不動産ハウ・ツー


住まいを買う

第8章 売買代金の支払いと登記手続き、入居後の確認など

売買代金の支払いと登記手続き

売買代金の支払いの流れ

・住宅ローンの申込み
売買契約締結後すみやかに住宅ローンの申込みを行うことが必要です。各金融機関等の審査のため必要な書類をそろえ提出してください。

・基本的に必要な書類

所得を証明する書類 住民税決定通知書 源泉徴収票など
不動産に関する書類 売買契約書(写) 不動産登記簿謄本 物件説明書など

詳しくはそれぞれの金融機関にご確認ください。

・つなぎ融資
土地の購入代金や建物を建てるときの着手金等を住宅ローンで支払う場合や、融資実行日が決まっていて自由に選択できずに融資実行日前に物件の引渡しを行う場合等は実際の融資実行前に支払いが必要となります。
そこで、銀行から一時的に融資をうけて、時間的なギャップを埋めることがあります。この一時的な借入金のことを「つなぎ融資」といいます。借りている期間の利息、ローン契約の印紙税、手数料などがかかります。
なお、ケースによってはつなぎ融資が不要なケースもありますが、つなぎ融資の必要手数料だけでなく金利等の条件を総合して借入先を選択することが大切です。

登録手続きの進め方

(1)表示と権利の登録手続き
建物を新築したり、新築マンションを購入した場合には、その建物の表示の登記保存登記を行います。当然土地部分は移転登記を行います。中古の物件売買では土地・建物ともに移転登記を行います。表示登記申請の建物の図面は土地家屋調査士に、登記申請は司法書士に依頼します。登記手続きには、オンライン申請と書面申請がありますが、書面申請の場合の所有権の移転登記に必要な書類の概略は次の通りです。

  • 登記申請書
  • 登記原因証書(普通の場合は売買契約書になります)
  • 登記済証(一般的に権利証と呼ばれるものです)または登記識別情報
  • 代理権限証書(司法書士への委任状)
  • 第三者の許可証(例えば農地法上の許可証などで第三者の許可が必要な場合のみ)
  • 売主の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
  • 買主の住民票
  • 固定資産税評価証明書(登録免許税の計算に必要です。詳しくは『不動産の取得と保有にかかる税金 登記にかかる登録免許税』を参照してください)

(2)司法書士
甲区」または「乙区」への権利の登記は、甲区は所有権に関する事項、すなわち所有権の保存登記や移転登記を、乙区には所有権以外の権利、例えば抵当権、賃借権等の権利が記録されます。この手続きは司法書士が代行することになります。

(3)売主にローンが残っている場合
売主が中古住宅を売却しようとするとき、その住宅を購入したり、建物を建築するに際してローンを利用し、その債務がまだ残っている場合が多くあります。こうしたケースでは、不動産会社に売主のローンの残高証明を取寄せてもらい、売買代金により抵当権を抹消できるのかを確認する必要があります。仮に売買代金でローンの残債務を完済できない場合は、不動産会社に依頼して、抵当権の抹消について金融機関と打ち合わせておく必要があります。


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物件の瑕疵(隠れたキズ)とアフターサービス等

購入した物件に瑕疵があった場合の取り決め

(1)売主の瑕疵担保責任とは
例えば、土台が白アリにおかされていたとか土台が腐っていた、構造上の欠陥で雨漏りがひどい等の状態であったという構造上のものと、購入した土地が将来都市計画道路に指定されており、建物を建築しても取り壊さなくてはならないような法律上の事柄なども瑕疵に該当します。民法では、売主は買主に対し瑕疵担保責任を負わなければならないとしており、買主がその瑕疵を発見してから1年以内は損害賠償の請求や契約の解除ができることになっています。

(2)瑕疵担保責任の特約がある場合
民法に定める売主の瑕疵担保責任は任意規定ですから、特約によって民法の規定と異なる内容とすることができます。例えば、「物件引渡しから2ヵ月間に限り瑕疵担保責任を負う」や「現状有姿による売買であり瑕疵担保責任を負わない」といった特約は有効です。

(3)売主が不動産会社の場合
不動産会社が売主となった場合は、宅地建物取引業法により、不動産会社は瑕疵担保責任に関して、物件の引渡日から2年以上の期間を定めること以外は、民法よりも買主に不利になる特約をしてはならないとされています(不動産会社の大部分は瑕疵担保責任の期間を「2年」と規定している)。例えば、瑕疵担保責任を負う期間を買主が知ったときから1年未満の期間とすることや、契約解除や損害賠償は認めず補修のみを行う、特定の箇所について瑕疵担保責任は負わない等の契約は買主に不利になるので無効とされます。

アフターサービス基準とは何か

(1)アフターサービスの内容について
不動産業団体に加盟する大部分の不動産会社は、売買契約に際し、アフターサービス基準を設定しています。従って売主は当然その範囲の債務を負うことになりますが、その範囲はあくまで補修に限定されるものです。ですから、アフターサービスの内容等については十分に確認しておくことが大切です。

(2)不動産会社はアフターサービスで瑕疵担保責任は免れるか
不動産会社はアフターサービスとしての補修を行うことで、法定責任としての瑕疵担保責任を免れるわけではありません。しかし、一般的には欠陥部分の補修を迅速に行うことにより、その責任のほとんどは事実上果たされるものと考えられています。

新築住宅の10年間瑕疵保障制度

(1)10年間の瑕疵担保責任
新築住宅の基本構造部分については、建設会社に10年間の瑕疵担保責任が発生します。10年より短い期間が契約で設定された場合は無効になり、短縮することは認められません。10年を超える瑕疵担保責任の期間は最長20年まで延長することが認められています。
ただし、この瑕疵担保責任はあくまで基本構造部分についてのみでありそれ以外の部分には認められません。基本構造部分とは「構造耐力上主要な部分」(基礎、柱、床等)と「雨水の侵入を防止する部分」(屋根、外壁、サッシ等)を言います。
また、新築住宅とは工事完了の日から1年未満のもので、まだ人が住んだことのないものが条件であり、一度でも人が住んだ場合や人が住んでいなくても工事完了後1年を過ぎてしまうと新築住宅にはあたりません。

(2)住宅性能表示制度
省エネルギー性能や耐震性能等は外見だけでは判断できません。そこで住宅の性能がどの程度のものなのか客観的に第三者が判断できるようにした制度が住宅性能表示制度です。この制度は任意の制度ですから評価を受けるか否かは自由です。この制度のメリットは次の通りです。

  • 住宅の性能を設計・施工段階で第三者がチェックするので安心できる。
  • どのような性能をもった住宅なのか判断でき、その性能をもった住宅の引渡しが約束される。
  • トラブル発生時には迅速な問題解決を図る紛争処理支援センターが利用できる。
  • 中古住宅として売却するときスムーズになりやすい。
    ただし、評価や検査のための費用は自分で負担することになります。

(3)紛争処理
住宅性能表示制度を活用した住宅にトラブルが発生した場合、指定住宅紛争処理機関に申請することにより問題をスピーディに解決することができるようになります。裁判で争うより簡単かつ少ない費用で利用することができます。

(4)住宅瑕疵担保責任保険
新築住宅の売主等(建設業者・宅建業者)が、国土交通大臣の指定する「住宅瑕疵担保責任保険法人」との間で契約を締結し、その住宅に瑕疵が判明した場合、補修費用等が保険金によりてん補される制度です。また、売主等が倒産して補修が行えない場合等は、発注者や買主が保険法人に瑕疵の補修等にかかる費用(保険金)を直接請求することができます。


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