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パリ市が選んだおいしいビストロ100店 いますぐ食べに行きたい“ル・コルニッション”のシェフに聞く

パリ市が選んだおいしいビストロ100店 いますぐ食べに行きたい“ル・コルニッション”のシェフに聞く

 美食の国、フランス。ミシュランをはじめとするレストランガイドは読み切れないほどあるが、行政機関がそのおいしさに太鼓判を押す制度が、今年からスタートしている。パリ市が、市内のおいしいビストロ100店を選ぶ”Les 100 meilleurs bistrots de Paris”だ。審査には、世界的に有名なシェフ、アラン・デュカス氏などが名を連ねる。料理の質や親しみやすさ、顧客を大切にしていること、適切な値段であることなどが審査基準。その初審査で選ばれ、パリ市からメダルを授与された14区のル・コルニッション(Le Cornichon)のシェフ、マチューさんにインタビュー、料理の道に入ったいきさつから、店の特徴、“ビストロノミー”の真髄を語ってもらった。 ――なぜ料理人になったのですか? 最初から料理人を目指したわけじゃありませんでした。大学では、オーディオ・ビジュアルや映画を学んだんです。でも、仕事としてどうかと逡巡しているうちに、料理も悪くないと思って、学校に通い、星付きレストランで修行しました。――映画、料理、どちらもアートな共通点がありますね。 そうですね。「手作り」の仕事がしたかったんです。パン屋でも、花屋でもよかったかもしれない。でも、パン屋は朝早すぎて…(笑)――今はそんなに早起きではない? 朝は9時過ぎに店に出ます。毎日注文する新鮮な素材がすでに届いていますから、そこから昼の時間まで、じっくり仕込みです。――ル・コルニッションが使う素材、料理の特徴は? とにかく新鮮な季節の素材を使います。シンプルだけどきちんとした料理を作りたいからです。オリーブオイルや生のハーブをたくさん使う、どちらかというと地中海の香りがする料理ですね。季節感を大切にしています。もっとも年間通して食べてもらえるスペシャリテは、リ・ド・ヴォー(子牛の胸腺を使ったフランス料理の定番)。それから9月以降はジビエ料理も得意なので、たくさんメニューに並びます。――メニュー、料理はどんな風に決めるんですか? これというミラクルな方法があるわけじゃないんですが、素材を見たり、季節を考えたりしながら、どんな料理を作るかというアイデアをメモします。メモは、とても長くなってしまいますし、かなり長い間そのメモをあたためていることもある。それを店のメンバーと話し合い、少しずつ形にしていくんです。――最近はSNSなどでも様々な料理が語られますが、流行り、というのも考えたりしますか?いいえ。どちらかというと、反対のことを考えているかもしれません。ベジタリアンやグルテンフリーという人も増えたので、お客さんの希望があればそういう対応はしますが、いわゆる流行を気にしたことはないですね。もっとも、SNSに投稿する人が増えて、以前よりビジュアルを考えるという傾向はあるかもしれませんが。――仕事で一番難しいことは何ですか? 料理そのものではなく、厨房の中のコミュニケーションです。自分が考えた料理、コンセプト、エスプリ、そういうものを一緒に働く人たちとうまく共有できるか、きちんと伝えられるか、そこが一番難しいです。――ところで、店名のコルニッション(フランス語でピクルス)は、どうやって付けたんですか? 共同経営のフランクと店を開く時、フランクの息子がまだ小さくて、食卓にのっていたテリーヌのそばにあるピクルスをたくさん食べてたんです。着想はそこですが、ピクルスというのは、フランス人にとっては、パテ、テリーヌやソーセージに添えられているイメージが強く、コルニッションという言葉の響きが、まさにビストロなんですね。――なるほど。最近はビストロノミー(ビストロとガストロノミーをかけた言葉)という表現も定着してきましたが、フランス人にとってのビストロとは? もともとビストロの出発点は、レストランと違ってワインやビールを飲む場所でしたが、今はとても美味しい料理が食べられる場所という意味では、レストランと同じです。ただ、レストランより値段も安いし、気軽に入れる敷居の低い場所。わいわい楽しく食べられる店です。この店も、表通りには面していませんが、近所の人たちから、評判を聞いて来てくれる外国人まで、にぎやかに楽しんでくれていますよ。 8月末まで1か月のバカンスに入る前日の多忙な中、取材に応じてくれたマチューさん。優しい眼差しと柔らかな物腰が、店の人気を体現しているようなシェフだった。バカンス後、9月にはそろそろシェフ得意のジビエのメニューが出る頃。パリ市が選んだ店で味わうなら、ル・コルニッションの場所は34 Rue Gassendi 75014 Paris 。営業日は月〜金、予約は01 43 20 40 19へ。

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日本からのお土産なら日本製食品ラップ? フランスの“包装”事情

日本からのお土産なら日本製食品ラップ? フランスの“包装”事情

 過剰包装が問題になる日本と、真逆をいっているのがフランス。パン屋で買うバゲットには、手で持つ部分に小さな紙が一枚巻かれるだけ、瓶ものに緩衝材も付 かないことが多いのは、はるか昔からだ。最近ではビニールの包装や、容器が排除され始めている。昨年から石油由来のスーパーのレジ袋は禁止になり、今年に なって生鮮食品を包むビニールも姿を消している。2020年には、簡易なパーティーなどで使うプラスチック製のお皿や、コップなども禁止になる。 レジ袋やプラスチック製食器の禁止は、もちろん環境への配慮。もともと、レジ袋は有料だったから、大抵の人は家から買い物の品を入れるいわゆる“エコバッ グ”を持参していたが、それでも忘れた時や、有料なのを知らない観光客が買い物をした時には、ビニールのレジ袋を買うことができた。昨年からはそれが禁止 になり、買えるのは、スーパーのロゴが入ったエコバッグや紙袋のみ。小売店や朝市で野菜や肉を買った時の包装や、スーパーの量り売りで自分で野菜などを入 れていたビニール袋も、紙か、とても薄い植物性原料の袋に変わった。量り売りで野菜を買う時も、1個なら袋に入れず、野菜自体に値札を貼ることを推奨する 徹底ぶりだ。 日本でも最近は、レジ袋が有料になったり、エコバッグを持参するとポイントがついたりと、変化の兆しは見えているが、コンビニなどではまだまだ普通に石油 由来のレジ袋が使われているし、プラスチック製のスプーンなども無料でもらえるから、このあたりの差はかなり大きいといえる。 もっとも、生活の中のラッピング事情では、逆に誰もが日本を羨ましがるものもある。食品用のラップフィルムだ。フランスに限らず、海外在住経験のある多く の日本人が指摘するのが、現地ラップ製品の使いづらさ。日本製の品質を実感する商品の筆頭によく挙げられる。日本から海外在住者へのお土産でも、食品用 ラップフィルムは人気だ。 日本製品なら大抵はついている、ラップ引き出しのためのテープがなく、使い始めの引き出しに一苦労。引き出す時もロールがうまく回らず、手で押さえながら 少しずつ。さらに箱についた刃もあまりうまく機能するとはいえず、切り取るのにも苦労する。ここ20年、フランスでもあまり改善された様子はなく、刃で切 れるようにするのを諦めたのか、「手でまっすぐ切れる」を売りにした商品も発売されている。ラップに限らず、日用品の使いやすさは、ユーザーの視点に立っ て細かいところまで工夫、改善し続ける日本製品ならでは、かもしれない。

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野菜を使ったケーキのようなお寿司 「VEGESUSHI」が日本に上陸

野菜を使ったケーキのようなお寿司 「VEGESUSHI」が日本に上陸

 今や、世界中で人気がある和食。でも、生魚に抵抗がある外国人は少なくない。そこで、こんなお寿司はどう?キラジェンヌ(東京)は、veggy Booksシリーズの最新作として『VEGESUSHI パリが恋した、野菜を使ったケーキのようなお寿司』(税別1,300円)を、4月28日(金)に出版する。パリやベルリンで注目を集める野菜のお寿司「VEGESUSHI(ベジスシ)」は、寿司をアートとして捉える日本人3人組「hoxai kitchen(ホクサイキッチン)」による創作料理。旬の野菜や日本伝統の玄米・古代米などを使っている。本書は、hoxai kitchen初のレシピ本となる。VEGESUSHIには、健康に気を遣う人や、魚が食べられない人にも、“より楽しい寿司体験を味わってほしい”という願いが込められている。華やかでフォトジェニックなVEGESUSHI。ご自宅で試してみてはいかが?『VEGESUSHI パリが恋した、野菜を使ったケーキのようなお寿司』ISBN:978-4-906913-62-6 商品サイト(アマゾン):http://amzn.asia/5m21HhQ

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人間国宝が作るチョコレート ワインとともに楽しむイベント

人間国宝が作るチョコレート ワインとともに楽しむイベント

 8月も後半戦。学生はそろそろ2学期が始まる時期だが、チョコ好きの大人女子はもう少しだけ夏を楽しんじゃおう。フランス・ジュラ地方で116年の歴史を持つ老舗ショコラブランドの「イルサンジェー」は、日本でいえば人間国宝に相当する「ショコラティエMOF」のエドワール・イルサンジェー氏が4代目を務める店だ。当主であるエドワール氏が代々受け継がれてきた秘伝のレシピを守り、1人ですべてのショコラを手作りしているため、そのショコラはなかなか味わうことができない。しかし、本店を除く唯一のブティック店が、なんと東京に存在する。そのイルサンジェー東京ブティックで、ショコラと夏ワインの極上マリアージュを楽しむイベント「Mariage de l'?pice」(マリアージュデレピス)が、8月18日(木)から開催される。ショウガやこしょうなどのスパイスが効いたショコラと、冷たい夏ワインとともに、夏の夜を満喫してみるのはいかが?「Mariage de l'?pice」 提供時間:16:00と18:00の予約枠 予約方法:HPから。備考欄で「マリアージュデレピス」を選択すること。 料金:1人3,000円 参加可能人数:1〜4人

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パリのバラ専門ブティックのコスメ バラの色にメッセージを込めて

パリのバラ専門ブティックのコスメ バラの色にメッセージを込めて

 世界でもっとも香料の需要が高いフランスのパリで、バラ専門のフラワーブティックを展開する「au nom de la rose」(オ・ノン・デ・ラ・ローズ)。「ROSE NUMBER」というブランド名でコスメや雑貨を販売している。ドウシシャ(大阪)は、そのROSE NUMBERのコスメ3種類(ボディミスト・スクラブバスソルト・ソープバー)を、5月下旬に発売する。それぞれ「No.1ピュアなバラの香り」「No.3幸せなバラの香り」「No.5エレガントなバラの香り」を展開。バラの色によって異なる香りが楽しめる。使われている香料は、パフュームやキャンドルで使用されているものと同じ。あなたの好みの香りは何番? ボディミストは1,200円(税別)。スクラブバスソルトは1,300円(同)。ソープバーは800円(同)。

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観光局も参戦!  仏のファストフード広告合戦

観光局も参戦!  仏のファストフード広告合戦

 フランスで、マクドナルドがバーガーキングより店舗数の多いことを比較広告に使ったら、バーガーキングがこれを利用した広告をうって話題になったが、これに観光局が参戦、ユーモア合戦が再燃している。 先鞭をつけたのはマクドナルドで、仏南東部の一本道に「ここから5キロ」という自社店舗の看板を立て、隣に“バーガーキングは「ここから258キロ」”というパネルを立てたCMを作成。これを利用してバーガーキングは、近くのマクドナルドでコーヒーを買った客の目的は、実は遠くのバーガーキングを目指す旅だった、という“反撃”のCMを作った。 そして今回これらを利用したのが、看板が立った地元ローヌ・アルプのオート・ロワール観光局。この「5キロ」「258キロ」という二つの看板の隣に、更に観光局の看板を立てた。地元のチーズやはちみつ、豚肉加工品や果物などの写真の下に、「あちこちにあります」の文字。地産品が手に入る場所を示した写真に、「オート・ロワールにバーガーキングはありませんが、熱烈な生産者がいます」「400の生産者と、540のレストラン」と入れ、この広告をツイッターやFacebookにアップした。旅行者にとっては、どこでも食べられるファストフードより魅力的な地産品。マクドナルドもバーガーキングも、観光局に一本とられた格好だ。・Le Progr?s

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マクドナルドvsバーガーキング フランスでのCM戦が面白い

マクドナルドvsバーガーキング フランスでのCM戦が面白い

 実戦でも言葉の応酬でも、攻撃の仕方や、これに対する反撃の仕方で、両者の気質が分かるのは同じ。米大統領選の舌戦や日本の国会論戦を見ていると、本題ではないところで、思わず露見するホンネや“品位”が話題になることが多いが、フランスでは今、ファストフードの代表選手、マクドナルドとバーガーキングの広告戦が話題になっている。 先手を打ったのはマクドナルド。フランス国内の店舗数の多さを宣伝するのに、バーガーキングを引き合いに出した。フランス南東部、ローヌアルプの一本道を車で走ると、バーガーキングまでの道のりを案内する大きなパネルがある。「200m先を左に、1.5キロ先を右に、5.3キロ先を左に、13キロ先も国道をそのまま、83キロ先も国道をそのまま…」と延々と続く案内パネル。一番近いバーガーキングは258キロ先のニームだ。だが、そのパネルの隣には、マクドナルドの案内パネル。「ここから5キロ」。それだけ多くの店を出している、と言いたいわけだ。 これにバーガーキングがさらりと応じたCMを公開した。案内パネルも場所も同じ。マクドナルドまでは5キロで、バーガーキングまでは258キロ。そしてそこを通る車がパネルを見上げ、さらに車を走らせてマクドナルドのドライブスルーへ。「何になさいますか?」「コーヒーを」「小さいのになさいますか?それとも大きいのを?」。運転手は助手席の女性と顔を見合わせ「大きいのを」と注文。「これから道のり長いんですよ」。 そして車は走り去る。画面には「ワッパー(バーガーキングの看板ハンバーガー)まであと253キロ。あちこちにあるマクドナルドに感謝」という文字が。ワッパーを食べるために、マクドナルドのコーヒーが役に立つ、というわけだ。政治論戦でも、こういう“きれいな”反撃が見たいものだ。【マクドナルドの広告】https://www.youtube.com/watch?v=c-94UnyM6Y4 【バーガーキングの広告】https://www.youtube.com/watch?v=rLwvaQDSpBc

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夏からレジのポリ袋禁止 仏の環境対策

夏からレジのポリ袋禁止 仏の環境対策

 スーパーなどのレジで、ポリ袋が有料になっているところは多い。無料でも手持ちの袋を使えば、何円か引かれたり、ポイントがたまったり。だが、フランスでは今年7月1日から、レジでポリ袋を使うこと自体が禁止される。エネルギー・トランジション(転換)法に基づくもの。 フランス・ブルーなど現地メディアによると、50マイクロメートル(0.05ミリ)以下の薄さのポリ袋をレジに置くことは、全面的に禁止される。どうしても必要な場合、消費者は紙袋か再利用可能な袋を買うことになる。廃棄物が自然にかえるまでの長さを比べると、紙なら1年、缶は50年、だが、ポリ袋は450年。仏環境大臣セゴレーヌ・ロワイヤル氏は「“転換”が必要な時だ」としている。 現在もフランスでは、買い物袋を持参するのが普通で、忘れるとレジで有料の袋を買わねばならないところがほとんど。スーパーでお菓子などを買う日本人観光客は多く、袋が提供されず困惑している人を時折見かけるが、この夏からはさらに徹底されるから、スーパーに行くなら、買い物袋を忘れずに。 France Bleu

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屋根裏に住む/パリ(フランス)

屋根裏に住む/パリ(フランス)

先日未明に、ドン、ドン、ドン、と、頭上からの物音で目が覚めた。わが家は5階建てアパートの屋根裏階にあるのだが、え? えーっ、トタン屋根の上を誰か歩いている!屋根にはアンテナがあり、時に職人さんが廊下の窓からよじ登ることがあるが、夜中にそれはあり得ないだろう。

街のコト
信号無視を合法化 !?  フランスの自転車乗りに朗報

信号無視を合法化 !?  フランスの自転車乗りに朗報

 車が来ていなければ、ほとんど信号を見ずに横断歩道を渡るのがパリジャン。赤で渡るのは信号無視だから、この場合歩行者に非があるのは明らかだが、それでも青信号で進んできた車がクラクションを鳴らそうものなら、歩行者優先!といわんばかりに、にらみ返す人も珍しくない。だが、今回の法律はちょっと別問題だ。 7月から、パリで自転車の“信号無視”が合法化された。車の信号が赤でも、十字路での右折と、T字路での右折と直進ができるのだ。フランスは日本と逆で車は右側通行だから、十字路での右折は左から来る青信号の車の邪魔にはならないし、T字路での右折と直進も同様だ。すでに市内の一部の区で試験期間を経て、全市にゴーサインが出た。市内1805か所の交差点が、このケースに該当するという。もっとも、市は「“自転車優先“を規定したものではなく、あくまで他の通行を妨げてはいけない。特に歩行者は常に優先」と念押ししている。 日本の状況を振り返ると、レジャーだけでなく通勤などでも増えてきた自転車。車道を走るようにはなってきているものの、車用の信号に従って走っているかと思いきや、横断歩道が青になると、そちらに従って曲がっていく“都合の良い”サイクリストもおり、歩行者やドライバーからの批判も少なくない。どの国も、自転車と車の安全なルール作りを模索中のようだ。  L’Expresshttp://www.lexpress.fr/region/ile-de-france/a-paris-les-cyclistes-vont-pouvoir-passer-au-feu-rouge_1698536.htmlLe Pointhttp://www.lepoint.fr/societe/les-velos-officiellement-dispenses-de-feu-rouge-27-01-2012-1424416_23.php

そして誰もいなくなった……  “幽霊”スーパーに残された客

そして誰もいなくなった……  “幽霊”スーパーに残された客

 7月14日は、フランスの革命記念日。パリのシャンゼリゼでは恒例の軍事パレードが行われ、各地で花火やパーティーなど夜遅くまでのお祭り騒ぎ。そんな特別な日だから、かなり特別な“事件”が起きた。フランス最北部のノール県で、多くの人が、誰も店員がいない“幽霊スーパー”で買い物をしていたことが分かったのだ。 パリジャン紙などによると、このスーパーの名前はSimply Market。客たちがのんびり買い物をし、カートをいっぱいにしてレジにたどりついたところ、レジに店員はおらず、しばらく待っても誰も戻ってこなかったという。不思議に思った客が店中を探したが、店側のスタッフは誰一人いなかった。そしてついに客の一人が警察に連絡。警察が店長を探して連絡をとり事情が明らかになった。 普段は午後8時まで開いているこのスーパー、当日は革命記念日で、午後1時に閉店予定だった。それを知らない客たちが来店して、のんびり買い物をしていたわけだが、レジ係も、他の店員も、買い物中の客を置き去りにし、電気を消して店を閉めることすら忘れて“退社”。客が取り残された、というのが顛末だ。地元警察は「それでも商品を盗られるなどの損害は一つもなかった」と発表しているが、買い物中の客たちを残し、店を閉めるのも忘れて、店員全員が退店できたことの方がすごいような……。さすが革命記念日 !?  Le Parisienhttp://www.leparisien.fr/nord-pas-de-calais/nord-ils-font-leurs-courses-dans-un-supermarche-fantome-14-07-2015-4944329.php#xtor=AD-1481423552

ビーチサンダルで運転は違法?  フランスで罰金!日本では?

ビーチサンダルで運転は違法?  フランスで罰金!日本では?

 暑い季節、休日ならビーチサンダルが一番楽だ。足を締め付けない解放感、雨が降っても気にならない。ちょっとご近所までの運転なら、そのままだって……と思ったら、罰金をとられた人がいる。仏・パリジャン紙などによると、フランス南西部のトゥールーズ近郊で、ビーチサンダルを履いて運転していた女性が検問にひっかかり、90ユーロ(約1万2千円)の罰金を支払った。 この女性によると、検問で運転免許証を見せるためにドアを開けたところ、足元を見た警官が「足にしっかり固定されないサンダルで運転するのは、7月1日から違法になっている」と説明、罰金の支払いを求めたという。新しい法律は、イヤホンを耳につけての運転や、飲酒運転の基準となるアルコールの量の引き下げなどが規定されているが、ビーチサンダルについての明記はないという。この女性、「初めは冗談かと思ったんだけど、冗談じゃなく90ユーロ払ったの。新しいビーサンが買える値段だわ」としみじみ。 日本では、都道府県によって異なる道路交通法施規則などで、アクセルやブレーキ操作がしにくい履き物をはいて運転している場合に、安全運転義務違反などで反則金をとられるケースがあるようだが、ビーチサンダル、という明文ではないから、フランス同様と考えてよさそうだ。ビーサンでも厚底の靴でも、運転に支障をきたすような履き物はだめ、という理解。これからの季節、ちょっと心に留めておこう。  Parisienhttp://www.leparisien.fr/toulouse-31000/90-euros-d-amende-pour-avoir-conduit-en-tongs-13-07-2015-4941065.php#xtor=AD-1481423552Metro newshttp://www.metronews.fr/info/90-euros-d-amende-pour-avoir-conduit-en-tongs/mogl!kooYoFH684do/

日本はフランスの10分の1以下  チーズ消費量ランキング

日本はフランスの10分の1以下  チーズ消費量ランキング

 最近、日本でも味わえるチーズがずいぶん増えた。チーズ好きももちろん多いし、ワイン愛好家がその次の興味の対象としてチーズに走る例も少なくない。デパ地下のチーズ売り場も、相当な種類を扱っている。そうはいっても、日本人のチーズ消費量はまだまだ。世界のチーズ消費量をグラフ化した「トリップグラフィックス」(トリップアドバイザー)によると、年間チーズ消費量ランキングで1位になったのは、言わずもがな、のフランスで、1人あたり26.2kgだった。 次いで2位は、24.2kg消費するドイツ、アイスランド、ルクセンブルグ。ヨーロッパの人々にとってチーズは日々の生活に欠かせない食べ物だ。対する日本人の消費量は2.2kg。フランスの10分の1以下だ。日本ではまだスライスチーズなどの「プロセスチーズ」がスーパーの棚を席巻しているが、ヨーロッパでは、乳を固めて発酵熟成させた「ナチュラルチーズ」が一般的。例えばフランスのカマンベール、ギリシャのフェタ、イタリアのモッツァレラなど。夏の旅で、チーズ食べ歩きも悪くないかも。

大丈夫かフランス!  列車大き過ぎトンネル通らず

大丈夫かフランス!  列車大き過ぎトンネル通らず

 何でもきっちり、の日本を出ると、どこの国でも大なり小なり、いい加減過ぎませんか?という出来事に出会うから、大抵のことでは驚かない。が、こうも度重なると、驚く前に苦笑する。フランスの国鉄SNCFが、イタリアとの国境付近を通る路線で新しい列車を導入しようとしたところ、列車が大きすぎて、トンネルを通れないことが分かったのだ。 これには“前段”の話がある。昨年5月、国鉄は同じように「大きくて快適!」と銘打った列車をパリを含む地域で導入したが、従来のホームの大きさに比して列車が太過ぎ、そのままではホームに入れないことが分かって、なんと1300もの駅のホームを削ったのだ。これだけではない。パリの地下鉄でも似たようなことがあった。地下鉄の混雑を解消しようと、エスカレーターの更新作業を始めたところ、エスカレーターの幅が広すぎて設置できないことが分かった、というもの。これも工事を始めてからの発覚。素人目には、とにかく、まず「計ろうよ」という感じがするのだが、そんなに複雑なものだろうか?と首をかしげていた矢先。 今回は、香水で有名なフランス南東部グラースから、イタリアのヴェンティミーリアに行く路線で、増え続ける旅客をさばくため、“大きくて快適な”列車を導入。ところが、国境のトンネルを通るには、「列車が数センチ大き過ぎた」のだそうだ。責任者は、この新しい列車は、乗客に快適な旅を保証するものだが、この工事は少々“複雑”、と前置き。「トンネルは国境にあり、イタリアとの共同作業が必要。それにこれから夏休みだから、新たな工事はバカンス客の迷惑になりかねない。したがって、11月の末あたりに3週間かけて工事をする予定だ。それが終われば、“予定通り”新しい列車がヴェンティミーリアまで走るだろう。それまでは、イタリアに行くのは古い車両。新しい車両は、フランス側のマントンが終点だ」 う〜ん、新しい列車がトンネルを通れるかどうか計る、というのはそんなに‘複雑“な計測なのだろうか。国境のトンネルだから、共同作業は当然分かっていたことで、年末スタートが”予定通り“といえるのか、突っ込みどころ満載。これにかかる余分な工費を最終的に負担する納税者も、ネット上で怒っているが、パリ子午線とメートル発祥の国フランス、がんばって計ろうよ〜! Parisienhttp://www.leparisien.fr/economie/nice-les-nouvelles-rames-de-ter-trop-hautes-pour-passer-en-italie-02-07-2015-4912829.php昨年のエスカレーター太過ぎの記事http://www.leparisien.fr/economie/ratp-et-maintenant-les-escalators-trop-larges-du-metro-parisien-15-07-2014-4003205.php

築百年!住んでみたルーアン  一歩先のフランスの旅(最終回)

築百年!住んでみたルーアン  一歩先のフランスの旅(最終回)

 カテドラルと大時計通りからスタートして、じっくり歩いてきたノルマンディーのルーアン。最終回は、この中世の旧市街に住んでみた、ルーアンの日常生活をご紹介しよう。 コロンバージュの建物群は、古いものは14世紀ごろまで遡る。観光客にとっては、この連載でも書いてきたように、どこに立っても絵になる美しい町だ。だが、「住人」にとってはもちろん、美しい、だけではすまないこともある。ルーアンの市役所そばにアパルトマンを見つけ、家屋の保険契約書に必要な築年数を大家さんにたずねた時の回答は、この町の歴史の長さを端的に物語る。「そうねえ、たぶん100数十年かしら、比較的新しいのよ。まあ100年超と書いとけば間違いないわ」 パリで不動産契約をした時は、「戦後建築」という時の「戦争」は、第一次大戦を指している、と言われたことがある。それでも歴史の重みを感じたが、ルーアンは、明らかにそれより古い。だがもちろん、部屋の内部はきれいに改装されていて、住むのに問題はない。借りた部屋は2階部分で、外からカギを開けて建物内部に入ると、スーツケースを持って上がるのも大変なほど細いらせん階段があり、部屋に入ると、小ぶりなリビングルームにさらに階段があって、上階がメゾネットのベッドルームになっている。 築100年超だし、木骨組みの家だから、道路を走る大型車両の振動がよく伝わる。6月21日はフランス全土が音楽祭の日で、ルーアンも町のあちこちで若者がバンド演奏をしていたが、そのリズムも深夜までよく壁に響く。床もきれいに張り直されてはいるが、かなり斜め。ミネラルウォーターのボトルを横にしておくと、コロコロとよく転がる。だが、窓からの眺めはコロンバージュの家並み、歴史的“絶景”だ。 子供たちが通う学校も、歴史的学校が多い。たとえば、この市役所のすぐそばにあるピエール・コルネイユ高校は、1593年創立。作家のフロベールやモーパッサンが卒業生だ。学校付属の教会は歴史的建造物に指定され、校舎正面中庭には、やはり劇作家コルネイユの銅像が建っている。この手の由緒ある学校には遠方から生徒たちが集まるから、付属の大きな寄宿舎もあり、フランス各地をはじめ、ノルウェーやモロッコ、ペルー、日本からの学生も寄宿生活を送っている。 子どもたちの授業が始まる毎朝8時に、市役所横のサン・トゥーアン教会の鐘が鳴り響く。その頃には朝市がすでに開いていて、食材を買いに出かける市民も多い。コンビニも24時間営業の店もないから、夜や日曜はいたって静かだ。(土曜に買い忘れをすると、日曜は一日“籠城”になるのはパリも同じだが)観光に来たら、お土産はウィークデーに買っておく必要がある。 そこで最後に、ルーアン土産のおすすめスポットを。まず筆頭は、Les Larmes de Jeanne d’Arc(ジャンヌ・ダルクの涙)という名前のアーモンドチョコレートを作るAUZOU(オズー)。ジャンヌ・ダルクが火刑に処された約30年後、15世紀後半に立てられた大時計通り沿いの木組みの家で、ショコラティエ・ジャン=マリー・オズーが作るショコラだ。プラリネとショコラという定番、相性抜群のスイーツが、ルーアンらしい素朴な外見に詰まっている。 もう一つのおすすめは、やはり地元ノルマンディー名産のチーズ、カマンベールだ。町中のチーズ専門店でももちろんよし、広場の朝市なら観光客も多く、他の人が聞いている説明を横で聞きながらゆっくり迷って買える。パリでも見つからない小さな農家が作るカマンベールなど、案外貴重な“掘り出し物”がある。合わせてアルコールもほしい、という人は、300平米のカーヴを持つ、「カーヴ・ジャンヌ・ダルク」へ。ワイン好きはもちろん、地元産のリンゴのお酒、カルバドスなどもおすすめだ。

記憶のミルフィユ@ルーアン  一歩先のフランスの旅(その4)

記憶のミルフィユ@ルーアン  一歩先のフランスの旅(その4)

 中世の街並みがそのまま残るノルマンディー地方のルーアンには、激しい闘いの記憶が、厚みのある文化と折り重なるように、そのまま残る。百年戦争で闘いフランスの国民的ヒロインとなったジャンヌ・ダルクが、ルーアンで火刑に処せられたのは、1431年。処刑場となったルーアンの広場には、19歳の若さで逝った彼女の魂を慰める教会が建っている。ノルマンディーの伝統である船の技術を生かし、舟底をひっくり返したようなのびやかな形の木組みの天井は、外側から見ると、教会とは思えない現代的な建築物だ。それだけに、中に足を踏み入れた時の驚きは大きい。ルネッサンス期のステンドグラスが放つ光が、不思議な形の聖堂の隅々に行き渡る。 その広場のすぐそばには、ルーアン出身の劇作家、ピエール・コルネイユの生家がある。モリエールやラシーヌとともに、古典主義三大作家と呼ばれる1人だ。2階にのぼると、コルネイユの貴重な初版本などがおさめられた書棚や、大論争を巻き起こした作品「ル・シッド」を書いた机、劇場でかかった作品の展示などを見ることができる。 ルーアンの文学者といえば、もう一人、「ボヴァリー夫人」で有名なフロベールがいる。その「フロベールと医学博物館」も必見だ。「ボヴァリー夫人」の作品中にも外科手術の場面が登場するが、フロベールの父親は外科医。この博物館も、市立病院の外科部長邸宅だったところだ。文学者ゆかりのもとと思って足を運ぶと、医学関連の展示も多数あり、文学そのものというより、彼の著作の背景になった環境そのものがじわじわと迫ってくる場所だ。フロベールはこの町の誇りでもあり、旧市街のカフェの前にも、何気なく彼の銅像が立っている。 文学より美術を、という人は、ルーアン美術館へ。ルーベンス、フラゴナール、モディリアーニからドラクロワまで、数多くの作品をゆっくり鑑賞できる。モネが好きでルーアンに来るという人も少なくないが、この美術館は、モネやシスレーなど印象派のコレクションは国内2位の所蔵を誇っている。 その近くには、ノルマンディーの最高裁判所がある。教会と見紛うようなゴシック建築だが、外壁には激しい弾痕が残っている。第二次大戦時、多くのレジスタンスが銃殺されたり、ナチに連行されたりするまで、この建物の地下に閉じ込められており、結果的に連合軍の爆撃を受けているのだ。その弾痕は相当な数だが、修復されずにそのまま。「わざわざ残した」という意思が明確に見えるすさまじさだ。中世の落ち着いた風景の中に、この町が過ごしてきた苦楽の時間が、目に見える形でミルフィユのように重なっている。それがルーアンの魅力かもしれない。 次回は最終回。旅行者では入れないコロンバージュの住居の中、人々の日常生活と、とっておきの「お土産」セレクションを。

究極の中世散歩@ルーアン  一歩先のフランスの旅(その3)

究極の中世散歩@ルーアン  一歩先のフランスの旅(その3)

 さまざまな都市計画が入り乱れ、どんどん新しくなる日本。仕方ないとは思っても、町並みごと中世のまま残っている欧州の旧市街を旅すると、其処ここにカメラを向けたくなる。フランスも、東西南北それぞれ町並みに特徴があるが、北部特有の木骨組みのコロンバージュがアルザスと並んで美しいのがルーアンだ。目的地を作らなくても、ただ歩いているだけで十分楽しめる。教会でも美術館でもない普通の民家の並びが、そのまま記念写真の背景になる。 第二次大戦時に壊滅的な打撃を受けたにもかかわらず、ルーアンの市内には約2千もの木骨組みの家に227もの歴史的建造物が残る。14世紀頃からの家並みが、補修を繰り返しつつ残っているのだ。いわゆる観光名所ではなく、ルーアンに来たら1日は目的を持たない散策をお勧めしたい。ふらりと立ち寄りたくなる店も実に多い。 例えば、大聖堂のすぐ横にあるサン・ロマン通り。前回紹介したスイーツ店「ダム・ケーク」がある通りだが、そのままさらに進むと、ルーアン特有の陶器を売る店「ファイアンス・サン・ロマン」がある。お皿やバター入れ、カフェオレボウルやピッチャーなど、花やうさぎなど色とりどりの模様が描かれた愛らしい陶器が所狭しと並んでいる。店内で職人が陶器の絵付けをしているところも見ることができる。 そのまま進んでレピュブリック通りを渡ると、正面にまた教会がある。15世紀のゴシック建築、サン・マクルー教会だ。教会前の広場にはたくさんのカフェがあり、テラス席に座れば、教会を正面に、広場を囲むように建つコロンバージュの家並みを楽しめる。そのまま広場左手に走るダミエット通りへ。ヴァイオリンを修理する店や骨とう品店、クスクス専門のレストランなどもあり、中世の街並みの中で生活する人々の息遣いが聞こえる。どの通りも、風情ある石畳に、両側はコロンバージュの家並みだ。 両側の店々に目を奪われているうちに、あっという間にダミエット通りを抜けて小さな広場に出る。そこを右に折れると、今度は小川が流れるオー・ド・ロベック通り。小川の上には季節の花が咲き乱れる鉢が飾られ、小川沿いにカフェやビストロ、書店や洋品店が並ぶ。どれも小さな店だが、手作りの看板やウィンドーの飾りが魅力的だ。大聖堂からここまで、ゆっくり歩いても20分はかからない。  朝市を散策したいなら、前回紹介したヴューマルシェ広場へ。野菜、果物、魚、肉、チーズからハーブまで、当たり前だが、“おうちフレンチ”の材料は何でもそろう。観光客向けでない、地元っ子“ルーアネ”が多いブティックで買い物をしたいなら、ガンテリー通りだ。その角にはまた“見た目”だけで買いたくなるような、18世紀のコロンバージュの建物で営むパンの店、Maugard Christopheが。ルーアン市長から、「おもてなし」賞を受賞するほどの丁寧な応対だ。歩き疲れておやつを買うなら、サン・ニコラ通りのCyrille Levouinのシューケットが絶品。カリカリの皮にポップシュガーの食感は手をとめるのが困難だから、控えめに買わないと危険な代物だ。次回は、歴史好きのためのディープなルーアン歩きを。

ミラノ万博でそばが大ヒット  計画の1.4倍売上げる

ミラノ万博でそばが大ヒット  計画の1.4倍売上げる

 そば粉はヨーロッパにもある。フランスのそば粉のガレットなど、日本でも親しまれているメニューはあるが、ヌードルのそばは、やはり日本独自のもの。麺文化のあるイタリアでは、このそば粉の麺がウケているらしい。ミラノで開かれている『ミラノ国際博覧会』の日本館レストランで、そばを出しているサガミチェーン(名古屋市)のブースが、計画の1.4倍も売り上げを伸ばし、好評を博している。特に、ズッキーニなど現地イタリアの野菜を使った「天ぷらそば」が人気だ。 現地紙で“人気No.1パビリオン”として紹介されるほど話題になっている『日本館レストラン』。“伝統的でありながら日常的でもある食“として、そば、天ぷら、味噌汁、鶏の唐揚げなどのメニューを販売している。そばの知名度はまだ低いものの、日本独特の味覚といわれるUMAMI(旨味)が味わえるだし汁や、日本のそばより短めの平打ちにして“ミラノ仕様”に仕上げた麺など、初めて箸を使う外国人にも食べやすい工夫が人気を後押し。天丼やまぐろ漬け丼、天むすなども食べられるブース。在欧日本人にも垂涎ものだ。