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「移住先No.1」山梨県の人気の秘密…「20代も増えている」

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(Jタウンネットより)

大都市に住む人の地方移住をサポートするNPO法人のふるさと回帰支援センター(東京都千代田区)は2015年2月10日、「田舎暮らし希望地域ランキング2014」を都道府県別に発表した。1位になったのは山梨県で、長野県が2位、岡山県が3位と続いた。

芝桜と富士山(Naoki Ishiiさん撮影、Flickrより)

芝桜と富士

今回のランキングは2014年1〜12月の1年間、同法人運営の「ふるさと暮らし情報センター」利用者に対するアンケートを集計したもので、延べ2885人が回答した。
1位から10位までのランキングは以下のとおりで、上位3県は安定した人気を保っている。

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ふるさと回帰支援センターの山梨県担当者は、山梨が1位になった理由を次のように分析する。

「東京に近い点はやっぱり強みですよね。特急列車1本ですぐに帰郷できますから」
「あとは自然環境でしょうか。山梨に足を運んだことがないという人は少なくて、一度は山梨を訪れたことのある方たちがほとんどなんです。『気持ちは固まっているので、具体的なアドバイスが欲しい』っておっしゃいます」

同センターではほぼ毎月、山梨県の市町村がセミナーを開催している。昨年6月には生活や住宅、就職の相談に対応した窓口『やまなし暮らし支援センター』がオープン。県の労働局も人員を配置している。
筆者が取材した金曜の午後も、30代のファミリーや60代の悠々世代などが相次いで相談に訪れ、多忙を極めていた。

「千代田区永田町にある山梨県東京事務所や、中央区日本橋にあるアンテナショップにも相談の窓口があります。しかしどちらも移住に特化しているわけではないので、相談者は『ここでいいのかな?』と思ってしまうみたいです」

ガイドブックも充実も見逃せないポイントだ。『JoYFuL』『山梨Life』には移住した100ファミリーが登場。電子ブックとしても読むことができる。

「山梨は大きく2つに分けて国中と郡内、細かく分類すると6つのエリアに分けることができます。ガイドブックはエリア別に構成されていて、○○という地域の風土や移住者の生活が分かる内容になっているんです。相談に訪れた方には『参考書代わりに読んでください』といって渡しています」(センターの担当者)

山梨が誇る日本一とは?

2015年2月11日放送の「Nスタ」(TBS系)は、山梨がなぜ移住先として人気があるのか、その秘密に迫っていた。
番組が調べた”山梨の日本一”は次のとおりで、公共サービスの充実が目につく。

日照時間ミネラルウォーター出荷額モモ・ブドウの出荷量図書館の数(10万人あたり)老人福祉センター数(65歳以上10万人あたり)1日の平均食事時間

番組は43歳の男性移住者を取材した。東京出身の彼は、趣味の乗馬がきっかけで山梨移住を決意し、現在は北杜市在住。田舎暮らし体験ハウスを経営している。
自宅は江戸時代に建てられた古民家を改修したもので、昔ながらの囲炉裏で暖をとる。都会人がイメージする典型的な田舎暮らしだ。

山梨県の地図(県公式サイトの画像を編集部が加工)
山梨県の地図(県公式サイトの画像を編集部が加工)

人気エリアは長野県に近い地域

移住者は山梨県内にまんべんなく居住しているとセンターの担当者は語るが、中でも北斗市の人気は高いという。

「県内で人気が高いのは小淵沢や清里がある北杜市ですね。東京から中央線に乗って西へ進むと、最初に高原の空気が感じられる場所なんです」

甲府市から北杜市に向かう途中には大型商業施設が2つある。昭和町の「イオンモール甲府昭和」と甲斐市の「ラザウォーク甲斐双葉」だ。田舎暮らしを満喫しつつ、車を少し走らせればショッピングできる環境も評価されているのだろう。

転入超過を食い止めるために必要なこと

ところで、総務省が1月30日に発表した「住民基本台帳人口移動報告2014年結果」によると、今回のランキングでトップ10に入った県はいずれも転出超過で、山梨県は2564人、長野県は3279人のマイナスになっている。

移住先として人気は高くても、転入の流れはあまり大きくないのが現状。それでも明るい兆しはあり、20・30歳代の相談者が増えているという。

「学生さんが相談にこられて、山梨で就職先を決めたというケースもあります。20代の方も増えていますよ」(山梨県担当者)

リニア中央新幹線の開通はまだ先の話だが、東京から1時間以内で通える環境が整えば、移住を希望する人はさらに増えそうだ。

「地元出身の私ですが、相談者に教えられるんですよ、山梨のいいところを。富士山があって、水と果物がおいしいなんて、10代のときは当たり前だと思っていましたから。山梨を訪れたことのない人に対しては『とにかく行ってみてください』とお伝えしています(笑)」(山梨県担当者)

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