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マンションリノベーション事例「最小限の間取り変更と素材感のある内装材で、コスパよく好みの空間に」

マンションリノベーション事例「最小限の間取り変更と素材感のある内装材で、コスパよく好みの空間に」

雑誌「relife+」に掲載された中古マンションリノベーション事例から、今回は東京都足立区渡邊さんの事例をご紹介。リノベ済みの物件を夫婦の好みの空間になるよう、間取りや床材などを部分的に変えてコスパよく理想を実現。また、リビング横にあった洋室の壁を撤去したことでワンルーム風の広々とした子どもも遊べるスペースになりました。
(text_ asako shiga photograph_ hiroshi kiyonaga)

  • 東京都足立区 渡邊さんの家
  • 夫40歳(会社員) 妻36歳(美容師) 長女1歳(取材時)
  • 築年数:39年(1985年築)(取材時)
  • 専有面積:63.14㎡
  • 施工面積:39.12㎡
  • 設計・施工:エイトデザイン
新品だった白のキッチンは、ラフな質感の板材で覆って好みのテイストに。ダイニング奥の壁面は特大の有孔ボード風。プランナーが以前に店舗で採用した仕様を取り入れ、写真などを飾れる場に
新品だった白のキッチンは、ラフな質感の板材で覆って好みのテイストに。ダイニング奥の壁面は特大の有孔ボード風。プランナーが以前に店舗で採用した仕様を取り入れ、写真などを飾れる場に
「子どもが遊べるスペースができたのがうれしいです」とご主人。床材は新しく張り替えられていたが、好みと違ったため大判の塩ビタイルに。掃除がしやすいところも気に入っているそう
「子どもが遊べるスペースができたのがうれしいです」とご主人。床材は新しく張り替えられていたが、好みと違ったため大判の塩ビタイルに。掃除がしやすいところも気に入っているそう

「無骨×きれいめ」夫妻の好みを内装に反映

結婚以来、賃貸アパートに暮らしていた渡邊さん夫妻。通勤が便利になる都心寄りの立地や、子どもがのびのび遊べる広さを求めて中古マンションを購入しました。選んだのは築39年のリノベ済み物件でしたが、好みに合うワンルーム風の間取りにするため、リノベーションすることに。

「新品の設備などはそのまま使えそうだったので、全面的なリノベではなく、間取りや床材など、気になるところだけを変えることにしました」(ご主人)。

リノベ会社はSNSで目にしたエイトデザインが気になり、プランナーの自邸見学会にも参加して依頼を決めました。

実は、ご主人自身も病院や庁舎などを手掛ける設計士。「いちばん悩んだのは、自分で考えたプランとエイトデザインさんのプランのどちらを採用するかでした。ただ、僕のプランはキッチンの移動をともなうもので、そこにコストが集中してしまうと分かって…」(ご主人)。2つのプランを天秤にかけて、エイトデザインの「キッチンを動かさないプラン」を採用することに。おかげで、予算内でより多くの部分に手を入れることができました。素材感のある無骨な雰囲気が好みのご主人と、白が基調の“きれいめ”なスタイルが好みの奥さま。ご主人が「だいぶ僕寄りです(笑)」という内装は、白を基調にしつつ木部や天井にラフさを反映。壁の撤去で開放的な間取りも実現し、「広いリビングでヨガをする楽しみができました」と奥さま。既存利用のリノベでコスパよく理想をかなえたふたりです。

【リビング】デスクも兼ねた壁一面の棚を新設

現しにした天井は、ハードな印象を弱めるため白く塗装。壁には砂入りの塗料を使い、テクスチャーのある仕上がりにした
現しにした天井は、ハードな印象を弱めるため白く塗装。壁には砂入りの塗料を使い、テクスチャーのある仕上がりにした
クローゼットがあったスペースを利用して、ラーチ合板で造作した本棚。以前の賃貸の住まいではあちらこちらに置いていたご主人のマンガを集約できたが、「もっと買いたいので足りないかも(笑)」とご主人。下段はお絵描きなどができる子ども用のデスクに

クローゼットがあったスペースを利用して、ラーチ合板で造作した本棚。以前の賃貸の住まいではあちらこちらに置いていたご主人のマンガを集約できたが、「もっと買いたいので足りないかも(笑)」とご主人。下段はお絵描きなどができる子ども用のデスクに

【キッチン】設備は生かしダイニング側に収納を新設

左/キッチンのカウンター部分に扉をつけて収納スペースに変更。「ストックしているペットボトル類や、子ども関係のものをまとめて収められるスペースができてよかったです」(奥さま)右/レンジフードやオイルガードなども既存をそのまま活用。キッチン背面側の壁の撤去も考えたが、食器棚などの配置のために残すことにした。天井はエイトデザインが運営するカフェの内装からヒントを得てブルーグレーに
左/キッチンのカウンター部分に扉をつけて収納スペースに変更。「ストックしているペットボトル類や、子ども関係のものをまとめて収められるスペースができてよかったです」(奥さま)右/レンジフードやオイルガードなども既存をそのまま活用。キッチン背面側の壁の撤去も考えたが、食器棚などの配置のために残すことにした。天井はエイトデザインが運営するカフェの内装からヒントを得てブルーグレーに

【寝室】カーテンで緩く仕切ってリビングとの一体感を

廊下側に大きく開口部を設けて、LDKとつながりを持たせた寝室は、ベッドを置いただけのシンプルな空間。満月のような真ちゅう製の照明は、壁付けなのでサイドテーブルが不要に

廊下側に大きく開口部を設けて、LDKとつながりを持たせた寝室は、ベッドを置いただけのシンプルな空間。満月のような真ちゅう製の照明は、壁付けなのでサイドテーブルが不要に

寝室内から廊下側を見たところ。カーテンを閉めると個室感がアップ。今は家族みんなで休んでいるが、子ども部屋にあてる部屋がないため、将来的には住み替えも視野に入れているとか
寝室内から廊下側を見たところ。カーテンを閉めると個室感がアップ。今は家族みんなで休んでいるが、子ども部屋にあてる部屋がないため、将来的には住み替えも視野に入れているとか

【廊下・玄関・洗面室】好みの棚板で収納をつくり変えて印象をチェンジ

左/洗面台は新品だったため、そのまま活用。「既存のオープン棚もそのまま使うことはできたのですが、インテリアのテイストを揃えたくて、棚板だけラーチ合板に替えてもらいました」(ご主人)右/廊下のコーナーにあったオープン棚も棚板だけ交換。下段は床拭き用のロボット掃除機の定位置に。右手の壁面にはインテリアショップの「シボネ」で購入した吹きガラスのコートフックをランダムにつけた
左/洗面台は新品だったため、そのまま活用。「既存のオープン棚もそのまま使うことはできたのですが、インテリアのテイストを揃えたくて、棚板だけラーチ合板に替えてもらいました」(ご主人)右/廊下のコーナーにあったオープン棚も棚板だけ交換。下段は床拭き用のロボット掃除機の定位置に。右手の壁面にはインテリアショップの「シボネ」で購入した吹きガラスのコートフックをランダムにつけた
扉つきの玄関収納は丸ごと撤去。靴の選びやすさと通気性を考慮して、オープンなつくりに変更した。かさばるキャンプ道具を収納しているコンテナやベビーカーなども置けて、出し入れもしやすい

扉つきの玄関収納は丸ごと撤去。靴の選びやすさと通気性を考慮して、オープンなつくりに変更した。かさばるキャンプ道具を収納しているコンテナやベビーカーなども置けて、出し入れもしやすい

建物データ

<建物規模>地上9階建て<設計期間>2023年12月~2024年1月<工事期間>2024年2月~3月<設計・施工>エイトデザイン

LDK横の洋室の間仕切りをなくし、寝室は廊下側に大きく開口部を設置。最小限の壁の撤去で、理想だったワンルーム風の住まいを実現。既存の収納棚は好みの板材でつくり変え、手を入れなかった洋室はラックを並べてWICに
LDK横の洋室の間仕切りをなくし、寝室は廊下側に大きく開口部を設置。最小限の壁の撤去で、理想だったワンルーム風の住まいを実現。既存の収納棚は好みの板材でつくり変え、手を入れなかった洋室はラックを並べてWICに

※この記事はrelife+(リライフプラス) Vol.52に掲載されたものを転載しています。
※relife+は、オンライン書店にてご購入いただけます。amazonで【relife+】の購入を希望される方はコチラ(在庫の限りで販売終了となります)

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