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犬と引越す方法は?移動手段や必要な手続き・新居に慣れさせる方法を解説

犬と一緒に引越すにはどのような方法があるのでしょうk
人間においては、新生活に向けた引越しは、わくわくすることが多いかもしれません。しかし、犬にとって大きなストレスになることをご存知でしょうか。大切な家族の一員である愛犬に、ストレスを与えず引越すにはどうすればよいのでしょう。

この記事では、犬と一緒に引越しする際の方法や注意点をご紹介します。引越し後に必要な手続きについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

記事の目次

引越しは犬にとって大きなストレス

犬にとって引越しはストレスになりかねません
犬にとって引越しはストレスになりかねません

犬にとって引越しは大きなストレスになりかねません。その原因となるのは以下のとおりです。

  • 慣れ親しんだ場所からの移動
  • 環境の変化
  • 長時間の移動
  • 慣れない大きな音や振動
  • どこに連れていかれるのか不安

私たち人間は、仕事の都合や物件の契約更新などの理由を理解したうえで、引越しの時期や場所などを自分で決めます。しかし、犬はなぜ引越すのか理由も知らず、急に慣れ親しんだ場所から知らない場所に連れていかれることになります。また、飼い主が引越し作業で忙しくしていることや新居までの移動など、普段と違う様子にストレスを感じる犬も少なくありません。特に保護犬の場合、「また飼い主に置いていかれてしまうのでは?」「違う場所に連れて行かれてしまうのでは?」と、トラウマに感じてしまうこともあるようです。

犬と引越す方法

犬と一緒に引越す方法とは?
犬と一緒に引越す方法とは?

一般的に、犬と一緒に引越す方法は以下のとおりです。

自分たちで運ぶ

なるべく犬を安心させるためにも、家族と一緒に移動させたいですよね。一般的に自分たちで犬と引越し先に移動する方法について紹介します。

車で運ぶ

環境の変化に敏感な犬にとって、車での移動はストレスがかかりにくい方法です。家族以外の人間と接する機会が少なく、環境の変化も少なくて済みます。普段から車に乗り慣れている場合は、よりストレスを感じにくいでしょう。

電車で運ぶ

電車で犬と移動する場合は、犬の全身が入るペット用のキャリーケースに入れて、顔を出さないようにする必要があります。リードを付けただけ、あるいは抱っこして乗ることはできません。また、犬を入れるキャリーは縦・横・高さの合計が120cmまで、さらにキャリーケースと犬の重さを合わせて10kgまでという制限があります。
犬を含むペットを列車や新幹線に持ち込む場合、手回り切符が必要です。1つあたり290円で、最初に乗車する駅で係員が確認したうえで購入します。

飛行機で運ぶ

移動距離が長い場合、飛行機で犬を連れていくことを考えることもあるでしょう。しかし、現在の日本の航空会社では飼い主と一緒に機内にいることはできず、貨物扱いとなります。

貨物室内の温度や湿度は空調機で管理されていますが、客室と同環境ではありません。また、飛行機の大きな音、そして真っ暗な環境では犬にとって大きなストレスになったり、気圧の変動のため耳の機能に悪影響を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。

また、パグやペキニーズなどの短頭種の犬は、そもそも気圧の変化に弱いとされているため、航空会社によっては引き受けを断られる可能性がありますので、まずは航空会社のホームページなどで調べてみましょう。

引越し会社へ依頼する

自分で犬を移動させるのが難しい場合は、引越し会社に依頼する方法もあります。事前の申し込みと追加料金は必要ですが、荷物の引越しと一緒に申し込みが可能です。ペットの運送は国土交通省の定めにより、家財を積み込んだトラックと一緒に積み込んではならないとされています。そのため、ペット専門の輸送会社に取り次ぎされることが多いようです。
犬をケージに入れた状態で輸送するため、あらかじめ食事やトイレを済ませておき、なるべく寝て移動できるよう散歩して疲れさせておくといいでしょう。会社によっては運べる犬の種類や季節によって制限があるので、事前に依頼が可能かの確認が必要です。

ペット専門の輸送会社へ依頼する

自分で運んだり引越し会社へ依頼できない場合、ペット専門の輸送会社へ直接依頼してみてはいかがでしょうか。預けられるペットの種類も多く、輸送方法もペットに合わせて選ぶことができます。長距離の移動では途中でトイレ休憩や体調確認をおこない、別に移動している飼い主へ画像や動画で報告するなど、手厚いサービスを提供する会社もあるようです。万が一の場合でも、動物病院を手配してくれるなど安心して任せられるでしょう。どうしても費用はかさみますが、犬の種類や健康状態を優先する場合におすすめの方法です。

犬と引越しをする前に必要な準備

犬と引越しをする前に必要な準備
犬と引越しをする前に必要な準備

犬と引越すことが決まったら、どのようなことから始めたらよいのでしょうか。ここからは、事前準備について詳しく解説していきます。

引越し先は「ペット可物件」を選ぶ

犬と一緒に引越しをする場合、引越し先は必ずペット可の物件を選びましょう。ただし、ペット可となっていても、犬の大きさや種類によって制限がある可能性があります。契約をする前に、自分が飼っている犬でも問題ないか確認してください。不動産情報サイト アットホームではペット可(相談可)の物件検索だけでなく、こだわり条件で「大型犬相談」に絞って検索することができます。


新居の近くに動物病院があるか確認する

犬が体調を崩した時、すぐに動物病院に行けるよう近くの動物病院を探しておきましょう。愛犬に持病があれば、引越し前にかかりつけ医から診断書やカルテをもらっておくと、新しい病院でもスムーズに診てもらうことができます。

キャリーケース・クレートに慣れさせる

引越しの時は脱走や怪我を防ぐために、キャリーケースやクレートに入れて犬を運ぶことがほとんどです。引越しのストレスを減らすためにも、普段からキャリーケースやクレートに慣れさせておきましょう。キャリーケースやクレートの中が落ち着いて安心できるスペースだと犬が認識できていると、引越しの移動中でもストレスを感じにくくなります。また、引越しに限らず災害での避難でも役に立つので、普段から慣れさせておくのがおすすめです。

引越し前夜のごはんの量は少なめに

引越しで移動する時には、慣れない環境で犬が吐いてしまう可能性があります。そのため、引越し前夜から当日の朝にかけての食事は、いつもより量を減らすといいでしょう。逆に、お腹が空きすぎて吐いてしまう犬もいるので、普段のお出かけから移動時の適切な食事量を見極めておくと安心です。

犬との引越し当日に持っておくべきアイテム

犬との引越し当日に持っておくべきアイテム
犬との引越し当日に持っておくべきアイテム

引越し当日は朝からバタバタしがちです。犬と一緒に引越しをする際には、次のアイテムを前日から用意しておきましょう。

  • ケージ・ハーネス
  • トイレシート・ビニール袋
  • お水
  • 首輪・迷子札
  • おやつ

引越しの移動中に脱走しないよう、ハーネスやリードを付けたりケージに入れたりして対策しておきましょう。また、首輪・迷子札を準備しておくと安心です。移動中の食事やトイレの準備も多めにしておきましょう。

さらに、マイクロチップを装備していない子には、万が一に備えて引越し前にマイクロチップを装備させておくのもひとつの方法です。引越し途中に逃げ出したり迷子になった場合でもマイクロチップのおかげで飼い主の元に戻ってくる可能性が高くなります。

引越し中の犬のストレスを緩和させるためにできること

引越し中の犬のストレスを緩和させるためにできること
引越し中の犬のストレスを緩和させるためにできること

引越し中、犬のストレスをためないようにするための対策を4つご紹介します。犬の性格によっても異なるので、どうすれば犬にとってよいのか確認してみてください。

長距離の場合はこまめに休憩をとる

引越しの移動が長距離の場合は、こまめに休憩をとってあげましょう。車で移動するなら、公園やサービスエリアなど犬を散歩できる場所をあらかじめ調べておき、水分補給や軽い散歩ができるとストレスがたまりにくくなります。

優しく声をかけてあげる

慣れない移動中に犬が不安そうにしていたら、なるべく優しく声をかけてあげましょう。普段から聞き慣れている飼い主の声を聞けば、犬も安心するはずです。

撫でて安心させる

引越し前後は忙しいこともあり、犬とのコミュニケーションが不足してしまいがちです。しかし、少しでも犬のストレスを緩和するためには、なるべく触れ合って愛情を伝えてあげましょう。

おやつをあげる

どうしても犬がストレスで落ち着かない場合は、おやつをあげて気をそらしてみましょう。ただし、乗り物酔いをしてしまう可能性があるので、あげ過ぎには注意してください。

要注意!引越し後の犬のストレスサイン

要注意!引越し後の犬のストレスサイン
要注意!引越し後の犬のストレスサイン

引越しがスムーズにいったとしても、引越し後に体調やメンタルを崩す犬もいます。ストレスサインとして、どのような行動があるのか解説します。

トイレの失敗が増える・粗相をする

家の間取りや様子が変わったことで、トイレの失敗が増えてしまうことがあります。この場合は、あらためて新しい環境でのトイレトレーニングをおこないましょう。一度できていたことなので、初めて教えた時よりは早く覚えることが多いはずです。前の家と似たような環境やアイテムを使うと、犬も早く覚えられます。失敗が続いたとしても、犬自身が戸惑っていることも多いので、あまり叱りすぎないようにしてあげてください。

食欲がない・お腹が下っている

犬はストレスを感じると消化器系が不調になり、食欲が落ちたり下痢をしてしまったりします。食事を見直して様子を見るか、獣医師に診てもらいましょう。小型犬や子犬は脱水症状や低血糖になってしまう可能性があるので、早めに相談することをおすすめします。

夜鳴きをする・無駄吠えをする

犬が夜鳴きや無駄吠えをするのは、ストレスがたまっていることや、飼い主の気をひきたいという気持ちが原因です。吠えた時は不必要に反応せず、冷静に対応してください。外の音に反応しているようなら、なるべく静かな部屋にケージを置き、ケージの上から毛布やバスタオルを被せて落ち着かせてあげましょう。

夜寝なくなった

環境が変わると、寝つきが悪くなる犬も少なくありません。なるべく引越し前と同じケージ・毛布・おもちゃをあげて、安心できるようにしてあげましょう。どうしても寝ない場合は、添い寝して多めにスキンシップを取るようにすると、ストレスが解消されやすくなります。

留守番ができなくなった

新しい家に引越すと、知らない場所に置いていかれてしまったと不安になり、留守番ができなくなってしまう犬もいます。なるべく引越し直後は留守番を短くし、家に慣れてきたら少しずつ長くするようなトレーニングをしてあげましょう。引越しのストレスがたまりすぎてしまうと、飼い主と離れているとパニックになったり暴れたり、トイレに失敗したりしてしまう分離不安症になる可能性もあります。

犬を新居に慣れさせる方法

犬を新居に慣れさせる方法
犬を新居に慣れさせる方法

犬が新居に慣れて、のびのびと生活できるようにする工夫をご紹介します。

新居の中を散歩させる

新居を安全な場所だと認識してもらうために、犬に自由に散歩してもらいましょう。新しい場所でも落ち着けることがわかると、前の家と同じように生活ができます。

旧居で使っていたものを持っていく

引越しを機に新しくものを買い替えることは多いですが、犬のためのアイテムはなるべく旧居で使っていたものを使い続けましょう。使い慣れているものを持って行くことで、犬が安心できます。

生活習慣を変えない

引越し前と生活習慣を変えないことも重要です。起きる時間や食事の時間、散歩の時間などが大きく変わると、犬はストレスを感じてしまいます。

なるべく一緒にいる時間を増やす

引越し前後は忙しいと思いますが、なるべく犬と一緒にいる時間を増やしてあげましょう。飼い主と触れ合って愛情を感じられることで、新しい環境に慣れやすくなります。また、新居に引越したら積極的に散歩にも行くことをおすすめします。家だけでなく散歩コースも変わるので、犬が少しでも早く覚えて安心できるようにしてあげてください。

犬との引越し後に必要な手続き

犬との引越し後に必要な手続き
犬との引越し後に必要な手続き

犬との引越し後に必要な手続きについてご紹介します。

マンションの管理組合に申請届を提出する

引越し先がマンションなどの集合住宅の場合は、管理組合に犬を飼育していることの申請書を提出する必要があります。提出方法などはマンションごとに異なるので、管理規則に従って進めましょう。

自治体の役所や保健所で住所変更をおこなう

犬の飼い主には、以下3つのことが法律で義務付けられています。

  1. 現在居住している地区町村に飼い犬の登録をする
  2. 年1回、狂犬病の予防接種を受けさせる
  3. 犬の鑑札と注射済票を飼い犬に装着する

どのような犬でも、住所変更すれば届け出が必要です。ここでは、同じ市区町村内で引越しする場合と、別の市区町村に引越しする場合とに分けて解説します。

同じ市区町村で引越しする場合

同じ市区町村で引越しをする場合は、市区町村窓口もしくは保健所に住所の登録変更届を出します。住所変更しないと、万が一脱走したり迷子になったりした時、保健所や警察から飼い主に連絡がいかなくなってしまう可能性があるので注意してください。
住所変更の届け出は、登録した飼い主本人がおこないます。委任状で代理の人に依頼が可能なケースもありますが、基本的に本人以外は不可です。身分証明書を持参して、窓口に行くようにしてください。

別の市区町村に引越しする場合

別の市区町村に引越しをする場合は、住所の登録変更届のほかに、鑑札と注射済票の2つの手続きが必要です。鑑札は、犬を飼い始めて最初の登録時に交付されます。引越しで住む市区町村が変わる場合には更新が求められ、紛失してしまうと前の市区町村で再交付してもらわなくてはいけません。
注射済票は、狂犬病の注射を打った時に交付されます。年1回の狂犬病の注射を、引越し前に打っている場合は提出が必要です。予防接種をしたかわからない、あるいは注射済票が手元にない時は、かかりつけ医や予防接種したと思われる動物病院に確認しましょう。どちらも、住所の登録変更届を出す時に一緒に提出します。

マイクロチップの登録住所変更をおこなう

マイクロチップを装着していれば、Web、メール、FAX、郵送の4種類の方法で住所変更できます。環境省のホームページから住所変更をおこなう場合、登録証明書に書かれているマイクロチップの識別番号と暗証記号を準備しましょう。登録事項の変更に手数料はかかりません。

犬との引越しでよくある質問

犬との引越しでよくある質問
犬との引越しでよくある質問

最後に、犬との引越しでよくある質問について回答します。

犬と一緒に新居に移動する手段は?

犬と一緒に新居に移動する手段には、自家用車・電車・飛行機などがあります。基本的にキャリーケースなどに入れて犬を連れて行くので、普段からキャリーケースの中で大人しく安心して過ごせるようにしておきましょう。

犬が新居に慣れるための方法は?

犬が新居に慣れるためには、なるべく前の家と同じような環境を作ることが重要です。ベッド・毛布・おもちゃなどについた自分の匂いに安心するため、新しいものに買い替えるのは新居に慣れてからにしましょう。また、音や光に敏感になることも少なくありません。なるべく静かな場所にケージを置き、毛布などで視界をさえぎってあげると落ち着きやすいでしょう。

犬の住所変更に必要な手続きは?

同じ市区町村での引越しなら住所変更届が必要です。また、異なる市区町村への引越しなら、住所変更届のほかに鑑札と注射済票も提出します。市区町村の窓口や保健所で飼い主本人が手続きしてください。なお、自治体によって費用がかかることもあります。

犬にとって、引越しは大きなストレスがかかるイベントです。引越し前後で体調を崩す場合も多いので、なるべく犬の様子を確認しながら、ストレスがかからない方法で引越しをしてあげましょう。

執筆者

古泉葵

2020年からフリーランスのWebライターとして活動。ライフスタイルやグルメなど幅広い分野の記事を執筆。理系大卒で、ロジカルな文章の作成が得意。

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