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【電気代節約方法まとめ】無理なくできる節電のポイントを徹底解説

【電気代節約方法まとめ】無理なくできる節電のポイントを徹底解説
夏や冬になると冷暖房機器の使用頻度が高くなり電気をよく使うので、電気代が気になる人も多いでしょう。電気料金が高騰している今、少しでも電気代を節約し、出費を抑えたいものです。
そこで今回は、普段の生活ですぐに活用できる電気代の節約方法をわかりやすく解説します。

記事の目次

電気代の節約が重要な理由

はじめに、そもそも電気代はどうやってきまるのか、電気代が値上がりしている背景などを説明します。

電気料金の仕組み 

電気料金の仕組み

電気料金は、次の料金で成り立っています。

  1. 契約するアンペア数やプランにより設定されている「基本料金」
  2. 使用電気量に応じて計算された「電気量料金」と、燃料費の変動によって算出される「燃料費調整額」
  3. 再生可能エネルギーの買い取り費用として消費者が負担する「再生可能エネルギー発電促進賦課金」

基本料金には、アンペア制と最低料金制の2つの種類があり、地域によって契約できる制度が異なります。アンペア制の場合、契約するアンペア数に応じて基本料金が変わります。一方最低料金制の場合は、最低料金に一定の電気使用量の料金が含まれており、それ以上の電力を使うとその分の料金が上乗せされる仕組みです。
契約する電気量料金と再生可能エネルギー発電促進賦課金の料金は、それぞれの単価に1カ月分の電気使用量をかけて求めます。

全国の大手電力会社が値上げ?

電気料金は値上がりしているのでしょうか
全国の大手電力会社7社は、2023年6月1日から電気の規制料金を値上げしました。規制料金とは、電力会社が提供する従来型の料金です。「従量電灯」と呼ばれる電気料金プランが該当します。規制料金の値上げには、経済産業大臣の許可が必要ですが、2022年、ロシアのウクライナ侵攻にともない、燃料費の高騰や円安の影響を受けた大手電力会社は、料金の改定を国に申請していました。このたび許可が下りて規制料金の値上げとなりました。

※参考:経済産業省資源エネルギー庁「電気料金の改定について(2023年6月実施)」

夏と冬は電気代が高くなる?

夏や冬は、室内を快適な温度にするためエアコンなどの空調設備を使用する機会が多くなり、電気代は高くなる傾向にあります。

下記は、総務省が2022年度に実施した家計調査による夏と冬、年間平均の電気代(世帯人員1人~5人)を表したものです。

世帯人員 1人 2人 3人 4人 5人

(1~3月)
7,749円 13,216円 15,320円 16,286円 18,467円

(4~6月)
6,333円 10,657円 12,599円 12,713円 14,529円

(7~9月)
6,418円 10,446円 12,062円 12,922円 14,038円

(10月~12月)
6,557円 10,910円 12,648円 13,871円 14,860円
年間平均 6,808円 11,307円 13,157円 13,948円 15,474円

出典:総務省「家計調査(家計収支編) 世帯人員・世帯主の年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出(総世帯)(2022年度)」より筆者作成

上記の表によると、冬の電気代がもっとも高くなっています。その理由は、冬は室内気温と設定温度の差が大きいため、夏よりもエアコン代が多くかかったり、エアコンのほかにもヒーターやこたつなど暖房器具をよく使う時期であることが考えられます。冬は日照時間が短くなり、照明を使う時間が長くなることも一因です。

電力会社や契約を見直して節約する方法

電力会社や契約を見直してみましょう

まず、電力会社や契約を見直すことがもっとも手軽に電気代を節約できる方法です。詳しく説明していきます

電力会社を見直す

電気代を節約する方法の1つとして電力会社を見直すのがよいでしょう。
2016年4月より電気が自由化されてから、大手電力会社の他に、電気の小売業に参入する企業が増えました。各社がさまざまな料金プランを展開しています。
各社のホームページでは電気代のシミュレーションが可能です。また、電気料金の比較サイトもあります。現在の電気代と比較し、よりお得な会社があれば、電力会社の乗り換えを検討してみましょう。

契約プランを見直す

電気料金の契約プランを見直すという方法もあります。
電力会社はさまざまな契約プランを用意しています。電気を使用する時間帯によって単価が変わったり、ポイントやマイルなどを貯められたりするプランや、電気とガスのセット割を提供しているところもあります。
ぜひ契約している会社のホームページで、他に最適なプランはないか確認してみてください。サイトにあるシミュレーションを試してみて、現在の電気料金よりもお得なプランがあれば変更するとよいでしょう。

契約アンペアを見直す

家電の使い方やライフスタイルを確認し、契約アンペアを見直してみましょう。
アンペア制による基本料金は、契約するアンペア数で決まり、アンペア数が大きくなるほど、基本料金は高くなります。アンペア数とは同時に使える電気量のことなので、世帯人数や家電の使用状況によっては、契約アンペアを下げてもよいかもしれません。

支払い方法を見直す

現在の支払い方法を見直してみましょう。電気代には「振り込み」「口座振替」「クレジットカード」による3通りの支払い方法があります。お得なのは、口座振替またはクレジットカード払いです。
電力会社によっては口座振替割引が受けられるところがあります。また、クレジットカードで支払う場合は、料金の割引はありませんが、カードのポイントが付くのでお得です。割引とポイント率を比較し、よりお得で使い勝手のよい支払い方法に変更してみましょう。

生活習慣を見直して節約する方法

日々のちょっとした生活習慣を見直すだけでも、電気代は節約できます。ひとつずつ解説していきます。

電力使用量を把握する

電気代を節約するなら、まず、自分の家の電気使用量がどれくらいなのかを把握することが大切。電気使用量は、電力会社から届く検針票「電気ご使用量のお知らせ」やWeb検針票、電力会社サイトのマイページで確認できます。
電力使用量を減らせば電気代は安くなるので、電気の使い方を見直してみましょう。

電気代の高い時間帯は外出する

電力量の単価は、夜間は安く、昼間は高めに設定されています。そのため、昼間に電気を使う機会を減らせば、電気代は安くなります。
契約しているプランの時間帯別単価を確認してみましょう。高く設定されている時間帯に外出すれば、電気代を節約できます。

窓に断熱対策をする

夏は窓から日差しが差し込むと室温は上がります。冬は窓から冷気が入ってくるので、室温は下がり寒くなります。窓に断熱対策をすれば、冷暖房の電気代を節約できるでしょう。
例えば、窓に断熱シートを貼ったり、遮熱カーテンを取り付けると、夏場の熱や冬場の冷気が入るのを防げます。また、室内の温度が外に逃げるのを防ぐので、冷暖房効果を高め、電気代の節約につながります。

お風呂の入り方に気を付ける

お風呂の入り方に気を付けることも、電気代の節約になります。
お湯を沸かすのに電気給湯器を使っている場合、追い焚き機能を使えば電気が多く消費されます。家族全員がそれぞれ異なった時間にお風呂に入る家庭は、追い焚きを何度もしてしまい電気代は高くなるので注意が必要。短時間で家族全員が入浴を済ませれば、追い焚きをしなくてもよくなり、電気代を節約できます。
また、入浴後はフタをして冷めにくくする工夫もしましょう。

使わない電化製品のスイッチを切る

使っていない部屋の照明や、誰も観ていないテレビ、使っていないパソコンなど、無駄に電気を消費している機会はないでしょうか。使っていない電化製品のスイッチをこまめに切ることで、電気代を節約できます。また、部屋を出る時は照明を消すようにしましょう。消費量の少ない電力でもこまめにスイッチを切ることを習慣化することが大切です。

コンセントの使い方に気を付ける

コンセントにプラグを挿したままにしていると、待機電力が発生します。わずかな電気量かもしれませんが、無駄な電気を消費していることになります。使わない電化製品のプラグは抜いておきましょう。
電気代を節約するために、節電タップを使うのも有効です。節電タップには電源の切り替えスイッチが付いているので、スイッチを切るだけで待機電力の発生が防げます。

家電の使い方を工夫して節約する方法

家電の使い方の工夫でも電気代を節約できます。それぞれの家電を使う時のポイントを紹介します。

エアコンの使い方

エアコンの使い方を工夫することで電気代を節約できます
エアコンの設定温度は、夏は28度、冬は20度がよいといわれています。これを目安に温度を調整しましょう。
また、ほこりや汚れが溜まったフィルターは空気がとおりにくくなるため、冷暖房効果が落ちます。定期的にエアコンのフィルターを掃除しましょう。掃除するタイミングはエアコンを使う頻度により異なりますが、2週間に一度を目安にするとよいでしょう。
エアコンのフィルターを月に1、2回掃除すると、年間で約990円節約できます。

※出典:経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 「無理のない省エネ節約 エアコン」

なお、エアコンの風量は自動に設定することを推奨します。効率よく冷暖房効果が出るよう調整してくれるので、電気代の節約になります。

洗濯機の使い方

洗濯はまとめ洗いにするのがおすすめです。しかし、洗濯物を詰め込み過ぎると汚れが落ちにくくなるので、7~8割程度の量にとどめておくのがよいでしょう。
乾燥機付き洗濯機の場合、夜間など電気料金の単価が安い時間帯に洗濯できるようタイマーをセットしておくと電気代が節約できます。契約している電力会社の夜間料金が適用される時間帯をチェックし、活用してみましょう。

冷蔵庫の使い方

冷蔵庫の使い方を工夫することで電気代を節約できます
冷蔵庫は詰め込み過ぎると冷却効果が下がります。中身は7割程度にしておくと冷気が回りやすく、効率的に冷やせます。また、冷蔵庫の中を整理しておくことで、探しものをする時間が減ってドアの開閉時間が短くなり、冷気が逃げるのを防ぐことができます。
冷蔵庫の中を詰め込んだ場合と、中身を半分にした場合では、半分にした場合のほうが年間で約1,360円の節約になります。

※出典:経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 「無理のない省エネ節約 冷蔵庫」

なお、節電のためには、冷蔵庫は壁から離して置き、上部にはものを置かないようにしましょう。冷蔵庫は側面や上部から放熱しています。放熱を妨げると、冷却効果は落ちて消費電力が増えるからです。

照明器具の使い方

照明は蛍光灯や白熱灯からLED照明に切り替えると、電気代の節約になります。LED照明は白熱灯に比べると寿命が長いので、長期的なコストも抑えられます。
照明を54Wの白熱電球から9Wの電球形LEDランプに交換すると、年間で約2,790円節約できます。

※出典:経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 「無理のない省エネ節約 照明」

また、調光機能のある照明にして明るさをコントロールすれば、消費電力を減らせます。使わない部屋の照明を消すことも電気代の節約には重要です。

テレビの使い方

テレビの画面が明るいと消費電力が増えます。明るさを調整する機能があれば利用するとよいでしょう。なお、テレビによっては、省エネモードが付いています。自動的に明るさを調整し、一定時間操作がないと自動的にスイッチを切ってくれるので、省エネモードがあれば活用しましょう。
液晶テレビ(32V型)の画面の輝度を最大から中間へ変更した場合、年間約840円の節約になります。

※出典:経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 「無理のない省エネ節約 テレビ」

電気ポットの使い方

電気ポットの保温機能は電気を多く消費します。長時間お湯を使わない時はプラグを抜き、お湯の必要な時に再沸騰させたほうが電気代を節約できます。
電気ポット(2.2リットル)に満タンの水を入れ沸騰させ、1.2リットルを使用後、6時間保温状態にした場合と、プラグを抜いて保温せず、再沸騰させて使用した場合を比べると、再沸騰させたほうが年間で約3,330円の節約になります。

※出典:経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 「無理のない省エネ節約 電気ポット」

また、節電タイマーがあれば、設定した時間にお湯を沸かしてくれるので活用すると便利です。

炊飯器の使い方

炊飯器の保温も、電気が多く消費されます。炊飯器でご飯を炊いたら保温機能は使わず、冷蔵するか1食分ごとに冷凍して食べるたびに電子レンジで温めると、電気代の節約になります。
また、炊飯器のエコ炊きモードは消費電力を抑えながら炊けるので活用しましょう。食べる時間に炊き上がるようタイマー機能を使えば、保温の必要がなくなります。

トイレの使い方

トイレで電気を多く消費するものは、温水洗浄便座です。便座や洗浄水の温度設定は常に控えめにして、季節に合わせて温度の調整を。夏場は便座を暖める必要がないので暖房を切りましょう。
便座を暖めて使う季節では、使い終わったらフタをすると保温性が上がります。そうすれば設定温度を低めにしても温度が保たれて、電気代の節約になります。

パソコンの使い方

パソコンを使わない時は、電源を切るのが節電につながりますが、パソコンは起動する際にも大きな電力を消費します。
頻繁に使用する場合は、都度電源を切るのではなく、スリープモードを活用しましょう。スリープモードは一時的にパソコンの動作を停止して、消費電力を抑える機能です。
また、パソコン画面の明るさを調整するのも電気代の節約になります。

※出典:経済産業省資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「無理のない省エネ節約 パソコン」

古い家電を買い替えて節約する方法

古い家電は消費電力が大きい傾向にあります。古い家電を使っている場合は、新しいものに買い替えるのも電気代の節約につながる方法の1つです。

電気代が高い家電とは

電気代が高い家電は、夏と冬のどちらも1位:エアコン、2位:冷蔵庫、3位:照明、4位:給湯、5位:テレビ・DVDとなっています。
これらの家電には次のような特徴があります。

  • 長時間使うことが多い
  • 消費電力量が多い
  • 通電時間が長い
  • 年間をとおして使うものが多い

日頃から使う機会が多く、電気を多く消費する家電は、電気代が高くなる傾向にあります。

古い家電を買い替えるメリット

新しい家電の多くには省エネ機能が搭載されています。省エネ対策を施していない古い家電を使っている場合は、省エネ家電に買い替えることで、電気代の節約につながります。

現在の新しい家電と古い家電を比べた時の省エネ効果(年間消費電力量の削減)を見てみましょう。

  • エアコン⇒10年前のものを比べると、約17%の省エネ
  • 冷蔵庫⇒10年前のものと比べると、約40~47%の省エネ
  • 照明器具⇒電球をLEDに取り替えると、約86%の省エネ
  • テレビ⇒9年前のものと比べると、約42%の省エネ

※出典:経済産業省資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「機器の買換で省エネ節約」

新しい家電は古いものと比べると、年間消費電力量が少ないことがわかります。照明をLEDに替えると、かなりの省エネ効果が期待できそうです。

買い替えのポイント

家電の買い替えで確認したいポイントは、省エネ性能です。
家電の省エネ基準を定めた「省エネ法」と呼ばれる法律があります。省エネ基準を達成している家電には、「省エネ性能」「省エネ基準達成率」「年間目安エネルギー料金」などが記載された「統一省エネラベル」が表示されています。
省エネ性能は、星の数が多いほど高性能です。省エネ基準達成率は高いものほど省エネ性能が優れています。
家電を新しく買い替える時は統一省エネラベルを見て、ラベルに記載されている内容を比較するとよいでしょう。

また、家電を選ぶ時は、家族の人数や部屋の広さ、ライフスタイルに合ったサイズや機能を選ぶことも、電気代の節約につながります。

夏の電気代節約術

夏は電気代が多くかかりがちなので、特に節約したいと考える人も多いと思います。ただし、「エアコンを付けずに我慢する!」などの無理な行動は、熱中症の危険性があるため絶対にやめましょう。
ここでは、電気代を節約しつつ涼しくなれる方法を紹介しますので、ぜひ実践してみてくださいね。

夏の部屋の換気方法

冷房を付けている時は、窓を開けないようにしている人は多いかもしれません。しかし、換気をしないと空気が汚れ、健康によくない影響を与えます。5~10分程度で構いませんので、夏でも定期的に換気をしましょう。
換気する時は、対角線上にある2カ所の窓を開けると効果的です。冷房を付けている時は、エアコンから離れた窓を開けるとよいでしょう。

外出から帰った時は、すぐに冷房を付けるのは推奨できません。まずは窓を開け、暑くなった空気を外へ逃がしましょう。その後冷房を付けると、効率的に部屋を冷やせます。
また、洗面所や風呂などに24時間換気システムがあれば活用しましょう。

冷房器具の活用方法

次に、効率的に部屋を涼しくする冷房器具の活用法やポイントなどを紹介します。 

エアコンと扇風機を併用する

エアコンと扇風機を併用した際の冷気の流れのイメージ

エアコンと扇風機は上手く併用するとよいです。
扇風機の役割は、エアコンからの風を部屋中に循環させること。暖かい空気は上に、冷たい空気は下に行く性質があるので、空気の性質に合わせて扇風機を活用しましょう。
エアコンは風の吹き出し口を水平にしておきます。扇風機を風下に置き上向きにして、エアコンに向けて回します。そうすることで、下に降りた冷風が上へ循環するので、部屋全体を効率よく冷やすことが可能です。

冷風扇や冷風除湿機を使う

冷風扇(冷風扇風機)は、タンクに入れた水を蒸発させることで熱い空気を冷やして冷風を送る冷房器具。冷風除湿機は、除湿しながら冷風を送ることができる冷房器具です。
どちらも部屋全体の室温を下げる効果はエアコンよりは低いものの、消費電力はエアコンに比べてかなり少ないため、部分的に活用するとよいでしょう。 

涼しくなるグッズの活用方法

首元を冷やす「ネッククーラー」を使うことも効果的

夏はエアコンや扇風機が活躍しますが、視覚的にも機能的にも涼しくなるグッズがあるので、合併せて活用するのがおすすめです。

例えば、ネッククーラーは首元を冷やすことで涼しさが感じられるグッズ。コストもかからないので取り入れやすいでしょう。
また、家の窓に取り付ける「よしず」や「簾(すだれ)」は、昔から夏の暑さ対策に活用されているものです。風とおしがよく、暑い日差しを避けてくれます。
もう1つおすすめなのが、グリーンカーテンです。アサガオやゴーヤ、キュウリ、ヘチマなどがよく用いられます。緑の葉が茂ると日光を遮ってくれて、見た目も涼しさを感じられます。特にゴーヤやキュウリなど夏野菜をグリーンカーテンにすると、食べることもでき一石二鳥です。

グリーンカーテンの活用法は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。

冬の電気代節約術

冬も暖房器具などの使用機会が多くなり、電気代がかさむ季節です。ここでは、冬にできる電気代の節約方法を紹介します。

暖房器具の適切な配置方法

エアコンは、リビングをはじめ、広くて人が集まりやすい部屋を暖めるのに向いています。足元が冷える時は、ホットカーペットや電気こたつを使うとよいでしょう。
また、洗面所やキッチンなどエアコンの暖気が届きにくい場所は、部分的に暖める電気ストーブやヒーターが適しています。

暖房器具の活用方法

効率的に暖をとる暖房器具の活用法やポイントは以下の4点です。

エアコンとサーキュレーターを併用する

暖かい空気は部屋の上部にたまるので、足元が冷えやすくなります。エアコンの風を下向きにして、サーキュレーターをエアコンの反対側に置き、上向きに風を送るとよいでしょう。こうすると、下に向かう暖かい風が部屋の上部にも流れるため、部屋が早く暖かくなります。

ホットカーペットは最適なサイズのものを選ぶ

ホットカーペットには1畳から4畳程度まで数種類のサイズがありますが、使う場所の面積に合ったサイズのものを選びましょう。分割して暖められる機能があれば、人がいる場所だけを暖めると節電になります。
さらに、床とホットカーペットの間に床用断熱アルミシートを敷くと、床からの冷気を遮断し、保温効果が上がります。

夜は窓下ヒーターや電気毛布を使う

冷気は、窓にかけたカーテンと床のすきまから入ってくるので、窓下ヒーターを置いて冷気の侵入を防ぐとよいでしょう。窓からの冷気を遮断すれば、暖房効果が上がります。
また、夜眠る時は電気毛布がおすすめ。他の暖房器具と比べるとコストが安く、布団全体を暖められます。

電気こたつを活用する

電気こたつもエアコンに比べると暖房コストは安価です。部屋全体は暖められませんが、長時間リビングで過ごす時に向いています。
電気こたつを使う時は、床にラグやマットを敷くようにしましょう。適したサイズのこたつ布団をかけると、すき間ができにくく熱を逃がさないため、効率的に暖められます。また、節電のためには温度設定は控えめにしておくとよいでしょう。

暖かくなるグッズの活用方法

「湯たんぽ」で足元を暖めることも節電につながります

身体を暖めるグッズには、電気製品以外にもさまざまなものがあります。
夜眠る時に足元を暖める湯たんぽは、節電グッズとしても活用できます。テレワークや勉強などで足元が冷える時は、暖かい素材を使ったルームシューズを履くのもよいでしょう。
加えて、窓ガラスに窓用断熱シートを貼ったり、ドアの下にすきまテープを貼ったりすると、冷気の侵入を防ぎ、部屋を効率的に暖められます。

家族で暮らす場合の電気代節約のポイント

総務省が実施した家計調査によると、2022年の4人世帯の電気代の平均は13,948円/月、5人世帯だと15,474円/月です。また、一戸建ては集合住宅より2,000円~3,000円程度多い傾向にあります。
家族の人数が多いと、その分消費する電気量は増えます。家族が一緒に暮らす家庭で電気代を節約するためには、次の3つのことを実践してみましょう。

  • 家族全員で同じ部屋で過ごす
  • 冷蔵庫の扉の開閉回数や開閉時間に気を付ける
  • 洗濯物はできるだけまとめて洗う

大事なのは、家族が共通して節約意識を持つこと。同じ部屋で過ごせば、照明や冷暖房の電気代を節約できます。また、家族全員分の洗濯物をまとめて洗うことで、洗濯機を回す回数も減らせるでしょう。冷蔵庫は、整理してものの置き場所を決めておけば、探しものをする時間がなくなるので、開閉する時間を短縮できます。

家族が協力して電気代の節約を続けていくためにも、電化製品の使用ルールを決めておくとよいかもしれません。

オール電化住宅での電気代節約のポイント

家庭の冷暖房や調理、給湯などで使うすべてのエネルギーを電気で賄うオール電化住宅は、「電気代が高くなる」とのお悩みをよく聞きます。また2022年頃から始まったエネルギーの高騰で、家庭によっては1カ月の電気代が10万円を超えたケースもあるようです。

では、オール電化住宅ではどのように電気代を節約すればいいのでしょうか。
ポイントは3つあります。1つ目は、オール電化向けの電気料金プランを利用すること。夜間の電気料金が割安に設定されています。給湯器や洗濯機などは夜間に使うよう設定すれば、電気代を節約できます。
2つ目は、タイマー機能を活用することです。乾燥機付き洗濯機は、電気料金の安い早朝や深夜に洗濯から乾燥までを終えられるようにタイマーでセット可能。食洗機もタイマーで夜間に洗うよう設定するとよいでしょう。
3つ目は、調理器具の工夫です。煮る・炊くなど時間のかかる調理は電気代が高くなります。鍋を保温調理鍋や無水調理鍋、圧力鍋などにして、電気の使用時間を短縮すれば、電気代の節約につながります。

電気代を節約できる家の特徴

最後に、電気代を節約できる家の特徴を解説します。今後家を建てる予定の人はぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

断熱性・気密性が高い

屋根や外壁、窓の断熱性が高い住宅は、外気の温度変化が室内に伝わりにくいので、夏の暑さや冬の冷気を遮断してくれます。また、気密性の高い住宅は外気の侵入を防ぎ、室内の空気も外へ逃がさないため、冷暖房の効果が高くなります。

高断熱、高気密の住宅にすれば、快適な室温を保ちながら、電気などエネルギー消費量を減らせるでしょう。

太陽光発電・蓄電システムが付いている

家の太陽光発電を利用すれば、電力会社からの電気消費量を減らせます

太陽光発電や蓄電システムが付いて入れば、家中の電気を賄えます。
太陽光発電は、天気のよい日でないと電気を作れませんが、蓄電システムがあれば晴れた日に作った電気を雨の日に使うことが可能。太陽光発電・蓄電システムを活用すれば、電力会社からの電気消費量を減らせます。
また、災害などによる停電時にも、蓄電した電気を使えるので安心です。

HEMSが付いている

HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)とは、冷暖房や給湯、調理、照明など家庭内で使う設備をネットワーク化し、家庭全体のエネルギーを管理するシステムのこと。HEMSを導入した家をスマートハウスと呼びます。スマートハウスでは発電、蓄電、節電状況を一元管理し、テレビ・パソコン・スマートフォンなどで確認できます。

電気代の節約は、努力や我慢、家族の協力が必要です。うまくいかないこともあり、疲れて節約を続けられなくなることもあるでしょう。その点、HEMSは人が努力や我慢しなければならないことを、システムが自動的におこなってくれるので、無理なく節約が続けられます。

まとめ

夏の電気代を節約する方法は?

エアコンの設定温度は28度を目安にします。窓に断熱シートを貼るなどして熱が入らないようにすると、エアコンの温度を下げなくても快適に過ごせます。その際、扇風機を併用して冷風が部屋全体に循環するよう工夫しましょう。また、グリーンカーテンやよしずなど電気を使わないグッズでも暑さをさえぎることが可能。暑い空気を遮断すればエアコンの温度設定を控えめにできるので、電気代の節約になります。

冬の電気代を説明する方法は?

冬にエアコンを使う時にサーキュレーターを併用すると、暖かい空気が部屋中に循環し、早く暖まります。冷気は窓やドアの下から入ってくるので、断熱シートやすきまテープを貼って冷気を遮断するとよいでしょう。また、ホットカーペットを使ったり、電気こたつの下に床用断熱アルミシートを敷くと床からの冷気を防げるので、エアコンの設定温度を控えめにでき、電気代の節約になります。

家族で暮らす場合の電気代節約のポイントは?

家族全員が同じ部屋で過ごすようにすれば、照明や冷暖房が1カ所で済むので、電気の消費量を減らせます。洗濯は家族のものをまとめて洗い、タイマー機能を使って電気料金の単価が安い夜間や早朝に洗濯をおこなえば、電気代が節約できるでしょう。さらに、お風呂はできるだけ続けて入り、追い焚き機能を使わないようにするなど、家族で電気の使い方を話し合い、節約意識を共有することがポイントです。

電気代を節約するには、まずは契約プランを見直したり、セット割などが使える電力会社に乗り換えたりするなど、電気の使い方やライフスタイルに合う方法を探してみましょう。今回ご紹介した電化製品の使い方や節約ポイントを確認して、ぜひ生活のなかに取り入れてみてください。

前佛 朋子

執筆者

前佛 朋子

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者 家計コンサルティングZEN 代表

元々はライターだったが専門分野を持とうと考え、興味のあった金融知識を活かせるファイナンシャル・プランナーの資格を取得。Webコラムやメルマガなど金融関連記事を執筆するかたわら、安心とゆとりのある暮らしができる人を増やすために、家計見直しやライフプランなど相談業務をおこなう。ライフイベントに合わせて貯蓄や用途を分類するお金の整理を得意とする。保険や金融商品を売らないファイナンシャル・プランナーとして活動中。

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