝手に飼いはじめると、あとからトラブルに発展しかねません。金魚の飼育で特に大切なのが水質です。定期的な水換えや掃除を徹底し、きれいな環境を保ってください。しっかり準備して、美しい金魚を楽しみましょう。
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