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【55㎡】マンションリノベーション事例「ワザありの間取りで夫婦それぞれの独立したワークスペースを実現!」

【55㎡】マンションリノベーション事例「ワザありの間取りで夫婦それぞれの独立したワークスペースを実現!」

雑誌「relife+」に掲載された中古マンションリノベーション事例から、今回は東京都世田谷区岩田さんの事例をご紹介。料理が好きな夫妻の要望によって、大きなアイランドキッチンとそれぞれのワークスペースがある個性豊かな住まい。ブラインドで仕切られた寝室とLDKや視覚的な広がりを感じるように設置されたガラスのドアなどコンパクトながら、狭く感じさせない工夫がされています。
(text_ miki matsuura photograph_ naoshi usuda)

  • 東京都世田谷区 岩田さんの家
  • 夫32歳(会社員)妻30歳(会社員)(取材時)
  • 築年数:約50年 (取材時)
  • 専有面積:54.56㎡
  • 設計・施工:エム・デザイン
ふたりとも料理好きで友人を招くことも多いため、大きなアイランドキッチンが大活躍。ソリッドな内装に老舗の喫茶店で使われていたカウンターチェアが馴染んでいる
ふたりとも料理好きで友人を招くことも多いため、大きなアイランドキッチンが大活躍。ソリッドな内装に老舗の喫茶店で使われていたカウンターチェアが馴染んでいる

2つの仕事場とキッチンが中心の家

「30歳になったら家を買うと決めていた」というご主人。

コロナ禍で夫婦ともにテレワークが増えたこともきっかけとなり、物件探しをすることにしました。「自分たちが住みやすいようにリノベーションすれば、広さはそれほど必要ない」と、駅から近いことや日当たり、周辺環境などを優先し、約55㎡の中古マンションを購入。パートナーに選んだのは、インスタグラムで知ったというエム・デザイン。「ソリッドなデザインのトーンが気に入って。細かいオーダーをしなくても、自分たちの好みの空間になりそう、と思いました」と奥さま。
料理が好きな夫妻が要望したのはキッチンがメインの住まいで、それぞれ自宅で仕事ができる独立したワークスペースも絶対に確保したい、と伝えました。
提案されたのは、南側に配されていた2つの個室をなくし、LDKを広げて大きなアイランドキッチンを中心に据えたプラン。角部屋ならではの2面の窓が生かされ、開放的な空間が広がります。一方で、LDKと隣接する寝室は、小上がりにマットレスを敷いただけのミニマムな空間。メリハリの利いた間取りが印象的です。

寝室をLDKの一角に組み込んで省スペース

ブラインドの開閉により夜は寝室に、昼間はLDKの一部として使用

ブラインドでゆるく仕切った寝室とLDK。ブラインドの位置や羽根の角度によって、空間のつながりや明るさを調整できる。寝室の壁上部に設けた小窓の中にはプロジェクターが設置されており、写真右手のスクリーンを下ろせばベッドから鑑賞できる
ブラインドでゆるく仕切った寝室とLDK。ブラインドの位置や羽根の角度によって、空間のつながりや明るさを調整できる。寝室の壁上部に設けた小窓の中にはプロジェクターが設置されており、写真右手のスクリーンを下ろせばベッドから鑑賞できる
ブラインドを上げると寝室とLDKが一体に。寝室の小上がり下は大型の収納で、壁面は本棚に
ブラインドを上げると寝室とLDKが一体に。寝室の小上がり下は大型の収納で、壁面は本棚に

テレビは置かずプロジェクターをフル活用

見たいときだけスクリーンを下ろして大画面で映像を楽しむ

テレビの代わりにプロジェクターとスクリーンを設置した岩田邸。テレビやテレビ台を置くスペースを省くことができ、見ないときはスクリーンを上げれば広々とした空間に
テレビの代わりにプロジェクターとスクリーンを設置した岩田邸。テレビやテレビ台を置くスペースを省くことができ、見ないときはスクリーンを上げれば広々とした空間に

約55㎡のコンパクトな空間の中に様々な要素があり個性的な住まいに

「寝るときはブラインドを下ろしますが、開けるとLDKとつながるので、狭いと感じたことはありません」とご主人。

「プロジェクターでテレビを見るとき、ベッドがソファ代わりになるので快適です」と、奥さまも寝室を気に入っているそう。小上がりの下は、アウトドアグッズなどの収納スペースにもなっています。夫妻それぞれのワークスペースも確保され、お互いに気兼ねなく仕事に集中できる空間に。ご主人のワークスペースの隣には小窓でつながるサンルームもあり、コンパクトな中に様々な要素が詰め込まれた、個性豊かな住まいになっています。

ソファは日当たりのいいサンルームに

LDKを広く使えると同時に気分転換がしやすく仕事の息抜きに最適

場所を取るソファは、LDKではなくこちらに。モルタルの床にたくさんのグリーンを配したサンルームは、仕事の合い間にほっこりできる、コンパクトかつ贅沢な空間。レコードプレーヤーで好きな音楽を聴くことも。躯体現しの天井や梁も奥さまのお気に入り

場所を取るソファは、LDKではなくこちらに。モルタルの床にたくさんのグリーンを配したサンルームは、仕事の合い間にほっこりできる、コンパクトかつ贅沢な空間。レコードプレーヤーで好きな音楽を聴くことも。躯体現しの天井や梁も奥さまのお気に入り

左/既存の大きな柱の出っ張りに合わせて、L型のデスクや棚を造作した奥さまのワークスペース。空間をムダなく活用している。右手には既存の出窓があり、明るさも十分 右/サンルームと小窓でつながり、光と風を取り入れているご主人のワークスペース。奥さまのデスクと同様、DKの壁に設けた棚と同じ素材で製作したオリジナルのデスクを設置している
左/既存の大きな柱の出っ張りに合わせて、L型のデスクや棚を造作した奥さまのワークスペース。空間をムダなく活用している。右手には既存の出窓があり、明るさも十分 右/サンルームと小窓でつながり、光と風を取り入れているご主人のワークスペース。奥さまのデスクと同様、DKの壁に設けた棚と同じ素材で製作したオリジナルのデスクを設置している

大容量のWICに衣類をまとめて収納

衣類を1か所にまとめることで片付けやすくなり空間全体がすっきり

左/夫妻の衣類は1か所にまとめて収納。棚を設け、上部の空間も余すことなく活用 右/斜めの壁が広がりを感じさせる玄関は、圧迫感が出ないようオープン棚を設置してすっきりとした空間に。壁は、「エム・デザインさんの事務所がすごく素敵だったので、同じような色にしてもらいました」と奥さま。全室同じトーンで統一され、落ち着いた雰囲気をつくり出している
左/夫妻の衣類は1か所にまとめて収納。棚を設け、上部の空間も余すことなく活用 右/斜めの壁が広がりを感じさせる玄関は、圧迫感が出ないようオープン棚を設置してすっきりとした空間に。壁は、「エム・デザインさんの事務所がすごく素敵だったので、同じような色にしてもらいました」と奥さま。全室同じトーンで統一され、落ち着いた雰囲気をつくり出している

ガラス入りのドアで視覚的な広がりを

閉めてもLDKの先まで視線が抜けるので、奥行きが感じられる

左/リビング入り口のガラス扉の横には、おしゃれなコンソールテーブルが。古い家具や雑貨が大好きな奥さまが古道具屋で購入したもので、来客をセンスよく迎えるコーナーになっている。大きなガラスのドアは、玄関側にも光を届けている 右/廊下からLDKを見たところ。ガラス扉を閉めていても窓の外まで視線が延び、空間の奥行き感を強調している
左/リビング入り口のガラス扉の横には、おしゃれなコンソールテーブルが。古い家具や雑貨が大好きな奥さまが古道具屋で購入したもので、来客をセンスよく迎えるコーナーになっている。大きなガラスのドアは、玄関側にも光を届けている 右/廊下からLDKを見たところ。ガラス扉を閉めていても窓の外まで視線が延び、空間の奥行き感を強調している
左/玄関のスペースを広げるために、向きを変えて配置したトイレ。上部にはオープン棚を設けて収納を確保している 右/洗面ボウルや水栓を壁付けにすることで、コンパクトな空間をすっきり見せている洗面脱衣室。シンプルなデザインのものを選んでいるので、掃除もしやすい
左/玄関のスペースを広げるために、向きを変えて配置したトイレ。上部にはオープン棚を設けて収納を確保している 右/洗面ボウルや水栓を壁付けにすることで、コンパクトな空間をすっきり見せている洗面脱衣室。シンプルなデザインのものを選んでいるので、掃除もしやすい

建物データ

<建築規模>地上7階建て<設計期間>2021年10月~12月<工事期間>2022年1月~3月<設計・施工>エム・デザイン

間取り
before

●Before

南側に配されていた2つの個室をなくしてLDKを広げ、壁付けだったキッチンは回遊できるアイランド型に。コンパクトな寝室はLDKとつなげ、夫婦それぞれのワークスペースを対角線上に配置。玄関の近くに大容量のWICと、南側にはこじんまりとしたサンルームも設けた

※この記事はrelife+(リライフプラス) Vol.49に掲載されたものを転載しています。
※relife+は、オンライン書店にてご購入いただけます。amazonで【relife+】の購入を希望される方はコチラ

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