住みタイム 神奈川県川崎市高津区

日が少しずつ傾き、そろそろ夕食の支度の時間が近づいてきました。溝の口駅前の大きな商店街「ポレポレタウン」へ行ってみましょう。「ポレポレ」とは、アフリカのスワヒリ語で「ゆっくり」「のんびり」という意味。公募で選ばれたそうですが、自然豊かな神奈川県川崎市高津区の区民性を表しているようですね。通りには大型スーパーやドラッグストア、書店、パン屋など、約139以上の店舗が軒を連ね、生活に必要なものはすべてこの通りでまかなえるほどです。毎年恒例の「ポレポレ祭り」は、洋服、雑貨、おもちゃを中心に、地元の人々による約90店の露店が商店街を埋め尽くす大規模なフリーマーケット。他にも地元の産品販売や飲食屋台などが出店し、春は大道芸のパフォーマンスショー、秋にはハロウィンイベントなどが楽しめます。地域に密着した街づくりは、住みたい街の魅力のひとつですよね。

また、溝の口駅直結の大型ショッピングモール「ノクティプラザ」も人気の買い物スポット。ファッションや雑貨、インテリアショップなどがそろうほか、演劇やコンサートが行われるホール、体育室やギャラリーが整った市民会館、区の行政サービスコーナーも入っているので、買い物だけでなく趣味や暮らしにも便利に使えます。屋上広場にはミニ運動場や遊具、涼しげな木陰のベンチも置いてあり、住民の憩いの場にもなっているようです。

最後に1日の疲れを取ってくれるのは、やっぱりおいしいご飯！　うどんと串揚げにこだわる「うどん路じ 南口店」で、名物の「白いカレーうどん」をいただきましょう。“カレーうどん”といいつつ、出てきた器にはふわふわとした白いホイップがこんもり。カレーもうどんもどこにも見えません！　思い切って箸を差し込むと、中から茶色いうどんとカレーが現れます。すすってみると、とろっとしたカレールーと軽くてふわっとしたムースがうどんに絡まり、さっぱりとした舌触りに。カレーは程よい甘辛さで、あっさりとした味わいは、お酒のシメにも良さそうです。この白いムースの正体は、じゃがいも！　蒸して裏ごしたじゃがいもをマッシュポテト状にして生クリームと出汁を加え、専用の機械でムースにしているのだとか。じゃがいもならば、カレーにも合うわけですね。店内は上品で落ち着いた雰囲気で、ファミリーや主婦からの人気も高く、週末は半分が女性客で埋まってしまうこともあるそうです。1日の締めくくりに楽しくておいしい驚きを味わえました。

ベッドタウンとしての利便性が注目されることの多い神奈川県川崎市高津区ですが、街のあちこちには長い歴史と伝統が息づいていました。けれど、そんな歴史の重みに気負うことなく、自然に囲まれる中で「のんびり」「のびのび」過ごせるのが、この街の魅力のようです。