益田ミリの人気四コマ漫画『すーちゃん』シリーズを映画化した『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』。悩みながらも毎日を一生懸命楽しむタイプの違う3人の女性が描かれている。それぞれの衣裳にはイメージカラーがあり、その色はキャラクターを象徴する色として美術にも取り入れられた。まいちゃんのテーマカラーは、“青”。色でキャラクターの個性を表現したまいちゃんの部屋づくりを、美術監督の黒瀧きみえさんに語ってもらいました。
text by 小竹亜紀
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胸に秘めた思いをテーマカラーで表現
まいちゃんの家は、学芸大学駅近辺にあるすーちゃんの家の近所という設定。撮影は実際にあるマンションの一室で行われた。「まいちゃんには、都会的なイメージがありました。仕事ができる34歳のOLという設定なので、そこそこお給料をもらっていると思い、住まいの設定はマンションにしました」。間取りは広い1K。「別にベッドルームがあるような広いマンションには住めないと思ったんです。そこで、ラックを仕切りにして、ベッドを置くスペースをつくりました」。
まいちゃんのテーマカラーは青。「部屋のポイントは、水槽なんです。不倫をしている彼女がひとりになったとき感じている寂しさを、水槽が発する明るい光と対比させることで、より伝えられると思いました」。
青がポイントになった部屋は、一見クールなイメージ。そんな中で女性らしさを感じられるのが、壁に描かれた花。「これは“ウォールステッカー”というシールです。美術スタッフがネットで検索して購入しました。まいちゃんには、花を飾るというイメージがなかったのですが、部屋に女性らしさを加えたかったんです。壁にも跡が残らないですし、部屋の印象が一気に華やかになる優れものです」
映像カルチャーマガジン・ピクトアップ#81(2013年4月号 2月18日発売)『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』の美術について、黒瀧さんのインタビューを掲載。
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Profile
プロフィール

美術監督
黒瀧きみえ
kurotaki kimie
神奈川県生まれ。劇団四季の美術部を経て、フリーの舞台美術家に転身。近年では、舞台美術だけではなく映画美術監督としても活躍している。おもな作品に『60歳のラブレター』(09・深川栄洋)、『曲がれ!スプーン』(09・本広克行)、『ガール』(12・深川栄洋)など 。『清須会議』(三谷幸喜)は11月公開。
黒瀧さんは『ガール』のお部屋でも登場!
Movie
映画情報

すーちゃん まいちゃん さわ子さん
すーちゃん まいちゃん さわ子さん
監督/御法川修 原作/益田ミリ 脚本/田中幸子 出演/柴咲コウ 真木よう子 寺島しのぶ 染谷将太 井浦新 配給/スールキートス(12/日本/106min)
かつてのバイト仲間だったすーちゃん(柴咲)とまいちゃん(真木)とさわ子さん(寺島)は10数年経った今でも仲良し。それぞれ毎日を頑張って過ごしているけど、悩みは尽きないようで……。3/2~全国公開
(c)2012 映画『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』製作委員会
すーちゃん まいちゃん さわ子さん公式HP