引越しに便利なハンガーボックスとは?何着入る?メリット・デメリットと有効活用のコツを紹介

記事の目次
ハンガーボックスとは?

ハンガーボックスとは、その名のとおり、衣類をハンガーにかけたまま運搬できる箱状の梱包アイテムです。洋服をたたまずに入れられる大きさがあり、箱の中にはハンガーを引っかけるパイプが付いていて、最終的には前方と上部にあるフタを閉じるような形で梱包します。シャツなどのトップスはもちろん、スーツ・セットアップ・ワンピース・ドレスなども、ハンガーにかけてそのまま梱包して運べるのが一般的。畳むのに手間がかかったり、かさばったりする衣類もハンガーにかけたまま運搬ができるので、引越しの荷造りを手軽にしてくれる便利さがあります。
ハンガーボックスの一般的なサイズと入る服の量
ハンガーボックスのサイズ感としては、だいたいは高さが100cm、横幅と奥行きが50cmくらいになるのが一般的。また洋服の種類にもよりますが、ハンガーボックスに入る衣類の量は、多くても15着程度です。衣類の種類が混ざることを考えれば、平均して10着前後になるのがおおよその目安でしょう。ちなみにハンガーボックスに入れられる洋服の種類ごとの大まかな基準は、以下を参考にしてみてください。
洋服の種類 | ハンガーボックスに入る量 |
---|---|
Tシャツ、Yシャツ、 その他薄手の夏物 |
13着~15着程度 |
セーターなど厚手の冬物 | 7着程度 |
コート、スーツ | 5着~7着程度 |
ハンガーボックスの入手方法
引越し時におけるハンガーボックスの入手ルートは、大きく分けると次の2種類があります。
引越し会社からレンタルする
引越し会社にもよりますが、申し込みや見積もりの際に依頼すれば、無料でレンタルできるのが一般的です。ただしなかには有料レンタルだったり、無料貸し出しの個数に上限があったりするケースもあるため注意しましょう。まずは、各引越し会社のサービス内容や規約を十分にチェックしてみてください。
また引越し会社からレンタルする場合、作業当日にハンガーボックスを持ってきてもらい、他の荷物を運んでもらう間にクローゼットなどの収納から移していくのが通常。そして新居に着いたら、その場でハンガーボックスの中身を出して、引越し会社に返却する流れが基本です。当日のレンタルとなるので、「洋服の量が多い」など足りなくなる心配がある時には、あらかじめ引越し会社に相談しておくとスムーズでしょう。
自分で購入する
ハンガーボックスは、ホームセンターやインターネット通販などで市販されているため、自分で購入して用意する方法もあります。もちろんメーカーなどにもよりますが、一般的なサイズなら、価格は2,000円前後が大まかな目安です。自前で準備すれば、引越し当日の前から荷造りができるうえに、新居に移ってからしばらく置いておくことも可能。ただし不用になった場合には、自分で解体して処分しなければならないので、手間になりそうならレンタルのほうがいいかもしれません。とはいえ、引越し後にもハンガーボックスを何かに使う予定があるなら、自分で購入するのもおすすめです。
ハンガーボックスのメリット

ハンガーボックスを活用すると、どのような部分で便利になるのか、以下から具体的なメリットを見ていきましょう。
衣類にシワや汚れが付きにくい
衣類を箱詰めして運ぶ際には、段ボールに入るように衣類を折りたたむ必要があります。ただそうすると余計な折り目が付いてしまいますし、箱詰めして洋服を圧迫するとシワになってしまうケースも。そこでハンガーボックスを使って、箱の中で吊り下げたまま運べば、折り目やシワが付く心配は少なくなります。さらに、どうしても汚したくない大事な洋服があるなら、衣類カバーをしてハンガーボックスに入れて運ぶことで、きれいなまま安全に新居へ持っていけるのも大きなメリットです。
衣類をたたむ手間が省ける
ここまでにも出てきているように、衣類をハンガーにかけたまま運べるので、そもそも箱詰めするための衣類をたたむ工程もなくなります。1着ずつたたんで段ボールに入れていくのはなかなか手間ですし、大事な洋服なら、きれいに持ち運べるように神経を使う部分もあるでしょう。そこでハンガーボックスを使えば、作業時間は大幅に短縮できて、荷造りの負担も軽くできます。もし引越し会社に借りるのであれば、当日までクローゼットなどに衣類をかけたままにできるため、転居の直前まで洋服を使いやすいのもメリットです。
クローゼットへの出し入れが楽になる
ハンガーボックスを利用すれば、新居に運んでからも、荷解きの手間を減らせる利点があります。もし箱詰めして運ぶなら、たたんだ衣類をハンガーにかけ直して、また収納スペースに戻さなければなりません。一方でハンガーボックスを使えば、クローゼットにそのままかけて収納できるため、片付けが手軽に済みやすくなるのもメリットです。また、引越し会社からレンタルする場合なら、使い終わったハンガーボックスはその場で回収してもらえます。段ボールでの梱包時のように、引越し後に折りたたんで処分する必要もなく便利です。
自前なら引越し後にも使える
もし引越し会社からのレンタルではなく、自分で購入して引越しに使うのであれば、転居後に有効活用できるメリットもあります。その場で返却しなくてもいいので、引越し後には、新居での簡易的な衣装ケースに使用するのも可能。夏物や冬物といったシーズン品の保管にも便利で、衣替えなどで使うのもよいでしょう。ただし基本的には一時的な梱包アイテムのため、長く維持するのは難しい部分もあり、耐久性には注意が必要です。
衣類以外の梱包に使えることも
衣類をかけた下部などに空きスペースがありそうなら、小さめのバッグやベルトなど、ちょっとしたアイテムであればハンガーボックス内に入れて運ぶこともできます。仮に引越し当日になって、箱詰めし忘れていた荷物があっても、貴重品でない小物類ならハンガーボックスに詰めても問題はありません。特にファッショングッズは、衣類と同じ収納スペースに片付けることも多いので、入りそうならハンガーボックスで一緒に梱包するのもいい方法です。
ハンガーボックスのデメリット

ここまでに見てきたように、ハンガーボックスにはさまざまな利便性もありますが、利用時には気を付けておきたい部分もいくつかあります。ハンガーボックスを使う際に、想定しておきたいデメリットも見てみましょう。
レンタルが有料の場合もある
前述したように、引越し会社によってはハンガーボックスのレンタル料金がかかるケースもあります。他の段ボールや包装紙などは無料支給になっていても、ハンガーボックスのみ有料となっている場合もあるので、あらかじめ見積もりやサービス内容の詳細は十分に確認しましょう。なかには無料で使えるハンガーボックスの個数が決まっているパターンもあるため、もし収まりきらなさそうな分があれば、事前に引越し会社に確認しておきましょう。
詰め込みすぎると破損しやすくなる
無理に詰め込もうと思えば、ある程度の量は入るかもしれませんが、衣類の重さでハンガーボックスが壊れてしまう可能性も。パイプ部分に耐荷重以上の重量がかかると、重さに耐えきれずに、その接続部分が破れたりはがれたりして破損する恐れがあります。もし運搬中に破損してしまうと、ハンガーボックス内で衣類が崩れた状態で運ばれてしまうことも。特に重たいコートやアウターをかける際には、重量がかかりやすいため、詰め込みすぎないように注意しましょう。
引越し作業の担当者が衣類に触れる
基本的にハンガーボックスにかけたり収納スペースに片付けたりする作業は、引越し会社ではなく、自分でおこなうケースが多く見られます。ただしなかには作業の都合上、引越し会社のスタッフがハンガーボックスから出したりしまったりする場合もあります。もし他の人に触れられたり見られたりしたくない洋服があるなら、衣類カバーを使うか、別の段ボールで箱詰めしておいたほうが安心でしょう。
荷物の総量が増え引越し料金が上がる可能性もある
ハンガーボックスは、洋服をたたまずに梱包できるほどの大きさがある分、トラックの荷台のスペースを取りやすい一面があります。段ボールよりもかさばるため、トラックの荷台に積載できる量が少なくなってしまい、場合によっては車両のサイズが変わってしまうケースも。このように荷物の総量が増えやすい部分もあり、引越し料金が割高になってしまう可能性もあります。もし衣類の量が多く、使用するハンガーボックスの個数も増えてしまいそうなら、特に引越し料金には要注意。予算が気になる時には、ハンガーボックスの使用量でどれくらい金額が変わりそうか、あらかじめ引越し会社に相談してみるのもよいでしょう。
ハンガーボックスを使う時の注意点

ハンガーボックスは使うと便利なメリットも数多くありますが、前述にもあるように気を付けておきたいデメリットも少なからずあります。ではなるべく効果的にハンガーボックスを活用できるように、注意しておきたいポイントをまとめていきます。
衣類をかけすぎない
先ほどのデメリットでも出てきたように、衣類をかけすぎると、ハンガーボックスが重さに耐えられずに破損するリスクが考えられます。またハンガーボックスが壊れないにしても、衣類を詰め込みすぎると、洋服同士が箱内で圧迫されてしまいます。そうすると段ボールに詰めるよりも、余計にシワや折り目が付いてしまう場合も。さらに洋服同士がすれ合うことで、装飾部分が取れてしまうなどの恐れもあるので、適量以上に詰め込むのは避けたほうが無難です。
ハンガーボックスの状態を確認してから梱包する
引越し会社からレンタルする際には、基本的にハンガーボックスは使い回しの場合が多く、汚れやニオイが残っていることも少なくありません。ハンガーボックス内に、ほこりやちりなどが溜まっているケースもあるため、使用する前に状態を確認しておくのがおすすめ。もし汚れが気になりそうなら、ハンガーボックスに入れる前に箱内を軽く掃除するか、衣類カバーを使うのがベターです。ニオイが心配な時も同様に、特に大切な洋服には、衣類カバーをかけておくと安心でしょう。
なるべく自分で作業ができるように引越し会社に伝えておく
前述したように、場合によっては引越し会社のスタッフがハンガーボックスの中身に触れる可能性もあります。特に気にならないのであれば問題ありませんが、例えば素材や装飾などによって取り扱いがしづらい洋服がある時など、あらかじめ自分で作業ができるように伝えておくのがおすすめ。「このボックスは自分で片付けるようにしたい」など、作業時に声をかけておくと、お互いに気持ちよく荷物の取り扱いができます。
ハンガーボックスを有効活用するコツ

実際にハンガーボックスを活用するにあたり、荷造りをより効率的にするためのコツをご紹介していきます。
ハンガーボックスにかける衣類を絞る
元々チェストなどにたたんで収納している衣類はもちろん、箱詰めしてもよさそうな洋服があれば、段ボールもうまく活用するのがおすすめです。ハンガーボックスが多くなりすぎると、前述にもあるようにトラックの積載量に大きく影響して、引越し費用がかさんでしまう可能性も。また、ハンガーボックスの無料レンタルの上限がある場合には、それを超えてしまうと追加料金がかかってしまいます。コストパフォーマンスを考えるなら、段ボールも適宜使いながら、ハンガーボックスにかける衣類を選んでおくのがベストです。
新居に持ち込む衣類を絞る
そもそも荷造りの手間を省くには、荷物の量そのものを減らしておくのが効果的です。特に衣類はトレンドなどの関係もあり、よく整理してみると着なくなっているものが多く出てくるパターンもよくあります。持ち運ぶ荷物が少なくなれば、荷造りの作業時間は短縮できますし、使用するハンガーボックスの個数も抑えることが可能。引越しの荷造りと並行して、着るものと着ないものの取捨選択をしておき、不用品はあらかじめ処分しておくのがベストです。
他の収納ケースと併用する
引越しの際には、衣類のような軽いアイテムであれば、プラスチックの衣装ケースなどに入ったまま運んでもらうことができます。もし衣装ケースなどに洋服を収納しているのであれば、あえて段ボールやハンガーボックスに入れ替える必要はないので、そのまま引越し会社にお任せしましょう。ちなみにキャスター付きの場合は、トラックの荷台で動いて危険なので、引越し当日までに車輪は外しておきます。また中身が飛び出さないように、開口部分は養生テープなどで留めておくと安全です。
ハンガーボックスの利用がおすすめの人

ここまでの内容を踏まえて、特にハンガーボックスを使うのが向いている人の特徴をご紹介します。
衣類にシワや汚れを付けたくない人
お気に入りのアイテムたちを大切に運びたい人は、ハンガーボックスを活用してみましょう。ハンガーボックスを上手に使えばシワや汚れを防ぎながら持ち運びができます。
引越し作業を効率的にしたい人
やはりハンガーボックスがあると、衣類分の箱詰めする作業を省略でき、荷造りにかかる時間も短縮しやすくなります。クローゼットにかかっている分は、引越し当日にハンガーボックスへ移すだけで済むので、転居までのスケジュールが詰まっている時にも便利。できるだけ荷造りに手間をかけたくない人にも、ハンガーボックスがおすすめです。
衣類が多い人
衣類が多ければ多いほど、ハンガーボックスを使うことで、荷造りの作業も効率的に進みやすくなります。衣類が多いと、1個ずつの洋服をたたんでしまう手間も時間も、その分大幅にかかってしまうでしょう。そうした場合には、そのままかけて梱包するだけのハンガーボックスを活用すると、大きく作業を省けて便利です。
ハンガーボックスに関してよくある質問

最後に、今までに見てきた内容を整理しつつ、ハンガーボックスの特徴や使い方など簡単なQ&A方式でまとめていきます。
ハンガーボックスとは?
ハンガーボックスは、内部に取り付けられたパイプに衣類をかけて運べる、いわばクローゼットがそのままコンパクトになったような梱包アイテムです。一般的なサイズは高さが100cm・横幅と奥行きが50cm程度で、段ボールまたはプラスチック製のタイプが多く見られます。
ハンガーボックスのメリット・デメリットは?
ハンガーボックスの大きなメリットは、衣類のシワや汚れを防ぎつつ、洋服を箱詰めして荷造りする手間を大幅に省ける点です。引越しの作業を楽にすると同時に、きれいな状態で持ち運びができます。一方で、衣類をかけすぎると破損したり、作業時に引越し会社のスタッフが触る可能性があったりする一面も。また有料レンタルや積載量の増加にともない、費用が割高になる場合もある部分には注意が必要です。
引越し時にハンガーボックスを有効活用するには?
ハンガーボックスの個数が増えすぎても、引越し費用がかさむ可能性もあるため、何を梱包するのか取捨選択しておくことも重要です。もし不用品があれば事前に処分しておいたり、状況に応じて衣装ケースや段ボールなども併用したりすると、コストパフォーマンスよく効率的にハンガーボックスを使えます。
ハンガーボックスの利用がおすすめの人は?
ハンガーボックスは、大事にしたい衣類が多くシワや汚れを防ぎたい人や、なるべく荷造りに時間をかけたくない人に適しています。また洋服の量が多い場合にも、ハンガーボックスがあることで、作業の負担を大幅に軽減できておすすめです。
ハンガーボックスは、各引越し会社でもよく見られる梱包サービスで、無料オプションで付いてくる場合も多く見られます。大切な洋服を安全に運べるうえに、荷造りも楽にできるので、ぜひ積極的に活用してみるのがおすすめです。引越しの荷造りは、なかなか億劫に感じてしまいますが、今回ご紹介したハンガーボックスも使いながら効率的に作業を進めていきましょう。
物件を探す
注文住宅を建てる