ニッポン全国のご当地をまわり、そのエリアならではのちょっと変わった風習や流行、素敵な方言などを、地元の不動産店の皆さんにお伺いするニッポンの5当地「色」。
今回は「沖縄編」です。どうぞ、ゆいまーる(助け合い)精神溢れる素敵な沖縄県民イズムをご覧ください。
01
今でも沖縄に生きる
魔除け石「石敢當(いしがんとう)」。
シーサーと並ぶ沖縄のおまじないが「石敢當」。街をうろつく魔物「マジムン」の侵入を防ぐ、中国伝来の魔除け石です。三叉路やT字路の突き当りに多いのは、「マジムン」がまっすぐにしか進めないと考えられているため。自然石に「石敢當」と刻まれた古いタイプから、表札風のもの、ペンキ書きのものまで、さまざまな形で今も生き続ける沖縄の文化の一つです。
シーサーと一緒に
魔除けのお土産品にも
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おまかせ住宅<那覇市字小禄> 赤嶺(あかみね)清さん
02
自転車に乗らない沖縄クルマ社会。
あまり知られていませんが、沖縄の世帯別自転車保有率は全国最下位。きちんとした駐輪場がないアパートやマンションも、珍しくありません。理由は、沖縄がクルマ社会だから。買い物や通勤も車・バイクが一般的で、取得できる年齢になるとみんなすぐ免許を取りにいきます。街中で、自転車に乗った大人の姿を見かけた人は、かなりラッキーなんだと思ってくださいね。
駐輪場のない
マンションもありますよ
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沖縄不動産フィールド(株)<那覇市古波蔵> 赤嶺 彰吾(あかみね・しょうご)さん
03
「シメはステーキ!」が沖縄流飲み会。
飲み会のシメといえば、ラーメンやソバが定番ですが、沖縄で多いのがステーキ派。ステーキ定食で夕食を済ませて、飲んだ後にまたステーキなんて超肉食系酒豪も珍しくありません。飲み屋街の近くにはラーメン屋ならぬステーキ屋が並び、25時、26時ぐらいから混み出します。朝の4時、5時のステーキも、なかなかオツなもんです。
沖縄の酒豪は
超肉食系
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フロンティアエステート(株)<那覇市字真地> 天久(あめく)大樹さん
04
「なんくるないさ〜」で
正しい道はおのずと開ける
正式には「まくとぅそーけー なんくるないさ〜」。「何とかなる」「どうにかなる」と、成り行き任せ的な意味で理解している人も多いようですが、本当の意味は「正しいことをしていれば、物事はうまくいく」。どんな苦難にもくじけず、正しい道を歩んでいれば、努力はきっと報われるという、沖縄精神の結晶のような言葉なんです。
タフでやさしい
沖縄人の合言葉
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(株)ASAKA<那覇市松尾> 狩俣(かりまた) 千佳さん
05
結婚式に200人~300人は当たり前。
流行のジミ婚や家族婚なんて、沖縄ではほぼあり得ません。とにかく親せきが多い上に、同窓会や職場の付き合いも密接なので、普通の人でも200人や300人規模の披露宴はザラ。みんな酒に強いし、三線(さんしん)などの芸達者も多いので、式のたびに会場は大芸能大会。気合を込めて芸を披露するので、異様なぐらい盛り上がるんです。
とにかく親戚が
めちゃくちゃ多い!
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(株)サザンアイランドコンサル<那覇市山下町> 崎浜 秀義さん
06
沖縄ではありえない
「行列のできる人気店」。
「行列が長いほど人気店」という東京の常識が当てはまらないのが、沖縄です。話のタネに一度ぐらいは並ぶこともありますが、後は「ナンギー(めんどくさい)」でそれっきり。いくら人気店でも、延々と並んでセカセカ食事をするのはかなわない。それより、早く入れるお店で、自分の時間をゆっくり楽しみたいと考えるんですね。
並んで待つのは
「ナンギー」です
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住宅情報センター(株)<那覇市真嘉比> 佐和田 健二さん
07
勇ましい太鼓と踊りで
ご先祖様を送る「道ジュネー」
旧盆の季節、先祖の霊を供養するために集落を練り歩く行事です。3日間やるのが一般的ですが、よく知られているのが最終日(ウークイ)のエイサー。着飾った青年男女が太鼓を打ち鳴らし、歌や掛け声、指笛を鳴らしながら道を乱舞し、先祖の霊をお送りします。男子にとっては、カッコいい姿を女の子に見せる、年に一度の晴れ舞台でもあるんです。
沖縄男子の晴れ舞台!
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(株)琉球アクト<那覇市牧志> 寿楽 恒(じゅらく・ひさし)さん
08
パワーの源は沖縄料理。
未来を担う沖縄っ子も元気いっぱい!
郷土料理のティビチ(豚足の汁物)やジーマーミー豆腐(落花生の豆腐)など、栄養豊富でバランスの良い食事のせいか、お年寄りも元気なのが沖縄。また、子どもも負けじと元気いっぱい!ビルの1階に保育園があるのですが、毎日大きな笑い声が聞こえますよ!
沖縄料理は元気の源!
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(有)二千年 輝(てる)コーポレーション<那覇市真嘉比> 杉本 光弘さん
09
ピクニック気分の墓参り
「清明(シーミー)祭」
毎年4月、亀甲墓と呼ばれる一族のお墓に集まって開く宴会が「清明祭」。亡くなったご先祖様の霊をなぐさめる、本土のお盆に似た行事です。当日は、「門中(むんちゅう)」と呼ばれる親せき一同が集まるので、宴会も数十人規模は当たり前。たまたま通りかかった人が混じっていたなんてことも珍しくない、ピクニック感覚の墓参りなんです。
お墓は
みんなの宴会場!?
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(株)あいうえお<那覇市銘苅> 高宮城 順健(たかみやぎ・まさたつ)さん
10
ワンランク上のウチナーグチ講座
男は「ハイサイ」、女は「ハイタイ」。
朝昼晩、いつでも使えるウチナーグチ(沖縄言葉)が「ハイサイ」。今では男女を問わず使いますが、実は使い分けがあって、男は「サイ」を付けて「ハイサイ」、女は「タイ」を付けて「ハイタイ」というのが正しい作法です。ごく気軽な言葉だけに、相手や場面を選んで使うようにすると、ウチナーグチのマスターにぐんと近づけますよ。
「サイ」も「タイ」も
沖縄の丁寧語
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(有)タフ住研<那覇市字寄宮> 立津(たてつ) 政哉さん
11
「模合(もあい)」に生きる
沖縄人の助け合い精神。
もともとは、参加者みんながお金を出し合い、困っている人に融通する庶民の金融システム。「無尽(むじん)」とか「頼母子(たのもし)」とほぼ同じですが、今はむしろ、人と人を結ぶ場という性格が強いかな。自分も3つの「模合」に入っていますが、仕事の情報を教えてもらったり、新しい人脈を紹介してもらったり、そちらの面で助けてもらっていますね。
イースター島の石像と
間違えないように!
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(株)エールプロデュース<那覇市泊> 宮里(みやざと) 光さん
12
今も流れる
ウチナータイム(沖縄時間)。
沖縄人は二つの時間を持っています。一つは、仕事や目上の人と会うときに使う、時計どおりの時間。もう一つが、時間に縛られないウチナータイム(沖縄時間)。沖縄の人は、効率や約束で人をがんじがらめにすることを好みません。細かなことで相手を責めるより、お互い様の気持ちで許し合うのがウチナーの文化であり、優しさなんですよ。
そんなに急いで
どこへ行く
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(有)ルート21<那覇市西> 与那覇 洋希(よなは・ひろき)さん
日本全国津々浦々の街を訪ね、その街に住む人、そこで働く街の不動産店の皆様に聞いた「エリアのいちばん」を5つのテーマに分けてお届けする連載シリーズです。