「失恋ショコラティエ」の水城せとな原作漫画を、佐藤祐市がメガホンを取り映画化した、新感覚ラブストーリー『脳内ポイズンベリー』。歳下男子と恋に落ちたアラサー女子・いちこ。頭の中では、ポジティブ、ネガティブ、衝動、記憶、理性と、擬人化された5つの“思考”が会議を繰り広げパニック寸前! 焦ったり、落ち込んだり、悩んだりを繰り返す女性の“暮らし”とその“脳内”を、美術監督の相馬直樹さんはどのように表現したのだろうか?
東横線沿線で生まれる“大人らしくない恋”
30代目前の恋に戸惑う、主人公・いちこ(真木よう子)の住まいは元住吉駅周辺にある。悩みのタネである、歳下男子・早乙女(古川雄輝)のマンションの最寄り駅は新丸子。劇中には中目黒駅でのシーンも登場する事から、最初に土地勘を知るため、美術監督の相馬さんは佐藤祐一監督と共に東横線沿線(渋谷〜横浜)付近をロケハンしてまわった。
「いちこの部屋はセットで建てていますが、外観はロケです。和洋折衷の可愛らしい古い建物を想定していろいろ探しまわっている中で、制作部の方が港区でイメージに合う物件を見つけてくれました」。
ロケハンをしながらも制作を進めていたという室内のセットは、もとは日本家屋だったところをリノベーションした設定。ウッドベースの温かみのある空間だ。
「コンセプトは『日本が好きなドイツ人が住んでいた部屋』(笑)。監督にその設定は伝えてなかったのですが、美術部の中で分かりやすいように共有していたんです。間取りはかつて和室だったことが想像出来るように仕切った形に。押し入れだったであろう場所は、いちこの趣味や仕事の場所にしました」。
ロケハンをしながらも制作を進めていたという室内のセットは、もとは日本家屋だったところをリノベーションした設定。ウッドベースの温かみのある空間だ。
「コンセプトは『日本が好きなドイツ人が住んでいた部屋』(笑)。監督にその設定は伝えてなかったのですが、美術部の中で分かりやすいように共有していたんです。間取りはかつて和室だったことが想像出来るように仕切った形に。押し入れだったであろう場所は、いちこの趣味や仕事の場所にしました」。
日々の暮らしを営むそんな“現実”と同時に展開されるのが、いちこの頭の中で繰り広げられる“脳内会議”。脳内のセットは、扉を1枚ずつ隙間なく並べた、大きな壁に囲まれた不思議な空間で、まるで演劇の舞台のよう。
「脳内のセットは、心象的になるように白を基調にして、いちこの部屋は薄いグリーンをベースに色を足そうと考えていました。だけど、部屋のセットを先に造っちゃったものだから、脳内セットを組んでいるうちに、なんだか途中で味気なくなってきてしまって(笑)。いちこの脳内なんだから、色もリンクしていいか!と、扉にも色を塗っちゃいました(笑)。全体的に、〈色で遊んだ感覚〉です」。
「脳内のセットは、心象的になるように白を基調にして、いちこの部屋は薄いグリーンをベースに色を足そうと考えていました。だけど、部屋のセットを先に造っちゃったものだから、脳内セットを組んでいるうちに、なんだか途中で味気なくなってきてしまって(笑)。いちこの脳内なんだから、色もリンクしていいか!と、扉にも色を塗っちゃいました(笑)。全体的に、〈色で遊んだ感覚〉です」。
映像カルチャーマガジン・ピクトアップ#92(2015年6月号 4月18日発売)『脳内ポイズンベリー』の美術について、相馬さんのインタビューを掲載。
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Profile
プロフィール

美術監督
相馬直樹
souma naoki
64年北海道生まれ。64年北海道生まれ。アタッカンテ所属。映画、ドラマ、CM、MV、舞台など、さまざまな分野の美術監督として活躍中。近作に、『サンブンノイチ』『エイトレンジャー2』『円卓 こっこ、一夏のイマジン』『物置のピアノ』(すべて14)、公開待機作に、『イニシエーション・ラブ』(5/23公開)、『天空の蜂』(9/12公開)がある。
Movie
映画情報

脳内ポイズンベリー
監督/佐藤祐市 原作/水城せとな「脳内ポイズンベリー」(集英社クイーンズコミックス刊/「Cocohana」 連載) 真木よう子 西島秀俊 古川雄輝 成河 吉田羊 桜田ひより 神木隆之介 浅野和之 配給/東宝 (121min/15/日本)
三十路を目前にしたいちこは、飲み会で出会い気になっていた歳下男子・早乙女に偶然再会。平静を装ってはいるものの、脳内はパニック状態! アプローチするか否か、擬人化された5つの思考が脳内会議を始める――! 5/9〜全国東宝系にて公開
©水城せとな/集英社 ©2015フジテレビジョン 集英社 東宝
脳内ポイズンベリー公式HP