
マンションリノベーション事例「気分が上がるドレスルームも!『好き』を大切にできる収納がいっぱい」
雑誌「relife+」に掲載された中古マンションリノベーション事例から、今回は東京都東村山市Mさんの事例をご紹介。結婚前から持ち家を希望していたインテリア好きの夫妻が選んだのは、中古マンションをリノベーションして、“自分たちらしい空間”の実現。なかでも奥さまのドレスルームは気分が上がる特別な空間になりました。
(text_ atsuko tanaka photograph_ ayako mizutani)
- 東京都東村山市 Mさんの家
- 夫31歳(会社員) 妻33歳(会社員)(取材時)
- 工事費:約1330万円(税込み、設計料別)
- 物件価格:3080万円
- 築年数:38年(1986年築)(取材時)
- 専有面積:67.68㎡
- 設計:nu(エヌ・ユー)リノベーション

結婚前から持ち家志向 自分たちらしい空間を
Mさん夫妻が暮らすのは、緑豊かな公園を見下ろせるマンションの高層階。今から4年前の結婚当初は、同じ私鉄沿線のアパートに住んでいたそう。「古くて狭く、収納もまったく足りず不便で。結婚する前から、ふたりとも家を持ちたいという気持ちが強くて、それを早く形にしよう、と決めていました」と夫妻は振り返ります。
最初は戸建ても視野に入れていて、いくつかの住宅展示場を見て回ったそう。「ガレージのある家などにも憧れました。でも、新築の戸建ては予算的に難しそうだったので、その選択肢は自然消滅しましたね」(ご主人)
対して奥さまは、最初から中古マンションのリノベーションを希望。
「自分の希望をかなえるには、リノベがベストかなと思いました。価格も手が届きやすいですし。申し訳ないけど、夫が戸建てを諦めてくれるといいなと待っていた感じかな(笑)」と奥さま。
購入したマンションは環境がよく、広さも十分。「実は同じマンション内に私の実家があるという点も心強く、ほぼピンポイントで売却物件が出るのを待ちました」(奥さま)。また、リフォーム済みで設備がすべて新しいのも利点でした。物件が出るや否や、リノベを依頼したnuリノベーションの担当者と内見、希望するリノベが可能であることを確認し、購入を決めたそうです。ご主人も奥さまもインテリアが大好き。それぞれの「好き」をどう反映させて、暮らしやすい住まいを実現するかがリノベのテーマになりました。

衣類収納にこだわり「好き」を楽しめる家に
夫妻の要望は、大きく3つありました。広々としたリビング、在宅勤務がメインのご主人のワークスペース、そして奥さまのためのドレスルーム。
「ドレスルームは、衣類の収納だけでなく、コーディネートを考えたり、メイクをしたりする特別な空間。大切な洋服を眺めているだけで気分が上がります」と奥さま。
いっぽうご主人の衣類は、ワークスペース内に出し入れしやすいオープンなクローゼットを設けて収納しています。
リビングは、東のバルコニー側の洋室を組み込んで広さを確保。真っ白で明るい内装に、ご主人が選んだUSMハラーのキャビネットやミッドセンチュリーの椅子などが馴染んでいます。キッチンは既存の壁づけに対面カウンターを追加しました。
リフォーム済みだったこともあり、水回りの設備を生かすことを前提にしていたという夫妻。既存の間取りは室内の中央に横並びで水回りが配置されていましたが、この間取りをうまく生かしたことで、LDKと個室に程よい距離感が生まれました。玄関側2室をややコンパクトにして、寝室とご主人のワークスペースとし、サニタリーとの間の細長いスペースを、奥さまの希望するドレスルームに充てました。ドレスルームは、奥さまの大好きなディズニーの世界をイメージしたカラーを取り入れ、上品でキュートなイメージに。そのほかサニタリーや玄関ホールなど、必要な場所に最適な収納を設けることで、暮らしやすさと「好き」を楽しめる空間を実現しました。





トイレは位置を変えず、新品だった設備をそのまま生かした。上部に吊り棚を造作し、使い勝手をアップ。壁を淡いイエローのクロスで仕上げ、さりげなく居室との変化をつけた
6つの収納アイデア


●Before
リフォーム済みで内装や設備はきれいな状態だった。水回りが室内の中央にまとめられ、バルコニー側にリビングと洋室、玄関近くに2つの洋室を配置した3LDK。キッチンをはじめ、新品の設備をうまく生かす前提でリノベーションすることに
気分が上がる!奥さまのドレスルーム

サニタリーと玄関側の2つの個室に挟まれた細長いスペースの一角に、奥さま念願のドレスルームを設けた。アーチ壁のかわいいクローゼットには、お気に入りの服だけを厳選して収納している。壁に掛かっているのは、結婚式の前撮りで着用したという思い出のワンピース。「眺めるだけで幸せな気持ちになります」(奥さま)

ドレスルームの入り口付近に、アンティークのサイドボードを置いてインテリアのアクセントに。引き出しの中には、お気に入りの食器などをしまっている
普段着や季節外の衣類を収めるクローゼット

USMハラーのキャビネットに合わせて造作した棚


カゴを活用したオープンなタオル収納

出し入れしやすいご主人のオープンクローゼット

デッドスペースを活用した物入れ&飾り棚

玄関ホールに、アーチ壁の棚を設置。奥さまの出勤用アイテムや雑貨などを収納している。奥に見える大きなコンテナは、ネットオークション行きの衣類をストックしておくための定位置
建物データ
<建物規模>地上12階建て<設計期間>2022年10月~12月<工事期間>2023年1月~3月<設計・施工>nu(エヌ・ユー)リノベーション
※この記事はrelife+(リライフプラス) Vol.51に掲載されたものを転載しています。
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