庭で家庭菜園を楽しもう!畑を作る方法と初心者にもおすすめの野菜を徹底解説

本記事では、庭で家庭菜園を始めるにあたって事前に知っておきたい、必要なモノや手順などを紹介します。
記事の目次
「庭に家庭菜園がある暮らし」の魅力とは?

庭で家庭菜園をする魅力について見ていきましょう。
- プランター菜園よりも本格的な家庭菜園ができる
- より面積が広いため多くの野菜が育てられる
- 庭を有効活用できる
- 自然体験活動・食育に適している
プランターを使っても家庭菜園はおこなえますが、庭であれば広いスペースがあるため、より本格的な家庭菜園が楽しめるでしょう。さらに、面積の分だけ数多く、さまざまな種類の野菜を育てられます。プランターではできない“耕す”という体験も庭での家庭菜園ならでは。もし庭をあまり使っていないようであれば、家庭菜園が有効活用のいい機会となるのではないでしょうか。
お子さんがいる家庭であれば、親子で一緒に家庭菜園を楽しむのもおすすめです。家庭菜園が自然体験に繋がるほか、食育にも適しています。野菜が苦手というお子さんでも、自分で育てたということから野菜を食べてくれるようになるかもしれません。
【アンケート】みんなは庭でどんな野菜を育てている?

庭で家庭菜園をしている人にアンケートを実施し、みなさんが庭で育てている野菜を上位10位まで紹介します。

アンケート結果ではトマトがもっとも多く、なす、きゅうりと続きます。どれも、ご家庭でよく食べている野菜でしょう。つるで育つという点も、上位を占める野菜に共通しています。土の中で育てるジャガイモやネギは、少数という結果です。
次の章では、初心者でも育てやすい野菜についてアンケートを実施しました。
【アンケート】初心者が庭で育てるのにおすすめの野菜は?

初心者が家庭菜園を始めるなら、育てやすさは重要なポイントとなるでしょう。以下で、初心者におすすめの野菜をランキングでまとめました。
順位 | 野菜名 | 票数 |
---|---|---|
第1位 | ミニトマト | 78 |
第2位 | トマト | 50 |
第3位 | きゅうり | 30 |
第4位 | シソ・大葉 | 19 |
第5位 | ネギ | 14 |
第6位 | ジャガイモ | 13 |
第7位 | ピーマン | 11 |
第7位 | ニラ | 11 |
第9位 | オクラ | 9 |
第 10 位 | なす | 8 |
回答サンプル数:387
ミニトマトとトマト、きゅうりという、つるで育つ野菜が3位までを締めました。ネギやジャガイモのような、土の中で育つ野菜も上位にランクインしています。
それでは、さっそく5位までの野菜の特徴を見ていきましょう。
ミニトマト・トマト

ミニトマトやトマトは比較的、育てるのが簡単な野菜です。また、病気に強くて収穫量が多いため、初心者にも向いています。なお、トマトにはミニトマト・中玉トマト・大玉トマトがありますが、大玉は割れやすく実が付きにくいため、最初はミニトマトから始めるのがおすすめです。
種まき:3~4月
植え付け:4~6月
収穫:7~8月
きゅうり

きゅうりは病気になりやすいため、耐病性の高い品種を選びましょう。「フリーダム」「よしなり」などは、病気に強いため初心者でも育てやすい品種です。なお、きゅうりにはすべての節に実がつく「節成り」と、飛び飛びで実がつく「飛び節成り」の2つがあります。多くのきゅうりを早く収穫したい方は「節成り」、長く楽しみたい方は「飛び節成り」が適しているでしょう。
種まき:4月
植え付け:5月
収穫:6~8月
シソ・大葉

シソ・大葉は暑さに強いため、夏に育てやすい野菜です。プランターでも育てられますが、日当たりのよい庭ならさらに元気なシソが育つでしょう。ただし、害虫がつきやすいので、こまめに見て駆除してください。葉を収穫した後は葉じそ、さらに、しその実も収穫して食べられます。
種まき:4~6月
収穫:6~9月
ネギ

ネギは種類によって育てやすさが異なります。庭であればある程度の広いスペースが確保できるので、長ネギでも栽培できるでしょう。しかし、育てるのが難しく栽培期間も長いので、初心者には向いていません。初めての家庭菜園なら、小ネギやワケギ、アサツキなどがおすすめです。なお、小ネギは種から育てますが、ワケギやアサツキは球根を植えます。
種まき:3~4月
植え付け:7~8月
収穫:12 ~3月
ジャガイモ

ジャガイモは栽培にそれほど手間が掛からず、初心者でも簡単に育てやすいでしょう。なお、ジャガイモは春と秋で2回植え付け時期がありますが、秋は栽培が難しいので初心者は春がおすすめです。一般的に、種からではなくタネイモから植え付けて育てます。
▼春
植え付け:2~3月
収穫:5~6月
▼秋
植え付け:8~9月
収穫:11 ~ 12 月
庭に家庭菜園を作る際に確認すべきポイント

家庭菜園を始めるに当たって、まずは自宅の庭で確認すべきポイントを見ていきましょう。
庭の日当たり・風通し
日当たりは、ちゃんと野菜が育つかを大きく左右します。パセリやミツバ、青じそなどは日陰でも育てられますが、日陰で育てられる野菜となると種類が限られるので、日当たりは大切です。また、風通しが悪いと、湿気で病気やカビ、害虫などが発生しやすくなります。
庭のスペース・広さ
庭に家庭菜園のスペースをどれだけ確保できるかで、育てられる野菜の量が変わります。また、ジャガイモなど畑を作らないと栽培が難しい野菜は、それだけ十分な広さが必要です。最初は小規模から始めるのもいいですが、いずれ楽しくなれば野菜の量や種類を増やしたくなるかもしれません。
庭の水回り・配管の位置
家庭菜園では水やりも大切です。室内から水を持って行くのは大変なので、外に水道があるとよいでしょう。また、配管の位置にも注意してください。畑を作ろうと掘った際、配管を傷つけて破損させる可能性があります。あらかじめ位置を確認し、配管の上に畑を作るのは避けましょう。
農具の収納スペース
本格的に家庭菜園をやろうとするほど、さまざまな農具が必要になります。なかには大きなモノもあるため、持ち運びを考えて近くに収納スペースがあると便利です。
これらの確認が終わったら、さっそく畑を作る準備をしていきましょう。
庭に家庭菜園を作るために必要なモノと費用

庭で家庭菜園する場合には、以下のような農具が必要になります。用途や費用と共に、あらかじめ確認しておきましょう。
用途 | 費用 | ||
---|---|---|---|
準 備 ・ 畑 を 耕 す た め の 道 具 |
鎌(かま) | 雑草などを取り除き、畑を作るのに使用します。 | 約2,000円~ 3,000円 |
鍬(くわ) | 土を耕したり掘り起こしたり、畝(うね)を作ったりする際に使用します。 | 約1,000円~ 2,000円 |
|
スコップ | 土を掘ったり石を取り除いたり、物差しの代わりに使ったりします。 | 約100円~ 500円 |
|
レーキ | 畑を整地したり、草を集めたりする際に便利です。 | 約2,000円~ 3,000円 |
|
土ふるい | 土ふるいに土をかけると、空気を含んでやわらかくなります。 | 約300円~ 1,000円 |
|
囲 い を 作 る 道 具 |
レンガ | 畑をレンガで囲います。 | 約100円~ 300円 |
モルタル | モルタルでレンガが崩れないよう接着します。 | 約500円~ 700円 |
|
砂利 | 囲いに掘る溝へ敷き詰めます。 | 約1,000円~ 2,000円 |
|
水平器 | 畑を水平な状態で作るために使います。 | 約1,000円~ 2,000円 |
|
ハンマー | 囲いを土に打ち付けて埋めるために使います。 | 約1,000円~ 2,000円 |
|
ベニヤ板 | 土寄せする際にベニヤ板を立てて使います。 | 約1,000円~ 2,000円 |
|
土 を 作 る 道 具 |
用土・培養土 | 家庭菜園には普通の土ではなく、用土・培養土を使用します。 | 約500円~ 1,000円 |
石灰(せっかい) | 石灰を土に混ぜることで、土壌が中和されて野菜を育てるのに適した状態が保てます。 | 約2,000円~ 3,000円 |
|
堆肥(たいひ) | 堆肥を使用すると野菜が育ちやすくなります。 | 約2,000円~ 3,000円 |
準備・畑を耕すための道具
- 鎌(かま)
- 鍬(くわ)
- スコップ
- レーキ
- 土ふるい
これらの道具は庭で家庭菜園ができるよう、畑を耕すのに使用します。よほど広範囲を耕さない限り、使いやすいサイズのものを選びましょう。鎌やスコップは片手で使用できるもので十分ですし、鍬やレーキは軽量のものが使いやすいのでおすすめです。土ふるいはプラスチックのものもありますが、長く家庭菜園を楽しむなら、耐久性を考えて金属製のものがよいでしょう。
囲いを作る道具
- レンガ
- モルタル
- 砂利
- 水平器
- ハンマー
- ベニヤ板
庭に砂利が敷いてあったり芝生が張ってあったりする場合は、畑との間に境目として囲いを設けましょう。砂利が入り込むことなどを防ぎ、畑が荒れにくくなります。レンガは色や形もさまざまなものがあるので、好みに合わせて選びましょう。
土を作る道具
- 用土・培養土
- 石灰
- 堆肥
家庭菜園は「基本用土」に「補助用土」を混ぜることで、家庭菜園に適した通気性や保水性、保肥性、水はけなどに優れた環境を作ります。そして、この基本用土と補助用土が、あらかじめ混合された状態になっているのが「培養土」です。そのため、初心者の方は培養土を使用するとよいでしょう。なお、堆肥とは家畜のふんや落ち葉、樹皮などを分解、発酵させたものです。土に混ぜると通気性や水はけがよくなり、より野菜が育ちやすくなります。
必要なモノを揃えたら、さっそく庭を作っていきましょう。
庭に畑を作る方法・手順

それでは、実際に庭で畑を作る方法について、手順ごとに見ていきましょう。
日当たりを考慮し畑を作る場所を決める
家庭菜園は日当たりのよい場所で始めましょう。初心者は狭いエリアから、慣れたら少しずつ広げていくのがおすすめです。どうしても日当たりが悪いようなら、日陰でも育つ野菜を選んでください。
土壌改良をする
通常の庭の土は家庭菜園に適さないため、野菜が育ちやすいよう土壌改良しましょう。初心者は培養土を使用し、次のような手順でおこないます。
- STEP 1スコップを使って土から植物の根など異物を取り除く
- STEP 2土を培養土に入れ替える(もしくは肥料を混ぜる)
- STEP 3土に石灰や堆肥を混ぜる
- STEP 4土を耕す
囲いを作る
庭に砂利や芝生がある場合は、囲いを作って畑との間に境目を作りましょう。そうすることで砂利が入り込むことを防ぎ、野菜を育てるための環境を維持できます。囲いの基本的な作り方は以下の通りです。
- STEP 1囲いする場所を掘って 20 ~ 30 cm 程度の溝を作る
- STEP 2掘った溝を踏み固める
- STEP 3溝に砂利を敷き、両脇にベニヤ板を立てる
- STEP 4セメントを流し込んで1日以上乾燥させる
- STEP 5セメントベニヤ板を外してレンガを積む
- STEP 6レンガをモルタルで接着する
レンガは必要に応じて、1段ではなく2段など高さを設けましょう。レンガにも色や形がさまざまな種類がありますし、レンガではなく枕木やガーデンフレーム、コンクリートブロックなどを使用する方法もあります。
畑に苗を植える・種をまく
野菜によって苗を植えたり種をまいたりと、栽培方法が異なります。以下で、それぞれの方法も確認しておきましょう。
苗の植え方
植え付けとは、ポットで育てられた苗を畑に移し替える作業です。茎が折れたり苗が痛んだりしないよう、風のない曇りのタイミングがよいでしょう。苗は以下の手順で植えます。
- STEP 1畝(うね)に苗を入れる穴(植穴)を掘る
- STEP 2植穴に水を入れる
- STEP 3水が引いたら植穴に苗を入れる
- STEP 4根元部分に土を寄せて水をかける
種のまき方
種のまき方には「すじまき」「点まき」「ばらまき」という3つの種類があります。野菜によって適したまき方が違うので、手順と共に以下で確認しておいてください。
・すじまき(ホウレノウ、コマツナ、ニンジン、ゴボウ 等)
- STEP 1畝(うね)を平らにならして溝を作る
- STEP 2溝へ1cm 程度を目安に間隔を空けながら種をまく
- STEP 3溝に土をかぶせる
- STEP 4水をかける
・点まき(タマネギ、ダイコン、トウモロコシ、インゲン、ハクサイ 等)
- STEP 1畝に 20 ~ 30 cm 程度の間隔を空けながら、1cm ほどの穴を1列に作る
- STEP 2それぞれの穴に5粒程度を目安として種をまく
- STEP 3穴に土をかぶせる
- STEP 4水をかける
・ばらまき(ホウレンソウ、コマツナ 等)
- STEP 1畝の上に種をまく
- STEP 2種が隠れるよう土をかける
- STEP 3上から軽く土をおさえる
- STEP 4水をかける
野菜の種類によって異なりますが、苗は1つ100~300円、種は100粒で100~400円程度で購入できます。また、トマトやキュウリ、ピーマン、ナスなどを育てる際は、ツルが伸びたり背が高くなったりするので、支柱を用意するとよいでしょう。そのほか、ホウレンソウやコマツナ、キャベツ、ハクサイなどは、防寒用シートをトンネル状にかけて寒さから守る「トンネル栽培」がおすすめです。
上手に育てるには?庭で家庭菜園をする際のポイント

野菜を元気に育てるためには、以下のようなポイントを押さえておきましょう。
連作障害に注意する
同じ場所で同じ野菜を繰り返し作ると、収穫量が落ちる「連作障害」が起きることがあります。これを避けるためには、輪作(ブロックローテーション)が有効です。
輪作とは?
輪作は畑をいくつかの区画に分け、栽培する野菜を毎年ローテーションさせる方法です。これにより、毎年野菜を育てながらも連作障害を防げます。
土壌改良は1作ごとにする
畑の土は雨などの影響を受け、自然と酸性化されてしまいます。しかし、酸性土壌では野菜が育ちにくいので、石灰や堆肥などを用いた土壌改良が欠かせません。土壌改良は1作ごとにおこないましょう。
肥料のやりすぎに気を付ける
肥料は元気に野菜を育てるためのものなので、たくさん与えるほどいいと思われがちです。しかし、過剰な疲労は逆に野菜を弱らせてしまう可能性があります。肥料は適量を心がけ、やりすぎに注意してください。
病害虫は早めに対処する
家庭菜園では病気や害虫に注意しましょう。あらかじめ予防に努めるのはもちろんですが、もしも発生してしまった際には、手遅れにならないよう早めの対処が大切です。
まとめ
最後に、庭で家庭菜園する際によくある質問と回答をまとめました。
庭に家庭菜園を作る際に確認すべきポイントは?
庭の日当たりや風通しなど、家庭菜園に適した環境か確認しましょう。また、育てられる野菜の種類や量にも影響するため、あらかじめ確保できるスペースの広さも把握しておいてください。できれば、農具を収納できる場所もあると便利です。庭に配管が通っている場合は、誤ってその上で野菜を育ててしまわないよう注意しましょう。
庭で育てられる初心者におすすめの野菜は?
トマト、きゅうり、シソ・大葉、ネギ、ジャガイモなどがおすすめです。トマトは大きいほど育てるのが難しいので、初心者はミニトマトから始めるといいでしょう。また、きゅうりは病気にありやすいので、「フリーダム」「よしなり」など耐病性の高い種類が適しています。
家庭菜園を庭でする際のポイントは?
連作障害が起きないよう、複数種類の野菜を輪作で育てましょう。また、畑の土は酸性化してしまうため、1作ごとの土壌改良が大切です。肥料は野菜を育てるのに役立ちますが、与えすぎないよう注意してください。病気や害虫を見つけたら、手遅れにならないよう早めに対処します。
いかがでしたか?庭での家庭菜園の始め方や、初心者でも育てやすい野菜について解説しました。ぜひこの記事を参考にして、家庭菜園にチャレンジしてみてくださいね。
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