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野菜の保存方法とは?鮮度をキープし長持ちさせる秘訣を解説

野菜の保存方法や鮮度を長持ちさせる秘訣など詳しく解説します
野菜を無駄なくおいしくいただくには、正しい保存方法を知ることが大切です。本記事では、野菜の種類ごとに適した保存方法や、鮮度を長持ちさせる秘訣を解説します。冷蔵や冷凍のポイントもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

野菜の基本的な保存方法

野菜の基本的な保存方法について解説します
野菜の基本的な保存方法について解説します

野菜の鮮度を保つには、正しく保存することが大切です。ここでは、基本となる保存方法と、実践的なポイントを解説します。

野菜が育つ環境に合わせて保存する

野菜の保存で大切なのは、野菜が育った環境に近い状態で保管することです。例えば、トマトやきゅうり、なすなどの夏野菜は高温多湿の環境で育つため、冷蔵庫に入れると変色、食感の変化といった症状がでる低温障害を起こしやすくなります。こうした野菜は、10~14度の比較的暖かい場所での保存が理想的です。
一方、寒い季節に育つレタスや白菜などは、冷蔵保存が適しています。野菜の特性に合わせた保存方法を選ぶことで、鮮度を保ちながらおいしさも長持ちさせられます。

野菜の種類ごとに適切な温度で保存する

野菜は種類によって、適した保存温度が異なります。例えば、じゃがいもやにんじんなど土の中で育つ野菜は、直射日光を避けた冷暗所が最適です。一方、暖かい地域で育った野菜は、冷蔵庫に入れると低温障害を起こすケースがあるため注意してください。
冷蔵庫と野菜室の使い分けや、野菜にキッチンペーパーを巻いて保存するなどの工夫で鮮度を保ちましょう。冷凍保存も有効ですが、種類ごとの特性に応じた処理が必要です。

下処理をおこなってから保存する

野菜を長持ちさせるには、保存前の下処理が欠かせません。ただ洗うだけでなく、必要に応じてカットしたり火を通したりすることで、保存中の劣化や食感の変化を防げます。特に葉物野菜は、軽く下茹でして冷凍にしておくと、調理時にすぐに使えて時短にもつながります。また、生のまま冷凍できる野菜は、小分けしておくと便利です。加熱が必要な野菜は、塩もみや茹でて対応しましょう。

水滴を拭き取って保存する

保存前に、表面の水滴をしっかり拭き取ることが重要です。水分が残ったままだと湿気がこもり、冷蔵庫や野菜室でも腐敗が進みやすくなります。特に、すでにカットした野菜や洗った直後の野菜はキッチンペーパーで丁寧に水気を拭き取り、ラップで密閉して空気に触れないように保存しましょう。にんじんなどは、1本ずつ包むとさらに効果的です。ほんのひと手間で、野菜の鮮度を保てます。

キッチンペーパーや新聞・ラップで乾燥を防ぐ

冷蔵庫内は乾燥しやすく、野菜をそのまま保存すると、野菜の水分が失われて鮮度が落ちやすくなります。これを防ぐには、キッチンペーパーや新聞紙で野菜を包み、ビニール袋やジッパー付き保存袋に入れての密閉が効果的です。特に、葉物野菜は乾燥に弱いため、湿らせたキッチンペーパーで包んで保存するのが適しています。また、カットした野菜は、切り口をラップで包むと酸化や乾燥、におい移りを防ぎ、鮮度を長く保てます。

冷凍保存を活用する

野菜を長時間保存するときは、冷凍保存を上手に活用するのがおすすめです。ほうれん草や小松菜、ブロッコリーは下茹でして冷凍できます。きのこ類は、冷凍すると旨味が増すというメリットもあります。また、キャベツは細かく刻む、トマトは過熱してソース状にするなど、野菜の特徴に合わせた工夫で冷凍保存できます。冷凍前には水分をしっかり取り、小分けにして保存しましょう。

野菜の保存に適した場所はどこ?

野菜の保存に適した場所について解説します
野菜の保存に適した場所について解説します

野菜を長持ちさせるには、保存場所の選び方がとても重要です。常温、冷蔵、冷凍、それぞれの保存方法に適した場所を知ることで野菜の鮮度をキープし、無駄なくおいしく使い切ることができます。以下で、野菜の保存に適した場所について解説します。

常温保存

常温保存とは、冷蔵庫や冷凍庫を使わずに、室内の温度や湿度の環境下で野菜を保存する方法です。15~25度程度が常温とされ、じゃがいもや玉ねぎ、かぼちゃなどの根菜類や芋類に適しています。これらの野菜は冷蔵庫の低温に弱く、常温の方が長持ちしやすくなります。常温保存をする際は、以下のことに注意が必要です。

  • 直射日光を避ける
  • 風通しをよくする

ただし、季節や部屋の温度によっては、常温保存が不向きな場合もあります。湿気がこもる場所は、カビや腐敗の原因になるため避けましょう。また、夏場など室温が25度を超える場合は、野菜室へ保存すると安心です。保存方法に迷ったら、スーパーでの陳列状況を参考にすると判断しやすくなります。

常温保存が向いている野菜

常温保存が向いている野菜
じゃがいも さつまいも
ごぼう 里芋
玉ねぎ かぼちゃ
なす にんにく

常温保存に適した野菜は冷蔵庫の冷気に弱く、風通しのよい冷暗所での保存が基本です。さつまいもは、冷えると傷みやすいため冷蔵保存は避けましょう。また、土付きごぼうや里芋は新聞紙で包んで冷暗所に、玉ねぎやかぼちゃも風通しのよい場所に置くのが理想です。直射日光は避け、気温が25度を超える場合は、冷蔵庫や野菜室への保存を検討してください。

常温保存に向かない野菜

常温保存に向かない野菜には、葉物野菜やきのこ類、もやしなどが挙げられます。これらの野菜は水分が多く、常温ではすぐに傷んでしまうため、基本的に冷蔵保存がおすすめです。特に、きのこ類は湿気に弱く、常温保存では変色やぬめりが出ることがあります。冷凍すれば旨味や栄養価が増すため、乾いた状態でラップに包んで保存するとよいでしょう。
葉物野菜やもやしも水気を拭き取ってから袋に入れ、野菜室に保管すると日持ちがよくなります。

冷蔵保存

冷蔵保存は、葉物野菜や水分を多く含む野菜、カット済みの野菜などに適した方法です。ただし、冷蔵庫内は乾燥しやすいため、以下のことに注意が必要です。

  • 新聞紙やラップなどで乾燥を防ぐ
  • 常温で保存できる野菜でもカットしたものは冷蔵保存する

野菜の切り口から発する植物ホルモンの一種であるエチレンガスが発生します。エチレンガスは、過度に作用すれば熟しすぎてしまい腐敗の原因やカビの発生がしやすくなり、他の野菜への影響もあるため、密閉して保存しましょう。冷蔵保存の工夫によって、野菜の鮮度をより長く保てます。

野菜室と冷蔵室の使い分け方

冷蔵室と野菜室は温度や湿度の設定が異なり、それぞれに適した食材があります。冷蔵室は0〜6度と低温で乾燥しやすいため、加熱調理済みの食品や乳製品に向いています。一方、野菜室は3〜9度とやや高温で湿度が高めに保たれており、野菜の水分を逃しにくく、鮮度を保ちやすい設計です。

ただし、すべての野菜が野菜室に向いているわけではありません。そのため、種類に応じた保存方法の選択が大切です。次の章で野菜ごとの保存方法を解説しますので、合わせて参考にしてください。

冷蔵保存が向いている野菜

冷蔵保存が向いている野菜
にんじん 大根
レタス キャベツ
長ねぎ もやし

野菜を冷蔵保存する際は、乾燥や冷えすぎを防ぐために、ラップやビニール袋、新聞紙で包むことが大切です。ほうれん草などの葉物野菜は0〜5度で保存し、なすやきゅうりは冷やしすぎに注意しましょう。

大根はカット部分をラップで包んで約1週間、レタスは丸ごとポリ袋に入れて約7〜10日、キャベツは芯に湿らせたキッチンペーパーを詰めて約3〜4週間の保存が可能です。また、お米も冷蔵保存で鮮度を保てます。

冷凍保存

野菜の種類に合わせて下茹でやカットなどの下処理をおこない、使いやすい分量に小分けにして冷凍保存をすると長持ちします。

  • 保存する野菜の特徴に合わせて処理をする
  • 使いやすい分量に小分けをする

ほうれん草やブロッコリーは下茹での後、冷水で冷やして水気を絞り、小分けにすると食感や色が保てます。また、きのこ類は生のまま冷凍すると旨味が増します。急速冷凍でバラ凍結すれば使いやすく、料理の時短にもつながるでしょう。こうした工夫で冷凍保存は、食品ロス防止にも効果的です。

冷凍保存が向いている野菜

冷凍保存が向いている野菜
ほうれん草 小松菜
パセリ ねぎ
しょうが きのこ類

葉物野菜は下茹でし、きのこ類は「石づき」を取りほぐしてから冷凍すると、旨味や栄養が増します。しかし、きゅうりやレタスなど食感を楽しむ野菜は冷凍に不向きです。水気をしっかり取って保存し、一度解凍したものは再冷凍せずに使い切りましょう。

【種類別】野菜の保存方法

野菜の保存方法を種類別に解説します
野菜の保存方法を種類別に解説します

野菜の保存方法は種類によって異なり、適切な環境で保存すると鮮度を長く保てます。ここでは、根菜類、果菜類、葉菜類といった分類ごとに、保存のコツや注意点をわかりやすく解説します。

根菜類の保存方法

根菜類の保存方法について解説します
根菜類の保存方法について解説します

根菜類は、じゃがいも、さつまいも、ごぼう、にんじんなど土の中で育つ野菜の総称で、比較的日持ちしやすいのが特徴です。ただし、保存方法を間違えると発芽や乾燥、腐敗の原因になるため注意しましょう。直射日光を避けた冷暗所での保存が基本ですが、種類によって適温や湿度の違いがあります。以下で、代表的な根菜類ごとに最適な保存方法を解説します。

じゃがいも

じゃがいもは、通気性がよい冷暗所で保存してください。湿気や直射日光を避けることが、鮮度維持のポイントです。じゃがいもは低温に弱いため、冷蔵庫の野菜室でキッチンペーパーに包む方法や、常温の冷暗所で保存する方法があります。

皮がついたまま保存する際は、りんごと一緒に入れると発芽防止になります。また、皮をむき、カットしてアクを抜くと、冷凍保存も可能です。加熱して潰したマッシュポテトも冷凍に適しています。

里芋

里芋は乾燥と低温に弱いため、保存には工夫が必要です。泥つきは乾燥を防ぐため常温保存が適しており、涼しい場所では約2〜3週間の保存が可能です。洗った里芋は水気を拭き取り、保存袋に入れておくと、野菜室で約1週間保存ができます。冷凍する場合は皮をむいてカットし、生または加熱後に保存しましょう。

さつまいも

さつまいもは乾燥に強いですが、一方で低温に弱いため、保存方法を誤ると傷みやすい根菜です。新聞紙で包み、風通しのよい冷暗所での常温保存が適しています。この場合、約1~3カ月間保存ができます。夏場は発芽防止のため野菜室に保存しましょう。カット後は水に浸して冷蔵し、2日以内に使用してください。なお、冷凍保存も可能です。カットしてアクを抜いたあと、水気をふき取り保存袋へ入れます。

ごぼう

ごぼうは乾燥に弱く、皮の香りが風味の決め手です。泥つきのまま新聞紙に包んで冷暗所で保存すれば、香りを保ちながら約2カ月間保存ができます。洗ったごぼうは、水気を拭いて冷蔵保存が適しています。冷凍保存する場合は、生のままカットしてアク抜き後に冷凍、または軽く茹でてから保存袋へ入れます。

にんじん

にんじんは乾燥や湿気に弱いため、保存法を工夫すると長持ちします。葉付きの場合は葉を切り落とし、1本ずつペーパーで包んで冷蔵保存しましょう。食べやすくカットしてから保存をすると、後で調理が楽になります。冷凍時は、生のままでも加熱後でも問題ありません。冷凍なら約1カ月の保存が可能です。

果菜類の保存方法

果菜類の保存方法について解説します
果菜類の保存方法について解説します

果菜類(かさいるい)とは、きゅうりやトマト、ピーマンなど、花が咲いたあとに実をつける野菜です。水分を多く含み傷みやすいため、保存方法を誤るとすぐに鮮度が落ちてしまいます。基本的には冷蔵保存が向いていますが、種類によっては常温や冷凍のほうが適している野菜もあります。代表的な果菜類について、それぞれに適した保存方法や保存期間の目安を解説します。

きゅうり

きゅうりは水分が多く、乾燥や湿気、低温に弱いため、鮮度を保つには適切な保存が重要です。基本は冷蔵保存で、丸ごとならクッキングペーパーに包み立てて保存し、3〜4日が目安となります。食べきれない場合は薄切りにして塩もみし、冷凍すると約1カ月間保存できます。常温保存も可能ですが、乾燥防止が必須です。

トマト

トマトは夏野菜で低温に弱く、冷やしすぎると傷みやすいため注意しましょう。常温保存は可能ですが、夏場は冷蔵保存がおすすめです。冷蔵する際にはヘタ側を下にしてキッチンペーパーで包み、野菜室で約7~10日間の保存が可能です。冷凍はヘタ付きのまま丸ごと保存し、加熱調理に適しています。なお、完熟トマトは早めに食べるのがポイントです。

オクラ

オクラは鮮度を保つためには、冷蔵保存が基本です。キッチンペーパーで包んでポリ袋に入れ、野菜室で約1週間の保存ができます。冷凍保存も可能で、丸ごと冷凍袋に入れれば表面の毛が取れるため、板ずりが必要ありません。5〜10度の温度が適しており、常温保存は向かないため、冷蔵または冷凍での保存がおすすめです。

ピーマン

ピーマンは寒さに弱いため、野菜室での冷蔵保存が基本です。3〜4個ずつキッチンペーパーで包みポリ袋に入れ、約2週間の保存が可能です。冷凍なら丸ごと保存袋に入れて約1カ月間保存ができ、調理時は室温で5分ほど戻します。カットしたピーマンは傷みやすいので、冷蔵で2〜3日以内に使い切るのがおすすめです。

かぼちゃ

かぼちゃは、丸ごとなら風通しのよい涼しい場所で常温保存ができますが、カットすると種やワタの部分から傷みやすくなります。保存時は、種とワタを必ず取り除くことがポイントです。冷凍は生のままや加熱後、さらに干して保存も可能です。それぞれ、約1カ月間の保存が目安となります。

葉菜類の保存方法

葉菜類の保存方法について解説します
葉菜類の保存方法について解説します

葉菜類は、キャベツやレタス、ほうれん草など、葉や茎を食べる野菜のことを指します。水分が多くて傷みやすいため、適切な湿度管理と温度調整が重要です。保存方法は種類によって異なりますが、基本的には冷蔵保存が中心となります。以下で、各野菜の特徴に合わせた最適な保存方法を確認しましょう。

キャベツ

キャベツは芯をくり抜き、濡らしたキッチンペーパーを詰めて保存することで鮮度を保てます。切ると断面から変色しやすいので、できるだけ丸ごと保存し、切った場合は早めに使うのがポイントです。冷蔵保存は約2週間、冷凍はみじん切りや加熱後の一口大カットで、約1カ月間の保存が可能です。

レタス

レタスは切り口から傷みやすいため、鮮度を保つには適切な保存が大切です。包丁で切ると酸化しやすいので、手でちぎるのがおすすめ。冷蔵保存は芯をくり抜き、濡れたキッチンペーパーを詰めてビニール袋に入れ、野菜室で保存しましょう。約1週間の保存が可能です。冷凍は食感が変わるため生食には不向きですが、加熱調理用として約1カ月間保存できます。

玉ねぎ

玉ねぎは皮付きのまま涼しい場所での常温保存が基本で、夏場は野菜室が適しています。切った玉ねぎは、乾燥や劣化を防ぐために、ラップやジッパー袋に入れて冷蔵保存します。3~4日以内に使い切るのがおすすめです。
冷凍保存は薄切りやくし形にして、生のままや加熱後に冷凍でき、約1カ月間の保存が可能です。りんごの近くに置くと、風味が落ちるといわれているため注意しましょう。

白菜

白菜は根菜類に共通して断面から傷みやすいため、できるだけ丸ごと保存し、切った場合は早めに使い切るか冷凍がおすすめです。常温保存では、新聞紙に包んで立てて涼しい場所に置くと、約3~4週間の保存が可能です。
冷蔵保存は切った白菜を濡れたクッキングペーパーで包み、ジッパー付き袋に入れ、野菜室で約1週間の保存が目安です。冷凍は一口大に切ってそのまま冷凍、塩もみや干し白菜にしても約1カ月間の保存ができます。

ほうれん草

ほうれん草は根元から水分を補給すると、シャキッと長持ちします。冷蔵保存では、根元を湿らせたクッキングペーパーで包み、立てて野菜室で保存しましょう。保存期間は約2週間です。
冷凍保存は、加熱してから水気をしぼり、平らに並べてジッパー付き袋で保存します。ほうれん草は暑さに弱いため、常温保存を避けましょう。

まとめ

野菜の鮮度を保つには、種類に応じた適切な保存環境が不可欠です。常温、冷蔵、冷凍の使い分けや、下処理、水分管理の工夫で劣化を防げます。これにより、食感や栄養を保て、無駄なく使い切れるでしょう。本記事の内容を参考に、適切な野菜の保存を実践してみてください。

執筆者

西嶋治美

心理教育学科を卒業後、約10年間金融機関にて従事。2016年よりライター活動を開始。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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