【初心者でも簡単】DIYにチャレンジ!始め方や実例付きのDIYアイデアを紹介

記事の目次
DIYとは?

DIY(ディーアイワイ)は英語の「Do It Yourself(ドゥ・イット・ユアセルフ)」の頭文字を取った言葉で、日本語では「自分でやってみよう」という意味です。プロに頼まずに自分の手で家具を作ったり、部屋をリメイクしたり、ちょっとした修理をしたりすることをDIYといいます。
DIYという言葉は、もともと第二次世界大戦後のイギリスで生まれました。多くの建物が戦争で破壊され、人手も資材も不足する状況のなかで、自分の家は自分で直す動きが広まったことがDIYの始まりとされています。
DIYのメリット
DIYには、ただモノを作るだけではない、さまざまな魅力があります。ここでは、DIYをはじめることで得られる具体的なメリットをいくつかご紹介します。
● オリジナルのモノが作れる
DIYの大きな魅力のひとつは、自分だけのオリジナル作品が作れることです。例えば収納棚を作る時も、置き場所や使い方に合わせてサイズを調整できます。色や素材も自分好みにできるので、既製品にはない自分だけの特別なインテリアを手に入れることができるでしょう。
● アイデアを形にできる
「こんなものがあったら便利」「ここにぴったり納まる棚が欲しい」など、日常のなかでふと浮かんだアイデアを形にできるのも、DIYの醍醐味です。自由に工夫して手を動かすことで、自分の思い描いたイメージが少しずつ形になっていく過程は、ものづくりの楽しさを実感できる瞬間となるでしょう。
● 既製品よりコストを抑えられる
DIYでは材料や道具を自分で選んで作業するため、工夫次第で費用を安く抑えることができます。例えば、使わなくなった家具をリメイクすれば、新しいものを買わずに済みます。また、100円均一ショップの商品も十分に活用することが可能です。そのため、予算が限られていても、おしゃれで実用的なモノが作れます。
● 達成感がある
はじめてのDIYでも、完成した時には自分で作った達成感を味わえます。最初はうまくいかなくても、少しずつコツをつかんで形になっていく過程はとても感動的です。完成品を見るたびに、自分の努力や工夫が形になった満足感が得られ、モチベーションアップにもつながります。
● 人の役に立てる
DIYで作ったものを家族や友人にプレゼントしたり、困っている人のために修理をしてあげたりすると、とてもよろこばれることも。例えば、新しいアパートに引越しした友達のために収納ラックを作るなど、誰かの暮らしをちょっと便利にできるのもDIYの魅力です。
初心者はどのようなDIYからはじめるべき?
初心者がDIYをはじめるなら、まずは簡単で失敗しにくいものからチャレンジするのがおすすめです。例えば、100円均一ショップの材料を使った小物作りや、すのこを使った収納棚、壁に貼るだけのリメイクシートなどは、道具も少なく手軽に始められます。
また、安全面のことを考えると、初心者に刃物の付いた電動工具の使用はあまりおすすめできません。電動工具は作業が速くパワーもありますが、取り扱いに慣れていないと大怪我をする可能性もあるからです。
いきなり大きな家具や複雑な作業に挑戦すると、うまくいかずに挫折してしまうかもしれません。最初は、作って楽しくすぐに使えるような簡単なアイテムから始めて、少しずつスキルを身につけていきましょう。自分のペースで、徐々にレベルを上げていくことがDIYを長く楽しむコツです。
DIYをおこなう時の注意点

DIYは楽しくて達成感のある趣味ですが、安全性や周囲への配慮を忘れてはいけません。思わぬトラブルや事故を防ぐためにも、基本的な注意点をしっかり押さえておくことが大切です。ここでは、DIYをおこなう際に気をつけたいポイントをご紹介します。
賃貸物件なら原状回復ができる範囲でおこなう
賃貸住宅でDIYをおこなう際には、原状回復が重要なポイントになります。作業前に「賃貸DIYガイドライン」や契約書を確認し、不明点は不動産会社や大家さんへ事前確認しておくと安心です。壁に穴をあける、壁紙を塗り直すなどの作業は、退去時にトラブルになる可能性があります。貼って簡単にはがせるリメイクシートや、釘を使わずに固定できるグッズを活用するなど、もとに戻せる範囲で工夫しましょう。
近隣への騒音に配慮する
電動ドリルやノコギリなどを使うと、大きな音が出ることがあります。集合住宅や住宅密集地では思った以上に音が響くため、作業時間帯に注意しましょう。早朝や夜間は避け、日中の時間帯に限るのがマナーです。また、防音マットを使う、窓を閉めて作業するなど、できるだけ音を抑える工夫も大切。どうしても騒音が出てしまう場合は、事前に近隣世帯に説明をして了解を得ておくと、ご近所トラブルを避けられます。
耐荷重・耐震に気を付ける
棚や収納家具などを作る際には、どのくらいの重さに耐えられるかを考えておくことが欠かせません。強度が足りないと、ものが落ちたり壊れたりして怪我の原因になります。特に壁付けの棚や高い位置に設置する家具は、耐震性にも配慮しましょう。しっかり固定する、重いものは下に置くなど、安全性を重視した設計が重要です。
キッチンコンロの近くに燃えやすい素材を使わない
キッチン周りのDIYでは、火のそばに木材・布・紙などの燃えやすい素材を使用しないようにしましょう。特にガスコンロの近くでは、少しの火花や高温でも火災につながる恐れがあります。耐熱性のある素材や、コンロから十分に距離を保った場所での設置を心がけ、安全第一で作業しましょう。
作業前にしっかりと計測・設計する

「だいたいこのくらいで大丈夫だろう」と感覚で作業をはじめると、サイズが合わなかったり、バランスが悪くなったりしがちです。事前に丁寧に採寸をし、簡単でも図面を描いて計画するのが成功のコツです。部屋のスペースや使用する目的に合った設計をしておくと、無駄な材料や手間を減らすことができます。
作業者の安全に配慮する
DIYでは、怪我や事故を防ぐための安全対策も忘れてはいけません。工具を使う時は滑りにくい手袋や保護メガネを着用し、作業中は手元・足元に注意しましょう。また、高い場所での作業は脚立を使い、安定した姿勢でおこなうことが大切です。初心者ほど、基本的な安全対策を丁寧におこなうことで、安心してDIYを楽しめます。
周囲の安全に配慮する
DIY作業中は、工具や小さな部品が床に散らばりがちです。小さなお子さんやペットが誤って口に入れたり、踏んでケガをしたりする恐れがあるため、作業場所はできるだけ立ち入りができないようにするのが理想です。また、作業を中断する際も工具を放置せず、安全な場所にしまうように心がけましょう。これは、家庭内で安心して作業を進めるための重要なポイントです。
【初心者向き】DIYに必要な道具を揃えよう

DIYをはじめるにあたって、まず準備しておきたいのが基本的な道具です。最初からすべて揃える必要はありませんが、最低限の道具があれば作業の幅が広がり、仕上がりもぐっときれいになります。ここでは、初心者でも扱いやすく使用頻度の高い道具を紹介します。どの道具もホームセンターやネットショップで簡単に手に入るので、ぜひチェックしてみてください。
メジャー

長さを測るための基本的な道具で、材料や部屋のサイズを測る時に使います。コンパクトな巻き取り式で持ち運びがしやすく、1本あるとあらゆる作業に役立つ道具です。金属製のメジャーはコンベックスとも呼ばれ、長さにはさまざまな種類があります。DIY初心者が使用するなら、2mか3.5mの製品が使いやすいでしょう。
サシガネ・スコヤ

直角を測るためのL字型定規です。木材を直角に切る時の印付けや、組み立てた家具の角が直角になっているかを確認する時に使用します。
カッター・カッターマット

カッターは、ダンボール・紙などの薄い素材を切るのに使うナイフの一種です。カッターマットは作業台や机を傷つけないための保護マットで、カッターの下敷きとして使用します。カッターマットは大きさが何種類もあるので、切るものの大きさに合わせて準備しましょう。
ノコギリ

木材などを切断するための定番工具です。DIY中級者・上級者は電動ノコギリをよく使用しますが、初心者にはゆっくり作業できる手ノコギリがおすすめです。特に折りたたみ式はコンパクトで、片付ける時にも場所を取りません。DIYをある程度継続しておこなう場合は、切れ味が落ちた時に刃を交換できる替刃式がよいでしょう。
金槌・ハンマー

釘を打ったり、家具を組み立てたりする時に使う道具です。釘をまっすぐに打つには、金槌の重さとバランスが重要です。軽すぎると力が伝わりにくく、重すぎると扱いにくいので、自分の腕力に合った重さを選びましょう。
ドライバー

正式な名称はスクリュードライバーで、ネジを締めたり緩めたりする道具です。家具の組み立てや補修に欠かせません。先端(ビット)の形状はプラスとマイナスが基本で、ほとんどのネジはプラスでできています。プラス・マイナスともに、ネジの直径によってビットの大きさが数種類あります。ビットを付け替えられる差し替え式や、回す作業が楽なラチェット式が便利です。
ヤスリ(サンドペーパー)

木材や素材の表面を削ってなめらかにする道具です。切断面のバリを取ったり、木材の角を取ったりするのにも使います。ヤスリには、大きく分けて金ヤスリと紙ヤスリ(サンドぺーバー)があります。金ヤスリは鉄の棒に溝やトゲを刻んだもので荒削りに使用しますが、サンドペーパーは主に塗装前の下地調整など細かい削り作業で活躍します。
サンドペーパーにはさまざまな番手(粗さ)があり、番手によって削られ方が変わります。粗めのものから細かめのものへ順番に使用し、番手は60~80番ほど上げながら使うときれいに仕上がるでしょう(例:#180→#240→#320)。番手をあまり大きく飛ばしてしまうと、先に削った時の粗い削り跡が消えないので注意が必要です。
マスキングテープ
塗装や接着作業をサポートするテープです。材料の仮止めや、塗ってはならない部分を隠すために使います。貼っても簡単にはがすことができ、跡も残りにくいので初心者でも安心です。
クランプ

バネやネジの力を利用して、材料をしっかり固定する道具です。木材を切断したり、接着・固定したりするといった作業で、材料がずれないように使います。1人作業のDIYでは特に重宝し、安全かつ正確に作業できます。
木工用ボンド・接着剤
釘やネジを使わずに材料を接着するためのアイテムです。木工用ボンドは紙にも使用できるので、小物作りや仮止めに便利です。乾燥前なら水に溶けるので、はみ出したボンドは濡らした布や歯ブラシできれいに拭き取れます。完全乾燥までに約24時間かかるので、クランプと併用すると効果的です。
【初心者向き】DIYにおすすめの資材とは?

DIYを始めるうえで、道具と同じくらい大切なのが資材選びです。はじめてのDIYでは、扱いやすく失敗してもリカバリーしやすい素材を選ぶことで、作業がスムーズに進みます。ここでは、初心者でも気軽に使えるおすすめの資材を取り上げました。どれもホームセンターや100円均一ショップ、ネットショップで手に入れやすく、ちょっとした工夫で見た目や使い勝手がぐんとアップする便利なアイテムばかりです。
リメイクシート
リメイクシートは、家具や壁、収納ケースなどに貼ることで、簡単に見た目を変えられる粘着剤付きのシートです。木目調やタイル柄、大理石風など種類が豊富で、切って貼るだけでインテリアをおしゃれにリメイクできます。ハサミやカッターで簡単に切れるうえ、はがしても跡が残りにくいため、賃貸でも使いやすいのが魅力といえるでしょう。初心者でも手軽にDIYを楽しめる人気の資材です。
木材
DIYの定番資材といえば木材です。木材は棚や机、収納ボックスなど、あらゆるものの材料になります。ホームセンターでは初心者向けにカット済みの木材や、軽くて扱いやすい針葉樹材などが簡単に手に入ります。また、すのこや木箱などの既製品をリメイクするのも、難易度が低く初心者におすすめのスタート方法です。
DIYでよく使われ、ホームセンターなどでも手に入りやすい代表的な木材を。以下でいくつかご紹介しましょう。
● ヒノキ材
ヒノキは香りがよく、耐久性に優れた木材です。表面がなめらかで光沢があり、見た目も上品なため、家具や小物づくりに向いています。やや高価ですが、仕上がりの美しさを重視したい時におすすめ。軽くて加工しやすくネジや釘の効きがいいため、初心者でも取り扱いやすい素材です。
● スギ材
スギは日本の代表的な木材で、軽くてやわらかく、加工がしやすいのが特徴です。木目がはっきりしていてナチュラルな雰囲気に仕上がるため、インテリアや収納など幅広いDIYに使われます。ただし、傷が付きやすいため、慎重に扱いましょう。ヒノキに比べてボソボソとした材質でネジが効きにくいため、ネジの締め過ぎには注意が必要です。
● SPF材
SPF材は、スプルース(トウヒ)、パイン(マツ)、ファー(モミ)などの針葉樹をまとめた名称です。価格が安くて軽量で加工しやすいことから、初心者に人気の木材です。棚やデスク、収納ボックスなどさまざまなDIYに向いており、入門用として最適でしょう。
木材を加工すると木屑や粉塵が出るため、人によっては咳やくしゃみを引き起こすことがあります。作業中は、マスクの着用に心がけてください。
塗料

塗料はDIYで作品の雰囲気を最終的に決め、素材の保護に役立つ重要なアイテムです。塗るだけで見た目をガラリと変えられるので、家具のリメイクや小物づくりでも大きな役割を果たします。初心者の場合は、扱いやすさや仕上がりの違いを知っておくことで、失敗を防ぎやすくなります。ここでは、代表的な塗料として水性塗料と油性塗料の特徴をご紹介しましょう。
● 水性塗料
水性塗料は水で薄めたり洗ったりできるタイプの塗料で、扱いやすく初心者におすすめです。臭いが少なく乾きも比較的早いため、室内でも使いやすいのがメリット。木材や紙、布などにも使える汎用性の高さも魅力です。ただし、耐久性や防水性は油性に比べてやや劣る場合があります。
● 油性塗料
油性塗料は耐久性や防水性に優れた塗料で、屋外のDIYやしっかり仕上げたい家具などに向いています。乾くまでに時間がかかり、臭いが強い点には注意が必要ですが、ツヤや発色がよく長持ちするのが特長です。また、プロっぽい仕上がりを目指すことも可能。作業中はしっかり換気しましょう。
ラック支柱
ラック支柱とは、棚や収納ラックを組み立てる際に使われる柱状のパーツのこと。複数の溝や穴が等間隔に空いており、棚板を自由な高さに設置できるのが特徴です。素材は主に金属製と木製があり、用途やインテリアの雰囲気に合わせて選ぶことができます。
金属製のラック支柱は耐久性に優れ、工具や家電など重いものを収納するのに適しています。一方、木製のラック支柱は温かみのある見た目で、リビングや子ども部屋などインテリア性を重視した空間によくなじむのが魅力です。
どちらもホームセンターやネットショップで手に入れやすく、棚板と組み合わせて自分好みの収納棚を手軽にDIYできます。支柱にあらかじめ開けられた穴に棚板を固定するだけで設置できるため、初心者でも扱いやすいでしょう。限られたスペースに、ぴったり合う収納を自作したい時には特におすすめです。
すのこ
すのこは、そのまま壁かけ収納や棚に使える便利な素材です。軽くてカットしやすく、塗装やリメイクも自由自在。100円均一ショップでも手に入るため、初心者に人気の高い資材です。
ワイヤーネット(メッシュネット)
壁面収納や吊り下げ収納に使える軽量素材です。フックやカゴと組み合わせることで、工具を使わずに収納力をアップできます。インテリアとしてもおしゃれに使えるのが魅力です。
合板・有孔ボード
合板と有孔ボードはDIY初心者にも扱いやすく、幅広い用途に使える便利な資材です。それぞれ特徴が異なるため、目的に応じて使い分けることで、より実用的で完成度の高い作品が作れます。
合板は薄い木の板を何層にも貼り合わせて作られた板材で、反りや割れに強く、加工もしやすいのが特徴です。比較的軽量で価格も手ごろなため、家具の棚板や背板、工作物のベース素材など、さまざまな場面で使われています。ホームセンターではカットサービスも対応していることがあるので、自宅での作業もスムーズです。
有孔ボード(パンチングボード)は等間隔に小さな穴が空いた板で、フックや金具を差し込んで自由にものを配置できるのが特徴です。壁に取り付けて工具や小物をかけたり、間仕切りを兼ねた収納スペースとして活用したりと、見た目と機能を両立できる人気アイテム。デザイン性も高く、インテリアのアクセントとしてもおすすめです。どちらも手軽に使える素材なので、初心者が「見せる収納」や「実用性のある家具」に挑戦する際に最適な資材でしょう。
DIYの基本手順

DIYを成功させるためには、あらかじめ作業の流れを理解し、段取りよく進めることが大切です。思い付きで始めてしまうと、材料が足りなかったり、サイズが合わなかったりして、あと戻りすることになるかもしれません。特に初心者の方は、ひとつひとつの工程を丁寧に確認しながら作業すると、完成度の高い作品につながります。ここでは、DIYの基本的な流れを7つのステップに分けてご紹介します。
- Step1作るものを決めて設計図を書く
- Step2必要な材料や道具を調達する
- Step3材料をカットする
- Step4部材を加工する
- Step5必要に応じて塗装する
- Step6部材を組み立てる
- Step7仕上がりを確認して完成
Step5の塗装とStep6の組み立ては、作るものによって順番を変えましょう。組み立ててからでは塗りにくいものは組み立て前に塗り、逆に組み立ててからのほうが塗りやすい場合は組み立て後に塗ると、仕上がりがよりよくなります。
作るものを決めて設計図を描く
まずは何を作るのかを決め、ラフなスケッチを描いてみます。その後、サイズや形状をより具体的にイメージして、簡単な設計図を作成しましょう。このスケッチや設計図が、DIYの土台になります。設計の段階では、作品の置き場所や用途をなるべく具体的にイメージし、メジャーでサイズを確認しながら図面に落とし込むことがポイントです。
必要な材料や道具を調達する
設計図をもとに、必要な木材や金具などの部品、道具類をホームセンターや通販などで揃えます。買い忘れがないよう、事前にリスト化しておくのがおすすめです。木材をカットして作る部材が多数ある場合は、部材をサイズごとにリスト化した部材表も準備すると、全体像が把握しやすいでしょう。
材料をカットする
木材などの材料を、設計図や部材表の寸法どおりに切断します。正確なカットが仕上がりの精度を左右するので、初心者の方にはホームセンターのカットサービスがおすすめです。手ノコギリでカットする場合は、ソーガイドを利用すると狙いどおりに切ることができます。
部材を加工する
部材に穴を開ける、溝を掘る、面取りをするなど、組み立てに必要な加工をおこないます。部材加工が終わったらサンドペーパーできれいに磨き、塗装前の下地調整をします。部材加工用に付けた印などは、この工程できれいに消しておきましょう。
必要に応じて塗装する
塗装は、木材を好みの色に変えたり、防水・防腐対策を施したりするためにおこないます。作業は換気のよい場所で、できれば晴天の日におこない、作業後は乾燥時間を守ってしっかり乾かすのがポイントです。また、美しく仕上げるには数回に分けて薄く塗り重ねるのがコツとなります。
部材を組み立てる
ネジや木工ボンド、金具などを使って各部材を組み立てます。部材は組み立てやすい位置や向きにあらかじめ並べておくと、作業性がぐんと上がります。収納家具など比較的大きな作品を組み立てる時は、部材がへこまないようにあて木を添え、ハンマーであて木を叩いて組み立てましょう。歪みやズレが出ないよう、サシガネやスコヤで水平・垂直を確認しながら進めてください。はみ出した木工ボンドは、古い歯ブラシに水を付けてこすり、布で拭き取ります。
部材を組み立てる時に失敗したらどうする?
組み立て時には、釘が曲がってしまった、ネジ頭の溝をつぶしてしまった、ハンマーで作品をへこませてしまったなどの失敗をしがちです。これらの失敗に対する対策も、ここで簡単にご説明します。
・釘を曲げてしまった場合
まず、釘が曲がりにくくする下準備として、釘を打つ部材に下穴を開けておきましょう。下穴に釘を入れてから叩けば、釘が真っすぐに入り失敗を防げます。もし釘を曲げてしまった場合は無理に打ち込まず、釘抜き・ペンチ・ニッパーなどで釘を引き抜き、新しい釘と交換しましょう。
・ネジ頭の溝をつぶしてしまった場合
スクリュードライバーでネジを締める時は、ドライバービットがネジ頭の溝にしっかり入るよう、強く押し付けることがポイントです。もしネジ溝をつぶしてしまった場合、幅の広い輪ゴムを挟むと摩擦が増えてネジを回しやすくなります。また、ペンチやプライヤーを使用してネジを回しながら抜くのも有効な方法です。つぶしてしまったネジは使用せず、新しいものと交換しましょう。
・ハンマーで作品をへこませてしまった場合
DIYでよく使用する針葉樹材は比較的やわらかいので、ハンマーで誤って叩くと簡単にへこんでしまいます。そのような時はへこんだ部分に濡らした布を置き、スチームアイロンで温めると蒸気でへこみが復元します。その後、アイロンで生じたささくれをサンドペーパーで軽く削れば、元どおりになることが多いでしょう。
仕上がりを確認して完成
完成後は、ぐらつきや安全性、塗装のムラなどをチェックし、問題がなければいよいよ完成です。作品は写真撮影しておくと、あとから振り返る時に便利です。自分だけのオリジナル作品を楽しみましょう。
初心者でも簡単にできるDIYレシピ
「DIYは難しそう」と思われがちですが、初心者でも簡単に取り組めるアイデアはたくさんあります。特別な技術や高価な道具がなくても、ちょっとした工夫と身近な材料で、暮らしを豊かにする作品が作れます。ここでは、はじめての方にもおすすめのシンプルなDIYレシピをご紹介しましょう。
アクセサリーボックス
100円均一ショップで手に入るフォトフレームと木製トレーを使えば、手軽におしゃれなアクセサリーボックスが作れます。トレーに仕切りをつけたり、内側に布を貼ったりすることで、指輪やピアスがすっきりと収納可能です。フォトフレームをふたにすれば中身も見やすく、見た目も可愛らしい仕上がりに。ボンドや蝶番で簡単に組み立てられるので、DIY初心者でも安心して取り組めるおすすめアイテムです。
リメイクシート・マスキングテープを使って壁を変える

キッチンの雰囲気を手軽に変えたいなら、タイル風のリメイクシートやカラーのマスキングテープを使った壁のアレンジがおすすめです。貼って剥がせるタイプを選べば賃貸でも安心。壁に貼るだけで、殺風景だったキッチンが一気に明るくおしゃれな空間に変身します。作業もシンプルで、ハサミやカッターがあればおこなえるため、手軽に模様替え気分を味わえるDIYアイデアです。
木箱の収納棚

りんご箱を使って作る収納棚は、温もりのある木の風合いと実用性が魅力です。重ねるだけでも簡単に棚になりますが、金具やネジで固定すれば、しっかりとした食器棚になります。高さやレイアウトも自由に変えられるので、キッチンやリビングのスペースに合わせてアレンジ可能です。塗装をすればインテリアにもなじみ、見せる収納としても活躍します。
壁かけ収納

床と天井に突っ張ったSPF材に壁板を取り付け、同じ板をL字金具で棚板にすれば、ナチュラルな壁かけ収納の完成です。小さなサボテンや雑貨を飾れば、部屋に温かみと個性がプラスされます。使う板や金具はホームセンターで手に入り、設置も簡単。空いた壁面を有効活用できるため、収納と装飾を兼ねた便利なDIYアイデアとして初心者にもおすすめです。
すのこで作るシューズラック
手頃な価格ですぐ手に入るすのこは、DIY初心者にとって扱いやすく、靴の収納にもぴったりの素材です。すのこを縦に2枚、棚板として横に数枚使えば、簡易的なシューズラックが完成します。木材の切断や難しい加工は不要で、必要なのは釘や木工用ボンド、スクリュードライバー程度。玄関のスペースに合わせてサイズ調整も可能で、塗装を加えればおしゃれ度もアップします。自分好みにアレンジして、すっきりとした玄関収納を実現しましょう。
【実例】マネしたい!DIYアイデア8選
「自分にもこんなものが作れるの?」と思えるような、実用的でおしゃれなDIYアイデアを8つご紹介します。どれも実際に作られた実例をもとにしており、初心者でも真似しやすい工夫がいっぱいです。家具や収納、ちょっとした空間づくりまで、暮らしを快適に彩るヒントが満載。あなたの生活に取り入れたくなるアイデアが、きっと見つかるはずです。
ラダーシェルフ

アンティークの脚立に棚板を載せて作ったラダーシェルフは、ヴィンテージ感あふれるおしゃれな収納アイテムです。脚立の段に合わせて棚板を渡すだけで、簡単に立体的なシェルフが完成。たたんだ服やタオルを並べたり、植物や雑貨を飾ったりと、収納とディスプレイを両立できます。空間に抜け感があるので、圧迫感なく部屋を彩ることができるのも魅力です。使い込まれた脚立の風合いが、インテリアのアクセントにもなります。
ラック

窓際のスペースを活かした、ローボードタイプのDIYラックです。合板を使ってシンプルに組み立てられており、主に上段にはドライフラワーや観葉植物、中段にはフィギュア、下段には本を飾って収納していて、多目的な棚として活躍します。高さを窓枠より下に抑えることで圧迫感なく部屋に馴染み、窓からの光も遮りません。木材のナチュラルな風合いが、飾るアイテムを引き立ててくれるのもポイント。自分の好きなものを詰め込める、見せる収納の好例です。
洋服棚

壁に支柱とラック支柱を取り付け、棚板をセットするだけで完成するDIYの洋服棚。木材の落ち着いた風合いがインテリアに自然と馴染み、限られたスペースでも収納力をしっかり確保できます。衣類のたたみ置きはもちろん、アクセサリーや香水などをディスプレイして、見せる収納としても活用可能です。

最上段には収納ボックスを置けるほか、下段にはハンガーパイプをセットしてジャケットもかけられるので、空間を無駄なく使えます。棚の高さを調整すれば、使い勝手に合わせてカスタマイズできるのも魅力です。
テーブル

キッチンの背面に設置したL字テーブル。長辺はパソコンデスク、短辺はキッチンのサイドテーブルとしての役割があります。この場所にどうしてもこの形のテーブルが欲しかったので、DIYで自作したそう。キッチンのタイル壁に合わせてタイルトップのテーブルにしたので、空間にもよく馴染みます。このような自分仕様の家具が作れることがDIYの醍醐味です。
作業スペース

収納棚に天板を渡してデスクにした、コンパクトながら機能的な作業スペース。棚の天板をデスクとして使い、モニターや文具、観葉植物を配置すれば、自宅に快適なワークスペースが完成します。突っ張り支柱を使って本棚を設置している点も好ポイント。壁を傷つけずに空間を有効活用でき、賃貸住宅でも安心して導入できるDIYアイデアです。
仕切り壁・靴箱

ワンルーム空間を上手に活用するため、有孔ボードを使って仕切り壁をDIYした例です。表面には帽子やカバン、小物をかけてディスプレイ感覚で収納し、見た目もおしゃれに。裏側はクローゼットスペースとして活用しており、収納力と間仕切りの機能を兼ね備えたアイデアです。圧迫感のないレイアウトで、部屋全体がすっきりと見えるのも魅力となっています。

玄関に備え付けの靴箱がなかったため、シンプルな構造の木製シューズボックスを自作。合板で作られたナチュラルな質感が、空間になじみます。扉付きで生活感を隠せるうえ、上部は鏡や雑貨を置くスペースとしても活用できます。側面にはスリッパラックを取り付け、限られた玄関スペースを無駄なく使った工夫が光る収納です。
キッチン棚

キッチンカウンターの上には、突っ張り支柱と端材を使って自作した棚を設置。来客時にキッチンが丸見えになってしまうことが気になりますが、棚がほどよい目隠しとなり、視線をやわらげてくれます。顔が見える程度の隙間を残しているため、会話を妨げることなく、ちょうどよい距離感を保てるのもポイントです。

キッチン内部にもDIYで木製の棚を設けました。既製品ではぴったり合うサイズや形状を見つけるのが難しいこともありますが、DIYならミリ単位で調整可能です。キッチン家電や道具を機能的に収納でき、快適な動線を実現しています。
バーカウンター

一人暮らしの部屋には珍しい、憧れのバーカウンターをキッチンの対面に設置しました。お客さんからはキッチンの作業台が見えず、すっきりした印象に。バーカウンターの下には炊飯器や調理器具をレイアウトし、見せ方と収納を上手に両立しています。これなら会話も弾むこと間違いないでしょう。
まとめ
DIYは、特別なスキルがなくても始められる、身近で楽しい暮らしの工夫です。今回ご紹介したように、ラックや洋服棚、仕切り壁、靴箱、キッチン棚など、身の回りの家具や収納を自分の手で作れば、限られたスペースを有効活用できて暮らしがより快適になります。
市販の家具では難しいぴったり感や、自分らしさを形にできるのがDIYの大きな魅力。最初は簡単な棚や収納からでもOKです。少しずつ道具や作業に慣れていけば、実用的でデザイン性の高いインテリアを自分の手で作ることができるようになります。ぜひ、自分だけのDIYライフを始めてみてください。きっと日々の暮らしに、新しい楽しさや発見が生まれるはずです。
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