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#005 和太鼓職人 杉浦 哲郎

和太鼓職人

Wadaiko-Shokunin

杉浦 哲郎

Sugiura Tetsuro

プロフィール

1981年石川県生まれ

子どもの頃から物づくりが好きで、高校生になる頃には「物を作る職人」になりたいという夢を抱くようになり、高校卒業とともに創業400年の歴史を誇る和太鼓製造企業「浅野太鼓」に入社し、和太鼓職人への道を歩み始めた。以来、直向に和太鼓製作に取り組み、現在は革の製作を任されるまでに成長したが、より優れた和太鼓職人になることを目指し、研鑽の日々を送っている。

和太鼓職人とは…

日本の太鼓を総称して“和太鼓”と呼び、その伝統的な技術を継承し、和太鼓を専門に作る職人を指す。和太鼓の製作は、「胴」と「革」の2つに大別され、さまざまな工程を経て一つの太鼓が作り上げられる。

作業工程は太鼓の種類によって異なる。
一般的な“鋲打ちの太鼓”の「胴」の製作は、まず「玉切り」した原木を円筒状にくり抜き、内側を荒削りして胴の形に整えたうえで、割れや歪みが生じないよう3〜5年間、自然乾燥させる。乾燥が終わると、音の残響を良くするための「中彫り」を施す。その後、外側を磨き、漆塗りをして胴を仕上げる。
一方、「革」の製作は、まず革を丸く切り抜き、均一の厚みに削り揃えることから始まり、次に、革を湿らせて伸ばし縁を作る「仮張り」、そして、革と胴を合わせる「本張り」の2つの工程がある。
「本張り」は、革の縁を胴の側面に沿ってロープで締め上げながら時間をかけて伸ばしていく。太鼓の大きさによっては、数十トンの力で締め上げていく。
そして、手の平の感触や音で張り具合を丹念に確認し、最後に鋲を打ち縁を留めて太鼓が完成する。

特に革の製作は、太鼓の音色に直接影響が出る重要な工程である。
その日の温度や湿度によって異なる革の状態を見極め、張り具合や縫う力加減を微妙に調整する必要があるなど、音の“要”となる革の職人には、経験に裏うちされた確かで繊細な技術が求められる。

和太鼓の種類…

和太鼓には、作り方や、形、大きさ、用途によってさまざまな種類がある。代表的なのは、盆踊りの囃子などでもなじみ深い『長胴太鼓(ながどうだいこ)』。寺や神社で打たれることから「宮太鼓」とも呼ばれ、口径が3尺(90センチ)以上のものを、「大太鼓」と呼ぶ。現在では相撲や歌舞伎、祭り囃子、盆踊りのお囃子などで、幅広く打たれており、太鼓演奏の中心的な楽器として用いられている。
他にも、胴と革を紐でかがり、紐の締め具合で音を調節する『附締太鼓(つけしめだいこ)』や、桶のように板を張り合わせて胴を作る『桶胴太鼓(おけどうだいこ)』などがある。
和太鼓は、古来より神事や祭礼において、または伝達手段として重要な役割を担う道具として伝えられてきたが、最近では伝承、伝統音楽としての太鼓のほか、新たに創作太鼓が加わり、音楽の一分野として確立されている。