引越しで洗濯機を運ぶ方法は?水抜きの方法と必要な準備、注意点を徹底解説

本記事では、引越しで洗濯機を運ぶ方法と、注意したいポイントをわかりやすくまとめました。紹介する「水抜き」は、自分で引越し作業をおこなう場合だけでなく、専門会社へ依頼する際にも必要です。新居でも使い慣れた洗濯機を使えるよう、引越し前にやり方を確認しておきましょう。
記事の目次
引越しする時は、洗濯機の「水抜き」が必須

引越しする際は、洗濯機の水抜きを必ずおこないましょう。洗濯機内には、ホースや内部の配管、排水ポンプなどに、水が意外とたくさん残っています。そのため水抜きをせずに運ぶと移動中に水がこぼれ、床やほかの荷物が濡れる可能性があります。また、洗濯機の内部には水がたまると故障しやすい部品があり、水抜きしないと洗濯機そのものが故障する恐れもあります。
さらに、洗濯機はカビや雑菌の温床となりやすいため、水抜きにはカビや雑菌の繁殖を防ぐ効果もあります。新居で洗濯機を気持ちよく使うためにも、ひと手間ではありますが水抜きは忘れずにおこないましょう。
洗濯機の水抜きのやり方・手順

それでは、洗濯機の水抜きはどのようにおこなうのでしょうか。ここでは、縦型洗濯機とドラム式洗濯機に分けて、それぞれ水抜きのやり方を解説します。なお、引越し当日は何かと慌ただしくなりがちですので、水抜きは前日までに済ませておきましょう。
縦型洗濯機
縦型洗濯機の場合、水抜きはシンプルな工程で済みます。以下の手順で、所要時間は5分〜10分程度です。
- STEP 1洗濯機の周りを片付ける
- STEP 2洗濯機の中身を空にする
- STEP 3水道の蛇口を閉める
- STEP 4標準コースで洗濯機を回す
- STEP 51分経過したら運転を停止し電源を切る
- STEP 6水栓側、本体側ともに給水ホースを外す
- STEP 7洗濯機の電源を再度オンにし、脱水コースで洗濯機を回す
- STEP 8脱水が終わったら電源を切り、洗濯槽内に残った水気をタオルで拭き取る
- STEP 9排水口から排水ホースを外す
- STEP 10排水ホース内の水を出し切ったら水抜き完了
なお、給水ホースおよび排水ホースを外す際は、水が溢れる場合があるのでタオルで包みながら作業します。大量に溢れることもあるため、近くにバケツや桶も置いておくといいでしょう。
排水ホースを外す際は、洗濯機と排水口の高低差も確認してください。あまり高さが変わらないときは、洗濯機の中の水が外に出きらないことがあるためです。その場合は、洗濯機を排水ホースのある側に軽く傾け、水をしっかり抜きましょう。
ドラム式洗濯機
ドラム式洗濯機では、糸くずフィルターの水抜きの工程が加わります。作業時間としては、15分〜20分ほどを見ておくといいでしょう。
- STEP 1洗濯機の周りを片付ける
- STEP 2洗濯機の中身を空にする
- STEP 3水道の蛇口を閉める
- STEP 4標準コースで洗濯機を回す
- STEP 51分経過したら運転を停止し電源を切る
- STEP 6水栓側、本体側ともに給水ホースを外す
- STEP 7糸くずフィルターのつまみを緩める
- STEP 8水が出なくなったら、糸くずフィルターをタオルで拭いて元に戻す
- STEP 9洗濯機の電源を再度オンにし、脱水コースで洗濯機を回す
- STEP 10脱水が終わったら電源を切り、洗濯槽内に残った水気をタオルで拭き取る
- STEP 11排水口から排水ホースを外す
- STEP 12排水ホース内の水を出し切ったら水抜き完了
糸くずフィルターからもかなりの量の水が出ることがありますので、バケツや桶を受け皿にしましょう。
洗濯機の輸送を引越し会社に依頼する場合にかかる費用

洗濯機を自分で運ぶかどうかは、引越し会社に依頼する場合の費用感でも変わるかもしれません。引越し会社に依頼するときの相場は、以下のとおりです。
縦型洗濯機 | ドラム式洗濯機 | |
---|---|---|
輸送 |
同市区町村:
5000円~10000円 同都道府県:
8000円~15000円 |
同市区町村:
8000円~15000円 同都道府県:
12000円~20000円 |
取り外し | 1500円〜3000円 | 3000〜5000円 |
取り付け | 3000円〜5000円 | 6000〜10000円 |
なお、これらの金額に水抜きの料金は含まれていません。引越し会社に輸送を依頼する場合も、前日までに水抜きを自分で済ませる必要があります。
引越し会社はプロですから、自分でおこなうよりも素早くかつ安全に作業をしてもらえます。しかし、すべて依頼するとなると縦型洗濯機で10,000円以上、ドラム式洗濯機では20,000円以上かかるのが一般的です。
洗濯機の取り外しも取り付けも、ポイントさえおさえれば自分でもおこなえます。次の章では、自分で洗濯機の取り外し、そして取り付けをおこなう際の具体的な方法を紹介します。
自分で洗濯機を取り外し・取り付けるコツ

洗濯機の取り外しは10分〜20分、取り付けは15分〜30分ほどで完了します。作業そのものは難しくありませんが、給水ホースと排水ホース、そしてアース線について、きちんと理解したうえで作業を進めるのがポイントです。
給水ホース

【取り外し】
給水ホースには、蛇口側はロックレバーで付け外しをするタイプと、4カ所に付いているネジをゆるめて取り外すタイプの2種類があります。なお、ネジタイプの場合はドライバーが必要です。本体側は基本的にどれも同じで、ナットの部分を手で反時計回りに回転すると取り外せます。
【取り付け】
給水ホースは、取り外しのときと逆の手順で取り付けます。蛇口側はホースの先端を蛇口にしっかり差し込み、ロックレバーの場合はカチッと音がするまで押し込めば大丈夫です。ネジ式では、それぞれのネジを時計回りに回転させ固定します。
本体側も、差し込み口に入れたらナットを時計回りに回しましょう。きちんと固定されていないと洗濯機の振動で外れてしまうことがあるので、回せなくなるまできっちりおこないます。また、給水ホースが長くて余ってしまう場合は、洗濯機の奥側にたるませるなどして、洗濯機のフタを開閉する際に接触しないよう工夫しましょう。
排水ホース

【取り外し】
排水ホースは洗濯機を脱水コースで回し、電源を切った後で取り外し作業に移ります。まずは、排水口側を外しましょう。排水トラップがある場合は、ホースを抜きっぱなしにすると排水のにおいが広がってしまいます。すぐにフタをして、フタがない場合は雑巾などふさぐと異臭を防げます。
その後、本体側を外しましょう。差し込み式の場合は、そのまま引き抜くだけで完了です。ドラム式や一部の縦型など、ネジ固定式ならネジをゆるめて外します。
【取り付け】
排水ホースを取り付ける際は、ホースのどちらが本体側でどちらが排水口側かがわかりにくいことがあります。まずは向きを確認しましょう。
ホースの接続は、まず本体側、次に排水口側の順に行うとスムーズです。差し込み式は奥まで差し込む、そしてネジ固定式はしっかり締めることを意識して、水が漏れることのないよう気をつけてください。
アース線

どんな洗濯機にも、アース線という緑色または黄色の線が付いています。これは、万が一漏電したときに人が感電することのないよう、電気を地中に逃がす役割を担っているものです。このアース線も、忘れずに取り外し・取り付けをしましょう。
アース線の取り外しや取り付けも、感電しないよう電源プラグを抜いた状態でおこないます。アース線の接続方法は、ネジ式とクリップ式の2種類です。ネジ式はドライバーを使い、アース端子のネジをゆるめて取り付け・取り外しをおこないます。クリップ式はつまんで持ち上げれば外れ、取り付ける際はカチッと音がするまで押し込めば作業は完了です。
なお、アース線は水に濡れると故障する可能性があります。線そのものが水に触れないのはもちろん、濡れた手で作業することのないよう十分に注意してください。
洗濯機を運ぶ前に引越し先で確認しておくこと

洗濯機は自分で運ぶ際も専門会社へ依頼する際も、引越し先の状況を事前に確認しておきましょう。具体的には、以下のような点をチェックしておきます。
洗濯機置き場があるか
いざ引越した後に洗濯機置き場がないことが判明したら、当然ながら洗濯機は使うことができません。引越し先によっては屋外に設けられていることもありますので、事前に洗濯機置き場の有無や場所を確認しましょう。
引越し先の洗濯機置き場のサイズ
洗濯機置き場があっても、サイズが合わなければ使えません。幅と奥行き、そして必要であれば高さもあらかじめ測りましょう。防水パンが設置されている場合は、防水パンの内寸も測っておくと安心です。
洗濯機置き場の蛇口と排水口の位置
洗濯機置き場の蛇口、そして排水口の位置も事前に確認するのがおすすめです。位置を把握しておくと、引越しの当日の設置がスムーズにおこなえます。「真下排水」の場合、洗濯機と床の間に隙間をつくる「かさ上げ」をする必要もありますので、適宜必要なものを揃えましょう。
エレベーターがあるか
引越し先の部屋が1階以外なら、エレベーターの有無も確認しましょう。エレベーターがない場合、追加料金がかかる場合も。自分で運ぶのであれば運搬作業の難易度が上がりますので、一緒に手伝ってくれる人にも事前に告知しておきましょう。
搬入経路に問題がないか
搬入経路に問題ないかも、あらかじめチェックしましょう。玄関ドアや洗濯機置き場の入口など、横幅はもちろん縦幅も測ります。エレベーターを使うならエレベーターの入口の幅、階段が搬入経路となる場合は階段の幅や踊り場のサイズも計測しておきましょう。
引越し時に洗濯機を処分するには?

洗濯機は家電リサイクル法の対象製品ですので、自治体に粗大ゴミとして処分を依頼することはできません。引越しの際に買い替えなどおこなうなら、次の方法のいずれかで正しく処分しましょう。
- 洗濯機を新調する店舗に引き取ってもらう
- 指定引取場所に持ち込む
- 自治体が指定する専門会社に引き取ってもらう
- 不用品回収専門会社に引き取ってもらう
- リサイクルショップに持ち込み売却する
- フリーマーケットやネットショップに出品し売却する
- 友人や知人に譲渡する
洗濯機の運搬に関する注意点

洗濯機を運搬する際も、細心の注意をはらいましょう。
水抜きをしないと追加料金がかかることも
繰り返しとなりますが、運んでいる最中に水が漏れると周囲が水浸しになってしまうため、運搬時には水抜きをしたかどうか入念に確認してください。引越し専門会社に運搬を依頼する場合、水抜きをしていないと追加料金が発生することもあります。
自力で運ぶ際は2人でおこなう
洗濯機は縦型かつ小型でも30kgほどの重量があり、大型となると40kgを超えることも少なくありません。ドラム式はさらに重く、小型でも75kg以上であるといわれています。とても一人では運べませんので、自力で運搬する際は大人2人以上の人手を確保しましょう。
洗濯機を横向きにしない
洗濯機を横向きや斜め向きにすると、故障の原因になります。搬入通路が狭い場合など、洗濯機を倒したくなってもできるだけ避けてください。
ドラム式洗濯機の運搬には「輸送用固定ボルト」が必要
ドラム式洗濯機を運搬する際は、「輸送用固定ボルト」を必ず使ってください。固定ネジを使わずに運ぶと輸送時の振動で洗濯槽が上下左右にぶつかり、ドラムの回転異常、つまり故障を招く恐れがあります。固定ボルトは付属品ですので、通常はどこかに保管してあるはずです。どうしても見つからない場合は、メーカーや購入した店舗に相談しましょう。
難しそうなら、無理をせず引越しのプロにおまかせしよう

洗濯機を自分で取り外し、引越し先への運搬や取り付けまで自分でおこなうことは可能です。ただし、注意点すべきが多く、ポイントを押さえて作業できなければ故障してしまうリスクもあります。新しく購入するにはコストがかかりますし、修理代も決して少額ではありません。少しでも不安を感じるのなら、無理に自分でおこなわず、引越しのプロに依頼すると安心でしょう。
洗濯機の運搬や取り外し・取り付けは引越し専門会社も対応していますし、宅配業者へお願いする方法もあります。それぞれの引越しのスタイルに応じて、最適な会社を選んでください。
まとめ
引越しで洗濯機を運ぶときは、自分で運ぶか専門会社へ依頼するかに関わらず、自分で水抜きをする必要があります。作業時はバケツや桶、タオルを用意して、ステップごとに作業を進めましょう。
洗濯機の取り外しや取り付け、そして運送は専門会社に依頼すると縦型洗濯機で10,000円以上、ドラム式洗濯機は20,000円以上かかります。そのため、自分で対応するのも一つの方法です。ただし、洗濯機は重いため大人2人以上の人手が必要です。また、誤った作業をおこなうと故障のリスクもあるため注意してください。少しでも不安があるのなら、引越しのプロに任せた方がよいでしょう。故障して買い替えや修理が発生するのに比べたら、結果的にコストも安く済むかもしれません。新生活をスムーズに始められるよう、本記事を参考にしてくださいね。
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