【整理収納アドバイザーに聞く!】片付けのコツは?収納のプロの技を動画で解説
この記事では、収納のプロである整理収納アドバイザーの視点から片付けのコツをご紹介。動線の工夫、収納のつくり方、家族が自然と片付けられる仕組みなど、今日から真似できるアイデアが満載です。家族みんながもっと暮らしやすくなるヒントを、ぜひ取り入れてみてください。
記事の目次
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- 突っ張り棒マスターごんちゃんさんのルームツアー
- 回遊動線が魅力!山田りみさんのルームツアー
- 築50年をフルリノベ!能登屋英里さんのルームツアー
- 徹底した動線管理!むらさきすいこさんのルームツアー
片付けのコツは?

片付けをする時に、最初に押さえておきたいコツがあります。これからご紹介するポイントをふまえて片付けを効率よく進めましょう。
収納場所の7~8割を活用する
収納スペースは、常に2~3割の余白を残しておくのが理想です。余白があることで「取り出しやすく、戻しやすい」状態になります。
また、新しいものが増えた際に全体を組み替える必要もありません。パンパンに詰め込まれた収納は、どれだけ整えても長く維持しくいため、容量を7~8割にとどめておきましょう。
日にち・時間を決めておこなう
片付けは「時間ができたらやる」「気が向いたらやる」ではいつまでたっても終わりません。後回しにしないために、まず日程をあらかじめ決めておくことが大事です。
- 毎朝10分
- 毎週土曜日の午前中30分
- 毎月15日に3時間
このように予定を先に決めておくことで、モチベーションやその日の気分などに左右されにくくなり継続しやすくなります。
部分的に少しずつ進める
片付けは小さな1つ1つの過程の積み重ねです。いきなり全部やろうしても、膨大な量に圧倒されて気持ちが萎えてしまいます。まずは範囲を小さく絞って、1区間ずつ片付けていきましょう。
- キッチンの引き出し1つだけ
- 玄関のシューズボックスの上段だけ
- トイレの収納だけ
このように、範囲を小さく区切ると短時間で達成感を感じられ、次の片付けへのモチベーションにもつながりやすくなります。
生活動線を意識する
生活動線を考えずに収納すると、取り出すにも片付けるにも時間がかかり、結局は出しっ放しになりがちです。
- ゴミ袋はゴミ箱の近くに配置
- ハサミはよく使う場所に複数配置
- マスクは玄関に配置
このように、生活動線に合わせて収納すれば、自然に片付きやすくなります。
定位置を決める
片付けができない原因の多くは、「どこに戻せばいいかわからない」ことにあります。定位置を決めることで、モノを迷わずにしまいやすくなる、失くしにくくなる、ムダな買い物が減るなど、たくさんのメリットがあります。
収納グッズをすぐに買い足さない
片付けを始めようとする時、つい最初に収納グッズを購入したくなりますが、収納グッズの適正サイズは収納したいモノのサイズや量が確定してからでないとわからないためおすすめできません。サイズの合わない収納グッズを購入してしまうと、片付けどころかまたモノが増えてしまうことにつながります。
片付けの適切な手順は、モノを分類するところから。必要なもの・不必要なもの・捨てるもの、よく使うもの・あまり使わないもの、などに区分したうえで、その量と場所に適した収納グッズを選ぶことが鉄則です。
整理収納アドバイザーが伝授!片付けに重要な3つのステップ

片付けには、3つの基本ステップがあります。このステップを守ることで、効率的に進めることができます。
- STEP 1片付けたい場所にあるモノをすべて出す
- STEP 2いるもの・いらないものに分ける
- STEP 3処分する・しまう
片付けは複雑なものではなく、この単純な3つのステップの繰り返しです。どのようなものでも、この3つのステップを重ねることで確実に片付いていきます。それでは、それぞれのステップを詳しく解説していきます。
STEP 1:片付けたい場所にあるモノをすべて出す
最初に収納されているモノをすべて出し、「見える化」します。すると、モノの全体量や内容がわかり、分類しやすくなるだけでなく、収納スペースがどれくらいあるかも把握できます。
すべてのモノを出してみると、自分が思っていた以上に買い置きがあった、同じ用途のモノがいくつもあった、探しものが出てきた、などたくさんの発見があるでしょう。
STEP 2:いるもの・いらないものに分ける
次のステップでは、出したモノを適切に分類していきましょう。まずは、「いるもの・いらないもの」の2つに分けること。モノを捨てることに抵抗や罪悪感を抱いてしまう方や、愛着が強い方などは、ここが難しいかもしれません。そこで、いるもの・いらないものを判断しやすくなる基準を以下でご紹介します。
いる・いらないものの判断例
いらないものを判断する際は、「感覚」や「感情」ではなく、明確な基準を持っておくことが大切です。基準があることで迷いが減り、スムーズに仕分けが進みます。
以下からは、片付けのプロが実際に設定している判断基準をご紹介します。
1年以上使っていないもの
水着やウィンタースポーツなどの季節ものを除き、1年以上使っていないものは、今後も使う可能性が低いです。1年では捨てることに抵抗がある方は、2年以上、3年以上など、少し基準をゆるめて設定してみましょう。しかし、基準を伸ばしすぎても片付かないので注意が必要です。
劣化・破損しているもの
壊れている、汚れている、劣化しているものは、使用する可能性が極めて低いでしょう。さらに壊れていたり劣化していたりするモノを使い続けるのは思わぬ事故やけがにつながるリスクも。「いつか直す」と思っていても、必要になった時には「新しく買った方が早い」となる可能性が高いでしょう。新しいものを購入するためにも思い切って手放すことをおすすめします。
複数ある同じ用途のもの
ハサミ、ボールペン、タッパー、保冷剤、紙袋など、気付くと増えているものはないでしょうか。このようなものは、 いつ・どのくらい・どこで使っているかを把握し「適正量」を決めておくことが大事です。決めた量以上に増えたら処分する習慣をつけておくとよいでしょう。
スペースや費用などの負担がかかるもの
維持するだけで費用が発生するもの、大きくて場所を取るものは、持っているだけで家計やスペースを圧迫します。本当に必要なのか、あらためて見直してみましょう。
今の自分に合わないもの
昔の趣味、昔お気に入りだったもの、もうサイズが合わない洋服、今のライフスタイルに合わないものなど、「過去の自分」が好んでいたものは今の自分にも合っているでしょうか。若い頃の思い出とセットになって、つい捨てられないことは多々あります。しかし、今の自分にとって本当に必要なものかを検証したうえで、少しでもズレを感じたら手放していきましょう。
判断に迷った時の対処法
以上でご紹介した基準を考えたうえでも処分ができないモノもあるでしょう。頭では理解していても気持ちがついていかない時は、次の方法を試してみてください。
人に譲る・売る
誰かに使ってもらえると思えば、捨てる罪悪感や惜しい気持ちが薄れて手放しやすくなるでしょう。さらに、リサイクルショップやフリマアプリなどを活用して売ることで価格が付くとなれば、片付けのモチベーションにもつながるかもしれません。
「一時保留」の収納場所を作る
迷ったものは、保留ボックスに入れて3カ月間放置し、3カ月後に開けて再判断するのがおすすめ。時間を置くことで最初よりも冷静に判断できるようになります。もし、それでも判断できない場合は、もう3カ月保留にし、その間に必要な場面がなければ、中身を確認せずに捨てる方法もあります。
写真に残す
思い出の品などは、写真に残すことで気持ちが整理されます。「振り返りたい時に、いつでも振り返れる」「現物を所持しなくても大丈夫」という安心感が生まれて、手放せるきっかけとなるでしょう。
STEP 3:処分する・しまう
いるもの・いらないものを分類したあとは、適正に処分・収納しましょう。
収納する際には次のことを念頭に置いて、場所を決めていきます。
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- 家事動線・生活動線に合わせる
- 使用頻度を意識する
- 家族のことも考慮する
片付けは「しまい込む」ことではなく、使いやすい状態をつくることが目的です。家の中が暮らしやすく快適な状態になることが最終ゴールですから、「自分たちにとって何が必要か?」「どのようにすれば快適に暮らせるか?」と生活スタイルに合わせて、ものの場所を決めることを意識してください。
片付ける際のポイント

次に、片付けをスムーズに進めるためのポイントをプロの目線からご紹介します。
思い出のもの・書類は最後に片付ける
片付けでつまずきやすいポイントの一つが、思い出の品や書類から手をつけてしまうことです。書類は詳細を確認する時間がかかり、思い出のものは感情移入して精神的も疲れてしまうでしょう。そのため、最初に手をつけると進捗が遅くなったり、途中で挫折したりする可能性が高くなります。片付けをうまく進めるには、これらを最後に回し、時間のかからないジャンルからはじめることがポイントです。
洗面台やキッチンから取りかかる
片付けが苦手な方におすすめなのは、洗面台やキッチンからスタートすること。日用品や食品などは要・不要の判断が比較的スムーズにしやすいでしょう。例えば以下のように、明らかに体に害を与えそうなものは即断即決しやすいので、片付けのリズムに乗りやすくなります。
- 期限切れの食品
- 食べかけのまま時間が経ったお菓子
- 途中で使わなくなり劣化した化粧品
また、キッチンや洗面台は使用頻度が高いため掃除後の使いやすさや快適さを実感しやすく、「片付けの成功体験」を感じやすい場所といえるでしょう。片付けのスタートを切るには最適な場所です。取りかかる順番に注意するだけで進捗が変わるので、ぜひ試してみてください。
家族の個人のものを勝手に片付けない
家族のものを勝手に捨てたり、場所を変えたりしてしまうと、信頼関係が崩れてしまうかもしれません。家族の私物には手を付けないようにしましょう。もし、何度片付けを促しても改善されず気になる場合には、予定を合わせ、一緒に片付けをするタイミングを設けるのも一つの手段です。
片付けのゴールを設定・共有する
片付けたあと、どのような空間にしたいのか、どのように暮らしたいのかというゴールが明確であれば、モチベーションを維持しやすくなり、さらに家族の協力も得やすくなります。家族みんなにとって暮らしやすい快適な家づくりを目指して、一緒に取り組んでいけたらベストですね。
【アットホームTV】整理収納アドバイザーの収納実例を紹介
ここまで、片付けの基本ステップや大事なポイントを解説しました。それでは次に、理想のイメージを膨らませるために、片付けのプロの暮らしをのぞいてみましょう。
ここからは現役の整理収納アドバイザー4名のリアルな収納術や動線づくりの工夫をご紹介していきます。今日から真似できるアイデアが満載なので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
突っ張り棒マスターごんちゃんさんのルームツアー
「散らかってもすぐ整う家」がテーマ
ごんちゃんさんの家づくりのテーマは、「散らかってもすぐ整う!子どもと暮らす “みんながラク” な家」です。もともと片付けが苦手で、忙しくなると散らかってしまう……その自覚があるからこそ、自分に合う方法を採用されています。それが、「すぐ出せて、すぐにしまえる」こと。隠しすぎると、取り出すのもしまうのも億劫になってしまうから、あまり隠しすぎないことがポイントだそう。小さなお子さんと暮らしながらも、ほどよく力の抜けた心地よさと、整理収納アドバイザーならではの工夫が随所に散りばめられています。
リビングは皆で過ごす場所、できるだけモノを置かない
ご夫婦ともに、なるべくものを置きたくない思いがあり、リビングの家具を厳選して必要最低限に絞っています。家具は一度入れると簡単には処分できないものだからと、かなり慎重に選ばれたご様子。それではリビングの工夫をいくつかご紹介しましょう。
腰より低い収納で、圧迫感を抑える
リビングテーブルで仕事をするため、パソコンやよく使う文具などを入れるチェストを設置。腰より低い収納で見た目の圧迫感を抑えつつ、「すぐ取り出せる・すぐしまえる」バランスが絶妙です。
テレビ台収納は「遊びと片付け」の基地
テレビ台収納には、リビングで遊ぶことの多いカードゲームやリモコンをまとめて収納。こちらも「すぐ取り出せる・すぐしまえる」を意識して、子どもが自分で出し入れしやすい仕組みになっています。
さらに印象的なのが、ゲーム機の扱い方。表に出ているとつい遊びたくなってしまうため、普段はテレビ台下にしまい見えないようにする。「土日だけ出して使う」というルールを決めることで、土日の特別感も演出でき、さらによろこびも大きくなるとのこと。これは、買う前にルールを決めておくことがポイントのようです。
ワンステップで片付く!学習プリント収納の仕組み
子どもの学習用プリントが多いので、ファイルボックスとハンギングホルダーを組み合わせて使用。教科ごとにホルダーを用意し、放り込めるようにしたことで、楽に入れられ、探しやすい仕組をつくっています。
親子で一緒に片付けすることが、子どもの思考整理につながる
印象的なのが、「親子で一緒に片付けをすることは、子どもが“どうしたいか”を考える練習にもなる」という言葉。子ども部屋を一緒に片付けることで、子どもの思考能力を鍛えることにもなり、部屋も片付く。まさに一石二鳥です。
キッチンは好きなものを楽しみつつ、子どもも参加できる場に
陶器市が好きなごんちゃんさんは、お気に入りの食器が多め。ごんちゃんさんがキッチンで意識していることを2点ご紹介します。
食器選びの基準は「洗うのが楽しい」こと
ごんちゃんさんは、洗いものがあまり好きではないそう。だからこそ、「洗うのが嫌にならない食器」を選ぶようにしているとのこと。自分の好き・嫌いをしっかり理解して、上手に利用するのは賢い方法ですね。
子どもの手が届く位置に食器を配置し、片付けに参加できるように
朝ごはんの支度など、子どもにもできることを任せていく。“やってもらう”ではなく“一緒にやる”スタンスで子どもと関り、小さいうちから片付けに慣れてもらうことを常に意識されています。
小さな工夫がいっぱい!
リビングやキッチンを重点にご紹介してきましたが、他にもさまざまな場所で小さな工夫の積み重ねがありました。多数あるうちのいくつかを、次にまとめてご紹介します。
子ども部屋の収納
「本コーナー」「おもちゃコーナー」「思い出グッズ」など明確にコーナー分類されており、戻す場所がハッキリわかる状態になっています。
旦那さんのウォーキング・クローゼット
扉が邪魔になって中に入りにくく、入口付近にモノが積み上がりがちでした。しかし、思い切って扉を外しロールカーテンに変更。出入りしやすい空間に変わり、モノが積みあがることもなくなったそうです。
片付けのコツは「今、片付けたい」と思った時に、即やること
後回しにしないこと、思った時に行動することが大切です。
片付けのポイント3つ
ごんちゃんさん流の片付けのポイントは次の3つです。
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- 使いやすい収納であること
- 今使っているもの、今使っていないものを分けて考えること
- 今使っているものを、「使いやすく・出しやすく・入れやすく」すること
まとめ
「散らかってもすぐ整う、出しやすく、しまいやすい」「家族みんながラク」ごんちゃんさんのモットーが、随所に光る心地よい空間づくり。過去や未来ではなく「今、使うか?」にフォーカスして片付けを進めるのがごんちゃんさんのスタイルです。
回遊動線が魅力!山田りみさんのルームツアー
「家族みんなが迷わない!“行き詰らない家”」のつくり方
山田りみさんのご自宅は、「回遊動線を大切に、家族全員がストレスなく暮らせる家」がコンセプト。以前は住宅リフォームの仕事をしていた山田さん。その経験を活かし、スムーズに移動しやすく、家事も身支度も“行き詰まらない”よう、徹底的に計算され尽くした動線設計が特徴です。
回遊できる配置が快適!外国風のオシャレなダイニング・キッチン
家族で一緒に料理しても渋滞しないキッチンシンクやダイニングテーブルは、四方からぐるりと一回りできるように配置。料理中に家族が冷蔵庫を開けても、スムーズに動けるよう計算されています。
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- シンク下に食材を集約し、保存容器でワンタッチ管理
- 鍋やフライパンはコンロ下に集約、ケースなどで細かく仕切る
- よく使う食器は1段目の引き出しだけで完結する量にする
- カトラリーを統一すると、少ない量で済む
- 濡れたスポンジを干して隠せる収納
- シンク脇にコンセントを特注、ホットプレート・ブレンダー・スマホ充電にも便利
このように、機能面でも見た目でも、たくさんの工夫がされています。
リビングにものを持ち込まない!玄関だけで完了する仕組み
山田さんの家がスッキリ保たれている大きな要因は、玄関からリビングまでの動線上で、モノが整理されていく仕組みが完璧に整っているから。「なるべくモノをリビングに持ち込まないようにしている」という言葉どおり、玄関から奥に進むにつれて、その行動に合わせて必要な道具や収納が順番に並んで設置されています。
必要なものが順番に配置されているので、奥に進むにつれて定位置にものが収まっていく形式。リビングに余計なものが持ち込まれないような仕組みになっています。
「洗う→干す→しまう」が一か所で完結!最強のランドリー動線
ランドリースペースは、洗濯・干す・ベランダへ出る・たたむ・収納がすべてここだけで完結する“家事ラク空間”になっています。移動の負担が大幅に減り、忙しい日でも洗濯が滞りません。
理想のサイズでオーダーした洗面室の収納
洗面室の鏡裏収納はあえて奥行きを浅くし、前後に重ねて並べないことで取り出しやすさを優先。背面収納にはタオル、ストック用品、ドライヤー、掃除用具などをまとめて収納しています。理想のサイズに合わせてオーダーした収納により、快適さを実現しています。
また、掃除機の置き場を洗面室にすることで、掃除のハードルを下げる工夫も。髪の毛が落ちやすく頻繁に掃除したい場所だからこそ、気付いたらすぐに取りかかれるようになっています。
リビングには、お気に入りを楽しむコーナーも
リビングのテレビ横には、山田さんの“お気に入りコーナー”が。シンプルな空間のなかにも好きなものを少しだけ飾ることで、暮らしに温度感が生まれています。
また、下がり天井には扉をつけず、くぐって入る遊び心も。目線より下に天井があるため、奥が見えず、自然に生活感を隠せる工夫になっています。
自然素材とオーダー家具で、心地よさと機能性を両立
床はカラーモルタル、壁はしっくいの自然素材により、湿度調整ができて、見た目にも優しいつくりです。また、子ども用本棚は子どもの目線の高さに合わせてオーダー。子どもの手が届きやすいサイズで、片付けの習慣化にも役立っています。
空間を広く見せるポイントは、カラーを絞って目線を遠くへ飛ばすことです。
- 天井・壁・床・家具の色を統一
- 天井を高めに取り、奥に背の高いグリーンを置いて、視線を遠くへ誘導
これらの「視線デザイン」により、外国の家のような抜け感のある広さを演出しています。
まとめ
山田さんのご自宅は、“回遊動線”を重視した家族みんなに優しい住まい。考え抜かれたサイズや配置は、毎日の暮らしをすっきり軽やかにしてくれるヒントにあふれていました。
築50年をフルリノベ!能登屋英里さんのルームツアー
北欧ヴィンテージ×ブルックリンスタイル!“好き”を集めた心地よい家
能登屋英里さんのご自宅は、北欧ヴィンテージの温かさと、ブルックリンスタイルの無骨で大人なカッコよさが絶妙に混ざり合う空間です。以前、アパレルでディスプレイを担当されていた経験もあって、“見せる”収納が大得意。「好きなものに囲まれて暮らしたい」という思いを軸に、限られたスペースでも工夫を重ね、くつろげる空間をつくりあげています。
“くつろげる”を最優先に!家族が集まるリビング
リビングは家族みんなでくつろげることを重視し、大きめのソファとラグを配置。大きなテーブルはくつろぐ邪魔になるからと、ローテーブルなどは置かずにラグを敷き、床でもゴロゴロできるようにしています。ラグマットを変えることで、部屋全体の印象をガラリと変えられるので、リビングに必須のアイテムなのだそうです。
壁を使って、自分の“好き”を追求
壁には好きなものを貼り、自分たちの世界観を表現。限られたスペースを使って、“好き”を追求されています。
おしゃれなハンギングバーは多彩に使える優れモノ
ハンギングバーは、洗濯物を干すだけでなく、植物をつるしたり空間インテリアを飾ったり、布を垂らして空間をゆるく仕切ったりするのにも便利に使えるそうです。
収納の少ない家も、工夫次第で快適に
テレビ下にボックスを並べ、例えば以下のような「使用頻度は低いけれど、必ずないといけないもの」をまとめて収納。また、あえてフタをしないボックスも置いて、“ポイっと入れるだけ”で片付く仕組みもつくっています。
子どものランドセルも“見せる”収納に!
子どもの学習デスクをダイニング近くに配置し、“ちょっとした逃げ場”として使えるように。また、ランドセルや体操着、タブレットの充電なども壁にまとめて、見せる収納として楽しんでいます。
カフェの厨房をイメージしたキッチンは「見せる× 隠す」の最適バランス
キッチンは「コックピットのように使えるカフェ厨房」がテーマ。お料理が大好きな能登屋さんの工夫とこだわりで、機能性も見た目も素敵なキッチンを実現されています。こだわりポイントをご紹介します。
キッチン吊戸棚をなくし、潔く“見せる”収納に!
身長が低いため、吊戸棚を使いづらいと判断して撤去されたそう。
奥行き深めのシンクを採用し、収納力をUP
通常のキッチンよりも奥行きの深いシンクを入れたことにより、たっぷりと収納ができるのが大きなメリットです。
作業台は、サイズやデザインをシンクに合わせてオーダー
シンクに合わせて可動式の作業台を購入。シンクのカラーやデザインに近いものを選び、シンクと高さ&奥行きを揃えたことで統一感が生まれ、能登屋さんの意図どおり「コックピット」のようなイメージに仕上がっています。
また、自分が使いやすいように図面を書いてオーダーすることで、理想のサイズや収納を実現。ダイニングにも馴染みつつ、生活感を隠すことにも役立っています。
作業台の上や壁は、上手に“見せる”収納で
よく使う一軍アイテムだけを“見せる”収納にすることで、機能面もアップ。例えば、重量のある鍋などは大きく重くて取り出しにくいですが、だからこそあえて表に出しています。また、包丁もしまいこまず壁にマグネットでディスプレイしたり、調味料は容器を統一して並べたり。デザイン性の高いキッチンアイテムなら、表に出ていてもまったく目障りになりません。
冷蔵庫の側面は、便利ステーション!マグネット収納をフル活用
はさみ、メモ、ペン、スポンジ、洗剤など毎日のように家族が使うものは、冷蔵庫の側面にマグネットで収納。家族がすぐに使える“便利ステーション”になっています。
「実用的なものを、いかに素敵に見せるかを考えるのが好き」という言葉どおり、能登屋さんのキッチンは機能性とデザイン性を見事に両立した空間です。
水回りは、1.5畳に「全部入り」でも快適に使える工夫を
洗面・トイレ・お風呂が1.5畳の小さな空間でも、能登屋さんはさまざまな工夫で快適さを実現しています。
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- ミラーキャビネットで、天井まで収納スペースを確保する
- 壁付けの棚で洗剤などをスキマ収納に
- トイレ脇にキャスター付の引き出しを設置する など
後付けの収納家具を上手に使い、必要なものを最大限に置けるよう配慮。お風呂あがりに着る下着やパジャマまで収納しています。
収納スペースゼロの子ども部屋は、“見せる”収納で楽しく演出
子ども部屋にはあえて収納BOXではなく、縦の突っ張り棒で収納スペースを確保。お気に入りグッズを飾りながら収納できるため、片付けが“楽しい”に変わる工夫です。
“部屋のように使う”ウォークインクローゼット
ウォークインクローゼットは普段は開けっぱなしで、必要な時だけロールスクリーンで仕切ります。家族全員の洋服や季節家電、スーツケースを収納しつつ、棚は可動式でフレキシブルに活用されています。
能登屋さん流“好き!”を実現して、暮らしを豊かにするコツ
能登屋さんによれば、「ちょっとしたことを知っておくだけで暮らしがとても快適になる」とのこと。知っているか知らないか、それだけで生活が劇的に変わるなら、知っておいて損はありません。能登屋さんが大切にしている、インテリアの考え方を以下にまとめました。
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- インテリアはセンスではなく“知識”
- カラーや置き方など、「うまくいく法則」があり、その法則を知ることで快適になる
- 自分の好きなものを集めると、自然にすべて馴染む空間になる
- SNSで好きな写真を集め、共通点を探すと自分の好みがハッキリする
- SNSや本からヒントを得て、自分なりの解釈で取り入れる
- 失敗してもいいから、まずはちょっと置いてみる・組み合わせてみる
- 実験した数だけ、インテリアの知識や経験が増える
まとめ
「好きなものに囲まれる暮らしは、人生を豊かにしてくれる。」という能登屋さんの言葉が、そのまま表れている素敵な空間でした。狭くても、工夫とアイデア次第で快適に暮らせる事例をたくさん見せてくれた能登屋さんの部屋づくり、ぜひ参考にしてみてください。
徹底した動線管理!むらさきすいこさんのルームツアー
スッキリ×ナチュラル!片付けのハードルを下げて、家族が笑顔になれる家
むらさきすいこさんのご自宅は、シンプルでスッキリしているのに、どこか温かいナチュラルテイストの空間。「家族がニコニコ暮らせること」をゴールに、“すぐ取り出せる・すぐしまえる・迷わない”仕組みを徹底的に追求されています。
リビングのソファ横には、小さなチェストを置いて“出しっぱなし問題”を解決
ソファに座りながら手を伸ばせる場所に小さなチェストを設置、リモコン・コード類・コースターなど、つい出しっぱなしになりがちな小物に“定位置”をつくってあげることで、すぐに片付けられるよう工夫しています。
また、リビングに入った時に最初に目に入ってくるのが、大きな黒いテレビ。この存在感を和らげるために、植物を置いて視線を散らす工夫も。さらにテレビ下には、洗濯グッズを隠して収納し、生活感を出ないようにしています。
ダイニングは、“座ったままで完結する”家族のくつろぎ空間
ダイニングは家族が自然と集まる場所。皆がくつろげるよう、座ったままで必要なものを取れる状態にしています。
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- 食事の取り皿をダイニングに置き、キッチンまで取りに行かなくても済むように
- 文房具を手の届く位置に置く
- パソコンやコード類などの仕事道具も、定位置をつくる
- 郵便物も一か所にまとめる
- 子ども専用“なんでもBOX”を設置し、散らかりと「なくした!」を防止する
キッチンは“時短”の工夫が満載!
キッチンにはムダな動き・時間を減らすための動線と、たくさんのアイデアが詰まっていました。
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- 調理道具は一軍だけを、よく使う場所に置き、探す手間を省く
- 二軍の調理器具は上の扉へ
- カトラリーも一軍と二軍に分けて収納、場所を分けることで迷いがなくなり時短に
- コーヒー関連は、フィルター・カップ・スプーンなど必要なセットを一つの引き出しにまとめる
- 鍋やボウルはすべて立てて収納
- 紙袋・ゴミ袋はファイルケースに入る量だけに絞る
- 食器は“両腕が入るくらいの余白”を確保、重ねるのは2種類までにして、取り出しやすく
このような小さな工夫の積み重ねによって、手間を省き時間を短縮できます。ものの置き場所や置き方は、片付きやすい部屋をつくるのに重要なポイントの一つです。
“検索性”の高い冷蔵庫は、探さない!迷わない!
冷蔵庫の中にも、むらさきさんらしい工夫が満載です。
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- 豆腐や納豆など“いつもあるもの”は固定の位置に
- 調味料ポケットは、中華・韓国・洋風などジャンルで分ける
- 賞味期限が近いものは専用トレーにまとめる
このように、“どこに何があるかがすぐわかる”置き方にすることで、家族全員が迷わず、探さずに使える冷蔵庫になっています。
3つのゾーンに分けた“迷わない”廊下収納
廊下には3つの収納スペースがあり、用途ごとに分けることで、探したり迷ったりせずに出し入れできる状態をつくっています。
1つ目の廊下収納
1つめの収納には比較的よく出し入れするものや書類関係を収めているので、使用頻度や滞留時間も長め。そこで、センサーライトをつけて手元を明るくし、書類を確認したり作業したりしやすいように工夫されています。
2つ目の廊下収納
2つめの収納には、マスク、内服薬など家族がそれぞれ必要な時に取り出すもののため、BOXごとにラベリングし、迷わない・探さない状態をつくっています。
3つ目の廊下収納
3つめの収納は旦那さんのものが収納されています。スーツや思い出の品など、旦那さんが好きに使える場所として独立管理されているようです。
寝室に“サードプレイス”を
寝室のタンスを処分したことで生まれたスペースに、デスクとチェアを設置し、家族のサードプレイスをつくりました。旦那さんが週末に読書したり、リビングが賑やかな時の避難場所として静かに過ごしたり、一人で集中したい作業がある時のワークスペースに使ったりと、家族それぞれが好きに使える柔軟な場所になっています。
洗面所には、“今使っているものだけ”を置く
洗面所には、“使いかけて止まっているもの”を置かないのがルール。今必要でないものは各自の部屋に戻し、現在使っているものだけを置くことで、常にスッキリした状態を保っています。
バスルームのホワイトボードが大活躍
おもしろいのが、お風呂の順番を管理するホワイトボード。家族がそれぞれの生活タイミングで暮らしていることや、お互いすれ違う場合もあることを考慮してホワイトボードと磁石を使い、お風呂の使用を可視化&情報共有しているのがナイスアイデアです。
他にも小さな工夫がいっぱい!
これまでお伝えした他にも、たくさんの技がありました。その中から、以下で2つをご紹介します。
インテリアに見える一時置き場、フック収納
リビングに洋服を持ち込まないために、玄関からの動線上にフックを設置。洗濯物の一時置き場としても使えて、仕上がった洗濯物をここにかけておくことで、自室に持ち帰ってもらえるメリットも。見た目にもおしゃれな“見せる収納”として活躍しています。
クローゼットは、ハンガーの数を厳格に決めておく
寝室のウォークインクローゼットのハンガーは、1シーズン約10本、オールシーズン合計で42本の適正量を厳密にキープ。この適正量を守ることで、洋服が増えすぎて困ることもなくなるそうです。
むらさきさん流、家族が笑顔になる片付けのコツは?
むらさきさんがもっとも大切にしているのは、“スッキリ暮らすこと”ではなく「家族がニコニコ笑顔で快適に過ごす」こと。そのために徹底しているのは次の3つです。
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- すぐ取り出せる
- 出したものをすぐしまえる
- 片付けのハードルをとことん下げる
そして、片付けがうまくいかない時は、次の2つを見直すとよいそうです。
- 何丁目・何番地まで“モノの住所”を決める
- 適正量をしっかり守る
この2つが整うと、ものが増えすぎて困ることがなくなり、快適に暮らせるようになります。
まとめ
むらさきさんのご自宅は、家族が笑顔で暮らすことを何より大切にする配慮に満ちた優しい空間でした。どの場所にも“すぐ取り出せて、すぐしまえる、迷わない”工夫がほどこされています。すっきりしているのに温かい、家族みんなが快適な家は日々の小さなストレスを減らし、自然に笑顔の時間を増やしてくれるはず。ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
片付けは、単なる家事の一つではありません。暮らしの質や心理状態まで左右するものであり、家族が仲良く快適に暮らすためにも大切なものです。
そして、片付けること自体が目的ではなく、住む人が気持よく過ごせることや、良好な家族関係をつくることこそが本当のゴール。さらに、日々の暮らしの満足度を上げ、豊かな人生を送るためにも必須のものです。ぜひご自身の好みに合わせてより快適な空間をつくり、より豊かな毎日を過ごしてください。
物件を探す
注文住宅を建てる
執筆者
菊池 まき
ライター/整理収納アドバイザー
ライター歴5年、整理収納アドバイザー歴6年。23年間勤めた広告代理店で培った企画力と表現力を土台に、「伝わる」をつくる。PR・宣伝・セールス系ライティング、200ページ超のクロージング資料企画制作、人の想いを丁寧にすくい上げるインタビュー記事などを得意とする。現場での片付けサポートをメインに、WEBでの指導やアイデア提案、PCレクチャーから旅宿検索~メルカリ出品や家具購入まで……お客様のニーズにトコトン寄り添うスタイル。また、収納グッズの監修や、暮らしにまつわる記事執筆などもおこなう。ライターは脳内整理、アドバイザーは物理空間の整理。どちらも「混乱をほどき、本質を浮かび上がらせ、理想的な形として表現する」プロセス。その営みを、言葉と空間の両軸から探求する。