ハムスターの暑さ対策はどうする?適切な温度と熱中症・脱水症を防ぐための工夫を解説

記事の目次
ハムスターに暑さ対策は必要?

ハムスターは体温調節が苦手なため、暑さ・寒さに弱い動物です。野生では地中の涼しい巣穴で暑さをしのいでいますが、飼育下では人がしっかりと温度管理をおこなうことが必要です。特に夏場は熱中症や脱水症のリスクが高く、放置すれば命に関わることもあります。環境に敏感な生き物だからこそ、暑さ対策は欠かせません。適切な飼育環境の整備が大切です。
ハムスター飼育に適する温度・湿度は?
ハムスターの飼育に適した温度は20~25度、湿度は40~60%といわれています。暑すぎたり寒すぎたりすると、熱中症や疑似冬眠のリスクが高まります。特にケージ内は室温より高温多湿になりやすいため、温度計や湿度計を設置しこまめに確認しましょう。個体差もあるため、毎日ハムスターの様子を観察し、異変がないかの注意してください。
暑さによるハムスターの体調不良のサイン
ハムスターが暑さで体調を崩すと、ぐったりして動かなくなる、呼吸が荒くなる、水やエサを摂らないなどの異変がみられます。こうしたサインを見逃さず、早急に応急処置をおこない、動物病院に行きましょう。
症状 | 応急処置 | |
---|---|---|
熱中症 | ぐったりして動かない、呼吸が荒い、体が熱い、けいれんする、ヨダレを出している | 涼しい場所に移動させ、冷やしたタオルで体を包む。少しずつ水を飲ませ、すぐに動物病院で治療を受ける。 |
脱水症 | 水を飲まない、皮膚の弾力がない、元気がない、体重減少 | スポイトで水やイオン水を少量ずつ与える。湿った綿棒で口元を潤し、すぐに動物病院で治療を受ける。 |
皮膚真菌症 | 毛が抜ける、フケや赤みがある、皮膚がカサカサする、かゆがる | ケージを清潔に保ち、通気性を確保。患部に触れたあとは手を消毒し、早めに動物病院で診察を受ける。 |
不正咬合 (歯の異常) |
食欲不振、口元が濡れる、ヨダレを出している、体重減少 | 固いかじり木を与える。すぐに動物病院で歯を整えてもらう。 |
下痢 (ウェットテイルなど) |
お尻まわりが濡れる、悪臭、ぐったりする | 体温を保ち、水分補給をおこなう。清潔な環境に整え、すぐに動物病院で治療を受ける。ウェットテイルは命に関わることも。 |
呼吸器疾患 (風邪・肺炎) |
くしゃみ、鼻水、呼吸音、活動量の低下 | ケージを温かく保ち、湿度も適切に管理。床材の粉塵を取り除く。悪化する前に動物病院で抗生物質などの処方を受ける。 |
腫瘍・しこり | 体にこぶのようなしこり、体重減少、動きが鈍い | 悪性・良性を診断するため、早めに動物病院を受診する。手術や経過観察などが必要。 |
目の異常 (結膜炎など) |
目が開かない、赤く腫れる、目やに、白く濁る | 清潔なぬるま湯で軽く目元を拭く。悪化する前に動物病院で点眼薬などの処方を受ける。 |
行動の異常 (元気がないなど) |
活動量の低下、同じ場所でじっとする、攻撃的になるなど | 環境温度や湿度の見直し、ストレス要因(騒音・他のペット)を取り除く。数日続くようなら動物病院へ診察する。 |
暑さで体調を崩したハムスターは、ぐったりしたり、食欲が落ちたり、下痢をしたりすることがあります。これらの症状は熱中症や脱水症の初期サインであるケースもあり、放置すると命に関わります。異変に気付いたら、自己判断をせず必ず動物病院を受診してください。また、毎日の体調チェックと適切な温湿度管理が重要です。
ハムスターの暑さ対策

ハムスターは暑さに弱く、夏場は体調を崩しやすいため注意が必要です。ここでは、ハムスターを暑さから守るための具体的な対策を解説します。
エアコンで室内の温度を25度以下に調節する
ハムスターが快適に過ごせる温度は20~25度です。夏場はエアコンで室温を25度以下に保ち、ケージ内の高温を防ぎましょう。人間の体感だけで判断せず、こまめに温度計で室温の確認をしましょう。また、ハムスターはもともと乾燥地帯に生息している動物なので湿度にも注意が必要です。40~60%に保つことで、より快適な環境を整えられます。
凍らせた保冷剤・ペットボトルをケージに置く
保冷剤や凍らせたペットボトルは、エアコンをつけるほどの夏日ではないものの暑さが心配な時の対策として3~4時間程度使えますが注意が必要です。冷やしすぎによる温度差や、水滴による湿度上昇がハムスターに悪影響を与える場合があります。
使用時は厚手のタオルで包み、ケージの外側から冷気を伝えるようにしましょう。特に保冷剤は誤食を防ぐために、ハムスターが直接触れないような設置が必要です。
窓際や直射日光の当たる場所にケージを置かない
ハムスターのケージを窓際や直射日光の当たる場所に置くと、室温以上に内部が高温になり、熱中症のリスクが高まります。また、日中と夜間の寒暖差も体調不良の原因につながります。暑さ対策として、風通しがよく直射日光の当たらない場所にケージを置きましょう。
ケージ内は通気性をよくして清潔な環境を保つ
食べ残しやフンを放置すると不衛生な環境となり、夏はカビやダニが発生しやすくなります。通気性を確保しつつ、敷材は湿ったらすぐに交換しましょう。食べ残しやフンは毎日取り除き、週に一度は敷材の総替えやケージ全体の清掃をおこなってください。定期的な掃除は、病気予防や健康チェックにもつながります。ハムスターが快適に過ごせる清潔な環境の維持が大切です。
ハムスター用の冷感グッズを使う
ハムスターは暑さに弱く、30℃を超えると熱中症や脱水症の危険があります。夏場にはアルミプレートなどの冷感グッズを使い、体温を下げられる環境を整えましょう。ただし、冷感グッズを敷き詰めてしまうと、ハムスターが警戒したり、ケージ内が狭くなりケガをしやすくなるためグッズはケージの一部に設置し、自由に行き来できるようにしてください。
飲み水は1日2回以上替える
ハムスターの健康を守るためには、新鮮な水の管理が欠かせません。特に夏場は水がぬるくなりやすく、細菌も繁殖しやすいため、給水器の水は1日2回以上の交換が理想です。ミネラルウォーターや浄水器の水は殺菌力がないので、よりこまめに交換してください。細菌が繁殖した水を飲むと、下痢や食中毒など命に関わる症状を引き起こす可能性があります。そのため、常に清潔な水を与えることが大切です。
野菜・果物など水分の多い食べ物を与える
ハムスターはペレットを主食としつつ、栄養補助として野菜や果物を少量与えるとよいでしょう。キャベツ、にんじん、ブロッコリー、リンゴ、いちごなどは、適量であれば与えても問題ありません。しかし、水分が多いため、食べ過ぎは下痢の原因になります。与える際は水分を軽く拭きとり、小さくカットするのがポイントです。一方で、玉ねぎ、ニラ、アボカド、チョコレートなどは、中毒の危険があるため絶対に与えないでください。
ハムスターの暑さ対策でやってはいけないこと

ハムスターの暑さ対策では、間違った方法がかえって体調を崩す原因になることも。ここでは、ついやりがちなNG行動や、注意すべきポイントについて解説します。
扇風機やエアコンの風を直接当てる
ハムスターに扇風機やエアコンの風を直接当てるのはよくありません。汗腺のないハムスターは風を浴びても体温を下げられず、不快に感じるだけでなく、体調を崩す原因にもなるためです。さらに、エアコンの冷風は乾燥しやすく、皮膚や目に悪影響を及ぼします。
また、扇風機の風により勢いで転倒したり、ストレスの原因になったりするため、直接当てるのは避けましょう。空調機器はあくまで部屋全体の温度調節用に使い、ケージに風が直接当たらないような配慮が必要です。
冷感グッズだけで対策をする
冷感プレートなどのハムスター用グッズは暑さ対策の補助として有効ですが、それだけに頼るのは危険です。冷感プレートなどはケージ内の一部に置き、ハムスターが自分で快適な場所を選べるようにしましょう。グッズの使用方法を守り、安全性への配慮が必要です。エアコンや除湿器と併用し、室温全体を管理してください。
床材が熱をこもらせる素材は避ける
新聞紙やタオルなどは吸湿性が低く、熱がこもりやすいため夏場は不向きです。紙製チップなどの通気性がよく、吸湿性のある床材を使用します。
季節にあわせてハムスターが快適な温度・室温にしよう

ハムスターが元気に過ごすためには、暑さだけでなく寒さや湿度にも気を配る必要があります。季節ごとの気温変化に合わせて、快適な温度や室温を保つことが健康管理の基本です。以下で、快適な温度や室温について解説します。
冬の寒さ対策
ハムスターは寒さに弱く、室温が10度を下回ると風邪をひいたり、疑似冬眠に入ったりする危険があります。疑似冬眠は仮死状態に近く、適切な処置をしないとそのまま命を落とすこともあるので注意してください。以下に、主な対策をまとめました。
- エアコンやヒーターで室温を20度以上に調節する
- 床材を増やす・巣箱に床材を入れる
- カロリーの高い食べ物を与える
- ハムスター用の保温グッズを使う
ハムスターが震えたり動きが鈍かったりした場合は体調不良のサインのため、早めの対策が必要です。また、毛布でケージ全体を覆うことや、ヒーターをケージ全面に敷くといった寒さ対策がありますが、毛布で密閉してしまうと通気性が悪くなり、湿気がこもってカビやダニの原因につながります。
ヒーターを全面に敷くとハムスターが逃げ場を失い、低温やけどのリスクが高まります。温かい場所と自然な温度の場所をつくり、ハムスター自身が快適な場所を選べる環境にしてあげましょう。
春・秋の温度差対策
春・秋は過ごしやすい季節ですが、昼夜の気温差が大きいためハムスターが体調を崩しやすくなります。主な対策は以下のとおりです。
- エアコンで温度を調整する
- ハムスター用の冷感・保温グッズを使う
- 夜は床材を増やしたり、パネルヒーターをつけたりする
夜間に急激に冷え込むと、風邪をひいたり活動量が低下したりすることもあります。日中と夜間の温度差を緩和するために、ケージの中の温度や室温を安定させましょう。
湿度が高い時の対策
湿度が高い環境では、ハムスターのケージ内に殺菌やカビ、ダニが発生しやすくなります。特に湿度が70%を超えるときには調整が必要です。以下に、主な対策をまとめました。
- 室内やケージの中を換気する
- 除湿器やエアコンの除湿機能を使う
- 食べこぼしやこぼれた水は片付ける
- トイレ砂や床材をこまめに替える
これらの注意点を怠ると、皮膚病や呼吸器のトラブル、強いストレスの原因になるため注意しましょう。ケージ内部を定期的に掃除し、清潔で乾燥した環境を保つことも大切です。
湿度が低い時の対策
湿度が低いとハムスターは風邪をひきやすくなり、皮膚の乾燥や目の充血といった不調を起こすことがあります。そのため、以下のような対策をおこないましょう。
- 加湿器を置く
- 室内に濡れたタオルを置く
空気が乾燥すると、ホコリが舞いやすくなります。ハムスターの皮膚がカサついていないか、目が赤くなっていないか、日々の健康チェックも欠かさずにおこなってください。
ハムスターの暑さ対策についてよくある質問

猛暑の夏のハムスターの暑さ対策については、多くの疑問や不安があると思います。ここでは、よくある質問を取り上げ、正しい対策方法や注意点について解説します。
ハムスターにとって適切な温度は?
ハムスターが快適に過ごせる温度はおおよそ20~25度、湿度は40~60%が理想です。温度が高すぎると熱中症、低すぎると疑似冬眠などのリスクがあります。特に夏や冬は室温管理が重要で、エアコンやヒーターを活用して一定の温度を保ちましょう。また、湿度が高いとカビやダニが発生しやすく、低すぎると皮膚や目の乾燥を招くため、加湿器や除湿器を使って適湿を保つことも大切です。
ハムスターに暑さ対策をしないとどうなる?
ハムスターに暑さ対策をしないと、熱中症や脱水症を引き起こし、最悪の場合命を落とす危険があります。高温多湿の環境はストレスや皮膚病の原因にもなりやすく、健康を大きく損ないます。
汗腺がなく体温調節が苦手なハムスターにとっては、温度や湿度の管理は必須です。冷感グッズやエアコンの使用、水のこまめな交換などを心がけ、ハムスターが快適に過ごせる環境を整えましょう。
ハムスターの暑さ対策は何をすべき?
ハムスターの暑さ対策には、エアコンで部屋全体を冷やし、ケージにハムスター用の冷感グッズや保冷剤を置くのも効果的です。ただし、厚手のタオルや布で包むなど工夫してください。水は1日2回以上交換し、野菜や果物で水分補給を補助しましょう。
まとめ
ハムスターは体温調節が苦手で暑さ・寒さに弱いため、室内の適温は20~25℃、湿度は40~60℃が理想です。特に夏場は熱中症や脱水症のリスクが高まるため、エアコンで室内を正しく調節し、冷感グッズや保冷剤でケージ内を涼しく保ちましょう。
また、直射日光を避けた場所にケージを置き、風通しや清潔さにも配慮が求められます。水は1日2回以上交換し、適量の野菜や果物で水分補給もおこなってください。季節や湿度の変化に合わせた環境づくりが、ハムスターの健康を守るポイントです。
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