このページの一番上へ

猫と引越す方法は?必要な準備と注意点を徹底解説

猫と引越す方法は?必要な準備と注意点を徹底解説
猫と一緒に生活している人は、引越しが決まった際、何か手続きや注意すべきことはないのか不安になるかもしれません。何も用意せず引越しの日を迎えると、実はやるべきこと、用意すべきものが多くて慌ててしまうでしょう。また、猫がストレスなく引越しを終えるためには、事前の理解と準備が必要です。
そこで本記事では、猫とスムーズに引越しをするための準備や注意点を解説します。

引越しは猫にとって大きなストレス

引越しは猫にとって大きなストレス
引越しは猫にとって大きなストレス

引越しが決まると、新居での生活に胸が躍り、ワクワクした気持ちになっているかもしれません。しかし、猫にとって引越しは、以下のような点から大きなストレスとなります。

  • 慣れ親しんだ場所からの移動
  • 環境の変化
  • 長時間の移動
  • 慣れない大きな音や振動

慣れ親しんだ家は、猫にとって安心して過ごせる場所です。そこから離れることを猫は好みませんし、新居という新たな環境への変化は、不安等の気持ちでいっぱいになります。
また、引越しでの移動は基本的にペット用のキャリーケースで運びますが、狭くて行動が制限されるキャリーケースの中にいるのもストレスでしょう。特に遠方への引越しは長時間におよぶため、猫の感じるストレスもより大きなものとなります。さらに、周囲から聞こえてくる音、移動による振動なども精神的なストレスを与え、場合によっては体調不良につながることもあるでしょう。こうした背景から、猫との引越しでは、できるだけストレスを軽減できるような配慮が求められます。

猫と引越す方法は大きく分けて3つ

猫と引越す方法は大きく分けて3つ
猫と引越す方法は大きく分けて3つ

猫と引越すための手段は、大きく分けて3つです。それぞれどのような方法があるかご説明します。

自分で運ぶ

自家用車や公共交通機関を使用して、飼い主が自分で引越し先まで連れて行く方法です。移動中はキャリーケースに入れておきますが、常に飼い主と一緒のため、猫も安心していられるでしょう。ただし、公共交通機関に乗車する場合、通常運賃とは別に「手荷物料金」が必要な場合があります。料金の有無や金額は、実際に使用予定の交通機関に確認しておきましょう。
なお、公共交通機関では、周囲に他の乗客がいることを忘れてはいけません。猫は大きな鳴き声こそ出しませんが、頻繁に鳴けば気になる人もいます。また、そもそも猫が苦手という方やアレルギーの方もいますので、周囲には十分に配慮してください。

引越し会社へ依頼する

すべての会社ではありませんが、なかにはペットの運搬にも対応している引越し会社があります。会社によって対応してくれるペットの種類が異なる場合もありますので、依頼前に確認しておいてください。引越し会社へ依頼すれば、引越し準備に余裕が生まれるでしょう。
なお、ペットの運搬を依頼する場合には、通常料金とは別に費用が発生します。そのため、見積もりの段階で総額を把握しておきましょう。

ペット専門の輸送会社へ依頼する

ペット輸送の専門会社もあります。移動中に水分補給させてくれるなどプロの配慮があるので、初めての引越しで不安という場合には活用を検討してみるとよいでしょう。なかには、飼い主も付き添って移動させてくれる会社もあるなど、サービス内容は会社によってさまざまです。
ただし、他2つの方法と比べると費用は高くなる点に注意してください。基本的に、費用はペットの種類や移動距離で変わります。まずは見積もりを依頼し、他の方法も含めて比較検討することが大切です。

【交通手段別】猫との引越し方法

【交通手段別】猫との引越し方法
【交通手段別】猫との引越し方法

自分で猫を新居へ運ぶ場合には、自家用車の有無や引越し先の場所によって、使用する移動手段が変わります。以下で主な3つの手段別に、注意点等を見ていきましょう。なお、猫の乗り物酔いが心配な場合には、あらかじめ動物病院を受診しておき、酔い止めの薬を飲ませてあげるとよいでしょう。

自家用車で移動する場合は、猫をキャリーケースに入れて運びます。猫は臭いに敏感なため、タバコを吸ったり芳香剤を置いたりしないように気を付けましょう。車内は適温を保ち、音楽などの音量は大きくなり過ぎないよう注意します。
運転中は路面の状態によって車体が揺れるため、できるだけ揺れにくい場所を選びましょう。揺れ防止のほか、急ブレーキ等でキャリーケースが動いたり落ちたりしないよう、シートベルトで固定したり、同乗者が常に気を配るなどの工夫が大切です。キャリーケース内に毛布など入れておくと、衝撃を和らげてくれます。乗車しているのが運転手だけの場合、助手席など目の届く場所にキャリーケースを置くとよいでしょう。

電車

電車移動は、必ずキャリーケースに猫を入れておきます。鉄道会社によってキャリーケースの大きさに規定が設けられているため、事前に確認してください。また、利用する鉄道会社によりますが、通常とは別にペット運賃が必要になることもあります。
周囲への配慮、また猫の安全を考えて、電車内が混雑する時間帯は避けましょう。人によっては猫がいることを迷惑に感じることもありますし、キャリーケースが蹴られるといったリスクも考えられます。なお、あまり頻繁に鳴くような場合は、一度下車して落ち着かせるといった配慮も必要です。

飛行機

飛行機で猫を移動させる場合、猫は客室に持ち込めないため貨物扱いとなります。別途料金が発生しますが、料金は航空会社によって異なるので事前に確認してください。布製のキャリーバッグでは預けられず、基本的にハードケースが必要です。もし持っていない場合、航空会社で貸し出してくれることもあるので相談してみましょう。
移動中は貨物室にいることになりますが、外気の影響を受けやすいことから、室内は寒かったり暑かったりする可能性があります。暑い時期なら冷却シートを入れたり、寒い時期なら毛布を入れたりして、できるだけ猫が快適に過ごせるようキャリーケース内の環境を整えてあげてください。

猫と引越しをする前に必要な準備

猫と引越しをする前に必要な準備
猫と引越しをする前に必要な準備

猫と引越すにあたり、事前に準備しておきたいもの、考えておきたいことなどを解説します。スムーズに引越すうえで大切なことなので、しっかり準備を進めましょう。

引越し先は「ペット可物件」を選ぶ

猫と一緒に暮らすのであれば、必ず新居はペット可物件を選びましょう。ペット不可の物件で隠れて猫を飼ってしまうと、退去を求められるなどトラブルが起きかねません。なお、ペット可の物件は通常と比べて、賃料が少し高めに設定されています。
なお、ペット可の物件だとしても、念のため契約前に猫を飼う予定であることを伝えておいてください。複数匹はNGだったり、ペットを飼う場合には別途費用が発生したりするなど、ペット可でも規定が設けられていることがあります。

新居の近くに動物病院があるか確認する

予防接種を受けたり、突然の不調で診察してもらったりすることを考えて、新居の近くに動物病院があるか確認しておきましょう。駐車場の有無や、車が使えないケースを考えて徒歩での経路や時間なども見ておくことをおすすめします。また、夜間でも対応してくれる病院があれば、緊急時の備えとして安心です。

家具や猫用品はできるだけ買い替えない

引越しを機に、家具や猫用品を新調しようと考える方がいるかもしれません。しかし、これらはできるだけ買い替えず、引越し前のものを残しましょう。家が変わるだけでなく家具やいつも使う食器やケージ等の用品まで新しくなると、猫は環境変化から大きなストレスを感じてしまいます。
猫のにおいがついたものを残しておくと、ストレスを軽減させてあげられます。引越し後、猫が環境に慣れてきてから少しずつ必要なものを買い替えるとよいでしょう。

猫用品はすぐに取り出せるようにしておく

引越しの際には荷物を段ボールに詰めて運びますが、猫用品はすぐ取り出せるようにしましょう。新居に到着したら、できるだけ早く取り出して猫の落ち着ける環境を整えてあげてください。特にすぐ使いたいものは、段ボールに入れず手持ちで運ぶのも一つの方法です。

引越し前夜のごはんの量は少なめに

移動中の乗り物酔いで吐いてしまったり、ストレスによる排泄トラブルが起こったりしないよう、引越し前夜はごはんの量を少なめにしましょう。また、移動直前の食事も避けた方が無難です。

猫との引越し当日に持っておくべきアイテム

猫との引越し当日に持っておくべきアイテム
猫との引越し当日に持っておくべきアイテム

猫と引越す際には、以下のようなアイテムを一緒に持ち運ぶとよいでしょう。

  • 猫用ケージ・ハーネス
  • トイレシート・ビニール袋
  • 首輪・迷子札・マイクロチップの装着
  • 猫のにおいのついたモノ
  • おやつ

ハーネスはなくても大丈夫ですが、万が一猫がキャリーケースから飛び出した際に逃げないよう、装着させておくと安心です。同様に、脱走時の備えとして、首輪などの用意もおすすめします。また、移動中にキャリーケース内で排泄した場合、すぐ片付けられるようビニール袋などを用意しておきましょう。
できるだけ移動中のストレスを減らせるよう、キャリーケースに猫のにおいの付いたオモチャなどを入れておきます。飼い主の服や使い慣れたブランケットがあれば、キャリーケースに被せておくと目隠しにもなるのでおすすめです。

引越し中の猫のストレスを緩和させるためにできること

引越し中の猫のストレスを緩和させるためにできること
引越し中の猫のストレスを緩和させるためにできること

引越し中は、どうしても猫にストレスを与えてしまいます。そのストレスを少しでも緩和できるよう、以下のような対応を検討しましょう。

長距離の場合はこまめに休憩をとる

ずっとキャリーケースで過ごしていると、運動不足にもなりストレスが積み重なります。移動時間が長くなるようなら、こまめに休憩を取ってリフレッシュさせてあげましょう。

優しく声をかけてあげる

ときどき、キャリーケース越しに優しく声をかけてあげてください。飼い主の声を聞けば、猫に安心感を与えることができます。もし毛布などをキャリーケースに被せているなら、少し開けて顔を見せてあげるとよいでしょう。

撫でて安心させる

声がけだけでなく、優しく撫でてあげるのも安心感につながります。ただし、キャリーケースを空けた際に逃げ出してしまわないよう注意してください。

毛布などを敷いておく

移動中は揺れや衝撃があるため、キャリーケース内に毛布を敷いて和らげてあげましょう。日頃から使い慣れているものなら、よりストレス緩和につながります。

猫と引越す際の注意点

猫と引越す際の注意点
猫と引越す際の注意点

猫と引越す際には、以下のような点に注意が必要です。

旧居の清掃はしっかりと

ずっと暮らしていると慣れてしまって気付きにくいですが、猫が住んでいた家は、室内に独特の臭いが残るものです。また、床や柱などに傷が付いていることもあるでしょう。においや傷がひどいと、退去時に追加費用が発生する可能性があります。荷物を運び出したら、しっかり掃除や換気をおこない、原状回復に努めてください。

引越し後はマイクロチップの住所変更を忘れずに

猫を飼う場合は、マイクロチップの装着および登録が動物愛護管理法で定められています。飼い始めた際におこなっているはずですが、引越した場合にはマイクロチップの住所変更が必要です。手続きは、郵送もしくはオンラインでおこなえます。

新居では落ち着ける場所を用意する

引越し先に到着したら、できるだけ早く猫が落ち着ける場所を作ってあげましょう。環境変化は猫にとってストレスであり、慣れるまでの期間は個体差があります。あまり構い過ぎず、猫が慣れるまで様子を見守ってあげてください。ケージやオモチャなど、引越し前に使用していたものをそのまま使わせてあげることで、安心して過ごしやすくなります。

脱走防止のための対策をする

ストレスが原因となり、ふとした瞬間に脱走してしまう可能性もあります。そのため、猫をキャリーケースから部屋に出す前に、脱走対策をおこないましょう。ちょっとした隙間やドアを開けた瞬間でも、猫は脱走してしまいますので注意しましょう。

まとめ

猫と引越すための方法について、事前準備や注意点と共に解説しました。猫は自分で運ぶ方法のほか、引越し会社や専門会社に依頼することも可能です。特に引越しに不慣れで心配な方、あるいは引越し先が遠方の場合などは、専門業者に依頼すると安心でしょう。
住み慣れた家を離れることは、猫にとって大きなストレスとなります。少しでもストレスを軽減させられるよう、移動中から引越し後まで配慮ある行動を心がけましょう。これから猫と一緒に引越しを考えている人は、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。

執筆者

三河 賢文

“走る”フリーライターとして活動。学生時代から15年以上の経験を持ち、現在はディレクションや編集業務も手掛ける。結婚後はライフステージの変化に応じて5回引越し。現在は都内の持ち家を手放して千葉県へ移住し、田舎暮らしを楽しむ。趣味はマラソンと薪割り。4人の子と1匹の犬と暮らす大家族フリーランス。熱帯魚やウーパールーパーも飼っている。ナレッジ・リンクス(株)代表、WILD MOVE主宰/ランニングトレーナー。

関連する記事を見る
ペットを飼っていると、引越しの際どう対応すべきか悩まれる方は多いでしょう。本記事では、大切なペットがストレスなく引越しする方法や、引越し後の手続きまで解説します。ペットと引越しを考えている方は、ぜひご参考にしてください。
不動産お役立ち記事・ツールTOPへ戻る