引越し費用はだいたいいくらかかる? 相場や費用を抑える方法も解説

また、引越し費用を抑えるための方法もご紹介しますので、これから引越しを検討されている人は参考にしてください。
記事の目次
【ケース別アンケート】引越しに実際いくらかかった?
では実際に単身、二人暮らし、ファミリー、それぞれの場合でどれくらい引越し費用がかかったのかアンケート結果を見ていきましょう。
単身の引越し費用相場

※金額に住居の初期費用は含まない
単身の引越しでは50km未満であれば5万円以内で収まった人が6割以上という結果に。15km未満で引越しをした人からは3万円前後だったという声も多くありました。
また、どの距離でも単身者向けのプランが人気で、荷物が少ない分お得に引越しできるようです。
二人暮らし(夫婦、カップル、ルームシェアなど)の引越し費用相場

※金額に住居の初期費用は含まない
二人暮らしではどの距離でも5~10万円が最多となりました。荷物を減らして単身者向けプランを利用したり、荷物の一部を自分たちで運んだりと工夫をした人も多くいました。
このアンケートではすでに二人で暮らしている人を対象にしています。ルームシェアや同棲などこれから二人暮らしをはじめるために引越しをする人は、こちらの記事を参考にしてください。
ファミリーの引越し費用相場

※金額に住居の初期費用は含まない
3人以上のファミリー世帯の結果は上記のとおりです。こちらも15km未満の引越しでは家電や大型の家具の運搬だけ、引越し会社を利用するなどして節約している人が多いようです。工夫次第では5万円以内に抑えられる可能性があるのはうれしいですね。
また、車や大型家具・家電の運搬、エアコンの取外・取付工事といったオプションを利用した人も単身、二人暮らしに比べ多くいました。
引越し費用はどう決まる?何にお金がかかる?

引越し費用がどのようにして決まるのか、具体的な項目や仕組みを見ていきましょう。
引越し費用の内訳
引越し費用は、以下のような項目によって総額が決定します。
基本運賃……運賃には所要時間で決まる「時間制」と、移動距離によって決まる「距離制」の2つがあります。そして基本運賃は、実際に荷物を運んだ時間、もしくは距離によって基準が決まっています。
実費……荷役や荷造りに必要な作業員費用や資材料金、移動でかかった有料道路の利用料など、実費負担となっている費用が請求されます。見積もり時点でも算出してもらえますが、場合により増減が生じる可能性もあるでしょう。
付帯サービス……引越し会社によって、さまざまな付帯サービスが提供されています。例えばエアコンの取り外し・取り付け、ピアノ輸送、アンテナの取り付け、家具類の防虫・消毒など。基本の引越し費用に含まれていない付帯サービスを利用した場合は、その料金が請求されます。
費用は距離と荷物量によって決まる
引越運送に係る時間制・距離制運賃の一例(課税事業者用抜粋)
1トン超え 2トン車まで |
3トン超え 4トン車まで |
5トン超え 6トン車まで |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
上限 | 下限 | 上限 | 下限 | 上限 | 下限 | ||
時間制 | 4時間制 | 20,360円 | 13,580円 | 24,000円 | 16,000円 | 26,900円 | 17,940円 |
8時間制 | 33,970円 | 22,650円 | 40,010円 | 26,670円 | 47,090円 | 31,390円 | |
8時間を超え 1時間増すごとに |
3,410円 | 2,270円 | 3,890円 | 2,590円 | 4,670円 | 3,110円 | |
距離制 | 100kmを超え110kmまで | 37,560円 | 25,040円 | 42,740円 | 28,500円 | 51,970円 | 34,650円 |
140kmを超え150kmまで | 43,850円 | 29,230円 | 49,940円 | 33,300円 | 60,720円 | 40,480円 | |
190kmを超え200kmまで | 51,720円 | 34,480円 | 58,910円 | 39,270円 | 71,620円 | 47,740円 | |
200kmを超え500kmまで 20kmまでを増すごとに |
2,760円 | 1,840円 | 3,160円 | 2,100円 | 3,860円 | 2,580円 | |
500kmを超え 50kmまでを増すごとに |
6,940円 | 4,620円 | 7,870円 | 5,250円 | 9,640円 | 6,420円 |
引越し費用は、距離と運ぶ荷物の量によって異なります。引越し先が遠方になるほど、また同様に荷物が増えるほど引越し費用は高くなる仕組みです。
距離については現在の居住場所と引越し先とで決まるため、基本的に引越しをする側では変えることができません。
しかし、荷物の量によって引越し会社は手配するトラックの積載量や台数を決めるので、不要なものを処分するなどしてあらかじめ荷物を減らせば、それだけ引越し費用を抑えられることになります。
引越し費用の目安は?
引越しを考えた際、いくらくらいが目安なのでしょうか。
下記の表は不動産情報サイト アットホーム内引越し料金比較にて算出した引越しの見積もりの平均金額です。
単身 | 2人 | 3人 | 4人 | 5人~ | ||
---|---|---|---|---|---|---|
近距離 | 通常期 | 44,995円 | 55,231円 | 80,085円 | 120,223円 | 129,574円 |
繁忙期 | 67,493円 | 82,847円 | 120,128円 | 180,335円 | 194,361円 | |
長距離 | 通常期 | 73,486円 | 82,200円 | 114,798円 | 151,981円 | 149,100円 |
繁忙期 | 110,229円 | 123,300円 | 172,197円 | 227,972円 | 223,650円 |
※100km未満を近距離、100km以上を遠距離としています。
※近距離は約97km(東京都心部~神奈川県足柄下郡)、遠距離は約350km(東京都都心部~愛知県名古屋市内)で算出しています。
※本州内の引越しを想定しています。
距離や世帯人数が増えるほど金額もあがっていきますね。引越し距離を縮めることはできないこともあるため、少しでも引越し費用を抑えたい場合は荷物を減らす、自分たちで運ぶことも検討しましょう。
また、繁忙期と通常期では金額に大きな差があることがわかります。繁忙期は通常期の1.2倍~1.7倍の見積もりになることが多いです。日程に余裕がある場合、繁忙期はなるべく避けたいですね。
これはあくまで目安なので、実際は割引やオプションで金額は変動します。より正確な見積もりが欲しい場合は「引越し見積もり依頼」から依頼してください。
引越し費用以外にかかるお金は?

引越しにあたっては、引越し費用以外にもお金がかかります。しっかり総額で費用を見込み、いざ引越しとなって困らないように準備しておきましょう。どのような費用が発生するのか、以下で具体的に解説します。
家具・家電の買い替え費用
例えば単身から二人暮らしになって家電を大きなサイズに買い替えたり、部屋が広くなったことで家具を一回り大きくしたり。あるいは、引越しを機に古い家電・家具を新しくするということもあるでしょう。そうした場合には、買い替え費用が発生します。
粗大ごみの回収費用
粗大ごみを回収してもらうのにも、費用がかかります。具体的な費用は自治体によって異なり、品目や場合によっては無料で回収してくれるケースもあります。居住している自治体に確認しましょう。
なお、粗大ごみでも回収してもらえない処分品がある場合には、別途、処分会社に依頼して処分費用を支払うことになります。
新居の契約や購入、リフォームの費用
引越し先の新居では、初期費用がかかります。賃貸であれば仲介手数料や敷金礼金、前払い家賃などが発生するでしょう。新居を購入するのであれば、手付金や手数料、税金、司法書士への報酬など、さまざまな費用が必要です。
引越し先でリフォームを検討することもあるでしょう。リフォーム代については程度や内容によって異なり、場合によって大きな負担となることもあります。特に中古物件を購入して引越しをする場合には、リフォームにどの程度の費用が必要なのか確認しておくことが大切です。
旧居を退去する際にかかる費用
賃貸の旧居を退去する際、例えば汚れや傷などが多く敷金で賄えない場合は、修繕費として別途費用を請求される可能性があります。もちろん、敷金0円で入居していれば、修繕費やクリーニング費用は自己負担しなくてはいけません。
実際の費用は、退去時に立会いのもとで大家さんや不動産会社の担当者と確認し、程度に応じて算出されます。
その他
その他、インターネットの回線費用や固定電話代、生活に必要な日用品の購入などもお金がかかります。新居で必要なものを整理し、全体的にかかる費用をあらかじめ想定しておきましょう。駐車場や駐輪場を利用する場合、物件によっては別途費用がかかることもあります。
引越し費用を安く抑える方法
ここからは引越し費用を少しでも安く抑える方法をご紹介していきます。
なるべく自分たちで運ぶ

先にご紹介したとおり、引越し費用は運ぶ荷物の量によって異なります。少しでも費用を抑えたいのであれば、できるだけ自分たちで荷物を運びましょう。
大型の家電・家具などを無理に運ぶ必要はありませんが、ダンボールに梱包できるような荷物なら個人でも運ぶことが可能です。引越し先が近ければ、自家用車でも何度か足を運ぶことでかなりの荷物を運んでしまえます。
自分たちだけで手が足りなければ、家族や友人に手伝ってもらうのもひとつの手です。ただし手伝ってもらう際には、ガソリン代を出したりご飯をごちそうしたり、お礼の品や心づけを渡すといいでしょう。
複数の引越し会社から見積もりを取る
同じ場所や荷物の量でも、引越し会社によって費用が異なります。そのため、できれば複数の引越し会社から見積もりを取りましょう。インターネットを使えば、簡単に複数社へ一括見積もりを依頼することが可能です。
最終的には訪問見積もりとなりますが、一括見積で費用が安い、あるいは対応のよさそうな会社に絞って話を進めるのがおすすめ。
なお、現地見積もりでは、即決を条件に安価な費用を提示してくる引越し会社もあります。まだ他社の見積もりを控えている場合、その場で決めるべきか悩んでしまうかもしれません。
引越し会社によってサービスの質やオプションなども異なるので、なるべく即決は避け、引越し会社を比較しましょう。
繁忙期を避ける
引越しには繁忙期があります。進学や就職などのシーズンとなる3~4月は、特に多くの引越し依頼が寄せられます。こうした時期は引越し費用も高くなるため、できるだけ避けましょう。場合によっては、そもそも依頼を受けてもらえない可能性もあります。また、月末や大安なども引越しを希望する人が多くなります。
スケジュールに余裕があれば、引越し会社にできるだけ費用を抑えたい旨を伝え、時期の提案を受けるのもひとつの方法です。引越し会社側も、閑散期に依頼を受けられるのであれば、費用を低くしてでも対応してくれます。見積もりの段階で、いくつか時期ごとに費用を提示してもらうのもいいでしょう。
量を把握し、荷物を減らす
引越しと合わせて断捨離をして、運ぶ荷物を減らすのも引越し費用を抑えるひとつの方法です。見直してみると、長く使っていなかったり、なくても困らなかったりするものが出てくるでしょう。新居で使わないのであれば、この機会に処分するのもいいですね。
ただし、なかには粗大ごみで出す必要がある、あるいは粗大ごみに出せないものもあります。ルールに従って処分しないとトラブルを招きかねませんので、正しい捨て方を確認しておいてください。
不要なものは捨てるほか、リサイクルショップなどを利用して売却することも可能です。そのうえで正確な荷物の量がわかれば、それに合った安いプランを選べるなど、引越しに無駄がなくなります。
引越し会社のお得なプランを利用する

引越し会社では、さまざまなプランを提供しています。お得なプランを選ぶことで、引越し費用を安く抑えられるかもしれません。ここで、提供されていることが多い5つのプランをご紹介します。なお、実際に提供されるプランは引越し会社によって異なりますので、提供の有無は事前に各社へ確認してください。
単身引越しパック
基本的に1人での引越しを対象としている、単身者向けのプランです。荷物が少ないなら、通常より安く引越しができるでしょう。例えば同棲や結婚などで二人暮らしをはじめる場合でも、それぞれ別の場所から引越すのであれば、各自で単身引越しパックが利用できます。
午後便、フリー便
引越し会社が運搬する時間帯は午前便、午後便、フリー便に分けられることが多いです。午後便は、午後に荷物が到着して作業がおこなわれること。フリー便は作業日程を引越し会社に任せるプランです。いずれも、通常より引越し費用が抑えられます。ある程度日程に余裕があり、時間を合わせやすいのであれば、活用することで節約につながるでしょう。
帰り便
帰り便は別の引越しを終えて戻ってくるトラックに荷物を積んでもらい、その戻り先あるいは途中で荷下ろしして作業するというプランです。
例えば、大阪から東京に引越をするとしましょう。東京から大阪への引越しをおこない、大阪で空になったトラックが東京に帰るところに自分たちの荷物を積んでもらいます。そして、東京の新居で荷下ろししてもらうといったケースです。
業者側からすれば、空のまま戻るより引越し費用が得られるため、通常より安価で対応してもメリットがあります。ただし、帰り便を利用するには、うまく他の引越しとスケジュールや場所がかみ合わなければいけません。タイミングが合わなければ、帰り便で依頼できないこともある点に注意してください。
混載便
混載便では自分たちだけでなく、他の人も含めた複数の荷物を一緒に運んでもらいます。複数名の荷物を一度に運べるため、引越し費用は安く抑えることが可能です。
ただし、複数名のスケジュールを調整する必要があるため、荷物を積んでから届くまで時間が掛かることが多いようです。必ずしも希望どおりの日程で引越せるとは限らないため、スケジュールに余裕を持っておくことが大切です。
コンテナ便
コンテナ便は、鉄道の貨物コンテナに荷物を積んで運びます。特に引越し先が遠い場合、トラックでの引越しより費用を抑えられる可能性があるでしょう。
引越し会社のオプションサービスを活用する
引越し会社によっては、引越しで出た不用品を回収してくれたり、エアコンの取り外し・取り付けをおこなってくれたり、とさまざまなオプションサービスを提供しています。
通常ならそれぞれ専門の会社に依頼する内容ですが、1社にまとめて頼むことで費用を抑えられたり、費用交渉しやすくなったりする場合もあります。
どのような作業が必要になるのか事前に確認し、オプションとして提供されていれば相談するのもいいですね。
中古品の買取をしてもらう

引越しで荷物を整理していると、新居では使わない不用品が出てくるでしょう。ごみ回収に出すこともできますが、その場合は処分費が発生します。
まだ使えるものがあれば、まずはリサイクルショップなどで買取査定に出してみるのがおすすめです。
量が多い場合は、自宅に担当者が訪れる出張買取を利用してみてください。その他、時間に余裕があれば、インターネットオークションや個人取引サイトなどを使い、自分で買い取り先を探してみるのもひとつの方法です。
自治体によっては引越し助成金がもらえる場合も
自治体によっては、引越してきた人に対して助成金を用意しているケースもあります。特に新婚世帯や移住者、子育て世帯に向けた支援をおこなっている自治体は少なくありません。助成金の内容は自治体や家族構成、経済状況等によって異なるので、一度調べてみてください。
まとめ
引越しする際に気になる、引越し費用について詳しく解説しました。引越し費用は、距離や荷物の量によって異なります。自分で荷物を運んだり繁忙期を避けたりと、少しの工夫で費用を抑えることができますので、本記事の内容を参考に準備してみてください。
プランやオプションサービスは引越し会社によって異なるため、複数社から見積もりを取ると共に、各社のサービス内容も合わせて確認してみることが大切です。
<アンケート概要>
■単身で引越しをしたことがある人に質問です。引越し費用はいくらかかりましたか?
調査方法:インターネットリサーチ
回答サンプル数:219人
対象:10代~80代男女(全国)
調査時期:2023年12月
■二人暮らしで引越しをしたことがある人に質問です。引越し費用はいくらかかりましたか?
調査方法:インターネットリサーチ
回答サンプル数:191人
対象:10代~80代男女(全国)
調査時期:2023年12月
■ファミリーで引越しをしたことがある人に質問です。引越し費用はいくらかかりましたか?
調査方法:インターネットリサーチ
回答サンプル数:235人
対象:10代~80代男女(全国)
調査時期:2023年12月
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