このページの一番上へ

徹底調査!子育てにおすすめの間取りは?子育てしやすい間取りの特徴や選び方を解説

子育てにおすすめの間取りを世帯別にご紹介
子育て中のご夫婦のなかには、「子どものためにも、そろそろ引越しをしようかな」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。家族が増える、あるいは子どもが成長するにつれて、これまで十分だった間取りも手狭に感じてくるものです。家族みんなで長い時間を過ごす家ですから、できるだけ快適な空間を求めるのは必然でしょう。

とはいえ、家族によってライフスタイルは異なるので、一概にどのような間取りがベストとはいいきれません。そこで子育て世帯の方にアンケートをおこない、子育てにおすすめの間取りについて調査しました。他のご家庭が、どのような家族構成で、どのような間取りを選んでいるのか。これから住み替えを検討している子育てファミリーの方は、ぜひ参考にご覧ください。

【アンケート】子育てのために重視した住まいの条件は?

不動産情報サービスのアットホームでは、過去5年間で第一子が15歳になるまでの間に引越しを経験したファミリーにむけてアンケートを実施。「子育てのために重視した住まいの条件」を聞いたところ下記となりました。

1位 部屋数 49.3%
2位 立地の利便性 37.7%
3位 日当たり 34.8%
4位 新築・築浅 28.4%
5位 広いリビング 25.5%

(アットホーム調査:「子どものための住まい探しに関する調査」)※複数回答可

約半数にあたる49.3%の方が、部屋数を重視すると回答しました。続いて立地が2位となっていますが、3位には日当たり、そして5位には広いリビングが挙がっています。この結果から、子育てにおいては間取り選びがとても重要であることが伺えるでしょう。

子育てに必要な部屋の広さは?

国土交通省の「住生活基本計画」では、世帯人数ごとに最低限必要となる住宅面積と、ゆとりのある暮らしができる住宅面積について掲示しています。

  • 最低居住面積水準(※)20平米×世帯人数+10平米
  • 誘導居住面積水準(※)(マンション):20平米×世帯人数+15平米
  • 誘導居住面積水準(一戸建て):25平米×世帯人数+25平米

※最低居住面積水準とは、世帯人数に応じて、健康で文化的な住生活を過ごすうえで必要不可欠な住宅の面積のこと。
※誘導居住面積水準とは、多様なライフスタイルに合わせ豊かな生活を過ごすことのできる住宅面積のこと。

上記の計算式から、家族の世帯数によって必要な広さがわかります。参考までに、3人・4人・5人の世帯で算出してみると、最低限必要な広さとなる最低居住面積水準は以下の通りです。

  • 3人:20平米×3人+10平米=70平米
  • 4人:20平米×4人+10平米=90平米
  • 5人:20平米×5人+10平米=110平米

つまり、世帯人数が1人増えるたび、20平米の広さをプラスして確保する必要があるということ。20平米は約12帖ですので、1~2部屋ほどの広さです。なお、ゆとりを持つならより広い面積が求められますが、これはマンションか一戸建てかによって異なります。以下に、マンションと一戸建ての誘導居住面積水準を算出してみました。

世帯人数 マンション 一戸建て
3人 75平米 100平米
4人 95平米 125平米
5人 115平米 150平米

世帯人数が同じでも、マンションと一戸建てを比較してみると、広さに開きがあることが分かります。特に一戸建てとなると、都心部においては十分な広さを満たす物件を探すことが、なかなか大変かもしれません。住居の種別に応じ、これを参考に適した家の広さを考えてみましょう。

【アンケート】子育てに人気の間取りは?

子育てするのに、どの程度の部屋の広さが必要なのかがわかりましたが、同じ広さの家でも、リビングの広さや部屋数など間取りもさまざまです。それでは実際に、どのような間取りが子育て世帯に人気なのでしょうか。アンケート結果をもとにそれぞれのパターンで見ていきましょう。

【3人家族】人気の間取り

お子さんが1人いる3人家族の方に現在お住まいの間取りについてアンケートをおこなったところ、以下となりました。

【3人家族】人気の間取り
(回答サンプル数:278人)

子ども1人の場合、圧倒的に人気を集めたのは、「3LDK」で65%という結果に。3LDKは、リビングとダイニング、キッチンの他に3つの居室を持つ間取りです。1部屋少ない「2LDK」は20%、逆に1部屋多い「4LDK」は10%となっています。家族の人数で見ると、夫婦の部屋と子ども部屋が持てる2LDKでも十分ですが、書斎や客間などに使える部屋が1つあると便利です。

【4人家族】人気の間取り

お子さんが2人いる4人家族の方に現在お住まいの間取りについてアンケートをおこなったところ、以下となりました。

【4人家族】人気の間取り
(回答サンプル数:197人)

子どもが2人いるご家庭でもっとも多いのは、「4LDK」で40%でした。子どもそれぞれに1部屋ずつ与えられるうえ、夫婦それぞれに部屋が持てるのも魅力のようです。続いて、「3LDK」は35%、「5LDK」も16%と3LDK以上の間取りが人気のようです。

【5人家族】人気の間取り

お子さんが3人いる5人家族の方に現在お住まいの間取りについてアンケートをおこなったところ、以下となりました。

【5人家族】人気の間取り
(回答サンプル数:99人)

子どもが3人の5人家族になると、「4LDK」が多く43%となりました。「5LDK」以上も30%に及び、子どもが増えるとそれなりの部屋数が求められることがわかります。「3LDK」も24%ですが、やはり少し手狭に感じてしまうのかもしれません。なお、2LDK以下という回答はほぼなくなっており、リビング、ダイニング、キッチンの他に3部屋以上は必須といえそうです。

【アンケート】子育てにおすすめのリビングの広さは?

家族が集まるリビングはなるべく広いといいですよね
家族が集まるリビングはなるべく広いといいですよね

先ほどご紹介した「子育てのために重視した住まいの条件」のなかで、5位となっていた「リビング」。リビングといえば、家のなかで家族が集まる場所なので、家族みんなで過ごしてもゆとりがあって居心地のいい場所であることが重要です。
リビングはどの程度の広さがあるとよいのでしょうか。お子さんがいるご家庭の方に、理想のリビングの広さを聞いてみました。

【3人家族】理想のリビングの広さ

お子さんが1人いる3人家族の場合、理想となるリビングの広さは以下となりました。

【3人家族】理想のリビングの広さ
(回答サンプル数:278人)

アンケートの結果では、「15~18帖」が30%ともっとも多くの回答を集めました。しかし一方で、その他の「6~10帖」「11~14帖」「20帖」もすべて20%を超えています。子どもの年齢や、生活スタイルによって理想となる広さは異なるようですね。
逆に、もっとも広い「21帖」は3%と少ない結果になっています。リビングは広ければそれだけ光熱費もかかりますし、掃除が大変になることも背景にあるのかもしれませんね。

【4人家族】理想のリビングの広さ

お子さんが2人いる4人家族の場合、理想となるリビングの広さは以下となりました。

【4人家族】理想のリビングの広さ
(回答サンプル数:183人)

4人家族になると、半数が「10~15帖」と回答。続いて「16~20帖」が39%となっており、10帖以上必要といえそうです。「9帖以下」は5%ですので、狭く感じてしまうのでしょう。なお、「21帖以上」については3人家族と同じく少数となっており、4人家族にとってもやや広すぎると感じるようです。

【5人家族】理想のリビングの広さ

お子さんが3人いる5人家族の場合、理想となるリビングの広さは以下となりました。

【5人家族】理想のリビングの広さ
(回答サンプル数:98人)

3人家族と4人家族では少数派だった「20帖以上」が、5人家族では半数以上となり最多でした。次いで広い「15~18帖」でも21%という結果。5人家族になると、リビングの広さは20帖が快適に過ごすための最低ラインになるのかもしれません。

子育てしやすい間取り選びのポイント&事例

続いて、子育てがしやすい間取りの特徴について、実例を交えて紹介していきます。
引越しを検討しているご家庭は以下の条件を念頭においてお部屋探しをしてみましょう。

日当たりがいい

日当たりのいい部屋は、湿気が排除できダニやカビの発生を抑制します
日当たりのいい部屋は、湿気が排除できダニやカビの発生を抑制します

日当たりがいいと、室内が明るい雰囲気になります。特にリビングは家族みんなが集まる空間。お互いの顔がしっかり見えると、気持ちも汲み取りやすく会話が弾むのではないでしょうか。「日中だけど暗いから……」なんて電気をつける必要もないので、節電にも繋がりますね。日中を通して明るい環境を保持するなら、各方角に広めの窓があるとよさそうです。
ただし、日差しの中でも強い西日が多く差し込むと、眩しくて目が疲れてしまいますし、家具や床などを傷めてしまう可能性も。紫外線をカットするガラスや、遮光カーテンなどを利用して快適は部屋づくりをおこないましょう。

家事動線がいい

キッチンとパントリーが近いなどよく行き来する場所を意識しましょう
キッチンとパントリーが近いなどよく行き来する場所を意識しましょう

料理を作ってテーブルまで運び、さらに食べ終わったら食器を運んで洗うなど、キッチンまわりは家事において重要となる場所です。
特に家族が多いと、家事量も増えることになるため、家事動線がいい間取りが理想です。
また、キッチン以外にも掃除や洗濯などの家事を想定し、動きやすい動線を確保したいところ。例えば一戸建ての場合、洗濯機置き場と洗濯物を干す場所が近いと労力を減らすことができます。

水回りが集中している

水回りが離れていると、排水構造が複雑になるためメンテナンス費用が割高になる可能性も
水回りが離れていると、排水構造が複雑になるためメンテナンス費用が割高になる可能性も

浴室や洗面台、トイレ、そして洗濯機置き場など水を使う場所は汚れやすく、しかも一緒に使用する機会も少なくありません。近いエリアに集中していると生活しやすく、掃除もラクになります。脱衣所に洗濯機が置いてあれば、子どもと一緒にお風呂に入る際にもスムーズですね。例えば、子どもが泥だらけで帰ってきても、脱衣所で脱いだ服をそのまま洗濯できるうえ、お風呂に入れることも可能です。

キッチンから子どもの様子がうかがえる

家事をしながら家族と会話ができるためコミュニケーションが取りやすくなります
家事をしながら家族と会話ができるためコミュニケーションが取りやすくなります

料理や洗い物などキッチンで家事をしているときは、どうしても子どもから目を離しがちです。知らないうちに危ないことをしていて、ケガしてしまった……なんていうことも。キッチンから子どものいる部屋が見渡せると、安心して家事ができます。子ども側も、お父さんやお母さんが見ていてくれるので安心して過ごせることでしょう。

収納が多い

4人家族の場合、3~4帖のウォークインクローゼットがあると便利です
4人家族の場合、3~4帖のウォークインクローゼットがあると便利です

家族が増えれば、どうしてもモノが増えます。洋服や靴、趣味のモノ、あるいはオモチャなど。すっきり片付けてきれいな家を保つには、収納が多いと便利です。シューズクロークやウォークインクローゼット、あるいは押し入れなど。必要なときサッと取り出せるよう、なるべく使う場所の近くで収納できるとよいでしょう。

収納が少ないと、ケースなどを購入して置かなくてはなりません。そうなれば、見た目がよくないなど、せっかく部屋が広くても配置にスペースを取られて狭くなってしまいます。

リビングが広い

リビングの一角にキッズスペースを設けるとおもちゃの片付けもスムーズです
リビングの一角にキッズスペースを設けるとおもちゃの片付けもスムーズです

テレビを観たりゲームをしたり、会話を楽しんだり、リビングは家族みんなが集まる場所です。広いスペースがあれば、いろいろな用途に使えます。例えば学校で習ったダンスを、家族の前でお披露目したり、天気が悪く外に出られないときも、室内で遊ぶこともできます。もちろん子育て以外にも、手芸や工作などの趣味に取り組む際にも広いリビングは重宝します。

リビングに隣接して和室がある

段差のないフラットな和室であれば、よちよち歩きの赤ちゃんにも安心です
段差のないフラットな和室であれば、よちよち歩きの赤ちゃんにも安心です

昔から日本で親しまれてきた、畳のある和室。日本人なら、和室が欲しいと考える方は多いかもしれません。畳の香りが心地よく、ゆったり過ごせる空間。リビングに隣接していれば、他の家族がリビングで過ごすのを見ながら、寝転がってくつろぐ……なんていうこともできます。昨今は和室のない家も増えていますが、実は子育てに便利なことも多いようです。

和室があると便利だと思う?

お子さんがいらっしゃるご家庭に和室があると便利だと思うかアンケートをおこなったところ、以下の結果となりました。

和室があると便利だと思う?
(回答サンプル数:263人)

和室があってよかったと思うことは?

続いて実際に和室があるご家庭の方に、子育てにおいて和室があってよかったと思うことを聞いてみました。

    みんなの声
  • リビングの続き間が和室になっているので子供と日中遊んだり寝たりできて便利です。(20代/女性)
  • 床が柔らかいこと、急な来客でも和室で対応できること。添い寝や昼寝がらく。(30代/男性)
  • 和室に布団を敷いて母と子2人で寝ている。ベッドから落ちる心配はない。(30代/女性)
  • 子供が小さいときは、寝るときは絶対に和室がいい。子供が1人のときも2人になった後も、和室なら人数にかかわらず布団を並べて敷いて寝られる。親と一緒に川の字になって寝るのは子供のメンタル面においてもいいし、親としても幸せを感じる瞬間だ。(60代/男性)

来客時に使用するほか、子どものいるご家庭にとっては、遊んだり昼寝したりするのに和室が便利なようです。親子で川の字になって寝るという声もありますが、思い浮かべるだけで幸せな感じがイメージできます。和室の広さと布団の敷き方次第では大人数でも寝られるので、将来的に家族が増えた際にも、受難に対応できそうですね。昨今は洋室をメインとした家が増えていますが、子育て中で適した家を探すなら、和室付きの物件を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

子育てしやすい、おすすめの間取りについてご紹介しました。夫婦二人で住むのと子どもがいるのとでは、理想となる広さや間取りは異なります。また、子どもの人数に応じて快適に暮らすためにはある程度の部屋数が必要で、家族の集まるリビングの広さも重要なポイントになるようです。また、対面キッチンや和室など、子育てするからこそ便利な設備もあります。

同じ3LDKでも、各部屋の広さや全体的な間取りの構成は異なります。生活動線なども踏まえながら、実際の暮らしをイメージして物件を選ぶとよいのではないでしょうか。仕事がテレワークだったり、スペースの必要な趣味があったりすれば、その分だけ部屋数が必要になるかもしれません。本記事を参考に、家族にとって快適な毎日を送れるお部屋を、ぜひ探してみてください。

<アンケート概要>
調査方法:インターネットリサーチ
対象:20歳~65歳の男女
調査期間:2022年11月

執筆者

三河 賢文

“走る”フリーライターとして活動。学生時代から15年以上の経験を持ち、現在はディレクションや編集業務も手掛ける。結婚後はライフステージの変化に応じて5回引越し。現在は都内の持ち家を手放して千葉県へ移住し、田舎暮らしを楽しむ。趣味はマラソンと薪割り。4人の子と1匹の犬と暮らす大家族フリーランス。ナレッジ・リンクス(株)代表、NPO法人HASHIRU理事、WILD MOVE主宰/ランニングトレーナー。

関連する記事を見る
不動産お役立ち記事・ツールTOPへ戻る