【一棟まるごとリノベーションとは?〜前編】リノベーション事業者に聞いたマンション物件の新たなスタンダード
記事の目次
43棟のリノベーション実績を持つ株式会社リビタ
株式会社リビタは2005年の創業以来、43棟のリノベーション実績と1,359戸の企画実績を積み上げてきました(2017年3月時点)。その先頭に立ってリノベーションを推進しているのが三浦隆博さんです。三浦さんにリビタの一棟まるごとリノベーション事業について、存分に語っていただきました!

今はリノベーションマンションが積極的に選ばれる時代
三浦さん「かつてはマンションを買うとき、新築か中古かという二択がまず挙がることが多かったですよね。そして、新築には手が出ないから中古を検討する、その中古をバリューアップしたリノベーションマンションはどうか、という順番で考えるというイメージの人は多かったのではないでしょうか。でも、今やリノベーションマンションは、そうした『新築の妥協』としての選択肢ではありません。最初からリノベーションマンションをお求めになるお客様が増えているんです。
その理由は『専有部をカスタムして自分のライフスタイルに合った住まいを手に入れられる』という、新築や中古のようにすでに完成している物件にはない、リノベーションマンション特有の強みです。新築の最新設備やステータス観、中古のリーズナブルさよりも、『自分に合った住まい』にプライオリティーを置くお客様が、リノベーションマンションをお求めになっています。
それでいてリノベーションマンションは、新築に劣らない住宅性能や設備と、中古の強みである『好立地』も備えています。こうした強みの認知も進んでいることも理由のひとつでしょう。中には新築で購入した高級タワーマンションからわざわざリノベーションマンションに引っ越すお客様もいらっしゃるぐらいです。
一棟まるごとリノベーションによって中古の不安を払拭
三浦さん「一棟まるごとリノベーションのマンションは、建物を建て替えるわけではないので、区分としては『中古マンション』の一種です。中古住宅を改修して新しい機能や価値を持たせるリノベーションの過程で、建物や設備の劣化状況、耐震性、共用部の状況などについてきっちり調査いたします。いわば、リノベーションを通して『お客様が中古マンションに抱く漠然とした不安感をきちんと調査することで見える化』するわけですね。
この調査により見える化された、劣化箇所などを適切に修繕をしてリビタの品質基準まで回復する。さらに、外観デザインを現代の住まいにふさわしくしたり、不足した設備や機能を追加したりすることも行います。それにより、既存の建物を『今、そして未来に通用する物件』に生まれ変わらせるのです。

建物(ハード)のリノベーションだけでなく、人と地域の理想の住まいを作る

三浦さん「われわれのミッションは魅力的なリノベーションマンションを提供することはもちろんですが、同時に『入居後も末永く安心して暮らしていただくこと』も重要です。
ひとくちに安心な暮らしと言っても、建物の耐震性に修繕履歴などの物件本体に関することから、ほかの入居者の様子や地域コミュニティの状況までさまざまです。『よくわからない』という漠然とした不安を可能な限り解消し安心して暮らしていただくために、リビタはハードとなる建物だけでなく、ソフトとなるコミュニティの育成などのフォローも行っています。
一棟まるごとリノベーションマンションの大変なところって、『他人が作った建物に自分たちで責任をとらなければいけない』ことなんですよね。それだけに、リノベーションするための物件取得は吟味に吟味を重ねています。そのため、われわれがリノベーションしたいと思えるいい中古マンションは、決して豊富とは言えません。
リノベーションマンションについてお客様の理解も深まってきていますし、合理的に住まいを検討しているなと思わせられるので、非常にやりがいのある事業です。こちらもリノベーションして売るだけでなく、入居後の生活にも寄り添ったビジネスを推進していきたいですね。
今回のまとめ
一棟まるごとリノベーションは、共用部もリノベーションするため、建物全体の劣化状況や耐震性、などが見える化されます。一棟まるごとリノベーションマンションが多くの方に選ばれるようになったのは、専有部のカスタム性の高さだけでなく、共用部も含めた建物全体のリノベーションによる安心感も理由のひとつでしょう。
では、その「一棟まるごとリノベーション」は、具体的にどう行われているのでしょうか?後編では、リビタのケースを参考に一棟まるごとリノベーションの詳しい流れを掘り下げます!