鳩をベランダに寄せ付けない!自分でできる鳩対策や便利グッズを紹介

記事の目次
鳩がベランダに寄り付く原因は?
ベランダのあるマンションで、壁一面にネットがかけられているのをご覧になったことはありませんか? マンション全体で対策を講じるほど、鳩はベランダにやってきます。なぜ鳩はベランダに寄り付くのでしょうか?
安全な場所だと認識されている
人間が暮らすマンションのベランダには、外敵が寄ってきません。人間に慣れていて、人間を怖いと思っていない鳩にとっては、安全な場所だと思われているのかもしれません。
エサがある、餌を与えている
エサがあるところは、鳩が繁殖するのに最適な場所です。例えば、神社や公園などにエサを与える人がいる場合、たくさんの鳩が集まってきます。家の誰かがエサを与えていたり、近隣住民がエサを撒いていたりすると、鳩が寄ってきやすくなるのです。鳩の知能は驚くほど高く、1km先からでもエサをくれる人間を見分けることができるといわれます。
巣作りに適した環境である
マンションのベランダは高所にあり、雨風も防げる巣作りに適した場所。とくに構造が入り組んでいて、中が見えにくい場所には巣が作られやすいでしょう。
空き部屋がある
人馴れしている鳩といえども、人の気配を頻繁に感じる場所では巣作りしません。外敵が来ず、雨風に当たらないベランダで、かつ人がいない空き部屋は巣作りに格好の場所。ほとんど出入りせず物置状態になったベランダや、ベランダ菜園のプランターの隙間や生い茂った葉の影、エアコンの室外機の隙間などにも鳩が身を潜めているかもしれません。
以前に巣があった
鳩は縄張り意識と帰巣本能が高い動物です。一度巣を作ってしまうと、たとえ巣が撤去されたとしても同じ場所に巣を作ろうとします。空き部屋だった期間に巣を作っていた物件へ入居すれば、また同じ鳩が戻ってくるかもしれません。
鳩が巣をつくる時期は?
鳩が巣作りをはじめるのは、気温が暖かくなる3月下旬~5月上旬頃の春といわれています。巣作りから巣立ちまでの期間は約2カ月。1年中ほぼ発情期で帰巣本能と縄張り意識が高いため、ヒナ鳥が巣立ちをしたらまた戻ってきて、新たに子作りをはじめます。年に5〜6回産卵する鳩もいるようです。一度巣作りされた場所は、他の鳩のカップルが巣作りしやすい場所として狙われたり、巣立ったヒナが戻ってきて産卵したりすることがあるでしょう。
鳩は人にとって危険?

鳩は可愛らしさがありますし、ヒナが育つ様子を見てみたいという人もいるかもしれません。しかし、鳩の羽毛や体内にはダニやワクモなど、数種類もの人の血を吸う外部寄生虫が生息していることがあります。また、糞は悪臭を放つとともにダニやゴキブリなどの害虫の発生源となり、アレルギー物質や寄生虫、病原菌を媒介して健康被害をおよぼす可能性が。乾いた糞の粉塵が原因で感染症が発症した例もありますので、免疫力が低い高齢者や小さなお子さんはとくに注意が必要です。
また、鳩は毎日およそ30gの糞をするといわれています。つまり、1週間もすれば200g以上。毎日大量の病原菌を撒き散らされると思うと、対策方法を考えるしかなさそうですね。
鳩の被害レベルを把握しよう
鳩は自分の縄張りを大事にし、一度決めた場所から離れません。同じ場所で何度も産卵するため、場所選びは念入り。そして、いきなり巣作りを始めません。ここでは、鳩が巣を作るまでの段階を、被害レベル1からレベル4に分けてご紹介します。被害レベルを知っておき、早めの段階で対策できれば、鳩の被害を最小限に抑えられます。とくにレベル3まで到達すれば危険信号。レベル4に進むまでに立ち去ってもらいましょう。
被害レベル★☆☆☆ 鳩が羽休めにくる
まずは安全そうな場所かどうかを見極めるため、羽を休める休憩場所として使い始めます。このような鳩を「休憩鳩」と呼びます。
被害レベル★★☆☆ 鳩の待ち合わせ場所になっている
場所に慣れてくると、仲間と待ち合わせをするための待機場所として使うようになります。鳩の姿を2羽以上見かけたら、レベル2まで進んでいると考えられるでしょう。この頃になると糞による被害が増加し、これらの鳩を「待機鳩」と呼びます。
被害レベル★★★☆ 鳩のねぐらになっている
昼も夜も安心できる場所だと判断すると、ねぐらとして利用するようになります。早朝から鳴きはじめると、騒音に悩まされるかもしれません。このような鳩を「ねぐら鳩」と呼びます。
被害レベル★★★★ 鳩が巣づくりをした
巣作りをはじめると、いよいよ被害レベル4。鳩は「羽休め」や「待ち合わせ」の段階で、巣を作ってもいい安全な場所かどうか判断しています。鳩が同じ場所に長くとどまっていたり、近寄っても逃げなくなったりしたら巣を作る前兆。レベル4の「巣作り鳩」です。
鳩を家に寄せ付けない工夫【被害レベル★☆☆☆~★★★☆】
鳩をいつも同じ場所で見かけたり、滞在時間が長くなってきたり。あるいは、いつもの鳩と一緒に仲間がやってきたなど巣作りしそうな前兆を感じたら、鳩を家に寄せ付けないように早く対策をはじめましょう。一度巣作りをはじめられたら、何度でもその場所に戻ってきます。

鳩がとまる場所にテグスやワイヤーを設置する
ベランダの手すりなどにいつも鳩がいることを確認したら、鳩避けのワイヤーやテグスを張って、手すりが止まり木にならないように予防しましょう。ワイヤーやテグスは鳩が止まるのに細すぎるので、鳩避けになります。
ベランダに防鳥スパイクを置く
防鳥スパイクとは、プラスチックなどの素材でできた、長いトゲ付きの鳥除け対策用マットです。プラスチック製なので、鳥を傷つけることなく追い払えます。
忌避剤を塗る
鳩の視覚、嗅覚、味覚などを刺激する専用の忌避剤で、鳩が寄ってくるのを防ぎます。ただし、忌避剤が効力を発揮するのは、主にレベル1の休憩鳩とレベル2の待機鳩です。
鳩よけネットを張る

物理的に鳩が入り込めないようにする、とても有効な方法です。しかし、鳩の帰巣本能や縄張り意識はかなり強く、簡単には諦めません。少しでもたるみや隙間があれば見つけて侵入してきますので、取り付けはプロに依頼したほうが確実でしょう。
糞はしっかり掃除する
鳩は糞のニオイがする場所を好みます。嗅覚に優れているので、自分の糞のニオイがするところは安心な場所と認識して戻って来るのでしょう。糞を見つけたら、鳩対策としてしっかり清掃しましょう。
CDや疑似鳥などを活用する
鳩はキラキラと反射する光が苦手です。そのため、聞かなくなったCDなどを吊り下げるのもいいでしょう。また、天敵であるカラスなどの擬似鳥を吊るして追い払う方法もあります。これは昔から使われている手法ですが、鳩は知能が高いためしばらくすると効果が期待できなくなります。
超音波や磁石を使用する
鳥にしか聞こえない超音波で追い払える説や、磁石を置いて方向感覚を狂わせる説もありますが、効果がそこまで期待できるかは不明です。家にあれば試してみてもいいかもしれません。
鳩の巣ができていた!撤去してもいい?【被害レベル★★★★】

鳩が住み着いていることにまったく気付かず、いつの間にか鳩の巣ができていた。しかも、巣の中には卵があると判明した場合、無断で撤去してしまうと鳥獣保護法違反になります。とても身近な存在の鳩ですが、野生動物ですので、生体はもちろん卵も国の法律で守られているのです。そのため、鳩の巣を撤去するためには以下2つの条件があります。
- 巣の中に卵がなく、ヒナもいない状態になるまで待つ
- 卵ごと撤去したい場合は、自治体に有害鳥獣捕獲申請をする
条件を満たせば、撤去しても問題ありません。ただし、前述の通り鳩の糞や羽毛にはどんな病原菌や害虫が潜んでいるかわかりませんので、プロに任せる方が安心でしょう。
鳩の巣を自分で撤去する方法
鳩の巣をどうしても自分で撤去したいという方は、巣の中に卵がないかを確認したうえで、以下に注意して撤去作業をおこなってください。
ゴーグル、マスクなどの装備を整える
鳩の巣の中には病原菌や寄生虫、害虫などが大量に潜んでいます。また、乾いた糞は粉塵になり、空気とともに吸入すると感染症を引き起こす可能性が。そのため、マスクと手袋は必須です。衣服や顔に菌やウイルスが付着しないようにゴーグルを着用し、全身を覆う作業着でおこないましょう。
家の窓を閉める
巣を撤去する前にベランダの窓をしっかりと閉め、糞の粉塵を含んだ空気などを通じて、菌やウイルスが家の中に入らないようにガードしましょう。
殺虫剤や消毒液を巣に吹きかける
撤去する前に殺虫剤や消毒液を巣に吹きかけておくと、ダニの除去や菌の抑制になります。これは巣を湿らせることで、菌が舞い散ることを抑える目的もあります。ただし、勢いよくスプレーを噴射しすぎると、逆に菌を撒き散らしてしまう可能性があるので注意しましょう。
巣を撤去し、ゴミ袋をしっかり閉じる
撤去した巣は可燃ゴミとして処理できます。撤去の際に用いたキッチンペーパーやティッシュ、新聞紙などは撤去した巣と一緒にゴミ袋に入れて、菌が漏れないようにしっかりと密閉しましょう。
ベランダ全体の掃除、除菌
最後に、ベランダを掃除しましょう。鳩の隠れ家になりそうな物は撤去し、清潔にします。鳩の糞のニオイは多くの鳩を呼び寄せます。隅々までよく見て、完全に除去してください。とくに巣があった場所は念入りに掃除し、最後に除菌します。鳩は一度巣作りした場所へほぼ確実に戻ってきますので、再発防止のために、先ほど解説した「鳩を寄せ付けない工夫」をしておきましょう。鳩にとっては、一度巣作りしたお気に入りの場所です。物理的に入れないような対策をしておかないと、いつの間にか戻って来てしまう可能性が高くなります。
鳩の巣の撤去はプロに相談を
ここまで、自分でできる鳩対策をご紹介しました。しかし、巣を撤去して被害レベル4の「巣作り鳩」を今後寄せ付けないようにするためには、プロに頼むのが一番です。
鳩は1日約30gもの糞をします。ツガイの鳩で60g、ヒナは2羽の場合が多いので、4羽の糞が毎日蓄積されていきます。さらに、法律に守られているため勝手に駆除できず、巣立ちを見守る間に糞は溜まるばかり。立ち去った後の糞の量はすさまじく、乾燥すると固まってこびりつきます。配管の上や室外機の下など掃除がしにくい、あるいは見えない場所に糞が残る可能性もあり、自分で完璧に掃除するのは難しいでしょう。
プロの業者に依頼すれば、見えない窪みに堆積した糞や危険な場所の糞も、高圧洗浄などでしっかりと除去してくれます。鳩の巣や糞の中に含まれる病原菌やウイルスは、専門の機械や次亜塩素酸ナトリウムやエタノールなどの消毒液を使って綺麗に除去してもらえます。鳩の帰巣本能や巣への執着心は強いので、最後に鳩避けネットを張ってもらえば安心です。
ちなみに、撤去費用は一般的なマンションのベランダの場合、駆除・清掃・除菌作業で2万円程度から。防御ネットの設置は1〜3万円程度とされていますが、階数に応じて費用が高くなる場合があります。
まとめ
鳩に巣作りされてしまうと、かなり厄介な事態になります。この記事ではベランダに鳩の巣を作らせないための予防策、鳩がやってきたときの防御、そして巣作りされてしまった際の注意点と撤去方法についてご紹介しました。鳩の巣くらいならまったく気にならないという人もいるかもしれませんが、集合住宅の場合は騒音や異臭、病原菌の飛散など周囲にも迷惑がかかります。トラブル発展を防ぎ快適に生活するためにも、しっかり対策しておくことが重要です。
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