2018年4月に放送され、大きな話題を呼んだドラマ『おっさんずラブ』が、満を辞してスクリーンによみがえる。田中圭演じるポンコツサラリーマンの“はるたん”こと春田と、林遣都演じるドSなエリート後輩・牧。二人が一緒に暮らすのは、『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』でも変わることなく、春田の実家である一軒家だ。「ドラマのときと違わないようにつくろうと、心がけていた」という美術監督の丸山信太朗さんが一番大切にしていたのは、ドラマファンの期待を裏切らないことだった。
“実家っぽさ”が漂う、ごちゃごちゃ感を演出
結婚願望はあるが、まったくモテない実家暮らしの春田は、母が不在の家で後輩の牧とルームシェアをしている。ドラマ『おっさんずラブ』では、様々な試練を乗り越えて永遠の愛を誓った春田と牧。そんな幸せもつかの間、春田は海外転勤となる。劇場版では、春田が1年後に帰国したその後が描かれる。二人が暮らす春田家については、細かい場所設定は決められていなかったという。ちなみに“勤め先の天空不動産東京第二営業所は、なんとなく調布近辺”なのだとか。
春田の実家は春田が子供の頃から暮らしていた、少し年季の入った一軒家だ。
「家のなかは“実家っぽさ”を出したかったので、わりとごちゃごちゃした感じに飾っています。実家って、木彫りの熊や飾り駒、信楽焼のタヌキの置物とか、一体誰が買ってきたんだろう?と思うような、でもなんだか捨てられないものってよく置いてありますよね。珍しいものというよりかは、そういったどこかへ行けば買えそうな、よく目にするものを集めました。また、母の幸枝(栗田よう子)は旅行が好きなので、お土産で買ってきたような小物も置いてあります。特に沖縄が好きなので、いろんなシーサーを飾りました。きっと何度行ってもシーサーを買ってきてしまうんでしょうね(笑)」
春田の実家は春田が子供の頃から暮らしていた、少し年季の入った一軒家だ。
「家のなかは“実家っぽさ”を出したかったので、わりとごちゃごちゃした感じに飾っています。実家って、木彫りの熊や飾り駒、信楽焼のタヌキの置物とか、一体誰が買ってきたんだろう?と思うような、でもなんだか捨てられないものってよく置いてありますよね。珍しいものというよりかは、そういったどこかへ行けば買えそうな、よく目にするものを集めました。また、母の幸枝(栗田よう子)は旅行が好きなので、お土産で買ってきたような小物も置いてあります。特に沖縄が好きなので、いろんなシーサーを飾りました。きっと何度行ってもシーサーを買ってきてしまうんでしょうね(笑)」
春田は、自分から何かをやるタイプではなく、ちょっとだらしない人。食事や洗濯など家事全般は母にまかせっきりだったため、キッチンやダイニングはお母さんのスペースと感じられるよう、温かみのある感じに仕上げた。木目調の家具を多用したキッチンとダイニングは、ものは多いが、どこかきちんと片付けられている。春田が香港で暮らしている間、きれい好きの牧が整理整頓を怠らなかったに違いない。
「牧はしっかりものなので、無駄なものは買わずあるものをちゃんと使うタイプだろうと思ったので、(ドラマで)ルームシェアしはじめてからも、お揃いの食器を増やしたりしたくらいで、大きな変化はつけませんでした。2階に寝室があるので、そこに牧の持ち物はあるだろうし、春田のお母さんもたまに帰ってくるので、1階には私物はそんなに置かないだろうと。劇場版でも、1階に牧の持ち物を増やすことはしませんでした」
「牧はしっかりものなので、無駄なものは買わずあるものをちゃんと使うタイプだろうと思ったので、(ドラマで)ルームシェアしはじめてからも、お揃いの食器を増やしたりしたくらいで、大きな変化はつけませんでした。2階に寝室があるので、そこに牧の持ち物はあるだろうし、春田のお母さんもたまに帰ってくるので、1階には私物はそんなに置かないだろうと。劇場版でも、1階に牧の持ち物を増やすことはしませんでした」
映画の美術もドラマ版と同じチームによってつくられている。デザインを加藤周一さん、装飾を安部俊彦さんが担当し、丸山さんと3人で打ち合わせをしながらつくられていった。加藤さんは主に天空不動産とクライマックスに登場する倉庫のデザインを、安部さんは、主に小道具全般を手がけている。
丸山さんにとっても、ドラマファンの応援を肌で感じた撮影になったという『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』。「花火のシーンでは、ドラマのファンの方がエキストラとして集まってくれて、寒いなか夜中までいてくださったんです。すごくいいシーンになったので、ぜひ劇場でご覧いただきたいです。また、美術的には爆破シーンのある倉庫に注目してもらえるとうれしいです。映画になったから、爆破シーンをつくるというのもちょっと分かりやすいなと思ったんですけど、変に考えさせないところが『おっさんずラブ』のいいところだなと(笑)」
丸山さんにとっても、ドラマファンの応援を肌で感じた撮影になったという『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』。「花火のシーンでは、ドラマのファンの方がエキストラとして集まってくれて、寒いなか夜中までいてくださったんです。すごくいいシーンになったので、ぜひ劇場でご覧いただきたいです。また、美術的には爆破シーンのある倉庫に注目してもらえるとうれしいです。映画になったから、爆破シーンをつくるというのもちょっと分かりやすいなと思ったんですけど、変に考えさせないところが『おっさんずラブ』のいいところだなと(笑)」
映画の美術助手としてこの世界に入った丸山さんだが、テレビドラマの美術に携わり20年ほど、映画をやる機会はなかったという。丸山さんにとって、今作は映画での美術監督デビュー作でもある。
「連ドラから映画化までいくような番組に出会えるといいなと思っていたけど、唐突にその機会がやってきました(笑)。『おっさんずラブ』の映画化はすごくうれしかったし、撮影もすごく充実していました。演者さんも気合が入っていたので、ときには瑠東東一郎監督、貴島彩理プロデューサー、田中圭さん、林遣都さんで話し込むこともあったけど、スタッフ全員が『4人が納得いくまで話し合ってほしい』と撮影を中断して待つことも出来た。チームが出来上がっていて、笑いが絶えず最後は涙で終わった、とても良い現場でした」
「連ドラから映画化までいくような番組に出会えるといいなと思っていたけど、唐突にその機会がやってきました(笑)。『おっさんずラブ』の映画化はすごくうれしかったし、撮影もすごく充実していました。演者さんも気合が入っていたので、ときには瑠東東一郎監督、貴島彩理プロデューサー、田中圭さん、林遣都さんで話し込むこともあったけど、スタッフ全員が『4人が納得いくまで話し合ってほしい』と撮影を中断して待つことも出来た。チームが出来上がっていて、笑いが絶えず最後は涙で終わった、とても良い現場でした」
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Profile
プロフィール

美術監督
丸山信太郎
maruyama shintaro
72年岐阜県生まれ。テレビ朝日クリエイト所属。映画の美術助手を経て、ドラマの世界へ。近作に『黒い樹海』(16)、『重要参考人探偵』『BORDER 贖罪』(ともに17)、『BG~身辺警護人~』(18)、『私のおじさん』(19)などがある。『サイン―法医学者 柚木貴志の事件―』(テレビ朝日)が毎週木曜21:00~放送中。映画では今作が美術監督デビュー作となる。
Movie
映画情報

劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~
監督/瑠東東一郎 脚本/徳尾浩司 出演/田中圭 林遣都 志尊淳 沢村一樹 吉田鋼太郎 配給/東宝 (19/日本/114min)
春田と牧が永遠の愛を誓ってから1年。海外転勤から天空不動産東京第二営業所に戻った春田だったが、牧は何も知らせず本社のプロジェクトチームの一員になっていた。チームリーダーの狸穴迅(沢村一樹)、春田を兄のように慕う新入社員ジャスティスの登場も手伝い、ふたりの心の距離は離れていくばかり。そして、かつて春田を愛した黒澤部長はまさかの記憶喪失に!? 8/23~全国東宝系で公開
(C)2019「劇場版おっさんずラブ」製作委員会
劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~公式HP