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東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー

【番外編】東京カリ〜番長インタビュー 「アウトドアカレーのコツは節約」

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キャンプイベント出店バナー

キャンプイベントの様子

人気の出張カレーユニット「東京カリ〜番長」メンバーが、さまざまなカレーの楽しみ方を提案する連載「東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー」

第10回の今回は、前回の「万能アウトドアキーマカレー」を紹介してくれた東京カリ〜番長のアウトドア主任、SHINGO/3LDKさんにインタビューしました!

アウトドア主任に聞いたのは、「アウトドアで作るカレーについて」。これからの季節、キャンプなど野外で料理や食事をする機会が増えますよね。そんな中でカレーはキャンプの定番メニューですが、アウトドアでおいしいカレーを作るには、一体どんなことに気をつければいいのでしょうか? SHINGO/3LDKさんのカレー歴とあわせて、アウトドアカレーの極意を教えてもらいました!

イベントでのカレーre

SHINGO/3LDKさんが野外イベントで作ったアウトドアカレー

■DJ主任として“公園カリ〜”の音楽を担当

東京カリ〜番長では、当初からアウトドア系のイベントを開催してきたのですか?

SHINGO/3LDKさん「最初、僕はDJをやっていて、クラブで朝まで皿を回したあと、東京カリ〜番長のイベント“公園カリ〜”に客として参加しました。公園でカセットコンロを使って本格インドカレーを作っていて、こいつらオモシロイなあと。だから、東京カリ〜番長には、一応アウトドア的な要素はもともとあったといえるかもしれませんね。大自然の中でやるのと都会の公園でやるのとでは、違いますが」

その後、SHINGO/3LDKさんも東京カリ〜番長に加入したわけですね?

SHINGO/3LDKさん「DJ主任として東京カリ〜番長に参加することになり、BGM用のミックステープを作って、“公園カリ〜”のときにラジカセで流していました。当時はカレーより、音楽の趣味が合うというのが僕たちの共通項でした。70〜80年代を中心としたソウルミュージック、ブラックミュージックが好きという。初めは『カレーは作らなくていい』ということだったんです(笑)」

選曲やテープ作りさえしていればよかった?

SHINGO/3LDKさん「僕とリーダー(伊東盛さん)はもともとDJをやっていて、クラブ関係に知り合いが多く、クラブイベントをけっこう頻繁にやっていたんです。その関係で、クラブイベントに出張してカレーをケータリングする“出張カリ〜”という活動が始まりました」

カリ〜番長としてアウトドアイベントに取り組むようになったのは、何かきっかけがあったのですか?

SHINGO/3LDKさん「2006年に『Natural High!』という音楽とアウトドアのフェスに出店したときに、『キャンプってカッコイイんじゃない!?』と思ったのが、きっかけですね。それで、すぐに最小限の道具をそろえて、翌週にはプライベートでキャンプをしました。フェスの会場と同じ場所(キャンプ場)にもう一度行って」

そのキャンプ場が気に入ったのですか?

SHINGO/3LDKさん「フェスではテントが乱立して、人もたくさんいて、大変賑わっていましたが、フェスをやっていないときはどうなのかな?という興味もあって。実際に行ってみたら、僕ら以外にはお客さんが誰もいなくて、どこでも好きな場所にテントを張れて、自然の中でゆったりと過ごせて最高でした」

地産野菜

地産の食材で作るアウトドアカレーは最高!

■アウトドア主任として活動フィールドを拡大

そのときに感じたアウトドアの魅力とは?

SHINGO/3LDKさん「実は子どもの頃からキャンプをやってみたかったんですが、そういう機会がなかったんです。たまたま番長の活動でアウトドアというものを目の当たりにして、ああ、やっぱり楽しそうだなと。大自然の中でテントを張って、みんな思い思いに音楽を聴いたり、料理を作ったり食べたり、酒を飲んだり。そういう非日常的な楽しみっていいなと」

それで、DJ主任からアウトドア主任に

SHINGO/3LDKさん「2008年に新メンバーとして知り合いのDJ(WARAさん)が加入したので、『DJ主任はキミに任せたよ』と。僕がアウトドア主任にまわれば、番長の活動フィールドも広がるので、そこから番長でも本気でアウトドアをやるようになりました」

東京カリ〜番長として、どのようなアウトドア活動を行っているのですか?

SHINGO/3LDKさん東京カリ〜番長の周年イベントというのを例年行っていまして、音楽を流しながらカレーを作ったり食べたりするという僕らの基本の活動ですが、それを多摩川の河川敷やキャンプ場で開いたりしています。そのほかにも、さまざまなイベントに参加して、アウトドアフィールドで本格カレーを提供する活動をしています」

“公園カリ〜”のように、アウトドアでもカセットコンロを使うのですか?

SHINGO/3LDKさん「そうですね。アウトドアで使いやすいのは、やっぱりカセットコンロタイプのものか、あるいはガスのバーナーですね。火力の調整がしやすいので。ご飯を炊くにも、焚き火や炭火で飯ごうを使うよりも、鍋で水分を飛ばすようにして炊きやすいと思います」

ミニマムなキャンプギア

SHINGO/3LDKさんは最小限の道具だけでアウトドアカレーを楽しむ

■アウトドアで作るカレーはおいしさ数倍アップ!

アウトドアでカレーを作る場合のポイントは何ですか?

SHINGO/3LDKさん「ひと言でいえば“手間と時間と燃料を節約する”ことに尽きます。長時間ぐつぐつ煮込むカレーよりも、ささっと手早くできるカレーにしたほうがいいと思います。特に火力のコントロールがしにくい焚き火だと、こげついたり煮込みすぎたりしてしまう可能性があるので」

すると、市販のルウを使ったカレーはアウトドアではNGですか?

SHINGO/3LDKさん「NGではありません。ルウを使うなら普通の煮込んで作るレシピではなく、僕たちが“炒(チャー)カレー”と呼んでいる作り方をするといいですね。先に肉や野菜を炒めておいた鍋に、別の器でお湯に溶いたルウを仕上げに加えて完成という方法です。いずれ、この連載でも詳しく紹介しますね」

アウトドアカレーで大失敗をしたことはありますか?

SHINGO/3LDKさん「ありますよー。ルウカレーを作るのにじゃがいもを忘れて、代わりにポテトチップを入れたんです。“のりしお”か何か。その塩気を計算しないで作ったら、しょっぱくなって最悪なことに。しょっぱくなり過ぎたものは、水で薄めようが何しようが、元に戻すのはほぼ無理。まあ、でも失敗しながら覚えていくものですから、失敗を恐れないでどんどんやってみたほうがいいと思います」

ほかにもポイントがあれば教えてください。

SHINGO/3LDKさん「大きな寸胴鍋で水を大量に沸かそうとすると、山の水は冷たいので沸くまで時間がかかったりします。そこで、なるべく小さい鍋を使って、水をあまり多く使わずに、調味料もカレー粉+多少のスパイスぐらいにするといいと思います。あとは、ルウを工夫するよりも使う食材で味に変化を出すとか。そのあたりに気をつけるといいんじゃないでしょうか。まあ普通に出来上がれば、自然の中で食べるというだけで数倍はおいしく感じますよね」

今後のアウトドア活動の予定は?

SHINGO/3LDKさん「2016年の周年イベントは、また多摩川の河川敷でやろうと思っています。最近は屋内会場を借りたりバス貸切で移動したりというスタイルでやっていましたが、どうしても人数制限が発生してしまうので、河川敷で番長らしく人数無制限のユル〜い感じでやりたいなと。フェスも大規模なものより、こぢんまりとした規模のものに参加する予定です」

どのようなフェスに参加する予定ですか?

SHINGO/3LDKさん「『CURRY BEER ROCK FES』という新潟の無印良品キャンプ場で開催されるフェスがあって、ビール飲み放題、カレーもほぼ食べ放題、ご当地豚肉も食べ放題。しかも、魚沼産コシヒカリが本当においしくて、カレーなんてかけたくないぐらい(笑)。例年、9月の終わり頃にやっています。あと、これは番長イベントではなくて僕の個人的な活動ですが、『東京カリ〜番外地』というイベントでも、時々アウトドアカレーをやっています。素人の方々にカレーを作ってもらって、僕も作りますが、番長以上にユルユルのアウトドアカレーイベント。こちらも楽しいですよ〜」

野外での調理

野外でジュージュー!

■取材協力
東京カリ〜番長
1999年に結成された出張料理集団。全国各地のイベントでカレーのライブクッキングを行うほか、雑誌・書籍でのレシピ紹介、飲食店のメニュー開発を手掛ける。
https://www.facebook.com/tokyocurrybancho

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