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浴室乾燥機の使い方は?電気代の節約法や掃除方法、メリット・デメリットを解説

最近では、分譲マンションや賃貸物件の標準設備としてもよく目にする浴室乾燥機。集合住宅に限らず、一戸建てのマイホームで設置されるケースも増えてきていますが、なかには「本当に必要なの?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか?
実際に浴室乾燥機は、単純にバスルームの湿気を取り除くだけでなく、さまざまな機能があり便利に活用できるものです。そこで本記事では、浴室乾燥機の詳しい性能やランニングコストをはじめ、より上手に使っていくための方法についてご紹介していきます。

浴室乾燥機とは?

まずは簡単に、浴室乾燥機の種類と仕組みから見ていきましょう。

電気式

電気式の浴室乾燥機は、屋内に取り付けた機器を使い、電気によって温風を作って浴室内を乾燥させる種類です。天井や換気口などに室内機を設置するだけなので、取り付けまでのハードルが低く、初期費用も比較的抑えやすい特徴もあります。

ガス温水式

ガス温水式の浴室乾燥機は、給湯器でお湯を沸かす際に発生する熱を活用し、温風を送り出して浴室内を乾燥させる種類です。浴室乾燥専用の室外機を新しく設置する必要があるため、電気式に比べると、取り付け工事の負担が大きい一面があります。ただしガス温水式のほうが比較的温風は強く、乾燥時間を短縮しやすいのが特徴です。

浴室乾燥機の機能

浴室乾燥機にできる大まかな機能性は、主に次の4つに分けられます。

乾燥

専用の機器を使って温風を送り出すことで、浴室内や洗濯物の乾燥もできます。洗濯物の乾燥では、通常の部屋干しのように室内に湿気がこもることもなく、生乾きのイヤな匂いも防ぎやすくて便利です。

換気

浴室乾燥機には、浴場の空気を入れ換えて、湿気を取り除く機能もあります。入浴後に残ってしまう水滴を吸い取って、カビやニオイの発生を抑えバスルームを清潔に保つのに効果的です。

24時間換気

例えばマンションなど、外気を防ぐための断熱性や気密性の高い住宅では、一方で室内の空気が循環しにくい側面もあります。そこで浴室乾燥機の換気機能を使い、新しい空気を24時間自動的に取り込んで、室内の二酸化炭素や汚れが溜まるのを防ぐ使い方も可能です。

暖房&涼風

浴室乾燥機から風を送ることで、バスルームや脱衣所の室温を調整する機能もあります。特に気温が厳しい冬でも夏でも、浴室乾燥機の暖房・涼風機能を利用すれば、いつでも快適に入浴できます。

浴室乾燥機のメリット

前述したように、浴室乾燥機にはいくつもの機能があり、うまく活用していくことで次のようなメリットにもつながります。

天候を気にせず洗濯物を乾かせる

浴室乾燥機があれば、洗濯物を屋外に干さなくても簡単に乾くので、雨や強風の日でも、天候に関係なく洗濯がしやすいメリットがあります。日の当たらない夜間でも乾燥できるため、忙しい朝の家事負担を減らすのにも効果的でしょう。
また、春先などの花粉・PM2.5・黄砂といった、大気汚染が気になる場合にも便利。部屋のなかで干しておけるため、汚れや虫が付着するのを防止できるのも大きな利点です。

扱いの難しい衣類の乾燥にも使いやすい

部屋干ししたい場合には、洗濯機についている乾燥機能を使う方法もあります。しかし洗濯乾燥機だと、衣類がシワになりやすかったり、使っている素材によっては縮んでしまったりするケースも。洗濯乾燥機の場合は、服の種類次第で利用できないことがありますが、浴室乾燥機であれば大抵の衣類には対応できます。その他にも日焼けで傷みやすいニットやデニム、色落ちしやすい服といった、陰干し推奨の洗濯物にも使うことが可能。
また、下着など人に見られたくない洗濯物も浴室内で干せるため、特に女性の一人暮らしなら防犯対策ができたり、知人や友人が遊びに来る時の目隠しにしたりもできそうです。

浴室のカビ発生を予防する

お風呂に入ったあとの水滴をそのままにしていると、こまめに掃除していても、カビや水垢が溜まる原因になってしまいます。浴室乾燥機を使ってできるだけ入浴後の湿気が残らないように予防しておけば、いつでも浴室を清潔に保ちやすくて便利です。特に24時間換気をしておけば、浴室以外の部屋の空気も入れ換えられるので、住居内の全般的なカビ防止が可能。大掃除などの手間も省けるので、室内のメンテナンスも楽になりますよ。

浴室の温度を快適に保てる

特に冬場は、バスルームが寒いとなかなかお風呂に入るのが面倒に感じてしまいますが、浴室乾燥機があれば暖房機能で調整できます。特にエアコンやヒーターなどのある部屋からバスルームが離れている場合、お風呂に入ることで温度変化が激しくなるため、実はかなり危険。温度が急激に変わることで血管が大きく収縮し、心肺や脳に影響するヒートショックが起こる可能性が高くなります。浴槽内のお湯だけ熱く、脱衣所や洗い場が寒いとヒートショックになりやすく、場合によっては大きな疾患につながりかねません。ちなみにヒートショックは高齢者に起こりやすい事故でもあり、長い目で見た健康のためにも浴室乾燥機が役立ちます。

浴室乾燥機のデメリット

浴室乾燥機には便利で快適な機能がいくつもある一方で、より適切に使用していくために、あらかじめ注意しておきたいポイントもあります。特に気を付けておきたい点として、次のような一面があることも覚えておきましょう。

光熱費がかかる

もちろん電気やガスによって浴室乾燥機を稼働させる分、光熱費がかさんでしまうのはやむを得ません。もし洗濯物を乾燥させる場合、外干しすればコストはかからなくて当然です。また電気代の目安はあとで詳しく解説しますが、浴室乾燥機を利用する頻度が高ければ高いほど、光熱費には注意が必要です。

洗濯物を一度に乾かせる量が少ない

浴室乾燥機を乾かそうとすると、バスルーム内の限られたスペースにしか干せないため、1回の洗濯量が多い場合にはあまり適していません。まとめて洗うようなケースでは、外干しも活用しながら乾かさないと、何度も洗って干してを繰り返すことになるので気を付ける必要があります。

乾燥中はお風呂に入れない

当然ではありますが、浴室乾燥機を使っている間は入浴できません。そのため夜間に洗濯物を乾かしたいといった場合には、きちんと家族のバスタイムも考慮して利用しないと、逆に不便に感じてしまう可能性があります。特に同居している家族が多くなるほど、入浴の時間も頻度も増えるため、きちんと時間調整をする必要があるでしょう。

フィルター掃除の必要がある

湿気と同時に、ホコリなどの空気中の汚れも取り込んでしまうため、浴室乾燥機のフィルターにはどんどんゴミが溜まっていきます。そのまま放置してしまうと、結果的に浴室乾燥機にカビが生えてしまう危険があるので、きちんとこまめにお手入れしておかなければなりません。汚れたままになっていると、うまく機能せずに光熱費が上がってしまったり、イヤな匂いの原因になったり、逆効果になってしまう可能性もあるため要注意です。

浴室乾燥機の電気代はどれくらいかかる?

ここからは、先ほども出てきた浴室乾燥機の光熱費を大まかにシミュレーションしてみましょう。もちろん使用するメーカーや環境、機能によって料金は異なるので、あくまで目安として参考にしてみてください。

洗濯物を乾かすのにかかる電気代

浴室乾燥機を使って洗濯物を乾かす場合、大体の相場でありますが、光熱費の想定は以下のとおりです。

  • 電気式:100円~110円(浴室乾燥1回/3時間稼働)
  • ガス温水式:60円~95円(浴室乾燥1回/1.5時間稼働)

当然ながら機種によってランニングコストは変動しますが、やはり乾燥時間が短く済む分、ガス温水式のほうが少し料金は下がる傾向にあります。

洗濯乾燥機とどちらが安い?

洗濯乾燥機は、主に機内の熱をヒートポンプで温風に変えて乾かすヒートポンプ式と、除湿した高温の熱風を送り出して乾燥させるヒーター式の2種類に分かれます。なおそれぞれでかかる電気代の目安としては、以下のとおりです。

  • ヒートポンプ式:18円~32円(洗濯から乾燥)
  • ヒーター式:50円~65円(洗濯から乾燥)

いずれも浴室乾燥機に比べて、1回あたりの電気代は安く済むことがわかりました。洗濯の回数や量が多いご家庭では、洗濯乾燥機のほうが低コストで使用できます。

24時間換気にかかる電気代

浴室乾燥機の換気機能でかかる電気代として、24時間換気で年中付けっぱなしにしていても月額150円~400円程度です。契約している電力会社・地域・機種によって異なるため、料金幅はありますが、1カ月数百円ほどで済むためさほど負担にはなりません。

洗濯物が乾かない?浴室乾燥機の正しい使い方と節約方法

ではここからは、洗濯物の乾燥に使いたい場合のコツとして、コストを抑えつつ早く乾かせる方法もご紹介していきます。

浴室を乾燥させてから使う

そもそも浴室内の湿気が少なくなれば、洗濯物の水分も吸い取りやすくなるため、乾燥が早くなり電気代も節約できます。例えば入浴後の水分を拭き取ったり、換気して全体的な湿度を下げたりしておくことで、洗濯物の乾きがよくなるのでおすすめです。

衣類同士の間隔を空ける

干し方のコツとして、洗濯物同士の間隔はある程度空けておいたほうが、風が通りやすくなって乾燥も早くなります。また浴室に洗濯物を詰めすぎると、その分湿気がこもって乾きにくくなるため、天気がいい日は外干しも活用しながら乾燥させたほうが効率的です。

サーキュレーターを活用する

サーキュレーターも並行して浴室乾燥を使ったほうが、空気が循環しやすくなり、洗濯物の湿気も取り除きやすくなります。サーキュレーターなら消費電力もさほど大きくないうえに、乾燥時間が短縮できれば、浴室乾燥機の電気代節約も可能です。

フィルターを清潔に保つ

浴室乾燥機自体のフィルターに汚れが溜まっていると、空気の通り道の妨げになってしまい、循環効率が下がってしまいます。そうなると洗濯物の乾きも遅くなるので、きちんと湿気を吸い込めるように、できるだけ定期的に掃除をして、フィルターをキレイに保っておくことも大切です。

浴室乾燥機のお手入れ・お掃除方法

では以下からは、なるべく効率的に浴室乾燥機を使っていくためのメンテナンス方法も見ていきましょう。まずは、浴室乾燥機をキレイにするための必要品からご紹介します。

準備

  • 布巾、スポンジ(化学繊維でないもの)
  • 掃除機
  • 中性洗剤

布巾やスポンジは軽くこすって汚れを落とす際に使用しますが、化学繊維製だと、フィルターなどに傷が付いてしまう可能性があるので要注意。マイクロファイバーやメラミンスポンジなどは使わずに、やわらかい材質のもので掃除するようにします。また洗剤も、アルコールやカビ取り剤などで傷が付いてしまうので、中性のものを使います。また掃除機はホコリ取りに使用しますが、ゴミが目に入ったり吸い込んでしまったりするケースもあるため、ゴーグルやマスクもあったほうがより安全です。

外側(パネル)のお掃除方法

外側(パネル)に関しては、掃除機で大きめのゴミを取り除いてから、布で水拭きする程度でOKです。なるべく水気を切った布で、吹き出し口を一つずつ拭いていくと、細かな汚れもキレイに取れます。

内側(フィルター)のお掃除方法

まずは浴室乾燥機のスイッチとブレーカーを切って電源を落とし、カバーのなかにあるフィルターを取り出します。外し方は機種ごとに変わるうえに、無理に取り出そうとすると壊れてしまう危険もあるため、きちんと説明書にしたがって作業しましょう。

フィルターが取れたら、掃除機で吸える汚れは取り除き、やさしく水拭きしてキレイにします。もし汚れが取れない場合には、中性洗剤を使って洗い流し、完全に水気がなくなるまで干して乾燥。しっかりと乾ききったら、再度取り付けて完了です。

浴室乾燥機の交換・後付け方法

もし現在の自宅に浴室乾燥機を追加したかったり、既存の機器が故障したりした場合には、後付けや交換も可能です。なお具体的には、次のような方法で設置できます。

浴室乾燥機の種類と施工方法

浴室乾燥機の耐用年数は10年が目安となっており、既存の機器が付いている場合も、状態次第では交換して後付けする必要があります。例えば音や匂いに異常を感じる場合には、壊れている可能性が高く危険なので、ただちに交換を検討してください。

また新しく追加したい場合、基本的には後付けができますが、浴室の構造によっては対応できないケースも。もし後付けを考える場合には、一度専門の会社に依頼して現場を確認してもらうのが無難です。

なお浴室乾燥機はいくつかの種類に分かれるので、タイプごとにどのような形式で設置できるのか、以下で解説していきます。

天井埋め込み(ビルトイン)型

名称のとおり、天井の空きスペースにしまい込むように設置するタイプで、既存品がビルトインであればそのまま交換できます。もしくは天井に換気扇があり、機器が入り込む空間があれば、基本的には設置可能です。機器本体を天井のなかに隠せるため、見た目もスタイリッシュな特徴があります。

天井付け型

もし天井に十分な空間が確保できない場合には、天井に被せるような形で設置する天井付けとなるのが一般的です。本体が天井から出っ張るような見た目にはなりますが、さほど工事の手間がかからないメリットがあります。

壁かけ型

機器本体を壁付けするように設置するタイプで、見た目としてはエアコンのような形になります。屋外に接する壁に換気口がある場合に、そこから機器を設置するだけなので、こちらも手軽に工事がしやすい種類です。

施工のハードルが高いのは天井埋め込み型ですが、やはり本体を見せない構造にできるため、比較的ポピュラーな手法でもあります。種類や機能性なども選びやすいため、依頼先の専門会社と相談しながら、じっくり検討してみてください。

まとめ

いかがでしたか?
浴室乾燥機は、洗濯物を干す・カビを防ぐといった機能の他、バスルームを快適かつ安全な空間にするためにも役立つもの。長く住みやすい環境を作るための大切な要素にもなる設備なので、ぜひ住まい探し・新築・リフォームなどの際には、浴室乾燥機もしっかりと考慮してみてください。もちろん生活スタイルや間取りなど、さまざまな条件に応じて必要性は変わってきます。予算や設置後の活用方法なども十分に想定しながら、検討してみることをおすすめします。

執筆者

たけなつ

2019年よりフリーで活動しているWebライター。広告会社でのコピーライターを経て、現在は幅広いジャンルのコラム記事などを執筆。
愛知・東京・北海道と各地を渡り歩き、19歳からの10年で7回引っ越しを繰り返す好奇心旺盛人。

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