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マンションリノベーション事例「リフォーム済みの既存をうまく活用し家事・育児・在宅勤務がしやすい家に」

マンションリノベーション事例「リフォーム済みの既存をうまく活用し家事・育児・在宅勤務がしやすい家に」

雑誌「relife+」に掲載された中古マンションリノベーション事例から、今回は神奈川県横浜市Yさんの事例をご紹介。既存の設備を活かして約100㎡の広い物件をコスパよくリノベーション。在宅勤務や家事、子育てがしやすい空間になりました。入居後はDIYが得意なご主人が手を加えて、育てていける家を楽しんでいるそう。
(text_ mamiko tonoki photograph_ wataru hoshi(FUSOSHA))

  • 神奈川県横浜市 Yさんの家
  • 夫43歳(会社員) 妻38歳(会社員) 長女2歳(取材時)
  • 工事費:約1050万円(税、設計料、施主支給品込み)
  • 築年数:31年(1993年築)(取材時)
  • 専有面積:99.53㎡
  • プロデュース・設計:EcoDeco
床は既存フローリングの上に重ね張りすることでコストをカット。壁と天井は、当初は塗装を希望していたが、コストとの兼ね合いで自然素材を主原料とする壁紙「エコフリース」を採用した。75インチの大型のテレビは壁掛けにしてすっきり。間取りにぴったりと合うベビーガードはご主人が既製品をカスタマイズ
床は既存フローリングの上に重ね張りすることでコストをカット。壁と天井は、当初は塗装を希望していたが、コストとの兼ね合いで自然素材を主原料とする壁紙「エコフリース」を採用した。75インチの大型のテレビは壁掛けにしてすっきり。間取りにぴったりと合うベビーガードはご主人が既製品をカスタマイズ

既存を最大限活用して数百万円のコスト減に

Yさん夫婦はともに在宅勤務がメイン。以前住んでいた広さ50㎡、2LDKのマンションでは「キーボードの音なども気になって」(奥さま)、住み替えを検討することに。「原状回復を気にせず自分で手を入れられる家が欲しかった」と建築学科出身のご主人が言うように、リノベ前提での購入を希望。もともと知り合いだったEcoDecoの天井理絵さんに相談して、物件探しから依頼することに。そして、幸運なことに内見1件目で理想の物件に出合います。
「築30年ほどですが、10年前にリフォームされていて、窓がペアガラスに交換してあったこと、キッチンと浴室が新品みたいにきれいだったことが決め手でした」と夫妻。約100㎡と広いので工事費が心配でしたが、既存をうまく活用すればコストを削減できる、という天井さんのアドバイスを受けて購入を決めました。

リノベでは、靴のまま入れる玄関土間、在宅勤務がしやすいそれぞれのワークスペースなどをおもに希望。フローリングは既存の上から重ね張りし、状態のよかったユニットバスやキッチンをうまく再利用する、などしてコストを抑えながら理想を形に。間取りを大きく変えなかったこともあり「数百万円はコストダウンできたと思います」と天井さん。入居後も、DIYが得意なご主人が棚をつくったり、ワークスペースの壁に有孔ボードを取り付けたり、と少しずつ手を加えながら、育てていける家を楽しんでいます。

【ダイニング】既存キャビネットの下半分を生かして木質感のある収納に

キッチンの位置や本体は既存のまま生かし、シンク前の壁と吊り戸棚を撤去して開放的に。丸テーブルは新居に合わせて購入した
キッチンの位置や本体は既存のまま生かし、シンク前の壁と吊り戸棚を撤去して開放的に。丸テーブルは新居に合わせて購入した

ダイニングの収納は、天井まで造り付けられていた既存キャビネットの下半分を再利用したもの。撤去するつもりだったが、「上から好みの面材を張って再利用することもできますよ」と提案され、天板と引き出しの前面にオーク突き板を貼ってイメージを一新

【キッチン】位置と本体は既存。廊下との間にパントリーを新設

キッチンは本体を生かし、コンロ等の機器をリニューアル。白い面材を張って大きく印象を変えた。背面の収納は、ゴミ箱を収められるよう、ナラ集成材で新規に制作。さらにご主人がDIYで棚を追加した

廊下から見た、キッチンとつながるパントリー。棚を撤去すれば行き来もできる。以前は間に壁があり、廊下側は収納、キッチン側は洗濯機置き場だった。廊下から重いものを滑り込ませられるよう下段を広めに空けている

【キッズスペース】可変性のある多目的で楽しい空間に

リビング脇の広めの洋室をコンパクトにして、リビングとつながるキッズスペースとした。自由に棚をつけられるように、リノベでは壁にレールだけを設置。以前は長女の手が届かない位置に棚をつけていたが、現在は手が届く位置に変更し、デスクにもなる大きめの棚板も設置した
リビング脇の広めの洋室をコンパクトにして、リビングとつながるキッズスペースとした。自由に棚をつけられるように、リノベでは壁にレールだけを設置。以前は長女の手が届かない位置に棚をつけていたが、現在は手が届く位置に変更し、デスクにもなる大きめの棚板も設置した
キッズスペースの隣は寝室。将来は子ども部屋として使うことを想定している。リビングから見えにくい位置に棚をつけて、ロボット掃除機とサーキュレーターの定位置に。窓際に室内物干し用のワイヤーを取りつけて、室内干しスペースとしても活用
キッズスペースの隣は寝室。将来は子ども部屋として使うことを想定している。リビングから見えにくい位置に棚をつけて、ロボット掃除機とサーキュレーターの定位置に。窓際に室内物干し用のワイヤーを取りつけて、室内干しスペースとしても活用
壁を後退させたことで、リビングにゆとりが
壁を後退させたことで、リビングにゆとりが

【ワークスペース】玄関土間からもアクセスできる回遊動線を確保

ご主人のワークスペース。土間収納を設けたぶんコンパクトになったが、必要なものにすぐ手が届く便利さが気に入っているそう。玄関土間との間には上部がオープンになった壁を立ち上げて緩やかに仕切った。壁の有孔ボードはご主人の自作。ワークスペースはWTCともつながり、その先のフリースペースを通って廊下まで回遊できる

玄関土間は、ベビーカーをたたまずにそのまま入れられて便利。その隣のワークスペースには、玄関土間、写真右手のドア、どちらからもアクセスできる
玄関土間は、ベビーカーをたたまずにそのまま入れられて便利。その隣のワークスペースには、玄関土間、写真右手のドア、どちらからもアクセスできる
玄関土間の扉は、下足入れの扉を兼ねている。土間の扉を閉めると、下足入れが現れる
玄関土間の扉は、下足入れの扉を兼ねている。土間の扉を閉めると、下足入れが現れる

ワークスペースとフリースペースの間のWTC。それぞれの個室にあった収納の壁を撤去してつなげたことで、収納量が増えて使いやすくなったうえに、新たな動線も生まれた

【サニタリー】位置は既存のままで設備と内装を一新

左/以前は洗面室とキッチンとの間に引き戸があって通り抜けられるようになっていたが、引き戸を壁に変更して独立したスペースとし、ゆったりと使えるように。洗面台は向きを変えて造作し、入り口をドアから引き戸に変更して、出入りしやすくした 右/「どうしても譲れなかった」と奥さまがこだわって選んだフロートタイプのトイレ。費用はかかったが、掃除もしやすく大満足しているそう
左/以前は洗面室とキッチンとの間に引き戸があって通り抜けられるようになっていたが、引き戸を壁に変更して独立したスペースとし、ゆったりと使えるように。洗面台は向きを変えて造作し、入り口をドアから引き戸に変更して、出入りしやすくした 右/「どうしても譲れなかった」と奥さまがこだわって選んだフロートタイプのトイレ。費用はかかったが、掃除もしやすく大満足しているそう

建物データ

<建物規模>地上12階建て<設計期間>2022年9月~11月<工事期間>2022年12月~2023年2月<プロデュース・設計>EcoDeco

個室の数はそのままに、リビングに面した洋室はサイズダウンして寝室に。その手前をキッズスペースとした。背中合わせになっていた2つの洋室のクローゼットの壁を撤去し、通り抜けできるWTCに。ワークスペースをコンパクトにして多目的に使える玄関土間を設けた
個室の数はそのままに、リビングに面した洋室はサイズダウンして寝室に。その手前をキッズスペースとした。背中合わせになっていた2つの洋室のクローゼットの壁を撤去し、通り抜けできるWTCに。ワークスペースをコンパクトにして多目的に使える玄関土間を設けた

※この記事はrelife+(リライフプラス) Vol.52に掲載されたものを転載しています。
※relife+は、オンライン書店にてご購入いただけます。amazonで【relife+】の購入を希望される方はコチラ

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