住みタイム 千葉県船橋市

街を巡るうちに、いつの間にか日が傾いてきました。夕飯にはまだ早いので、「ららぽーと TOKYO-BAY」を散策してみます。1981年にオープンした、車での来場に重きをおいたアメリカ型ショッピングモールの先駆けで、屋外のゲートを潜ると、ヤシの木が立ち並ぶハーバー通りが建物の中心へ向かってまっすぐに伸び、まるで南国リゾートのような雰囲気です。左右にはさまざまな飲食店が軒を連ね、歩を進めるたび、ワクワク気分が高まります。家族連れやカップルなどが行き交う広々とした館内には、大人向けのハイブランドから子どものためのおもちゃ屋まで約440店舗が集結。おしゃれな雑貨を物色するもよし、人気のファッションを試着してみるもよし。スポーツや音楽など趣味のお店をめぐるなど興味の赴くままに歩いてみれば、誰でもきっと“欲しい”に出会えるはずです。

ハーバー通りを戻り、外に出て右に見える歩道橋を渡れば、スウェーデン発祥のインテリアショップ「IKEA Tokyo-Bay」はもう目の前。いまでは日本各地にあるIKEAですが、実はIKEA船橋が日本1号店なのです。入ったらまずは2階のショールームへ。すっきりとしたデザインのデスクや、大ぶりの花柄があしらわれたファブリック製品など、北欧テイストの家具でコーディネートされた部屋の見本が続きます。眺めながら回っているだけでも楽しくて、時間が経つのがあっという間です。店内には、スウェーデンの伝統スイーツやオーガニックフードが食べられるレストランコーナーもあり、大きなショッピングバックを抱えた家族でいっぱい。どの顏にも笑顔があふれています。

日がすっかり暮れ、そろそろ夕飯どき。大手のチェーン店や昔ながらの居酒屋が集まる飲み屋街、船橋駅周辺の本町に向かってみましょう。夜が深まるにつれ、ほろ酔い気分の人たちでにぎやかになる船橋駅前。特に居酒屋が多いのは南口側ですが、今宵は北口側にある立ち食い鮨屋「吉光 船橋北口店」を目指します。

地元・船橋市場や築地市場などから仕入れた天然モノのネタが安く食べられると評判で、会社帰りのお父さんもほっと一息つける場所です。6名ほどのカウンターに滑り込み、「おまかせ」を注文。赤身に中トロ、甘えび、ほっき貝…1口サイズの鮨が舌を喜ばせ、胃袋を少しずつ満たしてくれます。
「立ち食い鮨は日本のちょっと高級なファーストフード。食べるのに気を使う必要もなければ、無理に気取る必要もない。気軽にぶらっと立ち寄ってほしいね。」
店長の野木さんはそう言って、旬のおすすめのネタを握ってくれました。素材の良さを生かした味わいに、思わず「おいしい！」と声がもれてしまいます。気軽に立ち寄れる場所としながらも、料理には決して手を抜かない。その丁寧な仕事ぶりに、愛され続けてきた理由を見たような気がします。

お土産の「海鮮ちらし」を片手に、家族の喜ぶ顏を想像しながら、夜の街を帰路につきます。思えば、今日は行く先々で家族の笑い合う姿をたくさん目にしました。母なる海に恵まれた街、千葉県船橋市は家族みんなが笑顔になれる街のようです。