不動産ハウ・ツー


住まいを買う

第1章 資金計画の立て方と頭金作り

初期費用はどれほど必要か

準備する貯金はどれほど必要か

本来、マイホーム購入の頭金の目安とはどのくらいなのでしょうか。
以前は、住宅ローンを利用する場合の融資額として、購入価格や建築費の80%までというケースが多かったため、逆算して20%程度の頭金があれば大丈夫と考えられていました。このほか、頭金が不要で100%ローン可能という広告を見ることもあります。
毎月、確実に返済が行え、完済できるなら問題ないのかもしれませんが、住宅ローンの返済は長期に渡るため予期していない出来事があることも考慮しておくことが必要です。 また、実際には購入費用のほかに諸費用も必要ですので、購入予算の25%~30%程度の資金を準備しておくのが、安全な資金計画といえるでしょう。 つまり、住宅ローンはいくら借りられるのかより、いくらなら無理なく返済できるかを考慮し、安全な資金計画を立てることが大切です。

ゆとりの資金計画
意外とかかる諸費用

主な諸費用には以下のようなものがあります。

印紙税 不動産売買契約と金銭消費貸借契約(住宅ローンの借入)時に契約書に貼ることにより納税します。
詳しくは、9.不動産の取得と保有にかかる税金を参照してください。
事務手数料 住宅ローンの借入にかかる事務手数料です。金融機関によって金額が異なりますが、30,000~50,000円程度を考慮しておけばよいでしょう。
ローン保証料 住宅ローンを支払えなくなったときに、保証会社が代わりに金融機関へ返済するため保証会社へ支払うものを保証料といいます。保証料は、毎月の支払いに上乗せして支払う方式(内枠方式)と、別途支払う方式(外枠方式)とがあります。金額は、借入金額や借入機関によって異なります。なお、フラット35では保証料が不要です。
団体信用
生命保険料
債務者に万一のことがあった場合には、住宅ローンの残高をこの保険で支払うことになります。借入金額、借入期間、返済方法により保険料は異なります。また、民間金融機関で団体信用生命保険料が銀行負担となっているケースでは保険料が金利に含まれているのが一般的です。
登録免許税 登記を受けるときに必要な税金です。物件の種類や借入金の額により異なります。
詳しくは、9.不動産の取得と保有にかかる税金を参照してください。
司法書士への報酬 登記の内容や物件の価格(課税標準価格)によりまちまちですが、3,000~5,000万円程度の居住用物件の場合、10万円前後と考えておけば良いでしょう。司法書士はその「報酬基準」に準じて、報酬額を決めていることが多いですが、その報酬額や算定方法・諸費用を依頼者に明示した後、合意によって決定することになっていますから、必ず事前に確認することが必要です。
仲介手数料 仲介する不動産会社に支払う費用です。宅建業法の規定では、[売買価額200万円までの部分×5.4%]+[売買価額200万円超~400万円の部分×4.32%]+[売買価額400万円超の部分×3.24%]で計算される金額が仲介手数料の上限額となりますが、不動産の売買価額は多くの場合400万円を超えるため、速算法・簡略式として[売買価額×3.24%+64,800円]と表現されることが多いのです。
その他 火災保険料や引越し費用、ゴミ処理費用、取得後の不動産取得税、固定資産税・都市計画税の精算金などが必要です。また、一戸建て住宅かマンションか、新築か中古か、などによって、物件ごとに独自の費用が必要になります。分譲マンションでは一戸建て住宅と違って管理費や修繕積立金が要ります。また新築マンションでは管理準備金や修繕積立基金などが必要ですが、中古マンションでは要りません。

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資金計画はどう考えるか

毎月の返済可能額から借入総額が求められる

金利や返済期間によって借入可能額がどのくらい違ってくるかを見てみましょう。

例1)

  • 年収600万円サラリーマンのケースで、月額返済額を175,000円、返済期間を35年と仮定します。なお、金利は変動金利、返済方法は元利均等返済です。
金利 借入可能額 総返済額
2.8%の場合 4,681万円 73,500,000円
3.3%の場合 4,355万円 73,500,000円
3.8%の場合 4,061万円 73,500,000円

※金利により、借入可能額が大きく異なることが分かります。

例2)

  • 上記サラリーマンのケースで、月額返済額を175,000円、金利を3.3%と仮定します。
    なお、例1)と同じく金利は変動金利、返済方法は元利均等返済ですが、返済期間は違います。
返済期間 借入可能額 総返済額
25年の場合 3,571万円 52,500,000円
30年の場合 3,995万円 63,000,000円
35年の場合 4,355万円 73,500,000円

※返済期間により、借入可能額や総返済額が大きく異なることが分かります。

・返済負担率について
「返済負担率」とは、収入に占める様々なローンの返済額(今回の住宅取得に必要な借入金の返済額とそれ以外の借入金の返済額の合計額)の割合のことです。住宅ローンだけでなくほかの借り入れがあれば、その分の返済額も含めた返済額全体の合計の割合で、借入審査の重点項目の一つです。

フラット35の場合はこの割合を「総返済負担率」と呼びますが、意味は普通の返済負担率と同じです。年収別に総返済負担率が以下の基準を超えないことが必要になります。なお、民間の金融機関の場合、仕組みの説明に出てくる返済負担率はそれぞれに異なっていますが、考え方はどこも変わりません

下の表はフラット35の総返済負担率です。

年収 400万円未満 400万円以上
総返済負担率 30% 35%

返済負担率を確かめるときは、ご自分の年収による実質的な返済可能額や返済負担率を考慮した上で、返済額(毎月及びボーナス)を算出し、借入可能額をシミュレーションしてみることをお勧めします。

※上記の例ではボーナス返済は考慮していませんが、ボーナスを考慮する場合には年収に占めるボーナスの割合はできる限り少なく見積もっておくほうが安全です。ボーナスは時期によって実際の収入額が変わることが多いからです。
借入可能額シミュレーション  >> 返済額試算

購入できる総額を試算してみる

■借入額の試算
住宅ローンの額によって、毎月の返済額がいくらになるのかを求め、返済できるかどうかを検討することは大変重要です。
こちらの借入可能額シミュレーション  >>返済額試算では、借入金、ボーナス返済(金額または比率)、金利、返済年数を入力することにより簡単に毎月分およびボーナス分の返済額が試算できます。
また、フラット35を利用する場合は、毎月の返済額が、『1.毎月の返済可能額から借入総額が求められる』の『さらに詳しく知りたい方へ ・返済負担率について』を参照し、年収に占めるローンの割合が基準に収まっているかを確認してください。

頭金が不足する場合や返済負担率が基準を超えてしまうような場合には
a.融資を受けやすい方法で頭金を貯蓄する
b.親等から住宅取得資金の一部援助を受ける
c.費用の一部を親等から借りる
d.住宅ローン以外の借入金を返済する
e.物件の条件を見直し、購入価格を下げるための検討を行う
等の工夫をしていく必要がでてきます。
a~cのポイントは以下に記載していますので、参照してください。

例)フラット35を利用する場合
年収600万円、金利3.3%、返済期間35年、元利均等返済(ボーナス返済なし)
フラット35以外の借り入れはないという条件で4,000万円のマンションを購入する場合の借入限度額は

年収600万円の場合の総返済負担率は35%
→年間返済額の上限は 600万円×35%=210万円
→毎月の返済額の上限は 210万円÷12=175,000円
よって計算上の借入れ限度額は 4,355万円

ただし、フラット35の融資限度額は物件価格の90%までなので、
3,600万円が融資限度額になります。


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効果的な住宅資金の貯蓄方法と贈与等を受けるときの注意

財形住宅貯蓄を始めよう

<機構財形住宅融資(住宅金融支援機構の財形住宅融資)の特長>

  • 契約後、5年ごとに適用金利を見直す5年固定金利
  • 財形貯蓄残高の10倍の額(最高4,000万円)まで、所要額の90%を限度として融資を受けられる
  • 融資手数料は不要

<申込みができる人の条件(主なもの)>

  • 一般財形貯蓄・財形年金貯蓄・財形住宅貯蓄のいずれかを1年以上続け、その残高が50万円以上ある人
  • 勤務先から住宅手当・利子補給・社内融資などの援助(負担軽減措置)が受けられる人
  • 自分で所有し居住する住宅を建設、購入する人
  • 他の借入金の返済額も含めた年間の返済額が年収の一定率(年収400万円未満の場合30%、年収400万円以上の場合35%)以下であること。
  • 申込日現在、原則として70歳未満の人(リフォーム融資は79歳未満の人)

※リフォームやローンの借換えには、利用できません。

フラット35と併せて利用する場合は次のようなメリットが考えられます。

  • 全期間固定金利のフラット35と組み合わせることで、財形住宅貯蓄の低金利の金利変動リスクを低減する資金計画をたてることができる。
  • フラット35と機構財形住宅融資それぞれの限度額の合計まで借入れが可能。(フラット35は8,000万円、機構財形住宅融資は4,000万円)
  • 保証料、融資手数料が不要。

※さらに詳しい情報は、住宅金融支援機構のHPを参照してください。

親などから贈与を受ける場合の贈与税

住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例の適用を受けるための条件(概略)は下記のとおりです。

住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例

  • 平成15年1月1日から平成26年12月31日までの間の贈与であること
  • 父母から贈与された住宅取得等資金であること(祖父母から孫への贈与は特例の対象外となります)
  • 受贈者(子)が20歳以上であること
  • 贈与を受けた翌年の3月15日までに、取得した住居に入居すること
  • 取得する住宅は、新築または築後経過年数が20年以内(一定の耐火建築物である場合は25年以内)もしくは地震に対する一定の安全基準に適合する(既存住宅売買瑕疵保険に加入する一定のものを含む)家屋で、床面積が50平方メートル以上であること
  • 増築・改築・大規模の修繕・大規模の模様替えであって、当該増改築の工事費用が100万円以上であること及び当該増改築後の床面積が50平方メートル以上であること

住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例は、祖父母からの贈与には適用がなく、受贈者の年齢に制限があります。
詳細は税理士などの専門家にご相談ください。


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