
【70㎡のルーフバルコニー付き】中古マンションリノベーション事例「空と景色をひとりじめ。開放感満点の都心の天空ガーデン」
雑誌「relife+」に掲載された中古マンションリノベーション事例から、今回は東京都目黒区Oさんご家族の事例をご紹介。植物が好きで、庭に憧れがあったというOさん夫妻。55㎡もの広いスペースをデッキと人工芝にゾーニングし、開放感満点のアウトドアリビングと子どもの遊び場ができ上がりました。(text_ asako shiga photograph_ koji yamada)
- 工事費:880万円(税込み、外構・設計料別)
- 東京都目黒区 Oさんの家
- 家族構成 夫45歳 妻34歳 長男1歳
- 専有面積 約80㎡(ルーフバルコニー70㎡)
- 築年数 44年(1978年築)
都心にいることを忘れそう! 屋外の開放感を感じられる住まい
もともと植物が好きで、庭に憧れがあったというOさん夫妻。コンパクトな賃貸マンションで同居をスタートし、結婚を機に物件を探し始めました。リサーチするうちに広いルーフバルコニーがあるこの物件を見つけ、「こんな物件はほかにはない!」と購入を決めたとか。山手線の駅から徒歩圏内で、最上階の角部屋。居室の広さも十分あり、当初の希望どおりの物件でしたが、新築物件も視野に入れていた夫妻にとって築年数の古さだけが気になり、リノベーションをすることに。

ルーフバルコニーはO邸の第2のリビング。ガーデンファニチャーを置いて、ブランチやバーベキューを楽しんでいる。デッキ材は雨風に強い樹脂製のものを採用




室内に「外」の要素を持ち込む
設計を依頼したのは、建築家の大場英明さん。ご主人が以前にやりとりをしたことがあり、設計力と人柄にひかれたとか。「室内にいても屋外を感じながら暮らしたい」というふたりからのリクエストを受けて、大場さんはいかに室内側に「外」の要素を持ち込むかを検討。そのためのアイデアのひとつが、天井に設置したパーゴラでした。廊下から寝室、LDKと続くパーゴラは、部屋と部屋、部屋とルーフバルコニーをつなぎ、LDKに中庭や公園のような雰囲気を与える存在に。さらに、LDK 隣接の寝室に設けた室内窓も、LDKに屋外の開放感をもたらしています。


寝室でお昼寝中の長男

設備類のセレクトはご主人が担当。キッチンはひと目ぼれだったというサンワカンパニーのステンレス製のものを採用した。ペンダントライトはIKEAのもの

玄関ホールからLDKを見たところ。パーゴラが住まい全体を横断し、自然に屋外への視線をいざなっている。左手のドアは寝室の出入り口

右が将来の子ども部屋、左は洗面室の扉。洗面室側の壁のクロスはモスグリーンをチョイス。LDK側から見たときに白いクロスとのレイヤー効果が楽しめる

広めだったスペースをそのまま生かし、内装と設備機器を一新したトイレ。既製品の収納ボックスは、Oさん夫妻が入居後にDIYで取り付けたもの
開放感満点のアウトドアリビングと子どもの遊び場
コンクリート打ち放しの状態だったルーフバルコニーは、デッキを敷いて食事やバーベキューを楽しめる場にしたいと考えたOさん夫妻。55㎡もの広いスペースをデッキと人工芝にゾーニングし、開放感満点のアウトドアリビングと子どもの遊び場ができ上がりました。長男の誕生前に友人ファミリーを呼んでホームパーティをした際、子どもたちがルーフバルコニーで楽しそうに走り回っているのを見て、夫婦で顔を見合わせながら「これをやりたかったんだよ~」と笑い合ったそう。今は長男が人工芝で元気にハイハイしています。
「外出先から部屋に戻るといつもホッとできるんです。都心にいながら屋外の開放感いつもを感じられる住まいになって、とてもうれしいです」(奥さま)

右上・「地味な印象になりがちなので」(奥さま)と、トイレの床には華やかな柄のタイルを。様々な模様があって楽しい/左上・ダークグレーやライトグレーなど、天井&壁のクロスは奥さまこだわりの微妙なニュアンスのカラーを取り入れた/右下・室内窓は造作したオリジナル。LDKからお昼寝中の子どもの様子がうかがえるのもメリットのひとつ/左下・照明も組み込んだパーゴラ。「クリスマスやパーティなど、イベントのときは電飾ライトも飾って楽しんでいます」(奥さま)
建物データ
<建物規模>地上10 階建ての10 階<設計期間>2020年5月~ 8月<工事期間>2020年8月~ 10月<設計>大場英明建築設計事務所【OBA Architects】

※この記事はrelife+(リライフプラス) Vol.44に掲載されたものを転載しています。
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