暮らしのコト

住まいと暮らしの文学賞 『at home AWARD』

「お隣さん」部門ファイナリスト発表!短編小説公募企画「at home AWARD」

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ファイナリスト発表

BOOKSHORTS x at homeがお届けする
住まいと暮らしの短編小説公募企画「at home AWARD」。
応募総数1031通の中から、ついに大賞のファイナリスト17作品が決定!

前回は「一人暮らし」から選ばれた最終候補作品をご紹介いたしましたが、
今回発表するのは「お隣さん」から選ばれたこの6作品!


ファイナリストお隣さん

「くしゃみ」大前粟生
〈私〉は人とつきあうのが苦手で近所づきあいもない。というか、このあたりの家はみんなどこか冷めている。ボケが進行している母との暮らしは疲れるばかりで、いつのまにか自分が、年齢以上に老いてしまっているのを感じる。母と死に向かっていく日常のなかで、きょうも左隣の家から爆発音が聞こえる。

「文鳥」大前粟生
息子が文鳥をもらってきた。息子は私には反抗的だというのに、夫とは仲がいいみたいだ。夫は最近よくメールをしている。私じゃない女のにおいがするような気がする。経年劣化する縄のように、私たちの関係がいつかちぎれてしまう前に、私は家出でもしてやろうと思った。

「厄年の男、隣人宅にてシャワーを浴びれば」ノリ・ケンゾウ
今年で本厄を向かえた先輩にことごとく降りかかる厄。犬も歩けば棒に当たるではないが、厄が歩けば棒にも当たるしこけるし、公共料金だって払えなくなるもので、先輩の厄には恐れ入ってしまう。自分の厄年を迎えるときには必ず厄払いはしようと思う。

「隣人はパールバティ」斎藤勝己
ある日、インド舞踊家の魅惑的な女性が隣室に引っ越してきた。僕達はバルコニーで顔を合わせると、舞踊の所作で挨拶を交わす。僕は何回か彼女の公演に足を運んで親しくなったが、彼女は舞踊修行でインドに行くためまた引っ越していった。僕の脳裏には彼女の魅惑的な姿が残る。

「In My Life」池田 葵
由利子は大学の近くで一人暮らしをしている。仲の良い友達はおらず、いつも一人で過ごしている。一人の時間は好きだが、ある日隣人の弾くギターの音を心地良く思い、自分の寂しさに気付く。二人は壁越しに互いを意識するようになり、学園祭の夜、距離を縮める。

「ダム子」ノリ・ケンゾウ
隣に越してきた女が予言者だった。私はその予言者の女のことを、ノストラダム子と名付け、親しみを込めてダム子と呼ぶことにした。ダム子の予言は本当によく当たる。恐ろしいくらいによく当たる。ダム子の予言によって世界は彩られ、そして破滅を迎える。そんなダム子に私は徐々に惹かれていく。

次回は「ご当地物語」から選ばれた最終候補作品を発表します!
果たして、アットホームアワード大賞に選ばれるのは、どの作品になるのでしょうか!?

みなさんの投票で決まる「読者賞」も絶賛開催中!
好きな作品に投票して、読者審査員としてこの企画に参加しよう!

■ アットホームアワード大賞 「ファイナリスト作品」(順不同)

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