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固定資産税をクレジットカードで納付する方法は?メリット・デメリットも解説

固定資産税をクレジットカードで納付する方法は?
以前まで、固定資産税などの税金は現金で納付するのが一般的でした。しかし、近年ではクレジットカードで納付することもできます。クレジットカードで納付すると手間が省けたりカードのポイントを貯められたりと、さまざまなメリットがあります。そこで、本記事では固定資産税をクレジットカードで納付する手順、メリット・デメリットなどについて解説します。クレジットカードでの支払い・納付を希望する方は、ぜひ参考にしてください。

記事の目次

固定資産税とは?

そもそも固定資産税とは?
そもそも固定資産税とは?

固定資産税とは、固定資産(償却資産の総称)に対して課される地方税のことです。土地や家屋などの固定資産の所有者が、資産価値に応じて算定された税額を、固定資産の所在する市町村に納めます。例えば東京都23区内の場合は、東京都に対して都税として納税します。なお、税額の計算方法は以下のとおりです。

課税標準額 × 税率 = 税額

固定資産の評価額を基に課税標準額を決定し、原則1.4%の税率をかけた額が税額となり、場合によって減額措置が適用されることがあります。税額や納期などが記載された納税通知書は市町村から納税義務者に送付され、年4回に分けて納税するのが一般的です。

固定資産税はクレジットカードで納付できる?

固定資産税はクレジットカードでも納付できます
固定資産税はクレジットカードでも納付できます

多くの自治体で固定資産税はクレジットカードでの納付が可能です。納付方法も自治体によって定められており、クレジットカードでの納付に対応していないケースもあるため注意してください。以下では、固定資産税をクレジットカードで納付する前に押さえておきたいポイントを解説します。

クレジットカードで納付する前のポイント

クレジットカードで固定資産税を納付する前に、以下のポイントを確認しておきましょう。

自治体がクレジットカードでの納付に対応しているか確認する

まずは、固定資産税を納付する自治体がクレジットカード払いに対応しているかを確認しましょう。多くの自治体では、2023年より地方税のクレジットカード納付が可能となっています。ただし先述のとおり、一部対応していない自治体もあるため注意が必要です。

クレジットカードでの納付に対応している自治体の一例

固定資産税のクレジットカード納付に対応している自治体は多数あります。

  • 【東京都】23区・立川市・多摩市・府中市
  • 【埼玉県】さいたま市・春日部市・鴻巣市・富士見市
  • 【千葉県】千葉市・船橋市・浦安市・市川市
  • 【神奈川県】横浜市・川崎市・相模原市・藤沢市
  • 【茨城県】取手市・水戸市・つくばみらい市・稲敷市
  • 【栃木県】宇都宮市・栃木市・小山市・下野市
  • 【京都府】京都市・宇治市・舞鶴市・向日市
  • 【群馬県】高崎市・前橋市・伊勢崎市・桐生市
  • 【愛知県】名古屋市・豊田市・みよし市・岡崎市
  • 【宮城県】仙台市・石巻市・名取市・丸森市
  • 【滋賀県】大津市・草津市・近江八幡市・彦根市 など

詳しくは各自治体のホームページ等を確認してみましょう。

口座振替停止の手続きをおこなう

固定資産税をクレジットカードでの納付に切り替える際、納付方法の変更手続きをおこないましょう。口座振替にしている場合は自治体に連絡し、口座振替停止の手続きが必要です。口座振替停止の手続きが完了次第、納付書が届き、クレジットカードでの納付手続きが可能となります。

固定資産税をクレジットカードで納付する方法は?

固定資産税をクレジットカードで納付する方法
固定資産税をクレジットカードで納付する方法

固定資産税をクレジットカードで納付するには、具体的にどのような手順を踏めばよいのでしょうか。以下で、クレジットカードの納付方法を解説していきます。

Step 1. 固定資産税納付書を準備する

固定資産税を納付するのに必要な「固定資産税納付書」は、各自治体から毎年4月、5月頃に発送されます。第1期から第4期まで4回に分割して支払う場合の納付書4枚と、一年分を一括で支払う場合の納付書1枚、計5枚の納付書が封入されています。希望する納税方法に合った納税書を使用しましょう。万が一納付書を紛失してしまった場合は再発行が可能なので、各自治体へ問い合わせましょう。

Step 2. 自治体のホームページから、クレジットカード納付用のサイトにアクセスする

自治体ごとにクレジットカードで納付できる税金が異なるため、固定資産税の納付がクレジットカードの納付が可能であるか確認することからはじめましょう。また、納税の手続きをおこなうサイトも自治体によって異なります。自治体のホームページから、「地方税お支払サイト」などのクレジットカード納付専用のサイトにアクセスして納付手続きを進めましょう。

Step 3. 納付情報を入力する

クレジットカード納付専用サイトにアクセスしたら納付情報を入力しましょう。納付書にQRコードがある場合は、スマートフォンや二次元コードリーダーなどを使って読み取ると納付情報の入力の手間が省くこともできます。

Step 4. カード情報を入力する

次に、支払いに利用するクレジットカードを用意して、クレジットカード情報を入力します。カード情報に誤りがないか、納付額が間違っていないかを確認したうえで、納付手続きを実行しましょう。なお、取り扱い可能なクレジットカードブランドが限られている可能性があるため、手続きを進める前にあらかじめ確認が必要です。

固定資産税をクレジットカードで納付するメリット

固定資産税をクレジットカードで納付するメリット
固定資産税をクレジットカードで納付するメリット

固定資産税をクレジットカードで納付すると、さまざまなメリットがあります。

時間・場所を選ばず納付できる

従来の現金での納付の場合、役所の窓口で納付手続きをおこなう必要があったり、銀行口座への振り込みが必要でした。一方、クレジットカードで納付すると、スマートフォンやPCから、いつでも納付することが可能です。また、多額の現金を持ち運ぶ必要もないためリスクを防げるでしょう。

クレジットカードのポイントが貯まる

一部のクレジットカードで固定資産税の納付をすると、買い物などで利用できるポイントを貯めることが可能です。固定資産税はまとまった額を支払うケースもあるため、ポイント還元率の高いクレジットカードを活用すれば、一度にたくさんのポイントを獲得できる場合があります。

現金の手持ちがなくても納付できる

クレジットカードで支払うことで、現金を用意せずに納付することが可能です。固定資産税の納付には期限が設けられていますが、現金を期日までに用意できないこともあるでしょう。期日を過ぎてしまうと、延滞金が加算されるだけでなく、信用情報に傷がついてしまう可能性もあります。クレジットカードで納付をすれば、すぐに現金を用意する必要がなくなり、期日までに支払えないリスクを避けることができるでしょう。

家計管理が簡単になる

クレジットカード納付にすることで、家計管理が簡単になります。普段の買い物でクレジットカードを活用している場合、固定資産税やその他税金もクレジットカードで支払えば、利用明細で閲覧することができます。日々の支払いとあわせて固定資産税の支払い額も一度に確認ができれば、家計管理が楽になるでしょう。

分割払いなどの支払い方法も選べる

従来の固定資産税の納付は、年4回に分けた支払い、もしくは一括払いが一般的でした。しかし、クレジットカードで納付することで、4回より多い回数の分割払いやリボ払いにも変更できます。そのため、固定資産税の納付によって家計が圧迫される場合には、無理のない支払い額に調整できるでしょう。ただし、カード会社によって手数料が発生するケースがあるため、事前の確認が重要です。

固定資産税をクレジットカードで納付する注意点

固定資産税をクレジットカードで納付するデメリット
固定資産税をクレジットカードで納付するデメリット

ここからは、固定資産税をクレジットカードで納付する際の注意点について解説します。

システム利用料(手数料)がかかる

固定資産税をクレジットカードの納付にすることで、納税額に応じたシステム利用料がかかります。東京都の場合、1万円までは37円、以降1万円ごとに75円(消費税別)が加算されます。手数料の金額は自治体によって異なるほか、固定資産税額が上がるほど手数料も高くなる傾向にあるため、シミュレーションしたうえでクレジットカード納付が適切かどうか判断することが大切です。

納税証明書の発行に時間がかかる

クレジットカードで納付する場合は、通常よりも納付情報の反映に時間がかかります。そのため、納付後すぐには納税証明書が発行されない点に注意しましょう。納税証明書は、住宅ローンの審査や自治体のサービス利用時などに提出を求められるケースがあります。納税証明書が必要になる予定を控えている場合には、発行までにどれくらいの日数を要するのかあらかじめ確認し、早めに手続きを進めておきましょう。すぐに証明書が必要な場合は、コンビニや金融機関の窓口での納付方法に変更することをおすすめします。

領収書が発行されない

クレジットカードで納付する場合、領収書は発行されません。固定資産税を経費計上するなど領収書が求められる際は、領収書が発行される納付方法に変更するか、領収書の代わりとなる利用明細を控えておきましょう。

固定資産税以外にクレジットカードで納付できる税金

固定資産税の他にもクレジットカードで納付できる税金があります
固定資産税の他にもクレジットカードで納付できる税金があります

クレジットカードでの納付が可能な税金は、固定資産税だけではありません。以下のとおり、さまざまな税金がクレジットカードでの納付に対応しています。

【国税】

  • 申告所得税及び復興特別所得税
  • 消費税及び地方消費税
  • 法人税(連結納税を含む)
  • 地方法人税(連結納税を含む)
  • 相続税
  • 贈与税
  • 源泉所得税及び復興特別所得税
  • 申告所得税
  • 復興特別法人税(連結納税を含む)
  • 印紙税
  • 登録免許税(告知分のみ)
  • 消費税
  • 酒税
  • たばこ税
  • 石油税 など

【地方税】

  • 市民税・都民税・森林環境税(普通徴収)
  • 都市計画税
  • 軽自動車税(種別割)
  • 国民健康保険税
  • 法人市民税・法人都民税
  • 事業所税
  • 市たばこ税 など

地方税の対象税目は、自治体ごとに異なります。以上のような税目の納付が必要な場合には、クレジットカード納付を活用してみましょう。

固定資産税のクレジットカード納付に関するよくある質問

固定資産税をクレジットカードで納付する際によくある質問
固定資産税をクレジットカードで納付する際によくある質問

最後に、固定資産税のクレジットカード納付に関するよくある質問について回答していきます。

固定資産税はクレジットカードで納付できる?

クレジットカードでの納付は可能です。納付先は自治体となり、納付方法は自治体ごとに定められています。クレジットカードでの納付に対応していない自治体もあるため、事前に確認しておきましょう。口座振替にしている場合は口座振替停止の手続きが必要です。

固定資産税をクレジットカードで納付するメリットは?

クレジットカード納付は時間や場所を選ばず、また現金の手持ちがない場合でも対応できる点が大きなメリットでしょう。また、クレジットカードでの支払いはポイントが貯まるケースが多く、固定資産税の納付も例外ではありません。その他、利用明細を確認することで支出管理がしやすく、生活費を含めた家計管理が容易になります。月の支払いが厳しい場合には、分割払いやリボ払いにするのも一つの方法です。ただし、分割払いやリボ払いでは、手数料・利息がかかる可能性があるため、慎重に判断しましょう。

固定資産税をクレジットカードで納付する注意点は?

固定資産税をクレジットカードで納付する際は、システム利用料(手数料)がかかる点や、納税証明書の発行に時間がかかる点、領収書が発行されない点に注意が必要です。システム利用料は納税額に応じて異なり、自治体によっても異なるためあらかじめ確認しておきましょう。納税証明書や領収書が必要な場合は、一時的に納付書による現金の支払いに変更するか、クレジットカードの利用明細を用いるなどの対策が必要です。

まとめ

クレジットカード納付は、金額の大きな固定資産税などの支払いに便利な方法です。自治体によって異なるものの、クレジットカード納付に対応する自治体は増えつつあります。現金での納付と比べてメリットもあるため、注意点を理解したうえで上手に活用しましょう。

阿孫 沙綾

執筆者

阿孫 沙綾

不動産エージェントおよびWebディレクター兼ライターのフリーランス。8年間で不動産売買・賃貸の仲介業、実需や収益不動産の仕入れ・販売業務を経験し、現在は個人エージェントとして活動中。また、幅広いジャンルの不動産業務に携わった経験を活かし、不動産・宅建ジャンルを中心に執筆や編集も行う。

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