
マンションリノベーション事例「コンパクトさを生かして〝こもり感〟を楽しめるジャストサイズの住まいに」【DINKS】
雑誌「relife+」に掲載された中古マンションリノベーション事例から、今回は東京都中央区Mさんの事例をご紹介。おふたりの暮らしにちょうどいいサイズのコンパクトマンションをリノベーション。「長い廊下」や「独立したリビング」など、ご主人の希望を間取りに反映した結果、リビングから廊下とキッチンを経て寝室へ長い動線が生まれ、広さを感じられる間取りになりました。
(text_ asako shiga photograph_ text_ asako shiga)
- 東京都中央区 Mさんの家
- 夫37歳(会社員) 妻39歳(パート) (取材時)
- 工事費:約920万円(税・設計料込み)
- 築年数:26年(1999年築)(取材時)
- 専有面積:約51.77㎡


思い思いに過ごせる居場所が充実した家
Mさん夫妻は結婚以来、夫の転勤などで5軒のマンションを住み継いできたそう。賃貸もあれば購入したこともあり、広さも30~90㎡と様々。6軒目となるこちらは、東京駅まで徒歩でも行ける便利な立地と、約52㎡という広さが決め手になりました。「いろいろな住まいに暮らして、自分たちにちょうどいい広さがこれくらいだと分かったんです」とご主人。夫妻の場合、広いほどよかったわけではなく、妻は「90㎡の家に住んでいたときも、実際に使っていたのは30㎡くらいだったかも(笑)。それでも掃除は必要で、大変でした」と振り返ります。
リノベを依頼したのはエム・デザイン。デザインに関心が高いご主人は、原宿のヴィンテージマンション、コープオリンピアにオフィスを構える同社が気になり、以前に一度コンタクトを取ったことがあったそう。「施工事例の雰囲気やスピード感がわかっていたので、安心してお任せできました」(ご主人)。
内装の雰囲気はピンタレストなどで理想のイメージを共有。間取りは「長い廊下」や「独立したリビング」など、夫が温めていた希望を反映して固めていきました。その結果、リビングから廊下とキッチンを経て寝室にたどり着く長い動線が生まれ、面積以上の広さを感じられる間取りに。
「朝起きたときと夜寝るときに、気持ちを切り替えられるのが気に入っています」(ご主人)、 「後悔している部分がひとつもない」(奥さま)と、出来栄えには夫妻ともに大満足。
開放感よりも“こもり感”を求めたことで、思い思いに過ごせる居場所が増え、過去のどの住まいよりも暮らしやすさを感じているそう。コンパクトマンションこそ自分たちにはジャストサイズ。そんな思いがリノベを成功に導きました。
住まいの中に距離感を生む長い廊下


千葉県に暮らしていたこともある夫妻。通勤の負担軽減も都心のコンパクトマンションを選んだ理由のひとつ。2匹の愛猫のために、リビングと廊下の床はカーペットに
壁の厚みを見せる&隠す収納に活用


コーナー利用の省スペースなダイニング

キッチンの一角をダイニングに。スペースをほかに譲るため「ここは一般的な広さにするのを諦めました」とご主人。ゆっくり食事を楽しみたいときは、リビングに移動することもあるそう
キッチンを壁付けにして通路兼用に

海外のインテリア画像を参考にして天井と壁をイエローに。以前の住まいのキッチンは、デザインは気に入っていたが収納量が少なかったそう。「キッチン専門メーカーの製品にしたくて、クリナップを選びました」(ご主人)

出入り口の周りをぐるっと収納に

奥のキッチンと手前の寝室の天井高に差をつけて、寝室を秘密基地のようなこもり感のある空間にした。出入り口周りはオープンな収納スペースに。上部にはよく愛猫が上ってのんびりしているそう


カーペット敷きの長い廊下がM邸の個性に。右側に並ぶ建具はトイレのドア以外は造作したもの。枠のないフラットな収まりにこだわった

建物データ
<建物規模>地上12階建て<設計期間>2024年5月~6月<工事期間>2024年6月~7月<設計・施工>エム・デザイン


※この記事はrelife+(リライフプラス) Vol.53に掲載されたものを転載しています。
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