暮らしのコト

土地の魅力が凝縮! 全国「道の駅」めぐりの旅

子どもの学び舎から地域の交流施設へ「都市交流施設・道の駅保田小学校」

この「記事」が気に入ったらみんなにシェアしよう!

みんなにシェアしよう!

全国から注目の道の駅をご紹介する『全国「道の駅」めぐりの旅』。今回は千葉県安房郡鋸南町にやってきました!

「鋸南」は千葉を代表する名山の一つ「鋸山」の南に位置します。その鋸山にある日本寺には日本屈指の大きさを誇る石仏があり、観光の名所となっています。また、水仙の花の植生地としても有名で、取材時には白い花がいたるところで咲き誇り、爽やかな香りを漂わせていました。

花の見頃は12月末〜1月末。2月7日まで「水仙まつり」も催されています。

花の見頃は12月末〜1月末。2月7日まで「水仙まつり」も催されています。

今回の目的地は、車では富津館山道路・鋸南保田ICを出て左折しすぐ。電車ではJR内房線保田駅から徒歩15分ほどのところにあります。

この鋸南町には、2015年12月に画期的なアイデアの道の駅がオープンし、話題を集めているとか。そのアイデアが生きているのは施設の再利用方法。再利用されたのは、なんと「小学校」です!

ロードサインには「保田小学校」の文字が!

ロードサインには「保田小学校」の文字が!

新しくできたばかりのこちらの施設「都市交流施設・道の駅保田小学校」は、2014年に廃校となった保田小学校をリノベーションして誕生した道の駅です。施設のそこかしこに、小学校時代の面影を残したまま新しく生まれ変わっています。

建物は大きく分けて二つ。元校舎の部分と元体育館の部分に分かれています。まずは体育館をリノベーションして誕生した「きょなん楽市」へ行ってみましょう!

正門には学校の表札がそのまま残されていました。

正門には学校の表札がそのまま残されていました。

体育館を利用した「きょなん楽市」。

体育館を利用した「きょなん楽市」。

壁面に使われた半透明な建材のおかげでとても明るく、広々とした印象の店内。

壁面に使われた半透明な建材のおかげでとても明るく、広々とした印象の店内。

広々と高い天井は、体育館の面影を感じさせますね。こちらは地元産の新鮮な野菜や県内の名産品、地酒などを取り扱うマルシェで、店内は商品を買い求める人で溢れていました。

種類豊富な野菜の中でも、オススメなのが「なばな(菜花)」。町の特産品として生産され、その風味の良さで人気商品となっています。

12月〜3月が旬の菜花は今が一番美味しい季節。

12月〜3月が旬の菜花は今が一番美味しい季節。

南房総の特産品「ビワ」を使ったお菓子や加工品のコーナーもありました。

南房総の特産品「ビワ」を使ったお菓子や加工品のコーナーもありました。

校長(駅長)のアイディアから誕生した保田小オリジナルグッズのコーナーも。

校長(駅長)のアイディアから誕生した保田小オリジナルグッズのコーナーも。

次は元校舎の方を探索してみましょう。こちらはいろいろ施設や店舗が入っているようなので、まずは案内所(まちのコンシェルジュ)に行くのがオススメ。元校舎の2階部分はなんと「学びの宿」という宿泊施設なっています! 「学校に泊まる」なんて、大人でも青春時代を思い出してワクワクしてきますね。一体、どんなお部屋に泊まれるのでしょうか?

次は校舎をリノベーションした建物へ。

次は校舎をリノベーションした建物へ。

ついつい駆け出したくなる「廊下」。

ついつい駆け出したくなる「廊下」。

こちらが宿泊施設のお部屋。インテリアは教室風で、部屋名には「5年1組」などクラス名が付けられたりとなんともユニーク!!

こちらが宿泊施設のお部屋。インテリアは教室風で、部屋名には「5年1組」などクラス名が付けられたりとなんともユニーク!!

教室本来のノスタルジーな雰囲気は残しつつ、スタイリッシュに整えられた部屋はとても過ごしやすそう。部屋のインテリアには学校で実際に使われていたものが部屋ごとにセレクトされているそうです。もちろん、校舎内にはお風呂も完備。日帰り利用もできる温浴施設です。

最後に訪れたのは、お食事処。複数の施設がある中から、今回は2店舗をご紹介します。まず訪れたのは、学食のような落ち着いた雰囲気の「里山食堂」。店内から見える里山を眺めながら、ゆっくりと食事を味わえるとあって大人に人気です。

地元で採れた鯵をつかった「地鯵のフライ定食」やお弁当でも大好評な「穴子丼」、子どもに人気の「里山カレー」など、海の幸、山の幸を使った20種類以上のメニューがあります。

学習机などを配置しつつ、、とてもモダンな造りに。

学習机などを配置しつつ、、とてもモダンな造りに。

「そばとミニ海鮮丼のセット」は女性に嬉しいサイズ感。

「そばとミニ海鮮丼のセット」は女性に嬉しいサイズ感。

次は印象的な店名で、校舎の右側にある中国料理店「3年B組」さんにお邪魔しましょう!

こちらのお店は、地元で長年愛されている中国料理店「住吉飯店」の支店。その味をベースに、店長さんのアイディアも加えられた料理が人気となっているそうです。メニューはラーメン、マーボー丼などの丼もの、季節によっても変わる数種類の一品料理となっています。

学校の文化祭を思い出させる店先。

学校の文化祭を思い出させる店先。

なんとなく見覚えがありません?そう、テーブルはなんと元バスケットゴールのバックボード!

なんとなく見覚えがありません?そう、テーブルはなんと元バスケットゴールのバックボード!

醤油スープに中細の麺はどこか懐かしさを感じさせる人気メニュー「ネギソバ」。

醤油スープに中細の麺はどこか懐かしさを感じさせる人気メニュー「ネギソバ」。

買い物、宿泊施設、そして飲食店と、魅力的な施設が満載の「保田小学校」。成り立ちについて、成り立ちについて、町役場の職員の方にお話を伺いました。

役場職員さん「保田小学校は、2014年3月に廃校になるまで創立126年の歴史を持ち、地元の方に愛された小学校でした。小学校というのは子どもたちが勉強する場所でもありますが、その他にも運動会、防災訓練、祭りなど、地域の人々が集う場所としての側面も持ち合わせます。廃校が決まった時、『このまま取り壊してしまうのは寂しい』という声もあったことから再利用を模索。かつて学校と呼ばれた施設であるからこそ、町内外の人々が集う交流の場所に生まれ変わらせることが理想の利用形態であると考えました」

そこで生まれた発想が「都市交流施設・道の駅」だっということです。

役場職員さん「また、以前から地域の広域避難場所として利用されてきた建物であることから、防災拠点をなくすわけにはいきません。宿泊施設、温浴施設として活用するという設計は、災害時の快適な避難所として利用できるという考えが根底にあるからです。一歩先んじた防災拠点としても着目して頂きたい施設なのです」

いろいろ検討された上で、意味の深い施設づくりをされているんですね。

都心から車でも電車でも1時間半ほどの場所にあり、海も山も楽しめる鋸南町。そこに生まれた懐かしくて新しい都市交流施設・道の駅。房総観光の際にぜひ立ち寄りたい場所です。

  • 施設情報
    ●都市交流施設・道の駅保田小学校
    住所:千葉県安房郡鋸南町保田724
    営業時間:
    きょなん楽市9:00〜18:00
    里山食堂11:00〜15:00
    中国料理 3年B組11:00〜17:00
    学びの宿ご予約専用電話:TEL:0470-29-5531
    (受付9:00~18:00)
    定休日:無休(テナント・レストランによって異なる)
    http://hotasho.jp/

※記事中の情報・価格は取材当時のものです。

この「記事」が気に入ったら
みんなにシェアしよう!

MATOME