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寝る時の蚊対策!部屋に寄せ付けず快眠できる方法を解説

寝る時の蚊の対策方法について解説します
毎年夏になると、蚊に悩まされてなかなか寝付けないという方もいらっしゃると思います。蚊に刺されるとかゆくなるだけでなく、蚊が媒介する病気に感染する可能性もあります。そこで、この記事では蚊を家の中に侵入させないための対策方法をご紹介します。蚊に刺されてしまった時の対処方法も解説しているので、毎年蚊に悩まされている方は一度ご確認ください。

蚊ってどんな虫?

蚊は生物学的に分類すると、節足動物門の昆虫網のうち、触覚が胸より長い特徴を持つ長角亜目のカ科に属します。世界には3,520種類以上の蚊が存在しますが、日本には約100種類が生息しているといわれています。国内にいる蚊の中で、人間の血を吸うのは約20種類です。蚊というと人間の血を吸うイメージが強いですが、樹液・果汁・花の蜜を吸っています。

なぜ蚊は人の血を吸うの?

普段、蚊は樹液・果汁・花の蜜などの糖分を主食としています。人の血を吸うのは、産卵に必要なたんぱく質を摂取するためです。そのため、産卵を控えたメスだけが吸血します。

代表的な蚊の種類

人の血を吸う代表的な蚊の種類をご紹介します。

ヒトスジシマカ(ヤブカ)

ヒトスジシマカ(ヤブカ)
ヒトスジシマカ(ヤブカ)
  • 生息地
    成虫は、湿度の高い場所
    幼虫は水たまりや植木の受け皿など

  • 発生時期
    5月~10月。日中に活動

アカイエカ

アカイエカ
アカイエカ

  • 生息地
    用水路や川の泥水

  • 発生時期
    4月~10月

チカイエカ

チカイエカ
チカイエカ

  • 生息地
    地下鉄の排水やビルの湧水槽

  • 発生時期
    1年中

人への影響は?蚊に刺されると害がある?

蚊に刺されると身体にどのような影響があるのでしょうか
蚊に刺されると身体にどのような影響があるのでしょうか

蚊に刺されると、直後から急激にかゆみを感じて赤く腫れます。症状の多くは、数時間程度で自然に治癒します。蚊が吸血をした時、人間の皮膚の中に残す唾液腺物質を異物とみなし、防御反応として赤みやかゆみを引き起こします。かゆいからといって強くかきむしってしまうと、よりかゆく感じてしまい、皮膚を傷付けて化膿したり、色素沈着を起こすこともあります。

また、蚊に刺されることによって、以下のような病気に感染する可能性もありますので注意してください。

日本脳炎

豚を吸血した蚊が人間を吸血することで感染する病気です。多くは不顕在感染ですが、100~1,000人に1人の割合で発症します。主な症状は頭痛・発熱・悪心・嘔吐・めまいです。重症化すると意識障害・痙攣・昏睡などで、致命率は20~40%です。

ウエストナイル熱 (ウエストナイル脳炎)

ウイルスは鳥と蚊の間で媒介し、人間や馬に感染します。約80%は不顕在感染で、発症しても症状は軽く1週間で全快することが多いです。主な症状は急激な発熱・頭痛・背部痛・めまい・発汗・発疹・リンパ節腫大などです。高齢者では重篤化することが多く、頭痛、高熱、頸部硬直、感覚障害、昏睡、戦慄、麻痺などの症状が現れ、死亡率は3~15%とされています。

マラリア

アフリカ、中南米、東南アジアなどを中心とした亜熱帯や熱帯地域の主に辺地で現在も大流行しています。現在、国内感染例はなく、アフリカや東南アジアの流行地域で感染した人が帰国後に発症した輸入マラリアに限定されています。主な症状は悪寒・高熱・頭痛・嘔吐・関節痛などです。

デング熱

熱帯・亜熱帯地域で繰り返し流行していますが、ここ数年は世界的に発生数が激増しています。マラリアと異なり衛生状態のよい都市部でも流行し、日本人旅行者が感染する可能性も高いとされています。50~70%は不顕性感染で、不顕性感染者も感染源となることがあります。主な症状は発熱(38度以上)・頭痛・筋肉痛・関節痛などです。
上肢内側に発疹が一時的に現れ、発症後3~4日後から限局した発疹(斑状紅斑)が体幹から末梢へと広がります。デング出血熱・頻脈・脈圧低下などの循環障害でショック状態になることもありますが、重症化は2度目以降の感染で発症することが多く、致命率は数%です。

ジカウイルス感染症

2007年まではアフリカとアジアの一部地域でのみ発見されていましたが、最近は世界各国で輸入感染が報告されています。ジカウイルス病はジカウイルスの感染によって起こる後天的な感染症で、約80%は不顕性感染ですが、感染源となることもあります。一方、先天性ジカウイルス感染症はジカウイルスが母体から胎児へ感染して起こり、小頭症などの先天性障害の可能性が高まります。妊娠中の女性が感染すると胎児に感染する可能性がありますので、妊婦および妊娠の可能性がある方は、流行地域への渡航を控えましょう。

蚊に刺されやすい人の特徴は?

蚊に刺されやすい人の特徴は次のとおりです。

  • 体温が高い人
  • 汗をかきやすい人
  • 飲酒をした人
  • 赤ちゃんや子ども
  • O型の人
  • 暗い色の服を着ている人

蚊は、汗に含まれる乳酸や呼吸による二酸化炭素を察知しています。そのため、汗をかきやすい人や、運動や飲酒によって二酸化炭素を多く吐き出す人に集まってきます。また、熱を察知することもできるので、基礎代謝が高く体温が高い、赤ちゃんや妊婦も蚊に刺されやすいでしょう。蚊は暗い色を好むので、黒や紺の服を着たり、日焼けで肌が黒くなったりしている人も刺されやすくなります。
また、株式会社ユーグレナのゲノムデータ分析による「蚊に刺されやすい遺伝子タイプが多い出生地(都道府県)ランキング」によると、蚊に刺されやすい血液型はO型という結果に。

寝る時におこなう蚊の対策方法

ぐっすり快適に寝るためにも蚊の対策をおこないましょう
ぐっすり快適に寝るためにも蚊の対策をおこないましょう

寝る時におこなう、蚊の対策方法を5つご紹介します。

窓や網戸はきちんと閉める

暑い時期には窓を開けて寝る方も多いですが、蚊の侵入経路となります。窓を開ける場合は網戸を必ず閉めましょう。

網戸は室内側の右の窓を半開にするか全開にする

窓を開ける時は、窓と網戸の位置関係によっては蚊が侵入してしまうことがあります。窓を全開にしていると窓と網戸に隙間ができず、蚊は侵入できません。一方、窓を半分だけ開けておく場合は、開ける方向によっては隙間ができてしまうことがあります。イラストを見てわかるとおり、左の窓を半開にすると窓と網戸の間に隙間ができて蚊が侵入しやすくなります。窓を半分だけ開けたい時は、右半分を開けましょう。

左/隙間があるため虫が侵入しやすくなります 右/隙間がないため虫が侵入しにくくなります
左/隙間があるため虫が侵入しやすくなります 右/隙間がないため虫が侵入しにくくなります

扇風機やサーキュレーターを回す

蚊は、人間の体温や二酸化炭素を察知して吸血をおこないますが、飛ぶ力はあまり強くありません。扇風機やサーキュレーターを寝室で使い、蚊が近づけないように風を起こすことで、蚊に刺されにくくなります。

蚊取り線香や電子蚊取り器置く

蚊取り線香や電子蚊取り器を置くと、蚊を駆除することができます。使用している間は常に薬剤が供給され、窓を開けていても効果が持続します。蚊取り線香は火を使うので、周囲に燃えやすいものを置かないよう注意して使用してください。

スプレータイプの殺虫剤を散布する

スプレータイプの殺虫剤は侵入した蚊を駆除する効果があります。ただし、効果がある時間が限られています。また、ペットや子どもにも安全な成分の製品もありますが、魚や鳥などには有毒な場合もありますので説明書をよく読んでから使用しましょう。

肌に虫よけスプレーを塗布する

虫よけスプレーは屋外で使用することが多いですが、屋内でも塗っておけば蚊に刺されにくくなります。花や柑橘系の香りだけでなく、無香料タイプもあるので、お好みのスプレーを選んでみてください。

就寝中に蚊が侵入した時の対処方法

深夜に蚊に起こされる人も少なくないはずです。寝室に蚊がいた際の対処法とは
深夜に蚊に起こされる人も少なくないはずです。寝室に蚊がいた際の対処法とは

寝室に寝ている時に蚊が侵入してしまった時の対処方法を、2つご紹介します。

スマートフォンのライトでおびき寄せて叩く

一つ目は、スマートフォンのライトでおびき寄せて叩くことです。蚊は小さいので、一度見失ってしまうと見つけるのは大変です。そこで、光に集まる習性を使って、スマートフォンの光におびき寄せましょう。

スプレータイプの殺虫剤を散布する

二つ目は、スプレータイプの殺虫剤を散布することです。スプレータイプの殺虫剤は蚊の位置がわからなくても、ワンプッシュするだけで部屋中に成分が広がり駆除できます。ただし、本当に駆除できているかの確認がしづらいので、心配であれば液体の電子蚊取り器などと併用することをおすすめします。

家に蚊を入れないための対策方法

蚊は人と一緒に家に入ってくることも
蚊は人と一緒に家に入ってくることも

蚊に刺されにくくするためには、まず家に蚊を入れないような対策が必要です。

玄関や窓の近くにハーブを置く

蚊の侵入経路となる玄関や窓の近くに、蚊の嫌がるハーブを置くと効果的です。

虫よけに効くハーブの種類

蚊を含む虫よけの効果があるハーブを5種類紹介します。虫よけ効果のあるハーブは、犬や猫などのペットにとって有害となることもあるため、ペットを飼っている方は事前に調べてください。

ゼラニウム
丈夫で育てやすいため植物を初めて育てる人にもおすすめです
丈夫で育てやすいため植物を初めて育てる人にもおすすめです

ゼラニウムには、防虫効果があるテルピネオールやシトロネロールの成分が含まれています。古くからヨーロッパでは、魔除けとして玄関や窓辺に置かれていました。蚊連草(かれんそう)という蚊を寄せ付けない植物もゼラニウムの仲間です。

レモングラス
爽やかな香りが楽しめます。料理に使うこともできるのでベランダガーデニングにもおすすめです
爽やかな香りが楽しめます。料理に使うこともできるのでベランダガーデニングにもおすすめです

レモングラスの主要成分であるシトラールやシトロネラールには、防虫効果があります。レモングラスは古くから蚊帳に編み込まれて使われていることも。フレッシュなレモンの香りがあり、一度根を張ってしまえば手間がかからず育てやすい植物です。

レモンユーカリ
蚊以外に蜂も苦手な香りのため蜂対策にもおすすめです
蚊以外に蜂も苦手な香りのため蜂対策にもおすすめです

レモンユーカリ(ユーカリ・シトリオドラ)は、防虫効果のあるシトロネラールが含まれています。防虫の他にデオドラント効果もあるので、臭いが気になる場所に置くことをおすすめします。トムヤムクンなどのエスニック料理にも使われるハーブです。

ペパーミント
地植えの場合、大量に増えてしまうためプランターで育てましょう
地植えの場合、大量に増えてしまうためプランターで育てましょう

ペパーミントに含まれるメントールはミントの香りの成分で、虫が嫌がる匂いです。清涼感のある香りは防虫効果だけでなく、鎮静効果もあるので、寝苦しい夏におすすめです。

ラベンダー
精神安定の効果もあるため観葉植物として寝室に置くのもおすすめです
精神安定の効果もあるため観葉植物として寝室に置くのもおすすめです

ラベンダーは、防虫効果があるリナロールを多く含んでいます。衣類を保管する時にサシェとしてラベンダーが使われることが多く、昔から防虫効果が高いハーブとして使われています。

家の周りに水たまりを作らない

蚊は少しの水があれば、そこに卵を産み繁殖することができます。家の周りに水たまりがあると、蚊が繁殖しやすくなるので注意してください。蚊の行動範囲は半径100~150mなので、その範囲にあるベランダ・庭・玄関・駐車場などに水たまりができないようにしましょう。

玄関に蚊取り線香を置く

人が出入りする時に、家の中に蚊は侵入しやすくなります。そのため、玄関に蚊取り線香や電子蚊取り器を設置すると効果が高いでしょう。

もし蚊に刺されたら?痕が残らないようにケアしよう!

蚊に刺された痕が残らないようにする方法とは
蚊に刺された痕が残らないようにする方法とは

対策をしていても蚊に刺されてしまうことも多いですが、跡が残らないようにケアする方法をご紹介します。

濡れタオルで刺された部位を冷やす

蚊に刺されるとかゆいですが、かきむしるのはNGです。かゆみを感じる時は、冷水や冷たいタオルで患部を冷やしましょう。

虫刺され薬を塗る

蚊に刺された場所を洗い清潔にしたら、虫刺され薬を塗ります。市販の薬でも効果がありますが、刺されてから数日たっても症状が改善しなかったり、刺された場所以外にかゆみや腫れができたり、発熱やめまいなどがあったりする場合は医療機関を受診しましょう。

まとめ

なるべく蚊に刺されないように、家の中に蚊を侵入させない対策方法をご紹介しました。電子蚊取り器や殺虫スプレーを使ったり、防虫効果のあるハーブを育てたりすると効果的です。また、蚊に刺されてしまった時は、かかずに冷やして薬を塗れば数日で治ります。ぜひ快適に夏を過ごすために、蚊の対策をしましょう。

執筆者

古泉葵

2020年からフリーランスのWebライターとして活動。ライフスタイルやグルメなど幅広い分野の記事を執筆。理系大卒で、ロジカルな文章の作成が得意。

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