このページの一番上へ

マンションリノベーション事例「ふたりで作業しやすいキッチンと掃除しやすいサニタリーで家事ラク!」

マンションリノベーション事例「ふたりで作業しやすいキッチンと掃除しやすいサニタリーで家事ラク!」

雑誌「relife+」に掲載された中古マンションリノベーション事例から、今回は東京都目黒区Mさんの事例をご紹介。子どもたちの独立を機に長年暮らしたマンションをリノベーションし、ファミリー向けの間取りからふたり暮らし仕様に。LDKのメインとなった、ゆとりのあるアイランドキッチンはシンプルながら高い収納力や効率のよい家事動線を確保しています。
(text_hiromi matsubayashi photograph_ayako mizutani)

  • 東京都目黒区 Mさんの家
  • 夫64歳(会社員) 妻64歳(アルバイト)(取材時)
  • 工事費:約2000万円(税・設計料込み)
  • 築年数:29年(1995年築)(取材時)
  • 専有面積:83㎡
  • 設計・施工:SHUKEN Re

リノベで重きを置いたことのひとつが、キッチン。様々なシステムキッチンのショールームを見て回った結果、自分たちにしっくりくる仕様にしたいと木、ステンレス、タイルを組み合わせたオリジナルキッチンに

独立タイプだったキッチンは、フルオープンに変更。カウンターの足元をステンレスで仕上げ、浮遊感のあるデザインに。撤去できないパイプスペースは、ブルーグリーンのタイルで囲って空間のアクセントに

キッチンをメインにしたLDKで豊かな暮らしを

山手線の駅から徒歩圏内という立地のよい場所にあるM邸。親子4人で長年暮らしてきた3LDKを、子どもたちが独立したことや、ご主人が定年を迎えることに備え、ふたり暮らし仕様にリノベすることを計画しました。「同年代の友人には、郊外にセカンドハウスを持ったり移住した人もいますが、私たちには東京での暮らしが便利で心地いいと思いました」とご主人は振り返ります。
いちばんの希望は、キッチンをメインにしたLDKにすること。そこで、造作キッチンも得意とするSHUKEN Reにリノベを依頼しました。

回遊できるオープンなキッチンにして、リビング側からも調理に参加できる広い作業スペースを設け、夫妻ふたりで立っても作業がスムーズにできるように整えました。オープンゆえに「シンプルな見た目」にこだわった奥さまは、収納も重視。キッチンの収納や壁面に造作したカップボードなどに食器や調理器具などを収め、脇にパントリーを新設して冷蔵庫を隠すことで念願の美しいキッチンを実現。その先にはWIC、寝室を配して、生活しやすい動線も確保しました。ゲストも使う洗面室はスペースを広げ、居心地のよさと使い勝手を向上。洗面台はキッチンと同じ素材で造作して統一感を出しました。洗面台から洗濯機置き場までの壁面をフラットに揃えたことで、すっきりとした空間に。
レトロ感のあるアイテムや素材感を好む夫妻にとって、ヴィンテージ感のあるインテリアにすることもリノベのテーマのひとつでした。そこで、リビングの天井だけを濃いブラウンのラワン材で仕上げて、家具とマッチさせるなどの配慮を。住み慣れた住まいだからこそ、「ここを改善したい」という点が明確だったというMさん。
「夫が先日、何気なく『ストレスがない、いい家になったね』とつぶやいたんです」と奥さま。その言葉からも、愛着のある住まいをブラッシュアップして豊かな暮らしを手に入れた満足感が伝わってきました。

キッチンは回遊しやすくたっぷり収納が便利

ふたりで同時に作業ができる、ゆったりとしたキッチンを希望。アイランドキッチンは、ご主人も使いやすいよう90cmと高めに設定。リビング側は、収納扉に取っ手を付けずシンプルな見た目に徹した
ふたりで同時に作業ができる、ゆったりとしたキッチンを希望。アイランドキッチンは、ご主人も使いやすいよう90cmと高めに設定。リビング側は、収納扉に取っ手を付けずシンプルな見た目に徹した
ダイニングと寝室を分けていた既存の壁を取り払うと、斜めの躯体柱が出現。ワンルームを緩やかにゾーニングするパーティションに見立てて生かすことに
ダイニングと寝室を分けていた既存の壁を取り払うと、斜めの躯体柱が出現。ワンルームを緩やかにゾーニングするパーティションに見立てて生かすことに
左/キッチンの壁とパイプスペースに採用したタイルは、名古屋モザイク工業で購入したイタリア製。手づくりならではの素材感とゆらぎのある色味が、シンプルなキッチンに個性をプラスしている。雨だれをイメージしたへこみのあるデザインのタイルをランダムに取り入れてアクセントに 右/シンク内部には「市販のラックを付けたくない」という奥さまのこだわりで、洗剤置き場のコーナーを一体成型でつくった
左/キッチンの壁とパイプスペースに採用したタイルは、名古屋モザイク工業で購入したイタリア製。手づくりならではの素材感とゆらぎのある色味が、シンプルなキッチンに個性をプラスしている。雨だれをイメージしたへこみのあるデザインのタイルをランダムに取り入れてアクセントに 右/シンク内部には「市販のラックを付けたくない」という奥さまのこだわりで、洗剤置き場のコーナーを一体成型でつくった

トイレは掃除がしやすいフロートデザイン

トイレは、奥さまの希望ですっきりとしたデザインのフロートタイプを採用。「床から浮いているので、拭き掃除がラクで快適です」と、その機能美に大満足。手洗い側の壁だけを薄いグレーに塗装して、さりげないアクセントに

収納もしっかりある美的サニタリー

洗面カウンターの扉や壁のタイルは、キッチンと同じものを採用。その横には、タオルや掃除機などの収納スペース、さらにプリーツシェードで目隠しできる洗濯機置き場を設置。ユニットバスは既存の設備を生かし、洗面室に光が届くようにドアをガラス入りのものに交換した

リビングの天井は、濃いめのブラウンで塗装したラワン合板で仕上げてさりげなく場を分けている。ヴィンテージ感のある革張りのソファは、海外から船便で取り寄せた「NATADORA(ナタドラ)」というブランドのもの
リビングの天井は、濃いめのブラウンで塗装したラワン合板で仕上げてさりげなく場を分けている。ヴィンテージ感のある革張りのソファは、海外から船便で取り寄せた「NATADORA(ナタドラ)」というブランドのもの
左/玄関ホールはスペースを拡充し、ご主人のアイデアで曲線の上がり框を採用。LDKにつながるドアの両サイドにはガラスブロックを用いて、美しい光を導いている 右/キッチンの脇に新設したパントリー。ストック食材や冷蔵庫を収めた、オープンキッチンを美しく保つための名脇役。パントリー→WTC→寝室につながる裏動線は何かと便利。「無駄な動きがなくなり、ふたり暮らしに必要十分な間取りになって快適です」とご主人
左/玄関ホールはスペースを拡充し、ご主人のアイデアで曲線の上がり框を採用。LDKにつながるドアの両サイドにはガラスブロックを用いて、美しい光を導いている 右/キッチンの脇に新設したパントリー。ストック食材や冷蔵庫を収めた、オープンキッチンを美しく保つための名脇役。パントリー→WTC→寝室につながる裏動線は何かと便利。「無駄な動きがなくなり、ふたり暮らしに必要十分な間取りになって快適です」とご主人
以前の子ども部屋を、夫妻の寝室に。冬場の寒さが厳しかったため、床下に断熱材を入れ、窓にインナーサッシを追加して防寒対策を施した。床材はコルクタイル。「ヴィンテージ感があり、掃除がラク」と奥さま
以前の子ども部屋を、夫妻の寝室に。冬場の寒さが厳しかったため、床下に断熱材を入れ、窓にインナーサッシを追加して防寒対策を施した。床材はコルクタイル。「ヴィンテージ感があり、掃除がラク」と奥さま
寝室の先に、パントリーにつながるWTCを設置。「洋服や夫の趣味のものなどをまとめて収納できるので、LDKをすっきり保てます」と奥さま
寝室の先に、パントリーにつながるWTCを設置。「洋服や夫の趣味のものなどをまとめて収納できるので、LDKをすっきり保てます」と奥さま

建物データ

<建物規模>地上8階地下1階建て<設計期間>2022年3月~5月<工事期間>2022年6月~9月<設計・施工>SHUKEN Re

ファミリー仕様の3LDKを、ふたり暮らしにフィットする1LDKに。キッチンをメインに据えてリビングとダイニングをL字に配置。キッチン横にパントリー、その奥にWTCを設けた。トイレの位置を移動し、洗面室をゆったりさせた

※この記事はrelife+(リライフプラス) Vol.51に掲載されたものを転載しています。
※relife+は、オンライン書店にてご購入いただけます。amazonで【relife+】の購入を希望される方はコチラ

関連する記事を見る
不動産お役立ち記事・ツールTOPへ戻る