引越し料金が安い時期はいつ?繁忙期と閑散期の相場の差や安く抑えるためのコツを解説

記事の目次
引越しの繁忙期(高い時期)・閑散期(安い時期)はいつ?

上記のグラフからもわかるように、引越しの繁忙期となるのは3月~4月。4月といえば入学シーズンでもあり、特に3月は大学進学などに向けた引越しが集中しやすいタイミングです。一般的に数多くの会社でも4月に年度が切り替わるため、3月前後は就職や人事異動にともなう引越しが増える時期でもあります。こうした需要の集まりやすい繁忙期では、引越し料金も高くなるのが特徴です。
一方で5月~2月は基本的に閑散期となり、繁忙期に比べると、引越し料金もかなり安くなります。やむを得ない事情で、時期がずらしくにくい引越しでない限りは、閑散期の5月~2月が引越しするのにおすすめのタイミングです。
引越し料金の相場

では実際の引越し料金の目安として、大まかな相場について以下からご紹介していきます。まずは引越し料金が何によって変動するのか、簡単な内訳から見ていきましょう。
基本運賃 | 作業時間または輸送距離と、トラック積載量に応じて設定されます。(国土交通省による料金基準をもとに算出) |
---|---|
実費 | 引越しスタッフの人件費や梱包資材費、道路の利用料金など、作業にかかる必要経費に該当します。 |
付帯サービス | 家電の取り外し・設置や、特殊品輸送(車・バイク・ピアノなど)、不用品回収といった、基本の引越し作業にオプションとして追加する際のサービス料金です。 |
割増 | 休日(土日祝)や深夜・早朝などの対応日時、各地域の気候(降雪地)、繁忙期によって割増料金が発生します。 |
引越し料金は、主に上記のような4つの要素から構成されています。また荷物の搬出元・搬入先の条件次第では、別途料金が加算される可能性もあります。例えばエレベーターがない集合住宅の上階や、狭い道路(建物前の駐車不可)などの場合、作業工程が増えることになり、追加料金が発生するケースも。引越し作業が難しい物件に住んでいる際には、料金にも影響しやすいので要注意です。
さらに上記表の割増料金にもあるように、3月・4月の繁忙期や休日は人手が不足しやすいことから、人件費がかかることで引越し費用も高騰します。一方で2月~5月の閑散期では、受注が集まりにくいことから、割引サービスが適応されることも。そのため閑散期のほうが、リーズナブルに引越しがしやすい傾向にあります。
引越し料金の閑散期と繁忙期の相場比較
ここからは引越し料金の相場について、閑散期と繁忙期のそれぞれで比較します。荷物の量や距離によっても変動するため、世帯数・移動範囲別に分けて見ていきましょう。
単身者(一人暮らし)
閑散期 | 繁忙期 | |
---|---|---|
50km未満 (同都道府県程度) |
約30,000~35,000円 | 約40,000円~50,000円 |
500km以上 (長距離) |
約55,000円~70,000円 | 約65,000円~90,000円 |
※荷物少なめ(1DK以下程度)の場合
単身の場合は、近距離・長距離の双方において、閑散期と繁忙期では1万円程度は引越し料金が異なります。なお単身では、時期よりも、輸送距離にともなう差が大きい傾向にあるのも特徴です。
カップル・夫婦(二人暮らし)
閑散期 | 繁忙期 | |
---|---|---|
50km未満 (同都道府県程度) |
約60,000~70,000円 | 約85,000円~90,000円 |
500km以上 (長距離) |
約110,000円~170,000円 | 約170,000円~300,000円 |
二人暮らしの場合は、近距離なら時期によって2万円程度、長距離なら6万円程度の差が出ています。遠方になればなるほど、時期による違いが大きくなる傾向にあり、遠方への引越しの際には注意が必要です。
家族(ファミリー)
閑散期 | 繁忙期 | |
---|---|---|
50km未満 (同都道府県程度) |
約80,000~90,000円 | 約100,000円~110,000円 |
500km以上 (長距離) |
約140,000円~200,000円 | 約200,000円~300,000円 |
※3人家族の場合
ファミリー世帯でも、近距離なら2万円程度、長距離なら6万円程度の差であり、二人暮らしの場合と似たような傾向にあります。二人暮らしやファミリー世帯だと、単身に比べて荷物量が増えやすく、引越しスタッフの人数も多く必要になるので、時期の影響を受けやすいと考えられるでしょう。
引越し料金が安くなる時期はいつ?

5月~2月の閑散のなかでも、引越し料金がより安くなる時期としては、6月~8月または10月~1月。特に単身とファミリー世帯のそれぞれでは、次のような違いもあります。
・単身者の場合
特に6月や10月は、進学や就職などのイベントにも被りにくく、引越し需要が落ち着いていて料金も安くなるタイミングです。また12月や1月の年末年始あたりも、帰省や友人・親族との集まりなど、何かと忙しい時期で引越しも減りやすい傾向にあります。
・ファミリー世帯の場合
お子さんのいる家族だと、4月以外にも、9月の新学期のタイミングに合わせて引越しするケースも見られます。そのため7月や8月上旬までに引越しをしたほうが、他の世帯の需要と被りづらく、料金も抑えやすいのが特徴です。また単身と同様に、12月も季節の行事で忙しくなりやすく、引越し需要が減りやすいので料金も比較的安くなる傾向にあります。ただし1月に入ってしまうと、冬休み明けの新学期スタートに合わせる需要と被るため、なるべく12月上旬の早い段階がおすすめです。
同じ月でも引越し料金が高くなる日に注意!
同じ月のなかでも、例えば長期連休や土日祝は、休みを使って引越しをする人が多いので料金は高くなる傾向にあります。また月末も、中途採用の入退社や物件の解約などの時期と被りやすく、何かとキリのいいタイミングなので引越し需要が集まりやすくなります。上旬や中旬に比べて、割高になっている場合もあるので注意しましょう。
縁起がいい日取りも、結婚や注文住宅を建てた際などに引越しをする、ファミリー世帯からの人気が高いタイミング。引越し需要も増えやすいので、大安・天赦日・一粒万倍日などの日取りは避けたほうが料金を安く抑えられる場合もあります。
繁忙期(高い時期)に引越しをするメリット・デメリット
繁忙期の引越しでは、料金以外の部分で見てみれば、実は準備がしやすいメリットもあります。とはいえ引越し需要が集中しやすい時期には、料金だけでなく、さまざまな面でのデメリットも。では引越し繁忙期の特徴について、メリットとデメリットに分けて整理してみましょう。
高い時期に引越しをするメリット
引越しの需要が増えることは、裏を返せば退去して部屋が空く物件も多くなるということです。つまり人の出入りが少ない閑散期に比べて、物件の選択肢が豊富になるメリットがあります。多くの物件から選べる分、より最適な物件を探しやすいのは大きな利点でしょう。
また繁忙期となる春先は、気候が穏やかな時期でもあるため、準備がしやすいのも特徴。例えば冷暖房系の家電や厚手のコートなどのシーズン品も早めから片付けやすく、屋外作業なども進めやすいタイミングといえます。
高い時期に引越しをするデメリット
繁忙期のお部屋探しは、前述のように空き物件数は増えるものの、入居希望者も多い時期なので、早めに決断しないと契約がうまく進まない可能性も。また入居の需要が高いため、敷金・礼金などの初期費用が割増になるケースもあります。
また引越し会社への依頼では、料金の高さに加えて、予約がすぐに埋まってしまうのも難点。希望の日時に対応してもらうのが難しく、なかなか依頼できる引越し会社が見つからない場合もあります。また入居の審査や引越し会社の見積もりなど、各種手続きにも時間がかかりやすい一面があり、全体的にできるだけスピーディーな行動が求められるでしょう。
閑散期(安い時期)に引越しをするメリット・デメリット

閑散期では、料金が安いだけでなく、余裕を持って動けるタイミングならではのメリットもいくつかあります。とはいえ、注意しておきたいデメリットもあるので、以下からそれぞれ詳しく見ていきましょう。
安い時期に引越しをするメリット
引越しの閑散期は、入居者が集まりにくい時期でもあるため、空き物件のオーナーとしては、なるべく契約を決めることを優先する傾向があります。入居してもらいやすくするために、家賃や初期費用の値下げ交渉にも柔軟に対応しているケースがあり、比較的有利な条件で物件を決定しやすい一面も。
例えば古い設備を新品に交換してもらうなど、より快適な環境に向けた交渉もしやすいでしょう。また入居率が振るわない物件の場合、一定期間の家賃を免除する「フリーレント」になっていることもあり、お得に入居できる可能性もあります。
さらに、余裕のある時期なので、入居の手続きや引越し会社の対応も早く、スムーズに準備が進みやすいのも利点。繁忙期のように混み合わないので、引越し日時などの希望も通りやすいのがメリットです。
安い時期に引越しをするデメリット
引越しの閑散期では、すでに住居が定着しているタイミングなので、退去件数も少なくなります。繁忙期とは反対に、空いている物件があまりなく、選択肢が減る分いい住まいに出合いにくいのはデメリットかもしれません。
また月初などの中途半端な時期に引越しをすると、仮に契約の切り替わりが月末になっている場合、そこまでの家賃などを負担しなければならない可能性も。解約できるタイミングに合わせて退去しないと、引越し料金は安くなったとしても、残日数分にともなう余計な出費が発生してしまうことがあります。トータルコストを考えたうえで、引越しの時期を決めるのがベストです。
引越し料金を安く抑えるための7つのコツ

では引越し料金をできるだけリーズナブルにするために、依頼時に気を付けておきたいポイントを解説していきます。
なるべく早く見積もり・予約をする
希望の日時や条件で引越しをおこないたい場合は、予約が埋まらないうちに行動することが欠かせません。すでに予約が集中しているタイミングだと、値段の交渉にも応じてもらいにくく、仮に安いプランがあったとしても利用枠が空いていない可能性もあります。特に繁忙期の引越しでは、遅くとも1カ月前には問い合わせできるように動き出しましょう。
複数社に見積もりを依頼する
複数の引越し会社から見積もりを取ることで、料金の相場が把握しやすくなります。そうすることで、きちんとサービス内容と料金明細を確認しながら、より適切な引越し会社に依頼できるでしょう。また他社の料金目安を知っておくことで、候補の引越し会社に値段交渉をする際の基準にもできるのがメリット。他社の価格を提示することで、「うちの会社なら○○円まで下げられます」というように、値下げをしてもらえるケースもあります。
不動産情報サイト アットホームの引越し見積もりサービスを利用すれば、一度の入力で複数の引越し会社への見積依頼ができます。概算料金の比較も可能なので、ぜひ一度活用してみてくださいね。
人気の日時を避ける
ここまでにも出てきたように、休日や縁起のいい日取りは人気なので、なるべく避けたほうが引越し料金も安くなります。例えば平日をはじめ、仏滅や不成就日などのいわゆる凶日は人気が集まりにくいので、引越し料金を節約したい時にはおすすめです。
また引越し会社の運搬の時間帯として、午前便・午後便・フリー便の3つが用意されているのが一般的です。なかでも午前便で依頼する人が多い傾向にあるので、引越し料金を安くしたいのであれば避けたほうが無難。特にフリー便は、時間指定せずに引越し会社の都合に応じて作業してもらうサービスであり、運搬効率がいいため料金が安く設定されているのが特徴です。
オプションを付けない
例えば荷造り・開梱を引越し会社のスタッフがおこなってくれるなどのオプションサービスを付けると、その分追加料金が発生するため、値段も高くなってしまいます。引越し会社に任せる作業は最低限にして、できるだけ対応できそうものは自分でおこなうことで、料金を安くすることにつながります。
荷物が少ない場合は混載便を利用する
混載便とは、似たような場所に引越しをする、複数名の荷物を同じトラックに積載して輸送する方法です。他の引越しの荷物と合わせて運ぶことで運搬コストを抑えられるため、料金は安く設定されています。ただし荷物の到着日時の指定は、基本的にできない点には要注意。引越しのスケジュールに余裕がある際には、混載便を利用してリーズナブルに済ませるのもおすすめです。
荷物が多い場合はコンテナ便を利用する

コンテナ便とは、コンテナを使って列車や船で輸送する方法で、荷物が多い場合や長距離の場合に適しています。トラックで運搬するよりもコストが抑えやすく、引越し料金も安めになっているのが特徴。ただし輸送には数日かかることもあるため、実家に一時的に宿泊するなど、荷物が到着するまでの間の生活環境を確保できる際に活用するとよいでしょう。
荷物を少なくする
荷物の量を減らすことで積載量が少なくなり、引越し料金が安くなる可能性があります。特に大型の家具や家電は運搬の負担になりやすく、引越しを機に買い替えるのであれば、不用品は新居に持って行かず、処分するとよいでしょう。ダンボール数を少なくするのも大切ですが、大物品を減らすほうが引越し料金には影響しやすいので、必ず引越し前までに廃棄・回収・中古買い取りなどで処分しておきます。
引越し会社選びのポイント
引越し会社を選ぶ際は、料金だけで選んでしまうのは危険。きちんと各社のサービス内容を確認しておかないと、思うような対応をしてもらえない可能性もあります。特に以下のポイントは、十分にチェックしたうえで依頼するようにしましょう。
- 豊富な実績があるかを確認する
- 無料サービス内容・オプションサービス内容を把握する
- 対応がいいかを確認する
- 見積もり価格の詳細を確認する
事前に確認しておきたいのは、やはり引越し会社の作業品質です。仮に作業品質に問題があると、例えば荷物が破損する・新居を傷付けられてしまう・スケジュールどおりに進まないなどの問題が発生するケースも。できるだけ無事に引越しができるように、少なくとも上記に挙げた項目はチェックしておきましょう。
引越し会社を決める際には、いくつか候補をピックアップしたら、各社のホームページを見て実績やサービス内容を確認。併せて口コミ情報も調べておくと、各社の対応のよさも把握できます。また見積もりをもらったら、単純な合計金額だけでなく、何にどれくらいの料金がかかっているのか項目の詳細をチェックしましょう。見積もりの明細があいまいになっている場合には、引越し後に追加料金を請求されるなど、あとからトラブルになる恐れもあります。
提示された金額をうのみにするのではなく、何か気になる部分があれば先方に直接問い合わせてみるのがベストです。
引越し会社の選び方については、以下の記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
引越し料金が安くなりやすいのは、繁忙期の3月・4月を避けた時期で、そのなかでも料金を抑えやすいタイミングがいくつかあります。同じ月でも月末よりは上旬、土日祝日や連休よりも平日というように、さまざまな条件で料金も変動するので、きちんとタイミングを見計らうことが重要です。また引越しの時期だけでなく、荷物の量や依頼する作業、利用する便によっても料金が安くなるケースがあります。ぜひ本記事を参考に、お得な引越しができるように工夫してみましょう。
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