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中古マンションリノベーション事例「収納量豊富なロフトを設けキッチンは動きやすい回遊式に」

雑誌「relife+」に掲載された中古マンションリノベーション事例から、今回は神奈川県川崎市 Tさんご家族の事例をご紹介。大量の本、スノーボードなどのアウトドアグッズと、以前からものが多くて収納に困っていたというTさん夫妻。そこで要望したのが、「タテ空間を有効利用できる」ロフトを設けることでした。(text_ miki matsuura photograph_ koji yamada)

  • 工事費:1845万円(税込み・設計料別)
  • 物件価格:3600万円
  • 神奈川県川崎市 Tさんの家
  • 家族構成:夫34歳 妻37歳 長男1歳
  • 専有面積:69.16㎡
  • 築年数:28年(1994年築)

ロフトで空間を2層に分けてタテ空間を有効に活用

大量の本、スノーボードなどのアウトドアグッズと、以前からものが多くて収納に困っていたというTさん夫妻。そこで要望したのが、「タテ空間を有効利用できる」(ご主人)と考えたロフトを設けることでした。LDKと連続する空間として設けたロフトは、上部にオープンな本棚や適度なこもり感があって仕事に集中できるワークスペースを設置。下部は丸ごと収納に活用し、スーツケースやスノーボード、季節外の衣類など、普段は使わないものがたっぷり収められています。

「まだ空きスペースもあり、ストレスフリーに。マンションなのに階段があるのも面白い」(奥さま)

と、リノベならではの空間を楽しんでいるようです。

左・WICとつながる洗面室。既製品の洗面カウンターを利用し、棚も設けて収納を確保/右・家族の衣類はWICに集約。左手は洗面室につながっていて、身支度や洗濯の動線がスムーズ  
左・ロフト下部の収納スペースは寝室から出し入れが可能。上部の窓を開けるとワークスペースとつながる/右・ロフトの廊下側も収納に。本棚の下はトイレットペーパーなどの日用品のほか、パントリー代わりにストック食品の保管にも利用  

ロフトを活用したご主人のワークスペースは掘りごたつ式。「こもる感じがあって、仕事に疲れたらゴロンと横になってくつろげるのも気に入っています」

テーブルを一体化して回遊動線を確保

「キッチンで譲れなかったのは、壁付けにしたくないということ。スペースを取るけど対面式にしたかった」

と奥さま。空間を有効活用するためダイニングテーブルを一体化させたアイランドキッチンは、コンロ部分をL型に配すことで回遊動線を確保しています。

「友人が遊びに来たときは、椅子を動かして好きなところに座ってもらえるのがいいですね。つくって食べる距離が近いのも、スナック感があって楽しい」

とご主人も気に入っている様子。ご主人がこだわったのはミーレの食洗機を導入することで、食器洗いにかかる時間を短縮し、そのぶん子どもとの時間に使えるようになったそう。

「産後は本当に助かりました」

と奥さまも大満足です。

当初はシステムキッチンを予定していたが、「ピンとくるものがなかった」(奥さま)ため造作することになったアイランドキッチンは、テーブル一体型。カウンタースタイルなので、配膳や片付けもラク  
左・90度角度をつけたコンロが個性的。下部はオープンになっているため、鍋などの調理器具の出し入れがしやすい/右・キッチンの床は汚れに強い塩ビタイルに。正面の壁は白にする予定だったが、直前で黒に変更。ブリックタイルや木とも調和している 
家電がたっぷり置けるようになったというバックカウンター。手前の取っ手の付いている引き出しには食器、奥のダイニング側には乾物などの食品のほか、奥さまがテーブルでリモートワークをする際の仕事の道具なども入っている。ご主人のワークスペースはロフトの奥にあり、離れているので、お互いに仕事に集中できる
ご主人の要望により躯体現しにした壁や天井が印象的なリビング。テレビボードを置かず、代わりに上部に棚を設けたのもご主人のこだわり。「圧迫感がなく、部屋が広く使えるのでよかったです」。テレビ回りの機器類も上部に置かれているため、子どもにいたずらされる心配がないのも安心  
左・靴のほか、キャンプ用品などを収納できる棚を設けた玄関土間。オープン棚のため出し入れがしやすい。濡れたテントなどを干せるように、室内干し用の物干しポールを設置している。ベビーカーや宅配の荷物を置いておけるのも便利/右・廊下の床は奥さまが希望したヘリンボーン貼りに。「ただの廊下がすごく好きな場所になりました」  

玄関土間はご主人のトレーニングスペースとしても使用。正面のOSBボードの壁はご主人の要望により採用されたもので、将来、DIYして使いたいと思っているそう

OTHER SPACES & DETAILS

右上・コンクリートと木を組み合わせたインテリアが中心のT邸で、グリーンのアクセントクロスを採用したトイレの壁が際立つ/左上・本当は革製にしたかったが、子どもがいると汚れると思い、本革に見えるレザーテックス生地のソファをセレクト。「クラッシュゲート」で購入/右下・廊下の床はヘリンボーン貼りのオーク、リビングはアンティーク加工のボルドーパイン、と張り分けた。「傷がついても気にならないし、味になるのもいい」(ご主人)/左下・夫妻が色にもこだわって選んだというブリックタイルの壁はLDKのアクセントになっている

リノベのきっかけと物件探し

住んでいた賃貸マンションの更新時期が近づき、奥さまがリノベ会社の見学会にご主人を誘ったのがきっかけ。ご主人は持ち家にあまり興味がなかったそうですが、「もともとものづくりは好きだし、自由につくれるのなら」と、中古マンション購入+リノベを検討するようになったそう。それから住み慣れたマンション近くのエリアで物件探しを開始。耐震性などを考慮し、築年数は30年以内を条件としました。この物件を選んだのは、

「北側の部屋が意外と明るかったから」(奥さま)。

周囲の物件に比べて割安で、そのぶんリノベにお金を掛けられることも決め手となりました。

リノベーション会社はどう選んだ?

いくつかのリノベ会社を見学に行った中でnuリノベーションに決めたのは、

「物件探しから施工まで一貫してやってくれるところ」

と奥さま。実際に、どの工程でも同じ会社の人が担当してくれて、チームワークもよかったので安心感があったそうです。

「物件探しのとき、丁寧にチェックして、その物件の悪いところやリスクも教えてくれたので信頼できました」

とご主人。設計中、できることとできないことをはっきり言ってくれたのもよかったといいます。また、nuのインテリアコーディネーターにソファや椅子など家具選びの相談ができたこともよかったと振り返ります。

住んでみて感じたこと、よかったこと

リノベではキッチンとロフトに特にこだわったTさん夫妻。

「家づくりを始めてから妊娠が分かったのですが、子どもの様子を見ながら料理ができるので、アイランドキッチンにして本当によかった」

と奥さま。ロフトについても、

「ワークスペースが意外と広くて快適。ロフトの下に物がたっぷり入るので、収納に困ったことは今のところありません」

と、ご主人も大満足の様子です。また、近くに幹線道路があるためLDKの窓を二重サッシに換えたことも大正解。音はほとんど気にならず、断熱性もアップして冬はあまりエアコンを使わなくても過ごせるほど暖かいそうです。

建物データ

<建物規模>地上5階建ての3階<設計期間>2020年7月~9月<工事期間>2020年10月~12月<設計・施工>nu(エヌ・ユー)リノベーション

独立型のキッチンとLDに隣接する和室を撤去し、ダイニング一体型のアイランドキッチンと、上部をワークスペース、下部を収納に使えるロフトに。玄関から続く土間スペースや、サニタリーとつながるWICも設置

※この記事はrelife+(リライフプラス) Vol.44に掲載されたものを転載しています。
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