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室内の暑さ対策はどうすべき?夏を快適に過ごすためのポイントを徹底解説

夏を快適に過ごすための、室内の暑さ対策について解説します
猛暑が続く夏は、外出時だけでなく室内でも熱中症になるリスクがあります。家の中で熱中症にならないために、しっかりと暑さ対策をしておくことが大切です。
本記事では、室内での暑さ対策について解説。夏を快適に過ごすための方法や、冷房効率を高めるポイントなどをわかりやすく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

暑さ対策は重要!室内でも「熱中症」に注意

出典:総務省消防庁「令和6年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況」
  発生場所別(人)
住居 仕事場① 仕事場② 教育機関 公衆(屋内) 公衆(屋外) 道路 その他 合計
2024年 37,116 9,870 2,332 3,885 7,644 12,727 18,576 5,428 97,578
38.0% 10.1% 2.4% 4.0% 7.8% 13.0% 19.0% 5.6% 100%

出典:総務省消防庁「令和6年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況」(PDF)

熱中症は外で発症するイメージがありますが、実は部屋の中(室内)でも発症することが少なくありません。総務省消防庁が発表した「令和6年の熱中症による救急搬送状況」では、発生場所として住居がもっとも多い38%(3万7,116人)となっています。また、人間だけでなく、犬や猫などのペットも熱中症になる可能性があるため、室内の暑さ対策は重要です。

なぜ室内で熱中症になりやすい?

室温は湿気がこもりやすく、気づかない間に室温や湿度が上がり、体温調節がうまくできず熱中症になるリスクが高まります。特に高齢者や乳幼児、体調が優れない人は、気をつけなければなりません。また、室内にいると喉の渇きを感じにくいため、水分をあまりとらず脱水症状になるとさらに熱中症のリスクが高まる可能性があるでしょう。

特に窓を閉め切った部屋やキッチンなど、熱がこもりやすい場所では要注意です。室内での熱中症を防ぐためには屋外同様、しっかりと暑さ対策をすることがカギとなります。

暑さ対策のポイントは「窓」周り

暑さ対策は窓周辺がポイントになります
暑さ対策は窓周辺がポイントになります

暑さの影響を主に受けるのは窓周りです。そのため、窓周辺でできる暑さ対策を紹介します。

風の通り道を作る

窓を開けて風の通り道をつくることが、室内の暑さ対策につながります。具体的な方法を見ていきましょう。

窓は2カ所開ける

住居に窓が多い場合は、対角線上にある窓を開けるようにします。マンションなどの集合住宅は、玄関と部屋の窓を開けて風通しをよくしてください。扇風機やサーキュレーターを使うとより効果的です。

24時間換気システムを使う

24時間換気システムを使用します。これは、集合住宅でも一戸建てでも比較的築浅の物件に取りつけられており、室内の空気循環に大きく影響します。通気口が閉じていたり、フィルターに汚れが溜まっていたりしないか、あらためて確認しましょう。

直射日光を避ける

窓から直射日光を入れない対策も大切です。シェードやカーテンなどグッズを活用して対策をしましょう。

シェードを設置する

フックや紐で結んで取り付けられるため、比較的簡単に設置できます
フックや紐で結んで取り付けられるため、比較的簡単に設置できます

シェードを窓の外側に設置することで直射日光を遮り、室内に入る熱を大幅にカットしてくれます。バルコニーやウッドデッキに取り付けて、窓際に日陰を作ることができるでしょう。

グリーンカーテンを設置する

グリーンカーテンとは、つる性の植物で窓や壁を覆うことです。太陽の直射日光や熱を和らげる、自然のカーテンとしての役割を果たします。
風通しがよく、植物は葉から水蒸気を出す蒸散により周囲の温度も下げるため、すだれよりも涼しく感じやすいといわれています。輻射熱の抑制にも効果が期待され、室内の暑さ対策として注目されています。

遮光カーテン・ブラインドを設置する

遮光カーテンやブラインドを設置すると、日差しを防いで室内に熱が入るのを抑えられます。遮光カーテンは厚い生地で光をほとんど通さないため、室温の上昇や家具の日焼けを防ぐことが可能です。ブラインドは光の量を調節できるので、直射日光を抑えつつ室内の明るさも保てます。

遮熱フィルムを貼る

窓に遮熱フィルムを貼ることも太陽の熱が部屋に入りにくくするための対策です。フィルムが日差しを反射・吸収することで室温の上昇を抑え、冷房の効きもよくなります。窓の種類に合ったフィルムを選んで、暑さ対策に役立てましょう。

窓を2重窓にする

窓を2重窓にするのも室内の暑さをやわらげるのに効果的です。2重窓は断熱性が高く、日射熱など外の熱が室内に伝わりにくくなるため、室温を保ちやすくなります。
賃貸物件を探す際は、内見時や不動産会社に2重窓かどうかを確認しておくと安心です。注文住宅を建てる場合は、初めから2重窓を選ぶことで、より快適な住まいを実現できるでしょう。

冷房効率を高める方法

室内の暑さ対策には冷房を効率的に活用することが大切です
室内の暑さ対策には冷房を効率的に活用することが大切です

ここからは、室内の暑さ対策として重要となる、冷房効率を高める方法を紹介します。室内の空気を効率よく循環させることがポイントとなるので、細かく見てみましょう。

扇風機・サーキュレーターを活用する

扇風機やサーキュレーターを活用すると、部屋の中の空気が循環され冷房の効き目アップにつながります。最近は、電気代節約のためにサーキュレーターを導入する人が増えています。

エアコンを背にしてサーキュレーターを置くと、冷気が効率的に広がりやすくなります
エアコンを背にしてサーキュレーターを置くと、冷気が効率的に広がりやすくなります

冷房の効きをよくしたい時は、エアコンを背にして置き、冷たい空気を循環させましょう。冷気は下にたまりやすいため、エアコンの下に置いて水平か少し下向きに風を送るようにすると、部屋全体が涼しくなります。また、他の部屋へ冷気を送る場合にも効果的です。

エアコンの対角線上にサーキュレーターを置くと、冷気が拡散されます
エアコンの対角線上にサーキュレーターを置くと、冷気が拡散されます

エアコンとサーキュレーターを対角線上に置き、エアコンに向けて風を送る方法もあります。この置き方はエアコンから出る冷気が部屋中に広がり、冷気が行き渡りやすくなるでしょう。

湿度を下げる

部屋の暑さをやわらげるには、室温だけでなく湿度を下げることも大切です。湿度が高いと蒸し暑さが増し、不快に感じやすくなります。また、汗が蒸発しにくく熱中症のリスクも高まります。夏の室内の快適な湿度は50〜60%程度といわれており、除湿をすることで体感温度が下がります。

冷房が効きにくい場合は、まずエアコンの除湿機能や除湿器を活用して、部屋の湿度を下げてみましょう。
また、こまめな換気や入浴後の換気扇の使用、除湿剤の設置、サーキュレーターで空気を循環させるのも湿気を逃すのに役立ちます。

カーテンを閉める

カーテンを閉めると、窓から入ってくる日差しや熱を防げるため、室内の温度上昇を抑えられます。また、冷房で冷やした空気が外に逃げるのを防ぐことができ、エアコンの効きもよくなります。その結果、エアコンの使用時間が減り節電にもつながるでしょう。

日中の外出時もカーテンをしめておくことで、室内に熱を溜め込まず、帰宅した際にも不快な暑さを感じにくいです。

エアコンフィルターを掃除する

冷房効率を上げるためにエアコンフィルターの掃除が大切です。ホコリがたまりやすいので、電源切り、コンセントを抜いた状態でエアコン本体にフィルターを付けたまま掃除機で吸い取ってください。取り外す時にホコリが舞うのが気になる場合は、床に新聞紙を敷いておくと安心です。
ある程度きれいになったら、フィルターを外して水で洗います。汚れがひどい場合は、薄めた中性洗剤を使って歯ブラシなどでこすりましょう。洗い終わったら水気をしっかりとふき取り、カビ防止のためにも完全に乾かします。

家具の配置を配慮する

家具の配置にも工夫が必要です。例えば、吹き出し口の前には家具を置かないようにし、大きな家具はエアコンから離れた位置に配置します。
そして、熱を発する電子レンジや電気ケトルなどの電化製品はエアコンから遠ざけます。

今すぐできる暑さ対策

すぐに取り入れられる暑さ対策に有効な方法を紹介します
すぐに取り入れられる暑さ対策に有効な方法を紹介します

次に、今すぐにでもできる暑さ対策を紹介していきます。取り入れやすいものばかりなので、参考にしてください。

冷感グッズを使う

昨今はさまざまな冷感グッズが販売されているので、用途に合わせたグッズを取り入れやすくなっています。首元を冷やすネックリングや冷感成分を含むスプレー、瞬時に冷やす冷却パック、身につける冷感衣類など、そのタイプはさまざま。自分に合ったものを探して、室内でも暑い夏を快適に過ごしましょう。

帰宅後は換気をしてから冷房をつける

帰宅後の暑さ対策として、まずは窓を開けて換気をします。不在中にこもった熱気を外に逃がしてから冷房を使うと、冷房効率が高まります。

ハンディファン・うちわを活用する

ハンディファンやうちわの利用もおすすめです。街中では、手軽に涼を得られるハンディファンを持つ人を多く見かけることも。うちわは扇風機やエアコンの風より体にやさしい自然な風を送り送ることができます。
簡単に涼しい風を作ることができ、節電にもつながるので、エアコンと併用しながらなど無理のない範囲で活用しましょう。

料理時間を短くする

暑い時期の料理は、少し工夫するだけで暑さを和らげることができます。まず、下ごしらえは朝や夜の涼しい時間に済ませておくと、負担を軽減できるでしょう。
また、火を使わずに調理できる電子レンジや炊飯器などを活用すれば、暑さを抑えながら料理が楽しめます。さらに、冷凍食品やカット野菜を使えば、調理時間をぐっと短縮できて便利です。調理中は、こまめな水分補給も忘れずにおこないしましょう。

気化熱を利用する

ベランダや壁に打ち水をする方法があります。これは、水が蒸発する時に周囲の熱を奪う気化熱の働きで、周囲の温度を下げる効果が期待できるため、昔から使われている涼のとり方です。特に、日差しで熱くなったコンクリートや壁におこなうと効果的です。ただし、周囲に人がいる場合や通行の多い場所では、迷惑にならないよう配慮しましょう。

室内の暑さ対策についてよくある質問

室内の暑さ対策に関するよくある質問に答えていきます
室内の暑さ対策に関するよくある質問に答えていきます

最後に、室内の暑さ対策について、よくある質問への回答をまとめました。

なぜ室内で熱中症になりやすい?

室内で熱中症になりやすいのは、気温や湿度が高く、風が通りにくい場所で長時間過ごすことが原因です。こうした環境では体の熱がうまく逃げず、体温がどんどん上がってしまいます。熱中症を防ぐためにも、エアコンで部屋の温度を下げたり、湿気が溜まらないよう換気をおこないましょう。またこまめな水分補給も大切です。

室内が暑い時どうしたらいい?

室内が暑いと感じたら、まずは換気をしてこもった熱を外に逃がします。窓を開けて風を通し、扇風機やサーキュレーターを使って空気の流れをつくると、室温が下がりやすくなります。また、カーテンやシェードで室内への直射日光を遮るのも効果的です。
さらに、冷房が十分に効くまで冷感グッズを活用してみましょう。

冷房効果を上げるために帰宅したらやることは?

帰宅したら、冷房をつける前に換気をおこなって、室内の熱を逃がしましょう。窓が多い住まいの場合は、対角線上にある窓を開けて空気の通り道をつくると、効率よく熱気を外に逃がすことが可能です。集合住宅では、玄関と部屋の窓を開けることで風通しがよくなります。換気後にエアコンを使うことで、室温が早く下がり省エネ・節電にもつながります。

外出時にやっておくとよい暑さ対策は?

外出時にできる暑さ対策として、カーテンを閉めておくのがおすすめです。直射日光が室内に入るのを防ぐことで、昼間に余計な熱がこもりにくくなります。遮光カーテンを使えば、より熱の侵入を防げるでしょう。少しの工夫で、帰宅後すぐに快適な室温にするために大切なポイントです。

まとめ

夏の猛暑では室内でも熱中症になるリスクが高く、高齢者や子ども、体調の優れない人は特に注意が必要です。対策としては、窓を開けて換気をし、扇風機やサーキュレーターを使って空気を循環させるましょう。
遮光カーテンやシェード、遮熱フィルム、グリーンカーテンなどを活用し、直射日光を遮ることも有効です。
快適な室温を保つためのエアコンの効きをよくするためには、フィルターの掃除や家具の配置も見直しもポイント。
本記事で紹介した対策を参考にして、暑い夏を快適かつ安全に乗り切りましょう。

執筆者

西嶋治美

心理教育学科を卒業後、約10年間金融機関にて従事。2016年よりライター活動を開始。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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