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固定資産税がおかしいと感じる原因は?6つの対処方法を徹底解説

固定資産税の明細書を見て違和感を覚えた時は確認を怠らないようにしましょう
固定資産税の課税明細書を見て、おかしいと感じた方もいるかもしれません。土地や建物にかかる固定資産税は状況によって変動し、さまざまな制度が存在するため、仕組みを知らなければ違和感を覚える人も多い税金です。基本的には、勘違いや誤解であることが多いですが、なかには自治体側で課税ミスだったケースもあります。

本記事では、固定資産税がおかしいと感じる主な原因と、具体的な対処方法をわかりやすく解説します。記事を読むことで、それぞれが抱いた固定資産税の違和感を解決する助けになることでしょう。

固定資産税の仕組みと計算方法

固定資産税の仕組みと計算方法を解説します
固定資産税の仕組みと計算方法を解説します

固定資産税をおかしいと感じる理由を詳しく説明する前に、税金の仕組みと計算方法などの基礎知識を押さえておきましょう。

評価額と決定方法

固定資産税の評価額とは、土地や建物がどれくらいの価値を持つかを市区町村が決めた金額のこと。土地は実際に売買された価格である売買実例価額を参考にされます。また、建物は同一の建築物を同じ場所に建設する費用である再建築価格を参考に評価されます。

土地・建物の固定資産税の評価額は、3年ごとに見直される仕組み。課税標準額は1月1日時点の資産価値で決定し、固定資産課税台帳に登録されます。課税標準額は基本的に評価額と同一になりますが、特例措置が適用されている場合は減額される点に留意しましょう。

計算方法

固定資産税は、土地や建物の評価額に税率をかけて求めます。よって、計算式は次のとおり。

固定資産税額 = 評価額 × 標準税率

税率は1.4%であることが多いですが、自治体によっては異なる税率が適用されることも。また、軽減措置によっては評価額だけでなく、税金の計算結果から固定資産税が減額される可能性もあります。

固定資産税がおかしいと感じる原因

固定資産税がおかしいと感じる原因を紹介します
固定資産税がおかしいと感じる原因を紹介します

固定資産税がおかしいと感じる原因を以下にまとめました。それぞれ詳しく見ていきましょう。

築年数が経過すると評価額も下がると思っている

建物は年数が経つほど価値が下がるため、本来であれば固定資産税の評価額も減少すると考えられます。しかし、近年では築年数が経過しても評価額がほとんど変わらないケースも増えています。

人件費や材料費の上昇によって建築費が大きく高騰している状況が続いています。建築費が上がると、建物の固定資産税評価額の基準になる再建築価格も上昇します。本来であれば築年数の経過により評価額が下がりますが、建築費が上昇すれば評価額の下落幅は小さくなるでしょう。

建築費が上昇しているタイミングでは、築年数による評価額の減少に対して、建築費の高騰の影響が大きくなります。よって、評価額が下がらないことに疑問を持つ人が多くいます。

市場価格とかけ離れた金額で購入した

固定資産税は購入価格を基準に計算される税金ではなく、公的な評価に基づいて税額が決定されます。そのため、評価額の算出で参考にする市場価格と実際の購入価格がかけ離れるケースもあります。需要が集中するエリアでは、取引価格が急上昇しやすく、相場とかけ離れた価格で購入してしまうことも少なくありません。

そのため、市場価格と購入価格がかけ離れているケースでは、自身が考えているよりも固定資産税が極端に安くなりやすいです。土地の固定資産税評価額は、市場価格の70%程度が目安。仮に市場価格が2,000万円であれば、評価額の目安は1,400万円です。

しかし、実際の購入価格が2,500万円の場合、想定される評価額の目安は1,750万円になることから、実際の評価額と350万円ほどのズレが生じることになります。購入価格と市場価格が同一であると考えていると、固定資産税の計算に違和感を覚える可能性があるでしょう。

住宅用地の特例措置の適用状況が変わった

住宅用地の特例は、住宅が建つ土地の税負担を大幅に軽減する制度です。土地の評価額を大幅に引き下げる制度であり、税額にも大きく影響します。住宅用地は広さによって、小規模住宅用地と一般住宅用地に分けられ、固定資産税の課税標準額を以下のとおりに軽減する仕組みです。

住宅用地の種類 条件 課税標準額を
減額する割合
小規模住宅用地 200平方メートル以下の部分 6分の1
一般住宅用地 200平方メートルを超える部分 3分の1

建物を解体した場合や土地の用途を住宅から店舗などに変更した場合、住宅用地の特例措置の適用から外れます。特例の適用状況が変化すると、昨年よりも税額が大幅に上昇する可能性も。税額が急に変動した原因がわからない場合は、住宅用地の特例の適用状況を確認しましょう。

新築住宅に係る税額の減額措置の適用期間が終わった

新築住宅に対する固定資産税の減額措置は、住宅の建築促進を目的とした制度です。新築の一戸建て住宅にかかる固定資産税が3年間、2分の1に減額されます。しかし、軽減措置が終了すると翌年度からは軽減前の税額が通知されるため、税負担が大きく上昇したように感じるかもしれません。

申請が不要であるため、減額措置が適用されていた事実を認識していない人も多いです。正確には固定資産税額が増えたのではなく、減額されていた税額がもとに戻った状況にあります。

負担調整措置が適用されている

地価が下がっても固定資産税が高くなる理由は、負担調整措置の適用が考えられます。負担調整措置とは、固定資産税の評価額と実際の税負担のバランスを調整する制度です。固定資産税の負担が重い地域は、税額を据え置く、もしくは引き下げる方向で調整されます。

一方で、負担水準が低い土地では、固定資産税が引き上げられます。地価が下がっていても、負担水準が低い土地では、税額が上がる可能性があるでしょう。よって、負担調整措置の適用により税額が上がることに違和感を覚える場合があります。

災害による損傷を自治体に申告していない

災害によって建物が損傷した場合、本来であれば建物の価値が低下するため、固定資産税の評価額にも影響します。しかし、市区町村が損傷の状況を把握できていない、所有者が申告していない場合は、災害前の状態のまま評価が継続されます。

課税された固定資産税を減額・免除するには、市区町村に被災の事実を証明する書類の提出が必要です。他の固定資産税の措置とは異なり、申請しなければ反映されないため、減免を受けるための手続きをおこないましょう。

特定空き家に指定されている

空き家を放置していると、市区町村から特定空き家に指定されることがあります。特定空き家に指定されると、住宅用地の特例措置の対象でなくなるため、土地の固定資産税が大幅に上がります。住んでいない家の固定資産税が急に高くなった場合は、特定空き家の指定が原因かもしれません。

特定空き家に指定されないためには、空き家を適切に管理する必要があります。また、特定空き家に指定された場合は、建物の倒壊が懸念される状況にあることも。税額の上昇以外にも問題を抱えている可能性があるため、早めに対処するようにしましょう。

自治体が課税ミスをしている

固定資産税をおかしいと感じる理由のほとんどが、納税者自身の確認や知識が不足していることが原因です。しかし、固定資産税の実務では、自治体の課税ミスが一定数存在している事実があります。年間に1度でも税額修正をした自治体は9割を超えるため、ほとんどの自治体で起こっていると考えられるでしょう。

一方で、修正者数は1%にも満たないことから、課税ミスが発生する可能性は低いです。しかし、確率が低くても、自身が該当してしまう可能性はゼロではありません。すべての原因に心あたりがない場合のみ、自治体の課税ミスを疑いましょう。

固定資産税がおかしいと感じた場合の対処方法

固定資産税がおかしいと感じた場合の対処方法を解説します
固定資産税がおかしいと感じた場合の対処方法を解説します

固定資産税がおかしいと感じた場合は、以下の対処方法を実施するようにしましょう。それぞれの手順とポイントをわかりやすくまとめました。

固定資産税の課税明細書を確認する

固定資産税に違和感を覚えた時は、課税明細書を丁寧に確認しましょう。固定資産税の課税明細書には、土地や建物ごとの評価額、課税標準額、住宅用地の特例の適用状況など、税額の根拠となる情報がすべて記載されています。特に固定資産税に関する措置の適用状況によって税額は大きく変化します。

違和感を持つほど税額が変わっている場合は、特例となる措置の適用状況を重点的に確認するようにしましょう。課税明細書に記載されている内容を整理し、疑問点を一つずつ確認すると、税額の根拠を理解しやすくなります。

市区町村の税務課に問い合わせる

課税明細書を確認しても固定資産税に対する疑問が解決しない場合は、市区町村の税務課に問い合わせましょう。課税明細書だけでは判断しにくい部分でも、担当者から評価の根拠や、特例の扱いに関して説明を受けられます。

また、問い合わせによって、誤りがあったことが確認できる場合もあるでしょう。自身で疑問を解決できない場合や、自治体の課税ミスが疑われる場合は、問い合わせで疑問を解決するようにします。疑問点を箇条書きにまとめてから連絡すると、よりスムーズに確認できます。

固定資産税の審査申出をおこなう

課税明細書を確認して、自治体に問い合わせをしても固定資産税の課税内容に不満がある場合、固定資産税の評価額に対して審査申出をおこなうことができます。固定資産税の審査申出は、市区町村の決定した評価額が妥当でない時に活用できる制度です。納税通知書を受け取ってから3カ月以内に申請する必要があります。

評価額が実際の建物や土地の状況と一致していない場合や、算定方法に誤りがある場合は、申請内容が認められて税額が修正される可能性もあるでしょう。固定資産税の審査申出は、一定の専門性が求められる手続きですが、評価の誤りを正せる制度です。手続きに迷う場合は、税理士などの専門家に相談して手続きの準備を進めましょう。

用途や面積に変更がある場合は随時申告する

固定資産税は、土地や建物の用途や面積が変わると税額にも影響が出ます。変更があった場合は必ず市区町村へ申告する必要があります。変更を申告しなければ、実際の利用状況と評価が一致せず、適切でない税額が通知されることも。

適正な課税を受けるためには、変更の事実を自治体へ報告し、評価内容の更新を依頼します。万が一、申告を忘れた結果、固定資産税額がおかしくなった場合は、すぐに申告するようにしましょう。

災害による損傷は減免制度を利用する

台風・地震などで建物が損傷した場合は、固定資産税の減免制度を利用できます。建物が壊れて修繕が必要な状態になれば価値が下がるため、税負担も軽くなる仕組みです。減免制度は、被害の程度に応じて税額が軽減されますが、申請しなければ被害に遭う前の状態を基準に課税されます。

被害に遭った場合は、市区町村の税務課に早めに申請するようにしましょう。また、災害の影響で納税が難しい場合は、固定資産税の納税に猶予を与えられることも。災害で納付に困っている場合は、市区町村に相談すれば解決できる可能性があります。

税理士などの専門家に相談する

固定資産税の誤りを正確に指摘するためには、専門的な知識が必要です。そのため、自身の判断に不安がある場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。知識を有する専門家であれば、評価の誤りや特例の漏れを正確に判別できます。

必要に応じて審査申出や修正手続きのサポートも受けられるため、自身で解決できない場合は専門家の力を借りることで、税額を適正な状態に正すことができるでしょう。

固定資産税が発生する家屋・土地を手放す方法

固定資産税が発生する家屋・土地を手放す方法を紹介します
固定資産税が発生する家屋・土地を手放す方法を紹介します

固定資産税がおかしいと感じている人のなかには、税額が適正かどうかという点よりも、使っていない建物・土地に対して税額が発生している状況に違和感を持つ人も少なくありません。管理をおろそかにすると特定空き家に指定されるリスクが高くなり、固定資産税が大きく増額する可能性があります。

将来的に使用する予定がなければ、建物・土地を手放すことで固定資産税の負担を回避できます。ここでは、固定資産税が発生する建物・土地を手放す主な方法を紹介します。

不動産会社の仲介で購入希望者を見つける

固定資産税の負担を減らすために建物や土地を手放したい場合は、不動産会社に仲介を依頼して購入希望者を探す方法が一般的です。古い家や空き家でもリフォームを前提にした購入を検討する買い手に出会える可能性があります。複数の不動産会社に相談して、売却できるかどうかを判断するといいでしょう。

不動産会社の仲介による売却は、時間がかかることもあります。ただし、適正価格で売却できる可能性が高いため、最初に検討したい選択肢です。

更地にして売却する

古い建物が残っている土地は、そのままでは購入希望者が見つかりにくい場合があるため、更地にして売却する方法が取られることもあります。空き家を残したまま販売するよりも、土地のまま販売したほうが、買い手は自由な用途で活用しやすいことから、需要が高まりやすいです。

ただし、建物を解体すると住宅用地の特例が外れ、固定資産税が上がる点には注意が必要です。タイミングも重要になるため、不動産会社と相談したうえで、更地にして売却する手段を検討したほうがいいでしょう。

空き家バンクに登録する

空き家を手放す場合は、自治体が運営する空き家バンクに登録する方法もあります。空き家バンクは、移住希望者や古民家に興味がある人へ物件情報を紹介する仕組みです。一般的な不動産市場とは異なる需要にアプローチできるため、修繕が必要なほど建物が古くても買い手が見つかる可能性があります。

不動産会社に買取を依頼する

固定資産税の負担を減らすために早く物件を手放したい場合は、不動産会社に買取を依頼する方法が確実です。仲介では買い手が見つかるまで時間がかかることがありますが、買取であれば不動産会社が直接買主となるため、短期間で売却手続きを完了できます。

物件の状態が悪くても買い取ってもらえるケースが多いため、空き家や老朽化した住宅でも手放しやすいでしょう。仲介に比べて売却額は下がりやすいものの、早く売却したい場合に有効な選択肢です。

不動産の有償引き取りサービスを依頼する

不動産の有償引き取りサービスは、市場流通が困難な物件を確実に処分できる手段です。一定の費用を支払うことで引き取り先を確保できます。費用はかかりますが、サービスにかかる費用は一時的です。一方で、固定資産税の負担は物件を保有する限り続きます。利用していない建物・土地の保有を続けて、税金や管理費が増え続けるリスクを考えれば、メリットのあるサービスと考えられるでしょう。

まとめ

固定資産税がおかしいと感じる原因についてまとめました。

固定資産税が高すぎておかしい場合の原因は?

固定資産税が高いと感じる原因には、建築費の高騰や購入価格と市場価格のズレが影響している場合があります。特例の適用状況を正しく把握できていない場合も、勘違いの原因になるでしょう。課税明細書を確認し、わからない場合は市区町村の税務課に問い合わせることでおおよその原因を特定できます。

自治体が課税ミスをする可能性はある?

自治体による課税ミスが発生する可能性もありますが、それほど高くないと考えられるため、まずは課税ミス以外の要因から考えるほうがよいでしょう。誤りを指摘する前に、課税明細書をよく確認してから市区町村に相談するようにしましょう。

使っていない建物・土地に課税される状況を避けるには?

使っていない建物・土地でも所有している限りは固定資産税が課されるため、売却によって手放すことが有効です。有償引き取りサービスもあるため、できる限り早く手放すことで固定資産税の負担を回避できます。

固定資産税がおかしいと感じる理由の多くは、制度への理解不足や特例の適用状況の変化によるものであり、必ずしも誤課税とは限りません。税額へ大きく影響する要因は複数あるため、知識がない状態では誤解が生じやすくなります。

ただし、課税ミスが発生する可能性はゼロではないため、違和感を覚えた時は、課税明細書の確認をおこない、市区町村に問い合わせましょう。必要に応じて税理士などの専門家に相談したうえで、審査申出をおこなうことで適正な課税を期待できます。

長谷川 賢努

執筆者

長谷川 賢努

AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士

大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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