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【一棟まるごとリノベーションとは?〜後編】リビタのケースで見る、一棟まるごとリノベーションのプロセス

【一棟まるごとリノベーションとは?〜前編】では、一棟まるごとリノベーションの実績を豊富にもつ株式会社リビタの三浦さんに、リノベーション事業に対する想いを語ってもらいました。 後編となる今回も、引き続き三浦さんにインタビュー。リビタがどのようなプロセスで一棟まるごとリノベーションを行っているのか、その手順に迫ります。プロセスの1つひとつに、リビタが提唱する「今、そして未来に通用する物件」を実現する施策が込められていました。 ※本記事は「RE MAISON at home renovation(2021年5月31日終了)」に2017年4月20日に掲載されたものです。

リビタの一棟まるごとリノベーションのプロセス~その1「選ぶ」~いくつもの視点で中古マンションを厳選

株式会社リビタ 一棟事業本部 本部長 三浦隆博さん

三浦さん「リノベーションの第一歩は、まず中古マンションを仕入れることから始まります。リビタが物件を選ぶ時は、主に以下のポイントを見ています」

・新耐震基準に適合しているかなどの耐震安全性
・法規への適合状況や各権利関係
・周辺環境も含めた立地条件
・住宅性能や劣化状況などの現状確認

三浦さん「法規への適合状況とは遵法性、つまり建った当時の法律をクリアしているか。それは、建てた当時の書類がしっかり残っていることが必要なんです。集められる書類はすべて集めて、建物として適法なものかを厳密にチェックしています」

リビタの一棟まるごとリノベーションのプロセス~その2「調べる」~第三者の視点も入れて建物の信頼性を徹底検査

三浦さん「我々が定めた検査基準に沿って、第三者機関による検査を行います。安全性や遵法性はもちろん、防水や設備等の劣化状況や建物の耐久性の確認など検査項目数は相当な数です」

●リビタが行う建物の検査基準
・防水現況検査
・鉄筋の確認
・コンクリート強度の確認
・設備検査
・建物劣化状況の確認(外壁調査)
・建物劣化状況の確認(ひび割れ調査)
・中性化の確認
・給排水管検査
・法律に適合して作られているか
・耐震性の確認

三浦さん「具体的にどう検査しているかを『中性化の確認』を例にご説明しましょう。中性化の確認は建物の寿命の指標ともなるコンクリートの中性化深さのチェックです。コンクリートは最初はアルカリ性なんですが、時間が経つと酸化して中性化してくるんですね。すると中の鉄筋が錆びてきて、強度が落ちるわけです。つまり、コンクリートの中性化状況から建物の耐久年数を推定できるのです。建物の調査は1週間程度で終わりますが、分析から結果が出るまで1ヶ月くらいの時間をかけています」

リビタの一棟まるごとリノベーションのプロセス~その3「直す」~築後100年住まいの価値を維持する意識でリノベーション

三浦さん「調査結果を参考に、具体的な修繕プランを組み立てます。既存の建物を活かしながら、建物を再生していきますので使えるところは最大限利用しますが、修繕する基準としては、住宅性能評価機関による建物検査で、特定劣化事象等が認められないとする既存住宅性能評価制度の「A判定」を取得することとしています。

建物の隅々まで修繕ポイントをチェック

三浦さん「そこまでやる理由は、リビタはリノベーションを通して『築後100年もつ』物件を提案することがポリシーだから。自分たちのリノベーションで完了ではなく、その後の長期修繕計画も提案し建物の価値が長く維持向上させていきたいと考えていますし、入居者の方にもその考えに共感いただけたらと思っています」

リビタの一棟まるごとリノベーションのプロセス~その4「変える」~時代と地域に合ったマンションに変身させる

三浦さん「建物の外観デザインや機能のバリューアップは、今の時代に合わせたものにすることはもちろんですが、入居者の方が『入居後の暮らしがイメージできる』『物件だけでなく地域に愛着を持てる』ように変えることも、我々がこだわっているポイントです。住まいに愛着を持つことは、先ほどお話したマンションを『築後100年』もたせるための意識にもつながりますからね」

「ルクラス本駒込」のエントランス

リビタの一棟まるごとリノベーションのプロセス~その5「創る」~幅広いニーズに応える専有部のコースバリエーション

三浦さん「専有部のリノベーションは、多彩なお客様のニーズに応えるべく多彩な設計変更のコースプランを用意しています」

【合理派向け】
・コーディネートされたカラーをセレクトできる「カラーオーダーコース」
・用意された間取りプランから好みのものを選べる「セレクトコース」

【こだわり派向け】
・セレクトコースをベースに手を入れられる「アレンジコース」
・とことんこだわってオンリーワンの住まいをつくる「フリーデザインコース」

仕事中も家族の顔が見えるよう、リビングの一角にガラス張りのワークスペースを設けたリノベーション例

三浦さん「全体としてはアレンジコースを選ぶお客様が多いですね。例えば『リノア東日本橋』では、モデルルーム以外のすべてのご契約がアレンジコースかフリーデザインコースによる設計変更を行いました。モデルルームが完成前にモデルルーム以外全戸完売してしまい、急遽モデルルームを完成済み住戸販売とする営業に切り替えました(笑)」

リビタの一棟まるごとリノベーションのプロセス~その6「暮らす」~永く住み続けるための仕組み

三浦さん「リノベーションマンションはお客様が長年住む場ですから、リビタでは『住んでからの安心』と『コミュニティ』の両面でサポートしていく体制を組んでいます」

三浦さん「住んでからの安心を実現するために、きめ細やかなアフターサービスや長期修繕計画のご提案、瑕疵保険の付保などを行っています。また、R3住宅や性能評価書といった、建物の優良性を示す基準を満たします。これは、将来的に転売したり、税金面で優遇を受けたりなど、リノベーションマンションが資産としても価値を持つ品質を確保する意味もあるんです」

三浦さん「入居後に充実した暮らしをしていただくためには、生活の時間が豊かで、文化的でなければいけませんよね。そこでリビタでは、コミュニティを育む仕掛けを多数作っています。例えば入居者および近隣住民の人たちが集まれるコミュニティスペースを作ったり、さらにそこで行うイベントやワークショップの企画をしたり、などです」

リノア新松戸には料理教室やパーティーができる共有施設「コモンキッチン」が。

今回のまとめ

リビタは「100年つづく住まいの価値づくり」を実現するために、信頼性の高いリノベーションマンションを作って売るところで終わらず、その後の暮らしまでケアしていくことをミッションとしています。100年つづく住まいの価値という壮大なビジョンは、中古マンションのあらゆるところに手を入れる一棟をまるごとリノベーションだからこそ掲げられると言えます。

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