女子小学生を中心に大人も巻き込んで大ブームを巻き起こしている『アイカツ!』が、この冬待望の映画化。2012年、アイドルとファッションをテーマに、デジタルキッズカードゲームと同時にスタートしたテレビアニメは現在第3期に突入し、ますます注目を集めている。星宮いちごたちがアイカツに励むスターライト学園には、住まいとなる学園寮も。女の子たちの憧れを詰め込んだ世界観を、美術監督の大貫雄司さんはどのように表現したのだろうか?
森の中にたたずむ、憧れの名門アイドル学校
『アイカツ!』の舞台・スターライト学園は、主人公・星宮いちごたちが、日々アイドル活動に励む場所。森に囲まれた立地は、東京都八王子市の山の方をイメージした。「アイドルなのでテレビ局からもそう遠くない場所を想定しました」と大貫さん。坂の上にある学園の反対側には海が広がる。「そのあたりは、江ノ島や鎌倉あたりをモデルにしています。両方を合わせると、完全に架空の街ですね」。
建物は宗教建築のような時代を感じるデザインで、ここが伝統ある学園であることが伝わる。全寮制のため、学園寮も敷地内に。寮は3階建てで、1階はエントランス、2階、3階には生徒たちの部屋が並ぶ。
建物は宗教建築のような時代を感じるデザインで、ここが伝統ある学園であることが伝わる。全寮制のため、学園寮も敷地内に。寮は3階建てで、1階はエントランス、2階、3階には生徒たちの部屋が並ぶ。
「各部屋は2人1部屋。ベッドや机などの共通設定があって、現在放送している、大空あかりと氷上スミレという第3期の主人公たちの部屋が今は基準になっています。キャラクターごとに小物設定をつくってそれぞれの特徴を出しているのですが、分かりやすいのは、スミレのスペースですね。特技がタロット占いで紅茶好きなので、星座早見盤やティーポットなんかを用意したりして。彼女が好きな『ロリゴシック』というブランドのポスターも張っています。吸血鬼キャラの藤堂ユリカの部屋だけはちょっとレアで、ベッドの上に棺桶を置いたりしています。こんなに変えてしまって学園から怒られないのかな?と思うくらい(笑)」。
参考にしたのは、アイドルのリアルな生活よりも、全寮制の学校に通う学生の導線だという。「寮を出て、どこから校舎に入っていくのか、とか。学園の校門から入ってくるのはほとんどゲストが多いので、生徒達が別の入り口からも校舎に行けるように、寮は(全景の)左上あたりに位置しています。実際のアイドルの生活を参考にすると、本当にリアルになってしまいますからね(笑)」。

2人1部屋ながら、洋風建築のような広めのつくりで、クローゼットも大きめ。アイカツにまっしぐらな女の子らしく、室内は、机とベッドのみとシンプル。洗面所とバスルームはまだ登場していないスペースのため、想定の画。
映像カルチャーマガジン・ピクトアップ#91(2015年2月号 12月18日発売)『劇場版アイカツ!』の美術について、大貫さんのインタビューを掲載。
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Profile
プロフィール

美術監督
大貫雄司
oonuki yuji
81年神奈川生まれ。06年、テレコム・アニメーションフィルムに入社。美術監督として様々な作品を手がける。代表作に、『おぢいさんのランプ』(11)、『BUTA』(12)。テレビアニメ『アイカツ! アイドルカツドウ!』は、2012年にスタートした第1期から携わっている。
Movie
映画情報

劇場版 アイカツ!
総監督/木村隆一 監督/矢野雄一郎 声の出演/諸星すみれ 下地紫野 寿美菜子 ほか アニメーション制作/サンライズ 配給/東映(14/日本/89min)
トップアイドルを目指してきた星宮いちごに、スペシャルライブという大チャンスが到来! 仲間と力を合わせ、準備を進める一方で、いちごをアイカツに導いてくれた、憧れのトップアイドル・神崎美月は引退を考え始めていた……。12/13~全国東映系で公開
©2014 SUNRISE/BANDAI, AIKATSU THE MOVIE
劇場版 アイカツ!公式HP