「天空の城」の大野市が水資源に恵まれない国、東ティモールを支援

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(OVO オーヴォより)

 麓が雲海に包まれた幻想的な景色が「天空の城」と称される大野城。その城下町、福井県大野市は水資源の豊かさで知られる町だ。市内は環境省の「名水百選」に選ばれた「お清水」をはじめ湧き水の宝庫で、名産品には米、そば、しょうゆなど、 水がきれいなことがおいしさの条件になるものがそろう。

 その大野市が、公益財団法人日本ユニセフ協会を通じて、アジアで最も「清潔で安全な水源の確保」に苦しむ国である東ティモールへの支援を決定した。

 ユニセフは世界中の子どもたちの命と健康を守るためにさまざまな活動をする国連機関だが、その一つとして、100以上の国と地域で、子どもたちにきれいな水を届ける活動を行っている。今回、大野市は2017年1月から、ユニセフが東ティモールで実施するプロジェクトに協力する。具体的には、山の湧き水を水道管で麓まで引いてくる「重力式給水システム」を設置するというもの。山岳地帯で 険しい斜面が多い地形を持つ同国の事情に合っていて、標高の高い場所にある湧き水などから、標高の低いコミュニティーまでパイプでつないで水を供給する。大野市はその費用を、募金を行ったり寄付を募ったりして調達し、支援する。

 ユニセフによると世界平均では89%、日本では100%の人が安全な水を利用できるが、東ティモールでは全体で70%、農村部では61%にとどまり、アジアの 国々の中でも最も低い割合になっている。きれいな水が使えない地域では不衛生な水を使わざるをえなかったり、子どもたちが水くみのために水源まで1日に何往復もしているという。

 同市の岡田高大市長は、このプロジェクトに込めた意義を「大野市の子どもたちからお年寄りまで、たぐいまれな水の恩恵を感じ取ってもらって、この地に生まれ育った自信と誇りを持ってほしい」と説明。さらに「世界中で水に困って いる方々をなんとか応援できないかという思い。例のない取り組みだが、覚悟、 決意を持って進めたい」と語った。

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