暮らしのコト

東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー

焼きナスの旨味とトロトロ食感がたまらない! 「ナスのペーストカレー」

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人気の出張カレーユニット「東京カリ〜番長」メンバーが、季節の味をカレーにしてお届けする連載「東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー」の第17回。

今回は東京カリ〜番長の貿易主任、シャンカール・ノグチさんが、初秋の味覚を活かしたカレーを紹介してくれました。東京カリ〜番長の最新刊『世界一やさしいスパイスカレー教室 -スパイスカレーのしくみがよくわかる』(マイナビ出版)に掲載のメニュー、焼きナスの旨味がいっぱいの「ナスのペーストカレー」です。

ナスが主役のカレーというと、なんとなく淡白な風味を想像しますが、これがまた予想を裏切る 濃厚な旬の旨味が凝縮されたベジカレーです。いつものスパイスカレーに比べると、焼きナスの皮をむくのに少し手間はかかりますが、その代わりインパクトは絶大ですよ!

【材料(4人分)】
・ナス:5本
・玉ねぎ:2個
・トマト:2個(一部をトッピングにも使用)
・ニンニク(みじん切り):1片分
・ショウガ(みじん切り):1片分
・パセリ:5g
・パクチー(根付き):2枝(葉はトッピングにも使用)
・レモン汁:1/2個分
・アーモンドスライス:20枚
・レーズン:20粒
・塩:小さじ1
・オリーブオイル:大さじ4
【ホールスパイス】
・クミンシード:小さじ1
・グリーンペッパー:5粒
【パウダースパイス】
・ターメリック:小さじ1
・カイエンペッパー:小さじ1/2
・コリアンダー:大さじ2
・ガラムマサラ:小さじ1/3

■作り方
①ナスを焼き、たたいてペースト状にする
②パセリ、玉ねぎ、ニンニク、ショウガ、トマト、パクチーを切る
③レモンを搾る。グリーンペッパーはたたいて粗挽きに
④クミンシード、ニンニク、ショウガ、パクチーの根を炒める
⑤玉ねぎ、トマトを炒める
⑥パウダースパイス(ガラムマサラを除く)、塩を加える
⑦ナス、グリーンペッパー、レモン汁、パセリ、パクチー、ガラムマサラを加える
⑧器に盛り、トッピング、パンを添える

★ココがポイント!★
①ナスを焼き、たたいてペースト状にする

ナスのがくを取り、表面に切れ目を入れ、グリルなどで10分ほど強火で焼きます。焼き上がったら皮をむき、ナスの身をペースト状にします。その方法を動画で確認しましょう。

【やり方を動画でチェック!】
※下の動画サムネイルをクリックすると、YouTubeに移動します。
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〈焼きナスをペースト状にする方法〉
1.焼いたナスの皮をむく(皮に着いた身を包丁でこそぐように
2.すり鉢・すりこぎなどで、ナスをすりつぶす
3.まな板にのせ、包丁でたたいて、硬い部分もペースト状にする

シャンカールさん「ナスを焼くときは、あらかじめ表面に切れ目を入れておくと爆発しません。焼き上がったら、なるべく熱いうちに皮をむくのですが、やけどをしないよう気をつけてくださいね。軍手などをはめてもいいと思います。皮をむいたら、硬い部分が残らないよう、なめらかなペースト状にしてください」

②パセリ、玉ねぎ、ニンニク、ショウガ、トマト、パクチーを切る

パセリは細かく刻み、玉ねぎ、ニンニク、ショウガはみじん切りにします。パクチーは葉・茎と根を分けて、それぞれみじん切りに

③レモンを搾る。グリーンペッパーはたたいて粗挽きに

レモンを搾ってレモン汁を作り、グリーンペッパーは粗挽きにします。
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シャンカールさん「グリーンペッパーは香りを引き出すため、すり鉢やスパイスクラッシャーなどで粗挽きにしてください。熟す前に収穫して短期間で乾燥させたグリーンペッパーは、ブラックペッパーよりもやわらかく、さわやかな辛みが特徴です 」

④クミンシード、ニンニク、ショウガ、パクチーの根を炒める

鍋にオリーブオイルを強めの中火で熱し、クミンシードを加えます。プチプチとはじける音がやんだら、ニンニク、ショウガ、パクチーの根を加えて炒めます。
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シャンカールさん「パクチーの根を炒めると、ニンニクと同じくらい素晴らしい香りが出ます。鍋に加えたら少なくとも1分は炒めましょう。入れない場合よりも、すごく奥深い風味のカレーになるので、パクチーを買うときはなるべく根の付いたものを選ぶといいです。余ったら冷凍保存もできますよ 」

⑤玉ねぎ、トマトを炒める

ニンニクがこんがりと焼けて香りが立ってきたら、玉ねぎを加えて強火で炒め、きつね色になったらトマトを加えます(トマトは、トッピング用に適量を残しておきましょう)。トマトが溶けて、鍋全体がペースト状になるまで炒めます。

シャンカールさん「玉ねぎを炒めるとき、初めは強火で、ひと混ぜしたらしばらく放置して焼きつけるようにします。そして、焼き目が玉ねぎ全体についたら、水(大さじ2 分量外)を加えて、全体を混ぜます。それを何度か繰り返すと、玉ねぎがどんどん色づいてきます。色づいてきたら、火力は徐々に弱めてOKです」

⑥パウダースパイス(ガラムマサラを除く)、塩を加える

ターメリック、カイエンペッパー、コリアンダー、塩を加え、中火で3分ほど炒めます。

シャンカールさんパウダースパイスを入れたら、そのあとの炒めが重要です。これが足りないと、パウダースパイスの風味が十分に引き出せず、粉っぽくなってしまったりします。焦げないよう気をつけながら、しっかりと炒めましょう」

⑦ナス、グリーンペッパー、レモン汁、パセリ、パクチー、ガラムマサラを加える

①のナスとグリーンペッパーを加えます。弱めの中火で5分ほど全体を炒め合わせたら、レモン汁、パセリ、パクチーの葉・茎を加えます(パクチーの葉は、トッピング用に適量を残しておきましょう)。2分ほど炒めたら、ガラムマサラを加え、ひと混ぜして火を止めます。
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⑧器に盛り、トッピング、パンを添える

器に盛ったら、トマト、アーモンドスライス、レーズン、パクチーの葉を散らします。パンを添えて、出来上がり!

シャンカールさんこのカレーには、パンがよく合います。薄めにスライスしたバゲットに、ディップ感覚でカレーを塗って召し上がってみてください。もちろん、ナンやチャパティを合わせてもOKです」

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「ナスのペーストカレー」を薄切りのバゲットに塗り、口に入れた次の瞬間、予想を裏切る味に舌がびっくり! 一般的なナスのカレーの味を想像していたのですが、全然違いました!

ナスとトマトの旨味がぐっと凝縮された、肉を一切使っていないにも関わらず、濃厚なコク。ぷるぷるトロトロの焼きナスの食感、そして甘み。もちろんこのカレーのとろみは、ペースト状にした焼きナスのとろみです。

味の屋台骨となっているのは、クミンシード、ニンニク、ショウガ、パクチーの根。その上に、焼きナス、トマト、玉ねぎとともに、パウダースパイスの風味、グリーンペッパーの辛さ、レモンの酸味、パセリやパクチーの風味、アーモンドやレーズンの風味が、層をなしています。

シャンカールさん「このカレー、実は『ベイガンバルタ』という北インド・パンジャーブ地方の有名なベジタリアンメニューです。ヒンディー語で『ベイガン』はナス、『バルタ』は原形がなくなるまで調理したといった意味ですね」

カレーパーティーのときなど、他のスパイスカレーにまじって「ナスのペーストカレー」があると、よりパーティーらしい華やかな雰囲気になりそうです。その独特なおいしさに、きっとみんなの注目の的になるに違いありません。わざと何も説明しないで「これは何のカレーでしょう?」と当ててもらうのも、楽しいかもしれませんね。

【ナスのペーストカレーの極意】「つぶしてたたいて生み出せ! トロトロ食感」
「ベイガンバルタは、北インドのベジタリアンメニューとして、じゃがいもとカリフラワーの『アルゴビ』と同じくらい有名な、人気のあるカレーです。ただ、手間がかかるせいか日本のインド料理レストランで出合う機会は多くありません。それだけに、友人に振る舞えば『何これ? おいしー!』という反応が返ってくる可能性が高いです。それには、とにかく焼いたナスをスムーズなペースト状にすること。すり鉢・すりこぎ → まな板・包丁と、2段階ですりつぶせば万全です。ナスがおいしくなるこれからの季節に、ぜひ試してみてくださいね!」

■レシピ考案・監修
東京カリ〜番長
1999年に結成された出張料理集団。全国各地のイベントでカレーのライブクッキングを行うほか、雑誌・書籍でのレシピ紹介、飲食店のメニュー開発を手掛ける。
https://www.facebook.com/tokyocurrybancho

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