
【ワンルーム】マンションリノベーション事例「大好きな街で出合えたヴィンテージ物件を自分仕様にリノベーション」
雑誌「relife+」に掲載された中古マンションリノベーション事例から、今回は東京都杉並区Tさんの事例をご紹介。自分の好きなものを詰め込んだ家づくりを目指して、物件の広さよりもお気に入りの街でコンパクトながらも居心地のよさを追求した住まい。オープンなワンルームは、いたるところに省スペースの工夫もされています。
(text_ hiromi matsubayashi photograph_ koji yamada)
- 工事費:1150万円(税・設計料込み)
- 東京都杉並区 Tさんの家
- 本人40歳(会社員)
- 築年数:53年(1971年築)(取材時)
- 専有面積:35.10㎡
- 設計・施工:フィールドガレージ

広さよりも周辺環境や居心地のよさを追求
Tさんがリノベーションしたのは、新旧の様々な文化が入り交じる人気のエリアに建つヴィンテージマンションの一室。「ひとり暮らしだから広さはそれほど重要ではなく、大好きな街に住むことと、エントランスなど共用部分の管理状態のよさ、元オーナーが大切に住まわれてきたかどうか、といったことを重視して選びました」。
リノベは、代表の原直樹さんと知り合いだったことから、フィールドガレージに依頼。タイルなどの特徴ある素材をうまく取り入れつつ、シンプルすぎず心地よい空間にしたい、という希望を託しました。
「母が家時間を楽しむのが上手な人で、実家はいつも温かい雰囲気に包まれていました。だから私もいつか、自分の好きなモノを詰め込んだ家をつくりたいなと思っていました」とTさん。
できるだけ圧迫感が出ないように内装で意識したのは壁と天井。白を基調にすることで光を反射させ、視覚的な広がりを演出しています。間取りはオープンなワンルームに。リビングの横に寝室を配し、室内窓をつけた壁でゆるやかに分節。キッチンにはダイニングテーブルとしても使えるカウンターを造作したことで使いやすく、省スペースにもつながっています。
ワンルームをゆるく間仕切り
リビングと寝室を室内窓をつけた壁でゆるやかに分けて

WIC(ウォークインクローゼット)はコンパクトでも収納量を充実
ひとりサイズのWICは限りあるスペースを活用して十分な容量を


造作カウンターをテーブル代わりに
オープンキッチンとカウンターのおかげで配膳も片付けもラクラク

環境を整えて自分らしい暮らしに
キッチンの壁にはTさんが望んだブルーのタイルを採用。日々の料理を楽しめる環境に整えました。玄関は広く変更し、その一角に扉つきの洗濯機置き場を設置。水回りは洗面室とトイレを一体化して空間を有効活用しています。「自分に合う間取りと雰囲気にとても満足しています。母のように、住まいに愛情を注いで暮らしていけたらいいなと思っています」。コンパクトでも居心地のよさを追求することで、自分らしい暮らしを育んでいるようです。


料理好きなTさんは、キッチンスペースをゆったり計画。システムキッチンは壁付けにして、作業台はリビングと対面させた
洗濯機は広くなった玄関に隠して収納
玄関に洗濯機!?扉つきのスペースに収めることで生活感を排除


斜めに設けられた玄関の框(かまち)によって、LDKが丸見えにならず、視覚的な広がりも感じられる
水回りはまとめてコンパクトに
洗面、トレイをまとめて省スペース&使い勝手をアップ


ミントグリーンの壁とレトロな雰囲気のタイルを用いたサニタリーは、Tさんこだわりのスペースのひとつ。「ブルーとグリーンは私が好きな色。使うたびに目にすることで、いつも心地よさを感じています」
建物データ
<建築規模>地上8階建て<設計期間>2021年9月~12月<工事期間>2021年12月~2022年2月<設計・施工>フィールドガレージ


●Before
既存のワンルームプランを生かしつつ、食の場、くつろぎの場など、用途によってゆるやかに分節するような間取りに。造作カウンターをダイニングテーブル代わりに、水回りは1か所にまとめるなどして、限られた空間を有効に活用
※この記事はrelife+(リライフプラス) Vol.49に掲載されたものを転載しています。
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