6月期
ここは セイタカアワダチむら
勇者さまが全快したときには、勇者さまも戦士も私に頭があがらなかった。体調が崩れると、心も脆くなりやすいらしくて、戦士に告白されたけれど、私はお姫さまなので勇者とつき合うことにした。勇者さまはそれに逆らえなかった。新しくてめずらしい、入手困難な薬草をたくさんあげたのだから、これは当然の結果だ。
そうして、勇者さまは私と結婚することになり、この村で暮らしました。すると物語が進まなくなって、魔王の勢力も現状維持のまま、脅威とはなりませんでした。魔王という共通の敵がいつまでも存在するために、人間同士の戦争はなくなって、私は猫と勇者さまと、いつまでもセイタカアワダチ村で平和に暮らしましたとさ。
ここは セイタカアワダチむら